美容師になってよかったこと

◆美に携われるすごく素敵な仕事!

ヘアスタイルはその人の印象、雰囲気、気分までも変える大事なポイントだと思います。だからこそ高い技術とセンスが求められます。私が仕事をする上で常に心がけているのは、そのお客様にとって一番だと思えるスタイルをどれだけ引き出せるかということです。どんなに綺麗なカットをしても、そのお客様に似合ってなければ意味がありません。お客様の美のサポートをするのってすごい事だと思います。私は、スタイリストとして初めてお客様の髪をカットした時の事を今でも覚えています。ものすごく緊張していて「気に入って頂けなかったらどうしよう」とドキドキしながらカットをしました。でもそのお客様が次に来店された際に言ってくれた一言が、とても嬉しかったのです。「切ってくれてよかった。評判よかったから」。私は初めてのことで喜びを隠すのに必死でした。今でもお客様本人が喜んでくれる事はもちろん嬉しいのですが、次に来店された時に、まわりの評判がよかったって言ってもらえることが私の自信につながります。ヘアスタイルは周りの人から見てもすぐに分かる所だと思います。朝髪をセットして決まっていると、1日気分が良くなったりすると思います。ヘアスタイルってその人の気分も左右できると思うんです。その人の美に携われるなんてないと思います。本当に美容師はすごく大事で、すごく素敵な仕事だと思います!これからもお客様の美のサポートをしっかりしていきたいと思います。

 

◆ブライダルから美容室への転職!

高校卒業後の進路に悩んでいたとき、大学に行くよりも色々な資格を取りたいという思いもあって専門学校に行く事を選びました。専門学校で何を学ぶかに迷っていた時、母の「あなたは何が一番好きなのよ」という一言で、「自分は美容がとても好きで、人に感動を与えられるお仕事につきたいな」と思い始めました。そこで美容でも何の分野に進みたいのか悩んでいたとき、友人の結婚式に招かれました。つい数日前も会っている彼女なのに、ウェディングドレスを着て現れた彼女は本当に綺麗で、それからはそのドレスのシルエットが忘れられませんでした。また、本当に幸せそうな彼女を見て、「この舞台の内側から関われる仕事ができたらどれだけ毎日が素敵だろう」と思ったのが、この仕事に興味を持ったきっかけでした。ブライダルのお仕事はきらびやかで、お客様に綺麗になって幸せな日を迎えられるのはとても凄いことです。そこに携われたらやりがいのあるお仕事が出来ると思いました。専門学校の卒業後は、ブライダルの分野の中でもドレスコーディネーター・ヘアメイク・ブライダルネイルの道に進もうと思い、ホテルに就職しました。しかし、配属されたのは美容とは全く違う宴会サービスでした。サービスをする楽しさはあったのですが、私がやりたかった仕事とはかけ離れており、転職を決めました。転職活動中、あるひとつの求人に目が止まりました。それが、ジュリアンマーラです。ジュリアンマーラではフロントをやりつつ、ネイリストやアイリストの資格も取得出来るところに魅力を感じました。普通はスクール通ったりしなければならないものですが、ここは興味があればネイルやエステの技術も教えてくれるのです。自分自身がきれいになることもお仕事のうちということで、施術費等は全て50%でできるのも魅力的でした。今はとってもやりがいのある職場に恵まれたなと感じています。

 

◆悩んだ末、スタイリストからのお店の顔へ!

私は小さいときからお人形の髪をさわる事がすきで、三つ編みにしたり、服を変えたりと、イメチェンを繰り返し遊んでいました。高校卒業後の進路を決めるとき、大学と美容学校のどちらへ進むか悩みました。高校2年生のときの担任の先生は進路についてすごく相談にのってくださり、「自分が今一番やりたいことは何?自分がやりたいことがあることは、素敵なことだよ。挑戦してみなよ」と言ってくださいました。この先生がいなければ、私は違う仕事をしていたかもしれません。美容学校は正直、練習も試験も確かにつらいこともありましたが、美容師免許の試験は今までで一番と言えるくらい頑張ったと思います。試験が終わった後は、まだ結果も出ていなかったのにクラスの友達と泣き崩れました。無事に美容師免許を取得できた時は、人生の中で一番嬉しかった一幕でした。美容室へ入社して、たくさんの先輩たちと出逢い、美容学校で教わった知識とお客様への施術は本当に違うんだと実感したり、同期の仲間と毎日切磋琢磨したりと充実していました。しかし、アシスタント業務もなんとか一通りできるようになった頃、私の手はひどく荒れていました。このまま美容師で大丈夫かな? なんて不安も出てきて、皮膚科の先生にも少し仕事をお休みすることを勧められました。自分の中で葛藤しましたが、結局、私は美容室のフロントという立場でみんなを笑顔にしよう! と決めました。はじめは、同期の子が活躍する姿を見て、私ももう一度やろうかな? 楽しそうだな……と思う日もありました。でも、今は「フロントの仕事はお店の顔! 受付を通るお客様を最高の笑顔でおもてなしをしよう!」と心得ています。毎月来てくださる方から予約のお電話があれば、お名前も顔も浮かぶので「こんにちは! いつもありがとうございます」と言えるようにもなってきました。また、そろそろあの方来るかなーとか、その後どうかなーなど、スタイリストではないですが、お客様のことを思い出して考えることもあります!また、やはり一番嬉しいのが、お客様も私のことを覚えてくださっている事。たくさんの出逢いを大切に、お客様もスタッフも心地よく居心地のいいこの美容室で働いている事を、誇りに思います!

 

◆母をきれいにできるこの仕事が好き

元々髪をいじるのが好きだった私は、最初はヘアメイクの仕事につくのが夢でした。中学の進路指導のときに、担任の先生から「ヘアメイクさんになりたいならまずは美容師になった方がいいよ」と言われ、高校を選び、その後専門学校に入りました。専門でいろんな美容の勉強をしていくうちに、美容の奥深さを少しだけ感じました。片親で学校を出してくれた母とは、「いつか髪を切ってね」「いつかね」と冗談混じりに話していました。そんな母にやっと髪を切ってあげられるようになったのは、専門学校をでてから5年後でした。それまでは同じく美容師である姉が切っていたのですが、姉が結婚を機に遠くに行ってしまったので、代わりに私が切るようになったのです。髪を切る時、母はにこにこしながら最近の話やわたしに対しての質問、ペットの話などしてくれます。お昼過ぎのこの時間、いつも忙しく動いているなかでとても貴重に感じています。もちろん、お客様をきれいにするお仕事なのですが、一番身近な女性、母親をきれいに出来るこの仕事が私は好きです。

 

◆必要とされ、笑顔になってもらいたい

私が美容師になったきっかけは、誰かの役に立ちたい。誰かに必要とされたい。笑顔になってもらいたい。という思いでした。私は小さい頃から天然パーマの強いくせ毛に悩み、中学二年の頃に、初めて縮毛矯正を体験しました。親と同じ美容室に行き、こんなくるくるな髪が真っ直ぐになるのかな。と初めは疑っていました。しかし数時間後、鏡の前の自分は見違えるくらい、サラサラで真っ直ぐな髪の毛になっていました。私は思わず笑みがこぼれ、担当してくれた美容師さんに、ありがとうございます。と心からお礼が言えました。悩みだったことが解消され、自然と笑顔が溢れる。こんな素敵な仕事がやりたい! その思いから私の美容師になりたいという夢がスタートしました。今は美容師3年目となりました。シャンプーを褒められること、仲良くなってもらえること、名前を覚えてもらえたこと。小さな幸せが私の美容師という仕事にやりがいを感じさせてくれました。3年目になり店舗移動になり、自分の指名のお客様と離れてしまうという状況になってしまいました。しかし私が移動してからも私を追いかけてきてくれる方がいて、とても嬉しくなりました。こんな私でも、やってもらいたい、と思ってついて来てくれる人がいるんだ、とほっとしました。まだまだ指名の数は少ないですが、私を信頼して私に会いに来てくれる方は私の誇りです。誰かに必要とされているということがこんなにも嬉しくて、誇りに思えることだと気づかされました。本来私が美容師になろうと思ったきっかけである、誰かの役に立ちたい、必要とされたいという原点にたどり着くことができ、美容師になって良かったと思いました。今はまだ経験が浅く、本当に心から感謝されるところまで自分の実力は達していないと思いますが、小さなことがたくさん積み重なって、いずれ私の実力が認められ、私の周りがお客様の笑顔でいっぱいになるようにしていきます。

 

◆笑顔を頂ける仕事

普段からガラの悪い感じのワタクシですか、お店で仕事してる時は85歳のお婆ちゃんに「先生、今日も宜しくお願いします。」とお願いされたり、10年位担当している29歳の○○君には「任せるんでサクッとお願いします。」と全てお任せされたりしています。毎回キチンとヘアカタログを持参して来てくれる23歳の○○ちゃんとは、毎回あーじゃないこーじゃないと話し合いながら試行錯誤の末時間かけて仕上げています。そしてお母さんに連れられてくる5歳の○○君は、動きまくるので切るのが大変でカットラインをキレイにするのに精一杯。ほかにも子育ての合間に急いでやって来る30代のママさん、仕事帰りに寄って下さる40代の○○様、仕事何してるのか謎ですが毎回平日の朝イチやってくる50代のおじ様。色々なお客様を担当させて頂いてますが、全てのお客様に共通するのが、お見送りする際に笑顔で「有り難う御座いました、また来ます」と言って帰って頂ける事。お金を頂けて最後に有り難う御座いましたと感謝して貰えるこの仕事、そんな仕事他にはそうないと思っています。その笑顔を頂けた時、この仕事をしてて良かったと思います。

 

◆母の一言で美容の道へ!

実は、私は元々美容師になるつもりはありませんでした。小学校から高校までバスケットボールに打ち込んでいた私は、普通に大学へ行って普通に就職をするつもりでした。しかし高校を卒業すると同時にバスケットが終わり、自分が必死になれるものがなくなったために全てにおいてやる気がでなくなりました。目標もなく無駄な時間を過ごしてしまい、大学を2年間でやめることにしました。もう一度自分のやりたいこと、自分にできることを考えてみました! そして母親から自分では想像をしてなかった美容師への道を勧められました。当時私の美容師への印象は、オシャレ・カッコイイ・華やかといったイメージと、なにより休みもなく忙しそうという感じでした。また、技術職だから大学に通っていた私が目指すにはすでに遅いのではないかという不安もあり、なかなか気が進みませんでした。しかし、母の「私はカッコイイ人もいいけど、美容師さんと仲良く話したり、緊張感なく自然体になれる人に担当してもらいたいのよ! あんたはそういう美容師さん目指してみればいいんじゃない!」という言葉に、今まで考えてた不安がなくなりました!お客様を楽しませるのに年齢は関係ないし、普通の人よりも学生経験が長い分、いろいろな話もできる! それになにより人の話を聞くのが好きな自分にはピッタリだと思いました!自分が美容師になった今、技術はもちろん大切で、お客様に綺麗になっていただいてこそ美容師ですが、母の言うように楽しい時間を過ごしたい! 自然体で美容室に行きたい!というこの言葉がどれだけ大切かということがわかりました!やっぱりお客様の話を聞いたり、楽しい時間を過ごせると私もやりがいを感じます! お客様の笑顔が本当に嬉しいです。お客様の反応をその日に感じられる美容師は本当に幸せな仕事です! きっと普通に大学に行っていたら、このお客様の笑顔は見られなかったと思います!たくさんの方々と毎日出会い、毎日楽しく働ける美容師という仕事! 私は美容師になって本当によかったです!

 

◆祖父孝行ができた

私が美容師になりたいと思ったのは中学1年生の時でした。もともと髪の毛をいじるのが好きで、前髪を切ったり、髪の毛をアレンジして学校に行く毎日でした。喜んで貰えるのが嬉しくて、友達の髪の毛も三つ編みにしたりもしていました。美容師の夢以外考えていなかった私は、高校のときに父親の反対を押しきって勝手に願書を出しました。美容学校の二年間は本当に楽しかったのですが、美容室に入って下積みのアシスタント時代は本当に大変で、スタイリストになったら辞めてやると思っていました。でも、スタイリストになって沢山のお客様と出会う度に、美容師の仕事の楽しみや喜んで貰える事の嬉しさをしり、辞めたいという気持ちはなくなりました。デビューして2年がたったある日、久しぶりに祖父の家にいきました。母に、足が悪い祖父の髪の毛を切ってあげたら? と勧められたのです。祖父は足が悪く、いつも送迎つきの床屋に行っているそうですが、その日の祖父の頭は髪の毛が伸びきってボサボサでした。祖父はカットの間ずっと目を瞑っていました。祖父のカットをするのは初めてで、頭の形や毛量が多いところが弟とソックリだなぁと思いながら進めました。祖母がじいさん良かったね~嬉しいね~と話しかけると、祖父は目を瞑ったまま口元が笑っていました。私は子供の頃、弟が病気がちでよく祖父の家に預けられていたので、習い事のピアノも祖父の家から通ってきました。祖父のバイクの後ろに乗って畑に行くのが楽しみだったことを思い出しました。デビューしてから2年、沢山のお客様に出会って沢山の学びや嬉しい事がありましたが、一番お世話になった祖父母の髪の毛を切ったことが無かったことに申し訳なさを感じつつ、祖父の目を瞑ったまま笑う横顔をみて、やっと祖父孝行ができたと思いました。自分が習得した技術で、こんなにも喜んで貰える仕事、これからも美容師はやめられないと思います。美容師になって本当に良かったと思えた瞬間でした。

 

◆家族以上の存在、魔法にかけられたようなお店

お客様の髪をきれいにしたい! 毎日お客様をきれいにしたい! お客様を笑顔にしたい! ……そんな思いから、12年。何千人、いや、何万人のお客様を担当させていただいたでしょう。緊張していてガチガチだったシャンプーデビューのお客様。「こんなに気持ち良いシャンプーはじめて!」と初めて褒めてくださったあのお客様。先輩スタッフが遠くで見守る中、震える手で初めてのカットさせていただいたお客様。すべての初めては場面だけでなくお客様も明確に、鮮明に覚えています。すごく華やかに見える美容師の世界ですが、華やかな裏側には毎日の忙しい営業と終わってからの練習があるのです。体力には自信がありましたが、毎日早朝に出勤して1日立ちっぱなしなうえ、営業後は練習をし、体はボロボロ。何度も自分に負けて逃げ出してしまいたいと思ったことは数え切れません。しかし、私が12年ものあいだ美容師として逃げ出さず、働けてこられたのは、私がこのお店ZIPで働けているからだと、常々思っています。この12年、色々な思い出がありますが、何度目を腫らして泣いたかわかりません。嬉しくて泣いて、悔しくて泣いて。いっぱい、ここZIPで泣いてきました。私の中ではZIPは20歳を過ぎてからの青春の一ページなのです。共に支え合って頑張った同期や仲間、ZIPに通っていただいているお客様、ZIPが良くなるためにと遅くまでお付き合頂き、勉強会を開いていただいている業者の方々、それに何と言ってもこのZIPを30年間という長い年月続けてこられた社長にチーフ。誰か一人でも欠けていれば、私は美容師をやめていたかもしれません。スタッフは家族以上の家族だと思っています。社長とチーフは仕事を始めてから生まれ変わらせてくれた父と母。毎日切磋琢磨し、共にお客様の笑顔の為に働いた同僚は、新しくできた兄弟です。今の私があるのはみんながいるから。こんなに愛情たっぷりの仕事場に居られることを幸せに思います。この出逢いこそが、私の美容師になってよかったこと。人の巡り会いは、心を優しく元気にします。「ZIP=元気」。社長が掲げたお店の由来。お客様もスタッフもここZIPに来るだけで魔法にかけられたように自然と笑顔になれてしまいます。この奇跡のZIPがあと10年、20年、永遠と続けていけるようここで働き続けます。

 

◆病院にできた私の臨時美容室

私が美容師になって8年が経とうとするときのことです。そのときの自分は、ただ同じようにすぎていく毎日に飽きてきてしまい美容師を辞めようかなと思っていました。そんなとき母が腰を悪くして入院することになりました。母が入院した病院は大きい総合病院だったということもあり、色んな患者さんがいました。いつも通りお見舞いに通っていたとき一人の女性とすれちがいました。その方は帽子をかぶっていましたが、よくみると髪の毛がばらばらにカットされていました。少し気になって近くの看護士さんにその女性のことを尋ねてみました。「あぁ、あの方ね。自分の髪質が変わっていくのが嫌でざっくり自分で切ってしまったんですって。」「ここに美容室ないんですか?」「なくはないけどあんまり行きたくないんじゃないかしら」さすがに自分の職業柄あまり無視できなかったのですが、いきなり声をかけるのも申し訳ないのでそのことを母に話したら、「気になるならあんたが切ってあげればいいじゃない」と、言われたので、看護士さんから伝えてもらって様子をみることにしました。数日後、許可をいただき準備をしてその病院に。看護士さんにお部屋を用意してもらいそこに足を運ぶと、この間の女性が帽子をとって待っていました。帽子がないと自分で切ったバラバラ感がさらに強調されていました。「すみません、こんな気を使っていただいて。」申し訳なさそうにその女性は言います。「いえ、自分がやらせてもらいたいと思っただけですから」看護士さんが用意してくれた部屋にはシャンプー台もありました。これはすごいと思いながら、シャンプーとカットをしました。施術の間その女性は嬉しそうに色んな話をしてくれました。同じように美容室に行きたくても行けない患者さんが他にもいたようで、気づけばいつのまにかそこに臨時美容室ができていました。それから母の見舞いに行くたびに誰かしらの頭を洗ったり、少しカットしたり。仕事以上に忙しかったかもしれません(笑)そうした生活がしばらく続き、母が退院の日になり私の臨時美容室も最後になりました。最後のお客様は高齢の女性でした。しばらく髪の毛をいじっていなかったようで、すごくやりがいのある髪型をしていらっしゃいました。「よろしくお願いします」その方はあまり話さずただじっと私の動作を見ていました。すべて終わり鏡を見せるとその方は私の手をとり目に涙を浮かべながら、感謝の言葉をくれました。「あなたのこの手はすばらしい手ですね。この仕事はきっとあなたにとって天職だと思うわ。」そういって握ってくれた私の手はぼろぼろでした。母が入院するまでしばらく手荒れなんてしていなかったので自分でもその状態に気がつきませんでした。その次の日、彼女は天へ逝ってしまいましたが、ご家族から看護士さんづてに手紙をもらいました。「あの時はありがとうございました。あなたのおかげで母はすごく安らかな顔で逝きました」思わず涙が溢れました。何気なくすごしていた日常にようやく意味を感じた瞬間でした。それからも私は美容師を続けています。つらいときはその手紙を見て勇気をもらっています。自分のこの手が動く限りこの仕事を続けて行こうと思います。なんていったって、私の天職ですから。

 

◆美容師の私が祖母にできたこと

私は美容師になって8年になりますが、いつも美容室に来てくれていた祖母が、体調を崩して動くことすら困難になってしまった時がありました。いつもどんな時でも「何歳になっても綺麗でいなきゃいけない」と言っていた祖母。シャンプーですら体を動かすことすらできなくなった頃、私にできることはないのかと悩みました。美容師になった私にできることは、どうしても妥協したくない。その3週間後に米寿のお祝い会を親戚みんなで集まって開催する予定でした。しかし祖母はヘアカラーも伸びっぱなしで真っ白な白髪も生えたままの状態のままでしたので、一生残る写真を撮るお祝い会でそのままではいけないと思いました。私なんていいと弱気になっていた祖母にヘアカラーとブローをして整え、当日は万全の体勢で迎えることができました。その時、私は美容師でよかったと感じました。今まで育ててもらったお礼を何もできず過ごしてきたけれど、自分のできることで力になれることができるなんて。身近すぎて時間に追われて過ごした中でほんの些細な事でも、美容師になってよかったと感じた瞬間でした。

 

◆自己満足かもしれないけれど

美容師の仕事とはなんだと思いますか?髪の毛を切ること? 髪の毛を染めたりパーマをかけたりすること? 合ってはいますがそれは技術ですね。お客様をキレイにかわいくすること? 流行に合ったスタイルにして今時にすること? 一理ありますがまた違いますね。よくこういった質問を美容師や他の職業の方々にします。大体は右記のような答えが返ってきますが僕の中では、また違った答えがあります。それは「来た時と帰る時、全然違うお客様で帰ってもらう」というものです。じゃあ1~2センチしか切らない人は? 根本しかカラーしない人は? シャンプーブローする人は? 等と思うかもしれません。確かにそういったお客様は外見の変化はさほどないかもしれません。ですが根底はそこでは無いのです。なぜ1~2センチだけカットをしに来るのでしょう? たかだか1~2センチと思われるでしょうが、切るか切らないかで、スタイリングのしやすさや乾かしやすさ、手入れも変わってきます。それが普段の生活を変えています。根本のカラーリングもそうです。もし急に誰かに会わなくてはならないとしたら? ずぼらだと思われたくないとしたら? そんな不安を解決し、安心した毎日に変えることができます。シャンプーブローはどうでしょう? 出かける用事も無いとしたら? それはただただシャンプーしていれば変わりません。ですがシャンプーをしながら頭のコリ、髪の痛み等を感じ、それをケアします。そうすることで少しですが良い方向に行くのです。たかがそれだけと思われるかもしれませんが、とても大事なことだと思います。他にももっとありますが、これが僕の言う「違うお客様にする」ということです。美容師は職人だと言われますが、髪型を作り上げるだけが美容師ではありません。限られた時間の中でいかにお客様を良い方向に向かわせるか。気づかれても気づかなくても構わないのです。これは僕の持論と言うか信じていることになってしまうのですが、人間は誰しも《今よりも良くなりたい。》と思っています。人間関係、お金、恋愛、容姿、仕事、技術等々…それぞれ違いはあれど前に、上に向かっていきたいと。自己満足だと言われるかもしれませんが、これが僕が美容師になってやりたかったこと、なってよかったなと思う瞬間です。

 

お客様との感動エピソード

◆お客様がデビューを喜んでくれた

容師を志してから7年、やっと美容室で働けるまでになりました。4才年上の姉が幼い頃から美容師になりたいと自分の髪の毛を巻いたり編み込んだりしているのを間近で見ていた私は、いつしか自分もアレンジを真似るようになり、友人の髪の毛をセットするのが好きになっていました。今思うと姉の存在はかなり大きかったのではないかと思っています。その姉は高校に通いながら美容室でバイトをしていましたが、大学ではなぜか保育の道に進みました。私も不思議に思っていましたが、1年半後、やっぱり大学を辞めて美容師になりたいと言い出したのです。当然両親は怒り、数日話し合った結果、姉は大学を卒業してから美容学校の通信課程に通いつつ美容室で働きました。遠回りをしたおかげで私とスタイリストデビューを競うぐらいです。この話をある女性のお客様にしたことがあります。その方は私が入社する前から通ってくださっているお客様で、私はそのお客様の担当スタイリストに、アシスタントとしてついていました。物腰が柔らかく、年下の私にも敬語を使ってくださるような丁寧な方でした。毎回シャンプーをさせていただいて、いろんなお話をしてくださいました。私は入社して3年でスタイリストオーディションを2回落ちていました。しかし落ち込んではいられないと、2週間後に3人目のモデルで2週間後に再度オーディションを受け、結果合格。やっと受かったー! と友人や家族に連絡をし、お客様にも何人かお伝えしました。数日後、フロントスタッフに呼ばれて向かうとあのお客様がいらしたのです。びっくりしてうかがうと、かわいらしいピンクの花束とお手紙をくださいました。スタイリスト試験合格おめでとうございます! と涙を浮かべながらお祝いしてくださいました。私も嬉しくなり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。お客様が帰られてから私は手紙を読みました。その手紙には本当によかった、本当におめでとう。お姉さんとのお話も聞いていたし、あなたの成長が見られて私は嬉しいです。と書かれていました。月に一度しか会わない美容院のスタッフにこんな暖かい手紙をくれるなんて、と一人涙が流れてしまいました。この手紙は一生残しておこう、と思いました。ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

 

◆お客様と思いを共有

とりの看板を見ていた女性がいました。「何か、気になるメニューはあります?」私がそう話しかけると、女性はこう話し出しました。「実は私は髪の毛が薄くて悩んでいるんだけどね。育毛促進のものを使ったり、そういったサロンにも通っているんだけど……なかなかね。もうかなりの金額をかけたのよ」聞いてみるとなんと数百万以上かけて育毛しているとの事。そこで、ヘッドスパのお話をさせて頂きました。「よろしければ、うちの炭酸ヘッドスパを一度試されてはいかがですか? 髪の状態や頭皮の血行促進にもいいので、少し改善されるかもしれませんね」「そうね、一回、時間がある時にでも来てみるわ。なにかパンフレットはないかしら?」そしてパンフレットをお持ちになり帰られました。しばらくして、一本のご予約の電話が鳴りました。そのお電話は、先日お話させて頂いた女性だったのです。ヘッドスパに来たい事、また髪の毛が薄くて思ったスタイルが出来ない事。色々お話を伺いました。そして、予約当日、あまり人が集まる席ではない、少し奥のお席で施術させていただきました。それからその女性は毎週2回いらっしゃるようになり、同じく薄毛に悩んでいる娘さんもご一緒にいらっしゃる日が続きました。そして半年が過ぎた頃。なんと毛が生えてきたのです! 細かった毛もしっかりとしてきました。「髪がすごくしっかりされましたね」と声をかけると、嬉しそうに「そうなのよ! 本当に自分の毛に張りが出てきて、前より強くなってきたのよね。あの時話して、来て本当に良かったわ! 外を歩くときは帽子ばかりだったけど、少しだけ被らなくなってきたのよ。ありがとうね」とおっしゃいました。そして、今度娘さんと温泉に旅行に行くことなど、本当に楽しそうにお話くださいました。ほんの少しのきっかけで、その方の気持ちが前向きになれる。そういう事がとても嬉しいし、もっとゲストの方と近づけて、色々な思いを共有出来るスタッフになりたいと思います。

 

◆友達もお客様も大切にする気持ちは一緒

うちのお店では外を普通にあるいている方に声をかけ直接美容室にきてもらう、ハントという集客をしています。この集客が本当に私は苦手でした! まったく美容室に行く気がない方に声をかけるんです! 普通に声をかけて来てくださるのは本当に僅か! うちのお店ではこのハント集客を1カ月で100人にやります! 私は本当に心が折れそうでした。100人なんて無理! と何度も思いました。結局、100人集客は成し遂げることができませんでした。しかし、2年目になり私にも後輩ができました! 後輩の指導もやりつつ自分のこともやらなきゃいけない。後輩ができてないことは先輩の私もできてないこと! そう考えるようになりました! 100人集客も私ができてないのに後輩ができるわけありません! 後輩を育てるためにはまず、自分が成功させようと思いました!私は本気でハント100人をやることをオーナーと約束し、なにがなんでも成し遂げる為に必死で街を歩く人に片っ端から声をかけ、なんとか残り5日で80人の集客をしました。が、足りません。どうしても私は100人を達成させたく、小学生の頃からの友達に相談しました。友達にとってこの100人集客は全く無関係なのに、お客様を紹介してくれたり、周りの友達にも声をかけてくれたりしました! お客様として来店してくれるだけでもありがたいのに本当に感謝でいっぱいです! 本当に感動しました!友達の協力もありなんとか100人ハントを達成させることができました。おかげで自分に自信をもつことができるようになり、お客様一人ひとり、全てのお客様が本当に大事なんだとも気付かせてもらいました! この経験を後輩に伝えていくつもりです!仲の良い友達も、美容室にご来店すると友達からお客様に変わります。友達とお客様、呼び方は違っても大切にする気持ちは一緒です! 本当にありがとう!!

 

◆感謝という言葉では表せない出逢い

私が美容師になって二年目の夏、あるMさんというお客様と出会いました。それは私がまだアシスタントで、駅前でリーフレットを配っていた時です。駅の階段からいかにもバンドマンという感じの、派手な風貌で、正直ガラの悪そうな男の人が降りてきました。最初はまじまじと見てしまいましたが、近づいてくるにつれて目をそらしました。怖かったからです。でもその男の人が真っ黒で目が見えないサングラスをしたまま「美容室~?」って話しかけてきました。私はリーフレットを渡し、その場で髪の毛のお話をしました。次の日、同じ場所でリーフレットを配っていたら、またその男の人に会いました。2日連続にもなると、昨日に増してお話が進み、私がアシスタントのためまだカットが出来ないと言ったら、「じゃあヘッドスパやって」と言われました。そのまま一緒にお店に戻りました。そのド派手な金髪頭でロン毛、腰にはジャラジャラしたものをぶらさげている男の人を、先輩スタッフもビックリした顔でみていましたが、席についてサングラスを外したその人は意外にも優しそうなタレ目でした。カルテを書いてもらい、Mさんのヘッドスパを担当しました。シャンプーも気持ち良く気に入って貰えたみたいで、これからは指名でくるからね、と言って頂けました。その後、1ヶ月に何度もヘッドスパに来ていただけ、すっかりお店のスタッフとも仲が良くなってました。ある日、Mさんが、失敗してもいいから髪の毛切ってよ、あと矯正も。といってくれました。さすがにまだデビュー前なのにそれは出来ませんと言っても、失敗しても怒ったりしないから大丈夫、君にやってもらいたいと言ってくれました。それを聞いていた先輩が、もうすぐデビュー出来るくらいの技術まで身に付いてきてるし、見ててあげるからMさんの優しさに甘えて練習させてもらいなとまさかの初カット担当をすることになりました。矯正も毛先の金髪部分にはできるだけつかないようにと、緊張しながらなんとか無事におわりました。カットは時間もかかり、自分の未熟さと、応用力の足りなさに気分は落ちていましたが、Mさんは「○○ちゃんにやって貰えてよかった。これからは専属でお願いね。失敗しても俺の髪の毛は気にしなくていいから、成長するための練習にいくらでも使って」と。駅であったときは目をそらすくらい怖かった男の人が、まさかそんな事を言ってくれるなんて思いませんでした。この人の為にも早く一人前のスタイリストにならなくてはと思いました。その後、スタイリスト試験に受かり、堂々とMさんの担当をできるようになりました。移動しても付いていくからと、その後四店舗の移動がありながらも、全て私がいる店舗に来てくれています。私が美容師になって、沢山のお客様と出会った中でもMさんはアシスタント時代から、感謝という言葉だけではとても表せないくらいの人です。これからもMさんの生涯の美容師でいられるよう、頑張っていきたいと思います。

 

◆どん底の自分を救ってくれたお客様

私は宮崎出身なのですが、千葉で美容師になるのが夢でした。というのも、私は今現在も生きがいと言えるくらい長年大ファンのアーティストがおり、そのアーティストが自身の出身である千葉を凄く愛しているため、私も千葉で沢山の人を綺麗にかっこ良くしたいと思っていたのです。そして8年前、就職のため、宮崎から何も知らない千葉に飛び込みました。少し動機は不純なのかもしれませんが、どんなに辛いことがあったとしても千葉なら乗り越えていける気がしたのと、楽しくすごせると思って引っ越しました。なので毎日何もかもが初めての事ばかりで、出会いの繰り返しでした。就職先である美容室のお客様の中には、私が大ファンのアーティストが所属するグループのファンの方や、ほかの共通点がある方もおり、凄く充実した毎日でした。しかし二年前の秋、そのアーティストがグループから脱退、所属事務所も解雇となる大事件がおきました。その知らせを聞いたとき、私は泣き崩れながら過呼吸になるほど取り乱してしまいました。私の活力であった全てのものが崩れ落ち、今までの人生の中で一番のドン底に落とされました。ファンの友達や、両親からも心配の連絡が沢山来ましたが、私はドン底に落ちすぎて全ての連絡を断ちました。もう前が真っ暗で地元に帰るべきかとも思っていました。数日後、同じように別のアーティストを応援している私のお客様が突然来店されました。そのお客様は私がアシスタントの時からカットデビューを応援し続けてくれた、長くお付き合いのある方で、その日はカット等の用事がないのに、私を心配して、姿を見たくて駆けつけて来てくれたようです。私が姿を見せると、そのままなにも言わずに抱きしめられました。そのお客様は凄く震えて、涙を流していました。そのお客様にこう言われました。「Nさん、お願いだから絶対に千葉から離れないで。Nさんにとってその人が大切であるように、私の大切な髪の毛の担当はNさんであって、Nさんの代わりは誰にもできません。私にとってNさんはそれほど大切で大好きな存在です。私はずっとNさんに髪を切ってもらいたくてずっと信じて待ち続けて、今こうしてカットをしてもらえてることが幸せなんです。だから次はNさんが待つ番です。その人が再出発するまでいくらでも一緒に待ちましょう。もし心が折れそうになったら私がついてます。支えます。だから絶対に千葉から離れないで。何年かかっても一緒に乗り越えましょう。Nさんになら出来ます。また、笑顔でその人に会えるのを信じてます」。それから1年後、私が応援しているアーティストは活動再開を果たしました。その時もそのお客様は喜んでくれて、抱きしめてくれました。あの時、ドン底になった時のお客様の言葉が今でも忘れられません。その言葉があったから私は今でも千葉で美容師を全うできています。Aちゃん、本当にありがとう。

 

◆13年間ずっと通ってくれている

美容師になってかれこれ20年が経ちました。振り返ってみると沢山のお客様との思い出があります。そのなかでも最近の嬉しかった話をさせて頂きます。Kさんとの出会いは、彼女が高校生の時、友達の紹介で髪を切りに来てくれたところから始まりました。最初のオーダーはヘアカタログ持参で「これにして下さい!」だったと思います。チャチャッと仕上げて鏡をみせた時に、彼女は「良く判らないのですが、次はどのくらいで切りに来たら良いですか?」と聞いてきてくれました。その時の僕の返答は「俺カット上手いんだけど、ショートだから2ヵ月しかこの髪型を維持は出来ないと思う。だから2ヵ月以内にまた切りにきてよ!」だったと思います。今考えたら、お客様相手にどんだけ上から話してんだよって感じです……(汗)しかしそれからKさんは13年間ずっと来てくれています。彼女が部活で怪我した時も、好きな人に振られた時も、受験に失敗して浪人した時も、志望していた大学に入学した時も、成人式に向けて髪を伸ばしている時も、彼氏が出来た時も、旅行に行ったあとも、就職で内定した時も、職場で精神的に参ってしまい休職して引き込もっていた時も、そして僕が違う店で働きだした時にも、決まって2ヵ月に1回、僕の所に切りに来てくれます。今ではどんな気分かだけを聞いて、あとは全て僕にお任せのスタイル。切るのも染めるのもパーマかけるのも季節や流行りに合わせて勝手にやらせて貰っています。そんな彼女も彼氏の転勤・結婚と転機がやってきました。まるで娘を嫁に送り出す気分です(笑)先日Kさんが来てくれた時に「無理を承知でお願いするんだけど、結婚式の日どぉ~しても○○さんに髪やって貰いたい。」と言ってくれました。そして「今迄 嬉しい時も、哀しい時も、○○さんに髪切って貰って気分変えて次に進んできたから、ここ一番って時はヤッパリお願いしたい!」と。営業中だというのに、危うく涙を流すところでした。勿論即答でOK!! 嬉しかったなぁ~♪

 

◆お客様に信頼される関係

私が店長を務めるお店がオープンして2~3ヶ月たった、ある日のことです。サロンには2回目のご来店で、私が担当させていただくのは初めてのお客様が来られました。お客様は40代の女社長。とてもキレイな方でした。カウンセリングの最後に言われた一言に、私はドキッとさせられました。『私は気に入ればずっと通いますから』。店長になりたての私は、ただでさえ毎日緊張の連続でしたが、その一言を言われた時は、一瞬、自分の顔がひきつったのを今でも覚えています。結果的に、そのお客様にはあれから7年たった今でもお越しいただけています。あるとき、そのお客様が髪の毛を『切っちゃおうかな~』と言うので、私は反対をしました。以前は髪の毛を伸ばすとおっしゃっていたからです。そのときは軽いケンカみたいになりました(笑) 最終的に切らないことになり、少し不服そうなご様子でお客様はお帰りになりましたが、1ヶ月後にいらっしゃった時には『あのとき止めてくれてありがとう。切らなくて良かった』と言っていただけました!お客様と美容師は、お友達とは異なりますが、定期的に会うことができます。いい距離感があるからこそ、アドバイスができて信頼されるのだと思っています。

 

◆お客様の変化を目の当たりにできる素敵な職業

「まつ毛エクステの予約をしているNと申します」。その日お店に入ってきた女性は、とてもおとなしい、少し暗~い感じの方でした。ちょっとおとなしそうだけど、帰る時には最高の笑顔でかえってもらうぞ!! と心の中で思いました。私はあまり笑わない人ほど笑わせたい! と思ってしまう性格なので、闘志が沸きました! 実際お話してみると、すごく優しい笑顔でたくさん話してくれました。ご来店頂いた時の表情が強ばっていたのは、前にまつげエクステをつけたサロンで、ご本人がとてもコンプレックスを感じている目元について、ちょっと酷い事を言われて凄く傷ついてしまったらしく、少しトラウマになってしまったのが原因だそうです。私にもコンプレックスがあるので、その気持ちはとてもよくわかり、お話を聞いているうちに少しずつ私に心を開いてくれたように感じました。その日の仕上がりは気に入って頂き、帰り際に「またお願いします」と次回の予約もしてくださいました。Nさんは男性が苦手だそうですが、次回は合コンをするため可愛くして欲しいとのこと。それはそれは、私も嬉しくて、いつも以上に可愛く綺麗にしよう! と気合が入りました! 当日の施術も気に入って頂き、最初いらっしゃった時とは別人のようにルンルンで帰って行かれました! 一カ月後にまた予約をいただき、お話をするのを凄く楽しみにしていました!ご来店された時、なんか雰囲気が違うなぁとは思いましたが、施術中に話してくれた合コンでの出来事を聞きながら、私はNさんに彼氏ができたことを察し、嬉しくなりました。やがて、Nさんは人生最大のイベント、結婚式を迎えられました! そして今ではお腹に赤ちゃんがいて、体調の良い時に来店してくださっています。もうかれこれ3年位のお付き合いになりますが、この3年間で、一人のお客様の変化を目の当たりする事ができて、美容師って本当に素敵な仕事だなと改めて思いました。もちろん良いことだけではなく、辛いこともたくさんありますが、私にとって、お客様の幸せ・笑顔が一番の励みだなと思いました。私は途中ブランクがあったけど、8年間美容師をしてきて、本当に色んなお客様に出会ってきましたが、その人それぞれ生活や環境が違うので、そのお客様に合わせた施術、接客をして、もっともっと多くの方に信頼される美容師を目指します!

 

◆なくてはならない職業ではない。けれど・・・

かれこれ5年程のお付き合いになるお客様から、「Yちゃんにお願いしたいお友達がいるんだ」と言われたのが、そのお客様との出会いでした。まつげエクステを行うアイリストのお仕事を始めてから、お客様から紹介して頂く事は珍しくないですが、どこか深刻そうな話し方だったので、どんな方なのだろう……と少し気にかけていたような覚えがあります。ある日、常連のお客様と共に来店された不安げなお連れ様。その方が、ご紹介頂いた方でした。表情は固く、下を向いていて、正直、すごく暗い印象。カウンセリングをしていくと、どうやら数年前に乳がんを患い、抗がん剤治療の為、全身の体毛が全て抜け落ちてしまったとの事。今は回復しているし、髪の毛やまつ毛も元通りですが、自信が戻らずメイクもあまりしない毎日。気分も落ち込みがちで、外に出る機会もないそうです。どうすれば自信が戻るか、心から笑って頂けるか、私の仕事がどこまで活かせるのか・・・考えながら施術に入りました。まつ毛エクステを付けながら、病気の事、家族の事、オシャレや美容の事など、時間いっぱいお話して頂きました。「Yちゃん。私ね、病気をしてから鏡見るのがとっても嫌なのよ」。はっ、としたと同時に、私はとても悲しくなりました。女性にとって、鏡を見ながら髪の毛をとかしたりメイクをしたりすることは、当たり前だと思っていました。道を歩きながらショーウインドーに写った自分の姿を目で追ったり、トイレで手を洗うときに鏡で容姿を確認したりする事、ましてや、美容室に行って、鏡が正面になる事に違和感ないですよね? しかし、そのお客様は反射的に「見たくない」と思ってしまうみたいで……。私が「当たり前」と思っていたことは当たり前なんかではない。「当たり前」なんてないって、本当に理解した瞬間でした。だから絶対、今日からは鏡を見て欲しい。鏡が見たいって思って欲しいと思いました。その方は、話してみるとチャーミングで明るく、太陽みたいな女性でした。家族思いの、理想的なお母さん。きっと自信の無さから隠れてしまっている、本当の性格や長所……。病気を患った時の恐怖・ショックから、不安定になり、心に影が落ちてしまったけれど、その影を失くせるのは、私かもしれない。施術に対して喜んで頂く事はもちろん、毎日明るい気持ちで過ごせるようにお手伝いしたい思いで、1本1本施術させて頂きました。いよいよ、確認して頂くとき、ぎゅっと一瞬目を瞑って、「緊張するね」と笑うお客様。私も緊張しました(笑)

そして、鏡をみて「綺麗……久しぶりに自分の顔を綺麗って思った」と言ってくれたのです!!!本当に本当に嬉しかったし、鏡を離さず、じっと目元やお顔全体を笑顔で見ているお客様に、胸が熱くなりました。「毎月通います!」と言ってくださったとき、私がアイリストをやっていて本当に良かったと思えました。毎日、毎回、手を抜いて施術をしているつもりは全くありません。全てのお客様に対して、喜んで頂ける施術や接客を心がけています。ただ、コンプレックスやその他様々な理由から、自信を無くされたお客様、予期せぬ出来事から外に出る楽しさや美容に対する心の余裕を奪われたお客様の、これからの人生に前向きな考え・希望・楽しみ等が1つでも多くなるきっかけをつくれているのだと実感しました。アイリストは、美容師や医師などと違って、「なくてはならない職業」とは違います。でも、私たちの接客や施術で元気で明るく過ごせる方がいること、「やっぱりまつ毛エクステがないとテンションあがらないよね~」と言ってくださる方がいることで、「なくてはならない職業」に一歩ずつ近づけている気がします。美しさとは心も身体も健康であり、美容とはその両方のお手伝いが出来る素晴らしい職業なのだと、お客様に再度教えて頂きました。これからも一人でも多くの方に、美容の楽しさ、大切さを伝えていきたいです。

 

◆10年以上もお客様の成長に携われる幸せ

今から10年以上も前に出会った、当時高校生の一人の男の子がいる。当時の私は入社2年目でやっとカットの練習をしはじめ、ウィッグを使っての練習が終わり、実際に人の髪を切る練習をするところだった。道を歩いている彼に声をかけてカットモデルをお願いしたところ、いつも床屋さんのため美容室は初めてで緊張するからと、お母さんと一緒に来店してくれた。まず髪型を決めるも、自分の似合う髪型や、髪質に合うものもわからないのでなかなか決まらない。お母さんと三人で時間をかけて、スタイルを決めていった。床屋さんと美容室では、シャンプー台の違いが一番大きいのかもしれない。シャンプー台でも緊張して体に力が入っていて、耳も真っ赤になっていた。カット時も、色々と話しかけてみたものの、慣れない雰囲気に落ち着かない様子だった。しかしカットを終えて鏡を見せた時、彼の顔が一瞬緩んだ気がした。それから彼は毎月カットにきてくれるようになった。最初は口数が少なかったが会う回数が増えるたび少しずつ打ち解け、お任せが多かったカットも次第に自分でやりたい髪型を探してきてくれるようになった。出会った頃のあどけなかった彼が、どんどん大人になっていくのを感じていた。彼から受ける毎回のヘアチェンジオーダーが楽しみでしょうがなかった。就職活動時期になると、バッサリとリクルートカットに変身した。高校時代からの夢を叶えた彼は、今現在母校で高校生に英語を教えている。彼の大きな変化の時期に触れ合うことができた数年間。私にとっても、彼とは美容師として成長できた素敵な出逢いだった。先日、いつも通り彼から予約を受けて待っていると、彼の後ろにくっついて歩く可愛らしい女の子がいた。挨拶をすると、彼から、「結婚することになりました。ずっとお世話になっているので、会わせたくて、連れて来ちゃいました」。予想していない出来事だったので、びっくりしてしまった。さらに、「実はパパになるんです! なので、家族三人これからもお願いします。僕、他の人にはカットしてもらいたくないので!! これからも、よろしくお願いします」びっくりと嬉しさで、涙が出てしまった。あんなにあどけなかった彼が、ずっと夢だった仕事につき毎日忙しく働き、素敵な人に出会い、守るべき家族が増える。美容師として会えるのは一ヶ月に一回だけだけど、こんなに近くで彼の成長に携われて、本当に本当に幸せだ。新しい家族に会える3ヶ月後が、今からとっても楽しみだ。

 

◆美容室が大嫌いな女の子

もうすぐスタイリストになろうというアシスタントだったある日。美容室の営業が終わり、その日SNSでカットモデルを約束していた方を待っていました。するとお母さんに手を引っ張られながら、いかにも今どきの高校生といった女の子がドアの前に立っていました。「ほら、早く入りなさい。せっかく髪を切ってもらうんだから」と嬉しそうに話すお母さんとは対照的に、女の子は怪訝な表情を浮かべていました。お母さんは外で待つと言い、女の子が席につきカウンセリングをした所、絶対に肩より上にはしたくない、それ以外はなんでもいいということでした。切り始め少し経った時に「美容室にはよく行くの?」と聞くと少し間をおいて「行きたくないのに連れていかれる」と答えが返ってきました。「美容室が嫌い?」「大嫌い。」この会話を最後に僕はなにも言えなくなってしまいました。カットをお母さんが戻ってくると、「キレイに切ってもらえてよかったわね。ほら、お礼を言いなさい。」と促された女の子は小さく頭を下げ帰ってしまいました。翌日いつものようにカットモデルで来てくれた方へのお礼の連絡をし終え帰ろうとしていたところ、SNSに知らないアカウントからメールがきました。それは昨日の女の子からで、そっけない態度と美容室が大嫌いと言ってしまった事への謝罪でした。なぜそんなに美容室が嫌いになってしまったのか。僕は、美容室はみんなを幸せにできるとこだと思っており、キレイになったらみんな嬉しいと感じていました。だからこそどうしても気になり理由を聞いたところ、一枚の写真が送られてきました。そこに写っていたのは70代ぐらいの女性で、すぐに髪型に目がいきました。まだまだ経験の浅い僕にもわかるぐらいバランスが悪く、えらく不揃いな髪型でした。しかしなぜこの写真が送られてきたのかと考え、もしかしたらこの髪型にしたいのかなと思い聞いてみたところ、「そうです。」とだけ返ってきました。なぜそれを注文しなかったのか聞いたところ……。以前カットした美容師に写真を見せたことがあったが笑いながら変だよ? と言われた。私の一番大好きなおばあちゃんを笑われたのが嫌だった。その後も何人もの美容師に写真を見せたがみんな口を揃えて変だという。だから美容室が大嫌いになった。……とのことでした。

僕はそれを聞いたときに涙がこみ上げてきました。美容室はキレイになるところ。でもそれ以上にお客様の希望を叶えるところなんじゃないのかと。大好きな人と同じ髪型になりたい。そんな純粋な思いを壊されてしまった。どれだけ辛いことだろうと考えましたが、到底及ばない域でした。でもなんとかしたい。そこで、「もう一度カットさせてください。」とメールしました。しかし、彼女の答えは、「でももう良いんです。諦めたので。」でした。その髪型を再現する自信も根拠もありませんでしたが、絶対に自分がこの子の気持ちを叶えるんだという思いで半ば強引に2週間後に来てもらう約束をしました。それから2週間、たった一枚の写真を元に何度もウィッグを切りましたが、合っているのかと何度も不安になりました。そして約束した当日。時間ちょうどに女の子は来てくださいました。僕は深々と頭を下げカットをし始めました。美容師として良い事ではないですが、集中するあまり一言も話すことはありませんでした。そして約1時間かけ切り終え鏡を見せたところで女の子は突然泣き始めてしまいました。あぁやってしまったな。全然違かったんだ。と思っていると、震える声で、「ありがとうございます。本当にありがとうございます。」と何度も女の子は言いました。10分ほど泣いていたでしょうか。少し落ち着いた女の子はゆっくりと話し始めました。「こんなに正確に再現してくれるとは思ってませんでした。きっと変だと思われてアレンジを加えられて違う髪型になってしまうんだと思ってました。でもお兄さんは大好きなおばあちゃんと同じにしてくれた。本当に私の事を考えてくれていたんだと思ったらすごく嬉しくて。出逢えてよかったです」そう言って無邪気な笑顔を見せてくれました。はたして本当におばあちゃんと同じ髪型にできたのかは正直わかりません。でもなりたかった自分になるお手伝いはできたんじゃないかと思いました。美容師としてこの子と出逢えてよかったと心から感じました。現在、スタイリストになり数年経ちましたが今でも女の子は来てくれます。もう大人になり髪型も仕事に合わせたスタイルになっています。ですが今でもあの時の髪型が一番大好きだと言ってくれます。その証拠に、何年経っても女の子の携帯の待ち受けは、同じ髪型で笑い合うおばあちゃんとの写真です。この話を載せるにあたり、女の子に1つ質問をしました。「美容室が嫌い?」「嫌いでした。でもお兄さんみたいな人がいると思ったら大好きになりました。」

 

◆集客をして感じた喜び

私は美容師になるまで集客ということをやったことがありませんでした。外を歩いている人に声をかける、いわゆる呼び込みというもので、人見知りで知らない人に声をかけたことがなかった私は、緊張と不安でいっぱいいっぱいでした。声をかけた人が運良く来てくれることになったときはすごく嬉しかったです。入社して間もない私は、まだシャンプーしかできませんでしたが、お客様と触れ合うことがこんなにも楽しいことなんだと実感しました。お客様は髪がきれいになり、すごくキラキラした笑顔で帰っていきました。私が声をかけてなかったら、もしかしたらこのお客様とはお話ところか出会うことすらなかったかもしれない、という今まで感じたことのない不思議な気持ちになりました。それからも毎日同じことを繰り返し、自分の自信もついていきました。しかし、やはり皆人間ですから、きつく断ってくる人も少なくありませんでした。少し落ち込みかけましたが、また一人来てくれる方が増えると、自然とまた自信が取り戻せていました。だんだん仕事にも慣れてきた頃、いつもと同じように外で声をかけていると、少し下を向き、何か悩みがありそうな表情をしている人がとても気になりました。私は勇気を出し、声をかけてみました。するとその人は、いきなり声をかけた初対面の私に、髪の毛をすごく大事にしていることや、ダメージや乾燥などが気になるという細かいことまで話してくれたのです。私はこの人の髪をもっと綺麗にしてあげたい、悩みを解消して笑顔になってもらいたいと思いました。そして私が「絶対に綺麗になります」と自信をもっておすすめしたメニューを、やりたいと言ってくれました。施術中も髪の毛のお話をして、本当に髪の毛を大事にしているんだなと感じました。施術が終わり感想を聞くと、「声をかけてもらえてよかったです。ありがとうございます」ととても素敵な笑顔で言ってくださいました。私はその言葉に胸を打たれ、本当に喜んでもらえている、と嬉しくなりました。その方はそれから通い続けてくれています。集客をして、人に感謝される喜びと大切さがわかりました。だからこそ私はずっと変わらず声をかけ、たくさんの人に綺麗になってもらいたいと思うのです。

 

◆美容師であり続けられる基盤は人との繋がり

美容師は様々なお客様とかかわれる、すごくやりがいのある仕事です。外側から見るととても華やかな職業に見られがちですが、実は技術職で練習あるのみ。先輩の技術を見て、吸収して、の繰り返しです。道のりは長いですが、頑張り次第で試験に合格すればお客様の髪を切ることができるのです。ありがたくご指名下さる方との感動エピソードがあるからこそ、1日1日がとても濃い毎日です。年齢も幅広いお客様に来て頂いています。例えば、七五三のヘアセットで来てくれた3歳の女の子。美容室でお話しする練習をお家でしていたそうですが、髪を切る間は緊張していたせいか、何も話してくれませんでした。でも、帰り際に私を呼んで小声で「お姉さん……可愛くして…ありがとう!」と、真っ赤な顔で恥ずかしそうに、精一杯の勇気を出して言ってくれました。周りの親御様たちもほっこり。みんな笑顔になりました。月日が経過し、その子はもう小学生ですが、今も来てくださる大切なお客様のひとりです。成長する日々を間近で感じられる特権があるのもこの職業の魅力です。ほかにも、学生時代から、就職、結婚、出産と、人生の度重なる大イベントの合間に来て下さる、すごく長いお付き合いのお客様がいらっしゃいます。環境が変わり、住む場所、就職先も遠くなってしまったのにもかかわらず、縁を大切にして下さって来て下さることは、私とっても、美容師一人ひとりにとってもこれほどにない偉大なことで、何にも勝ることのないかけがえのない宝です。また、「どこの場所に異動されてもぜひ髪を切って頂きたいので」というお声を下さる方。足が不自由なのにもかかわらず、徒歩、バス、タクシーを乗り継いで来て下さるお客様。美容師が美容師であり続けられるのは、技術も関係しますが、大切なお客様との出会いとつながりが大いに関係し、人と人との繋がりが基盤にあると思います。美容師はお客様がいらっしゃれば何年経っても続けられる職業なので、ずっと美容師であり続けられるために私は頑張ります。

 

スタッフとの感動エピソード

◆自分が先輩になってわかったこと

アシスタントは、雑用からシャンプーやカラーリング、ロッド巻きまで、カット以外はすべてこなさないといけません。そのために、お客様はもちろんですが、スタイリストとのコミュニケーションが大切なんです。求められていることに素早く対応して、スタイリストが動きやすい環境を作るのもアシスタントの重要な仕事のひとつです。そういう意味では、細やかな気配りも必要だと思います。1、2年目の頃アシスタント業務を分かり始めてきた頃、自分は仕事ができる気分になってました。それなのに先輩にいっぱい怒られ、「いつか言われてることがわかるから、今は素直に受け止めなさい。言い訳はしちゃだめだ」と言われ、心の中でいつも「何で怒ってるんだ? 言ってることが分からない」など不満の気持ちでいっぱいでした。怒られてばかりで、何度も辞めたいと思っていた時期でした。3年目ぐらいになり、自分のできる仕事が増えて、後輩もできた時のことでした。全然仕事のできない後輩が、できているつもりで言い訳をしてきたのです。「あっ、これって昔の私と一緒だ」と思いました。その時、あの頃の先輩は私の事が嫌いで怒ってたんじゃなくて、私に成長してほしいと思ってくれていたんだとわかったのです。怒るのはとっても体力を使うし、できることなら誰でも怒りたくないと思います。何もわからず不満だらけだった昔の自分が、すごく恥ずかしくなりました。でも気付けて本当によかったと思います。今の私がいるのも、怒ってくれた先輩がいたおかげだと本当に思ってます。今でも感謝の気持ちでいっぱいです。私も後輩のために時に厳しく、時に優しく、感謝される先輩になっていきたいなと思います。

 

◆自分についてきてくれたスタッフ

私は中途採用でZIPに入社して半年で、千葉に出店する新店舗のフロア店長として異動しました。入って間もなく、まだお店の全てを把握していない私が、千葉の一等地に立つことができたのです。今思えば、すごく奇跡的なことだと思います。しかし、実際オープンしてみると、私のフロアは他の店舗と比べてダントツで売上が低かったのです。それもそのはず。そこには、デビューして2~3年のスタイリストとデビューしたてのスタイリストが2人。そして、入社して半年の私。指名のお客様の数がほかのフロアに比べて断然少なかったのです。しかし、「仕方ないよね」ではすまない話です。当たり前ですよね。だって一等地にあるサロンなんですよ! 売上がなければ経営が成り立ちません。私たちは必死でした。どうにかして毎日お客様を呼びたい。たくさんのお客様をキレイにしたい。だけどスキルのない私はどうしてよいかわからず、目の前の数字を作ることに悩んでいました。そして、フロアのスタッフ同士で何度もミーティングを行いました。できることからコツコツとやろう!そうして、毎朝ポスティングやビラ配りを始めました。どこのフロアよりも早く出勤しどこのフロアよりも帰るのが遅かったと思います。来てくださったお客様にはDMを書いたりメール配信をしたりと、「また行きたい!」と思ってもらえるように努力しました。そうして、私たちのフロアは少しずつ結果を出すことができました。その全てについてきてくれたスタッフがいたからこそ成し得たんだと思います。そんなスタッフが私は大好きだし、宝物です。

 

◆先輩後輩の関係が苦手だった私

新しい店舗に異動になって数ヶ月、まだアシスタントの私は日々忙しく過ごしていました。新しくできた後輩や厳しく美容に熱い先輩。スタッフ数も一気に増え、上下関係をまともに築いたことのない私には馴染めるか不安でした。上下関係が苦手な理由は、部活に打ち込んでこなかったからでしょう。中学1年の春、私はテニス部が見たかったのですが、その日は友人に連れられてバレー部の見学に行きました。テニス部には翌日行くつもりだったのですが、バレー部では、見学に来ていた全員が入部する前提で話が進んでいました。先輩の中には、きれいだけど口調もきつめで悪い評判の多い人がいました。その先輩に憧れてる後輩もいたと思いますが、私はあまりかかわりたくないと思っていました。入部して数週間たったころ、その先輩にすごく怒られてしまいました。やる気がないなら帰れ、と。幼かった私はその言葉を鵜呑みにし、部活の途中で帰ってしまいました。今思うと恥ずかしいですが、その時はそうするしか考えつかなかったんですね。そんなことがあり、私はそのまま退部。そのあと部活に入ることはありませんでした。そんなことがあってか先輩後輩の関係が苦手でした。特に後輩は、何を話せばいいか分からなかったのです。ですが、異動してから数ヶ月後のある日のこと。毎回朝礼でする声かけ(ラッキー、ポッキー、クッキー、ケンタッキー、ハッピー!)があるのですが、その日は最後のハッピーの語尾があがって、ん?と思っていたら「バースデー!!」と皆が声を上げました。そう、私の誕生日だったのです。先輩と後輩からのサプライズは私にとって今までにない出来事で、驚きと嬉しさで、今でも鮮明に残っている思い出です。

 

◆先輩との出逢いと別れの言葉

私は美容師という職業に就いて、今まで沢山人との出会いがありました。お店のスタッフやお客様、社長や系列店のスタッフなど、今の自分が美容師をやれているのも、沢山の人との出会いから沢山の事を学べたからだと思います。その中でも、私がアシスタント時代にとてもお世話になった、息詰まっていた時に考え方を変えさせてくれた先輩がいます。私がアシスタントの頃は、店舗に同期が3人。仲は良くこの同期二人に救われた事も沢山ありました。その反面、やっぱり技術面では誰よりも早く進みたいとお互いライバル心も燃やしていたと思います。また、毎週講習会やヘルプ先で顔を合わせる他店の同期も含めると、30人程の同期と常にお互いの技術の進みを意識する環境にいました。今思うと恵まれた環境にいたなと思いますが、当時21歳の私は先輩から要領が悪いと言われることもあるなど不器用なほうで、技術面での遅れに凄く焦りを感じたり、なかなかタイムが上がらないことにストレスに感じていたりしました。そんな時、オープン当初からいた10歳年上の女性の先輩が退社する事になりました。とても尊敬していた先輩だったので凄く残念でしたが、退社が決まってからの3ヶ月間、学べる事を全部この先輩から吸収しようと思いました。先輩もそんな気持ちをわかってくれたのか、いつもと練習を見てくれる態度が違いました。その時私が練習していたのはセットとカット。なかなか上手くできなくて、自分の中での焦りもあり、先輩からも厳しく指摘され、あの時は本当に追い込まれていた時期だと思います。でも、一番練習に打ち込んでいた3ヶ月でもあったと思います。厳しく指摘されながらも、最後の1ヶ月で自分でもタイムや仕上がりが良くなってきたのを感じていました。最終日の朝練もいつも通り見てもらい、アドバイスをノートにメモをとり終わりましたが、最後の練習でも褒めてもらえる事はありませんでした。夜の終礼で先輩が挨拶をしたあと、最後に手紙を貰いました。私はその場ではなんだか恥ずかしかったので家に帰ってから開けました。手紙の最後に、「最近はカットとセットの練習を特に頑張っていたね、必ず自分がやりやすい方法があるから、考えながらいろいろなやり方をためしてみて。美容師は終わりがない仕事で大変だけど、きっと今の練習は自分の財産になるから。」と書いてありました。頑張っているのを見てくれていたこと、厳しかったけどちゃんと考えてくれていたことが嬉しい気持ちと、それでももっと早くからちゃんと考えて行動していたらと後悔の気持ちと全てが混ざりあって涙がでました。この先輩との出会いと最後の手紙の言葉は私にとってとても大きなものになり、考え方が変わりました。美容師という技術職についた以上終わりはないので、今に満足せず、常に考えてお客様を最善の方法でキレイにできるように頑張っていきたいと思います。

 

◆同期の偉大さ

私が入社して12年、今もまだ一緒に働く同期がいることを幸せに思う。美容師になってからの12年間、苦楽を共にしてきた同期は、スタッフの中でも本当に一番近い存在だ。自分がうまくできたり、褒められたりすれば一緒に笑ってくれて、落ち込んだり、怒られたりすれば一緒に悩んだり悲しんでくれる。気になるところは注意し、時に気持ちが入りすぎて喧嘩をしてしまうこともあった。それは私が聞く立場でも同じ。つまり、姉妹みたいなものだ。血のつながりはないけれど、話を聞いて欲しい時、いて欲しい時にひょいと誰かが近くに来てくれたりする。今までそんな場面は色々あったけれども、この人たちがいてよかったと心から思ったことがあった。私が入社して5年目のその時期は、スタイリストとしてある程度数字もつきはじめた頃で、新店舗オープンに向けて休日返上で毎日働いていた。いっぱいいっぱいだったが充実した毎日だった。しかしある時、全てを捨てて逃げてしまいたいと思うほどひどく落ち込んだことがあった。今まで辞めたいと思った事がなかったわけではなかったが、この時の落ち込みぶりは今までで一番だった。しかしその時はスタッフ誰もが毎日忙しくて余裕がなかったに違いなく、話をする暇もなかったのを覚えている。誰にも相談せず、店長にやめることを告げようと決めていたその夜。同じ店舗でずっと一緒に働く同期から、夜ご飯のお誘いがあった。誘いは受けたが、やめることについては自分で気持ちは固まっていたし、止められても揺ぐ気持ちはなかったので、話すつもりも全くなかった。その日もよく行く飲み屋さんで他愛ない話をしながら30分ほどたった頃、同期が「こっちー」と手を挙げた。振り返ると、他店の同期のスタッフ3人がひょっこり。同店舗の同期が誘っていたようだ。地域が違うので、同期5人全員が揃うなんてなかなかない。みんな今日は暇だったのかなーと思っていたら、盛り上がってきたところで同店舗の同期が口を開いた。「なんか悩んでるでしょー?」えっ? 内心ドッキリした。「なんで??」すると他の店舗の同期が「なんだか様子がおかしいから今夜集合ー!! って、集合かけられたんだよ!」全部見透かされている! 全く誰にも言ってないし、顔にも出していないつもりだった。全員がこちらを伺いながら、しかし私の辞めた理由は聞かず、入社前研修時の話をし始めた。私たちは内定が出た後、学生中の夏休みから厳しい研修が始まった。中でも一番辛かったのがシャンプー練習。当時は内定を頂いてから、約一ヶ月で合格できなければ内定取り消しという厳しい試練があった。この厳しさに耐えられず、自ら辞退する内定者もいたほどだった。今思えば、厳しかったが今までで一番頑張っていた時期かもしれない。そんな辛い研修を約半年やり抜いた同期だから、他にも大変だったことや、辛いことを一杯いっぱい共にやり抜いてきた。昔話も絶え間なく、今となれば笑い話だ「この5人だからこそやってこれたよね、だからつらいけどこの先もずっと5人で頑張ろうよ」。同期の一人が笑いながら言った。たしかに、辞めたって今以上にやりがいのあることを探せるわけがない。まだたった5年しかやってない。美容師ってこれから先なんじゃないか。ここで終わりにして、逃げ出して、なにをしたい? ……何も思いつかなかった。やめた後のことを何も考えていなかった。同期の一言で、マイナスに考えていた全てがちっぽけな悩みに感じた。自分だけではどうにもできないことってたくさんある。私にはこんなにも分かり合える仲間がいたと感じられた瞬間だった。今までも、これからも奇跡的に出会えたこの新しい家族と共に、おっきく成長したいと思う。生涯私は美容師だ!

 

◆感謝の気持ちを忘れずに

美容師になって8年目を迎えようとしている。決して器用ではなく、むしろどちらかというと不器用で、それに要領も悪い。最初は、そんな私が美容師やって大丈夫か? と思った。まず初めに先輩に言われた事は、お客様にお金を頂くということ、プロ意識をもつということだった。入社して初めて習うシャンプー。一見簡単そうに見えるけど、自分の頭を洗うのとはわけが違う。私が最初に配属された店舗は年配のお客様が多くシャンプーに厳しいと聞いていたが、どうせなら気持ちがいいと言われたい! と思い、厳しく教えて頂いた。その甲斐あってすんなり合格が貰えた。初めてお客様を洗わせて頂いた時はもちろん凄く緊張したが、先輩達には、自信もってやれば大丈夫だからと言われた。厳しく教わっていたおかげでお客様にシャンプーを褒めて頂く事が増え、シャンプーが好きになった。次の課題は私が最も苦手とするワインディングだった。他の同期はみんなワインディングが得意で大会に出るほどだった。遅れをとった私はこの時早くも1度挫折しそうになった。しかし先輩の優しい一言に救われた。「苦手な物はしょうがない。次頑張って見返してやればいいじゃん。教えてやるから一緒に頑張ろう」と。私はその先輩の期待を裏切ってはいけない、期待に応えたい!と思い毎日必死に練習した! 厳しく指導してくれる先輩のお陰で無事にワインディングに合格。次のカラーも、私にはなんの不安もなかった。最強の先輩がいてくれたからだ。気づいた時には同期を抜かしていた。本当にあの時頑張ってよかったと今でも思う。先輩には感謝の気持でいっぱいだ。今では、その先輩の髪の毛を切らせて頂いている。実は私は1度美容師をやめており、今はアイリストとして復帰をしているためお客様のカットはしていないが、その先輩は私に髪の毛を切らせてくれている。毎回、毎回凄く緊張するけど、自分に任せてくれているという自信をもって切らせて頂いている。正直、美容師になって、何度も何度辞めたいと思った。でもここまで続けてこられたのは、間違いなくその先輩がいてくれたからだ。私は本当に1人では生きていけないと思っている。これからも、心強い同期、お店のスタッフなど、いろんな人の力を借りて生きていくのだと思う。常に感謝の気持を忘れずに生きていきたい。先輩との思い出は普段自分の心の中にしまっているが、辛くなったらまた思い出すだろう。

 

◆美容師になって初めて流れた涙

僕は昔から全くと言っていい程手先を使う作業ができず、自他ともに認める不器用でした。そんな僕が美容師になったわけですからすごく大変な毎日でして……。美容師の基本といえるシャンプーも、まず先輩スタッフのお手本を見よう見まねでやってみたところ、僕は背中をびしょびしょにしました。シャンプーが下手だと水が漏れることがあるのです。当時を思い出すだけでも笑ってしまう程ひどい仕上がりで、先輩スタッフに当時の事を聞いたところ、史上最悪のシャンプーだったと言われました。そんな僕も死ぬ気で練習して、ウィッグ(頭だけのお人形さん)カットの最終項目に。誰よりも練習しないと置いていかれてしまうという思いから毎日6~7時間は練習していました。しかしそれでも全然上達せず、焦りと不安だけがどんどん増えていきました。毎日同じ先輩スタッフに見てもらっていたのですが、朝何時から始めても、夜何時まで練習してもずっと付き合ってくれました。片時も目を離さずにじっと僕の練習を見てくれました。練習を続けていたある日の夜、その先輩に話があると呼ばれました。「明日から朝と夜一回ずつしかカットしてはいけないって事にしよう。どう思う?」と聞かれました。僕は先輩が朝早くから夜遅くまで練習を見ることに意味を感じなくなったんだな、自分の不器用さが招いた結果だと思いました。先輩に迷惑をかけていることを本当に申し訳なく思い、その思いを伝えました。すると、「君の練習を見ていて苦に感じたことはないよ。私も出来なかった時先輩に助けてもらった。だから後輩を助けてあげるのが先輩の役目であり楽しみでもあるんだ。毎日君が頑張っているのは一番知ってるよ。でも気づいたんだ。君は練習をしなくてはという不安に追われて練習をしてない? 遅れたくないから練習してない? その気持ちよくわかるよ。しかし美容師としてお客様をキレイにするという気持ちが欠けているよ。そのお客様をカットしてキレイにできるのは一回一回のカットなんだ。何回も何回も、毎日毎日切り直せないんだ。だからこれからは一回に全力を注いでカットしてほしい」そこで一度呼吸を整え、「大丈夫。私が見てるのだから。自分と私を信じて一緒に頑張ろう。」その時美容師になって初めて涙を流しました。今まで悔しかった事、嬉しかった事いろいろとありましたが絶対に泣きませんでした。しかし、この時は先輩がこんなに僕の事を思い考えてくれていたんだという思いがグッと胸の中に来て涙が溢れました。それからは朝夜一回ずつを必ず守り、本気で挑みました。すると驚くほど自分でも上達していくのがわかり、試験も一発でクリアしました。そこから数年がたった今では、スタイリストとして仕事に臨んでいます。今年で直属の後輩は5人になりました。自分が先輩にしてもらったように、僕も後輩に対して時間も労力も惜しまずに注いでいます。これが先輩への恩返しにもなるのだと信じています。

 

◆予想外のところで人は見てくれている

長い事勤めていた美容室を辞めて今の美容室で働きだし、ようやくスタッフと馴染んできた頃に、系列店の全スタッフが集まる機会がありました。その時会った別店舗のスタッフに「あのぉ~、○○さんって××って美容室に居ませんでしたか?」と話かけられました。突然の事でビックリしつつも、そうだと肯定すると、それまで初対面だからか緊張してこわばっていたその子が急に笑顔になり、「ヤッパリぃ~! 良かったぁ~♪」と跳び跳ねだしました。「???・・・」 なんの事やらサッパリって顔をしている僕に、その子は続けました。「私、美容学生だった時に、美容師とか向いてないかもしれないし、本気で学校辞めてアパレルやろうかな? と考えてた時があったんです。そんな時に○○さんが働いてた××に友達が髪切りに行くっていうんでついていった事があって……。店の中に入ったら、大笑いしながら楽しそうに髪切ってる○○さんがいたんですよ。ずぅ~っとお客さんと喋ってるのに、手はサッサッサッと動きっぱなしで、次々とお客さんを仕上げていく○○さんを見て、私はこんな風に楽しそうに仕事する美容師さんになりたい! と思ってやってきてたんですよ♪」聞いてるこっちが恥ずかしくなるような言葉でした。でも、そんな話を聞いてしまったら、こっちも思いっきり笑顔になってしまいました。

 

◆先輩のおかげでスタイリストデビュー

美容師は大変とか下積みが長いというイメージがあると思うのですが、裏を返すと、スタイリストというのは内容が濃厚な最終体型なんです。私はどちらかと言うと行動も言葉も生意気で不器用で素直になれないタイプです。だから凄く損をしたり遠回りをしたりしてしまうのです。まわりにも沢山迷惑をかけたなぁと思いますが、そんな私に手取り足取り教えてくれた先輩や、カットモデルを探すのを手伝ってくれた後輩や周りの人の支えがあって今、私は大切なお客様の髪の毛をカットしたりしてスタイルを作れています。特にデビュー目前のカットモデルでの練習に入ってからは、毎日壁にぶつかりました。今までのシャンプーやカラーやブロー、ウィッグカットなどとは違い、カットモデルだと生身の大切な髪の毛なので、切ったら戻ってきません。毎回が違うオーダーだったり違う髪質なので、その度に頭が真っ白になったり、不安になっていました。正直、それを営業中に笑顔で楽しくカットをしてる先輩達が神様のように見えました。特に印象的に残ってるのは、最終カットの試験を控えた前夜のこと。何人かの先輩方に終電までカットを教えてもらい、動画を撮ったりして何度もそのカットのイメトレをして、明日合格してやるぞ、と思っていました。テスト当日の朝も先輩方に最後の練習をみてもらい、何度も確認をして試験を受けました。結果は80点合格の試験で79点でした。悔しくてどうしようもなかったけど、練習に付き合ってくれた先輩たちに電話して結果を報告しました。その先輩方は社長と外でミーティング中でした。なのにその電話一本ですぐにお店に戻って来てくれました。そしてその79点に納得がいかないと、試験官役のスタッフに話してくれたのです。正直、あんなにアツくなって話をしてる先輩方を初めてみたので、私はそんな風に私のカットの事やデビューの事を考えてくれていたんだなぁと思い胸をうたれました。そんな先輩方に背中を押され数日後、再試験を受け合格し無事デビューすることができました。合格を頂いたとき私より先に涙を流している先輩もいて、自分のことのように喜んでいる先輩もいて、本当に幸せでした。だから私も、これからスタイリストになる後輩にもこの姿を引き継いでいけるよう、デビュー目前の後輩に沢山の事を伝えていきたいと思います。

 

◆私を怒りながら泣いてくれた先輩

私が3年目になった4月の頃のことです。1年を通してある目標を達成し続けなければならない状況だったのですが、私は緊張しやすく、悩み込んでしまう性格で、壁にぶち当たってしまったのです。自信の無さそうな私に先輩方が声をかけてくれました。最初は本当に自信がなく、弱気でこの目標を達成することができるのかどうかという不安で頭の中がいっぱいでしたが、自分のためにも、先輩方のためにも、絶対に達成しなければいけないという思いに変わりました。しかしいざスタートしてみると、やはり私は弱気になっていて、どうしても勇気が出ませんでした。自分の頭の中で、「やらないと! 絶対に達成するんだ」という前向きな気持ちと、「どうしよう。無理かもしれない」という気持ちが板挟み状態になり、結果はそこそこしか伸びず、どんどん追い込まれていく毎日でした。そんな私を支えてくれたのが、やはり先輩方でした。目標達成しなければならない私のために、一緒になって協力をしてくれたのです。それだけでも本当に私は嬉しくなりました。が、スタートしてから半月が経ったとき、またも私はプレッシャーに押しつぶされそうなくらいメンタルが弱ってしまいました。もう無理だ。1年間も続けていられないと後ろ向きな気持ちになってしまい、一人で家で泣いたり、笑顔が少なくなっていきました。先輩が気づいて私に声をかけてくれたので、素直に話をしました。私の口から「辞めたいです」という言葉を聞いた先輩は怒りました。「私も協力するから一緒に頑張ろう。変わるチャンスなんだから」という言葉に私は思わず涙しました。先輩は今まで自分がどうだったのかや、辛かった話を涙を流しながら話してくれました。こんな私に怒りながら泣いてくれて、見捨てずに頑張ろうと言ってくれ、私は先輩になんて悲しい思いをさせてしまったのだろう……ととても後悔しました。自分が辞めたいと言ってしまったことで、大事なもの失くしかけてしまったことに、とても胸が痛みましたが、同時に自分のためにそこまで本気になって言ってくれたことに感謝しました。私の気持ちはスタート時のやる気よりも遙かに高まり、また頑張って絶対に目標達成しよう、というものに変わりました。一度辞めたいと思ってしまったところから、再スタートとして道を開いていくことができ、私は本当に先輩方に支えられていると思いました。その先輩の言葉が無かったら、きっと私は辞めていたと思います。目標達成の道は長く大変でしたが、一か月、一か月と結果を残すことができました。私が今この会社で変わらず働き続けていられるのは、周りのスタッフの思いやりに囲まれているからです。いつか私の後輩が壁にぶつかってしまったら、私が先輩からしてもらったように、支えてあげたいです。

オーナーとの感動エピソード

◆モチベーションを上げてくれる社長の言葉

ZIPに入社して8年になります。都内で8年、千葉で8年。美容師は常に勉強が必要だと思います。ZIPでのこの8年間で、技術・物事の考え方・捉え方・教え方、そして社長の会社に対する思いをたくさん学んできました。自分一人で悩むより、みんなで考え、社長に相談する。そうすることで一人では見出せなかった答えを導き出すことができました。社長はたくさんの社員、一人一人を大切にしてくれています。ときに、全員に声をかけることが難しいこともあるでしょう。そんなときは店長にスタッフの様子を伺うこともあります。私が相談した時も、社長は時間を気にすることなく私が納得するまで話してくれました。ある日のことです。私がお店を辞めようとして相談したことがありました。社長は私の気持ちを汲んだ上で、社長の経験談を教えてくれながら優しく話してくれました。それでも、反抗していた時期がありました。社長はそれに対して、叱るということはせず、いろいろなことを野球に例えて話してくれます。そうすると不思議なことにだんだんモチベーションが上がってくるのです! 社長と朝のマンツーマンミーティングをしたあとなどは特に、よし!やろう!という気持ちになっています!そんな社長のもとで働けることに私は感謝します。そして、とまることはせずさらにスタッフみんなで飛躍していけるよう日々、新しいことへチャレンジしていきます!

 

◆手荒れでも色んな事に挑戦できた

私は元々、手あれがひどいことに悩んでいて、一度美容師をお休みしました。また美容師に戻ろうか、別の仕事をしようかと考えていたときのこと。ある日、友人と買い物をして信号待ち中にふと目に入ってきた光景がありました。美容室のお見送りで、お客様と、担当スタイリストとアシスタントらしき人が、みんながニコニコしながら「また、お待ちしてますね!」と手を振っていました。スタッフの2人はお客様が見えなくなるまでお見送りをしていて、なんか素敵だな! お客様も嬉しいだろうな。と感じました。そのときに、美容室もやっぱりいいなと思い、後日、その美容室を再度見に行きました。すると、お店がフロント募集をしていました。フロント!? これなら私にでもできるかも……と思い、すぐに電話をかけました。電話の相手はオーナーでした。「募集の張り紙を見て、お電話しました。」「美容師ですか?」「美容師でしたが、フロント希望です。」「どうして? 手あれですか?」すぐに見抜かれました。やはり、手荒れが原因で美容師をあきらめる人は多いようです。その後の面接時にいろいろ話をしていただき、もう一度美容師をやってみないかと言われました。せっかくのチャンスかなと思い、私も美容師を続けたい思いもあり迷ってはいたことを伝えました。そして、美容師として再スタートをしましたが、やはり手荒れが戻ってしまいました。私ってなんでダメなんだろ……と挫けそうになっていた時、オーナーは「うちは、トータルビューティーに力を入れているんだ。美容室=カットの時代ではない。いろいろ挑戦してみたらどう?」とアドバイスをくれ、まつ毛パーマ・マツゲエクステ・リフレクソロジーと、いろんなことに挑戦させていただけました。オーナーはなにごとにもポジティブなので、なにか悩んでいるとき、どうしようと思ったときに、「諦めない。できないとやる前から諦めずに方法を考えてみよう」「できる方法は必ずある。試行錯誤したっていい、方法を考えよう!」など、たくさんのメッセージをくれるので、私は頑張れます!私も、柔軟な考えで、下の後輩へと教えられたらいいなと考えています。明日も頑張ります!

 

◆本気の本当の意味!

私が働いているお店、ZIPグループのオーナーにはたくさんのことを教えていただいています。その中でも私の心にもっとも大きな変化をもたらしたできごとのお話です!オーナーはすべてのことに本気になってやることの大切さをいつもスタッフに説いてくださいます! お客様に対する時はもちろんのこと、入社式やレクレーション大会のときもオーナーはスタッフに本気になるようにと言ってくださります。でも、正直、私はオーナーの言う「本気になれ!」という意味があまり理解できていませんでした。入社式で本気? レクレーション大会で本気? スタッフみんなで楽しめればそれでいいじゃん? そういう考え方でした!そんな考え方のままオーナーと個人ミーティングをする機会がありました。そのミーティングでオーナーのいう本気という言葉の本当の意味を知り、オーナーの熱い思いを感じることになります!オーナーから「何事もやり遂げた後に泣くぐらい本気になれたのか? 涙が出るくらいやり切らないと本気とは言えない!」と言われ、私はふと最後に泣いたのはいつだろう? と考えはじめました。私が最後に泣いたのは、高校のバスケット部での引退試合のときでした。なぜ涙が出たのか? それはすべてをやり切って本気でバスケをやっていたからではないのか? じゃあ、なぜ仕事では涙が出ないのか?と、いろいろ考えはじめました。答えは、仕事に本気になれてないから! 私が本気だと思っていても、あのバスケでみせた本気にはまだまだ遠いのです!オーナーに本気の本当の意味を教えていただきました!そしてもう一つオーナーは話をしてくれました。「本気じゃないとつまらない!やるなら本気でやって楽しまないと!」オーナーの言葉通りだと思いました! オーナーの元で働いている私の心を熱くさせる、魔法の言葉でした!この何気ない本気という言葉! 人は簡単に本気になれない!誰かに気付かせてもらわないと本気になれない!私はそう感じました! きっと尊敬しているオーナーからの言葉だったから気付けたのかもしれません! オーナーありがとうございます! オーナーの元で働くことができて私は本当に幸せです!これからの目標は本気になった私達の姿をみてオーナーを泣かせることです! まだまだオーナーの本気には追いつけていませんが私の本気をオーナーにぶつけていきます。あなたは本気について考えたことはありますか? 本気にゴールはないみたいです!

 

◆財布を盗まれた日の社長の言葉

ある秋のこと。友人とプリクラを撮り、盛り上がっていて気を緩めていたら、財布をすられてしまいました。気づいた時には遅く、どこを探しても見当たりません。冷静になれず、とっさに宮崎にいる母親に電話をしたところ、「良い大人にもなってあなたは一体なにをしてるの。私は知らないわよ。こんなバカげたことで連絡してこないでいい加減しなさい!」と電話越しに強く怒鳴られてしまいました。それを聞いていた友人が、「私も悪い。ちゃんと周りを見てなくて盛り上がってしまったから」と、パニックになって泣き出してしまいました。私もそれを見て楽しい時間を台無しにしてしまったと落ち込み、一緒に泣いてしまいました。そのあと警察署に盗難の被害届をだしにいきました。お巡りさんに「家まで帰れるお金はあるかい?」と聞かれましたが、親には先程怒鳴られたため頼れず、どうして良いか分からず社長に電話しました。社長の言葉は「とりあえず今すぐ帰ってきなさい」の一言だけでした。最寄り駅に着くと、改札付近で社長が待っていました。どう言葉にして良いか分からず、とっさに「社長すみませんでした」と言うと、予測もしてなかった、とんでもない言葉が返ってきました。「よかった。Nの命が無事で」。私は怒鳴られてしまう覚悟だったのでビックリして「え……?」としか言葉がでませんでした。社長は続けました。「こうやって帰ってきてくれた事が何よりも良かった。もしも財布を盗まれた時に野口が気づいて犯人を追いかけていたら犯人から刺されていたかもしれないし危害を加えられたかもしれない。だから命ってのは大切。命以上にありがたいものはないんだよ。野口がいなくなったら何人のひとが悲しむと思う? 俺も悲しいし、待っているお客さんもいるでしょう? 盗まれた分はいくらだって取り返せるけど、命はとりかえせないんだから。だから帰ってこれてよかった。そしてお友達とは大丈夫だった? 気まずくなったりしてない? せっかくの楽しい時間だったのにね」社長が私の事をそんな風に思っていながら待っていてくれたなんて思うと、私は涙がとまりませんでした。本当にありがとうございました。

 

◆復帰を待っていてくれたオーナー

今の会社にお世話になって10年がたちました。あっという間です、本当に。自分はちゃんとこの会社に貢献できているのだろうかといえば、まだまだです。ただ私は10年同じ会社で美容師として働いてこれたことを誇りに思っています。そんなの社会人じゃあたりまえ、20年30年と働いていくものなんだよ、と言われるかもしません。ですが、私は誇りに思っています。なんでかというと、オーナーが私をやめさせないで待っていてくださったからです。あれはアシスタント業務にも慣れて忙しく日々を過ごしていたときでした。毎日朝練、夜練をしてライバルの同期の技術の進み具合を気にしたり、先輩に怒られたりしながらの毎日を当時は大変に感じていたけれど、今思えばとても充実していて楽しかったんですよね。しかしそんな時、父が病気になってしまいました。母はすでに他界していたため、父のお世話は私がしなくてはなりませんでした。はじめは休みの日にまとめて家事をしたり父のかかっている病院に行ったりとしていました。ですが、父の世話をしながら家事も仕事もしていくのがだんだん辛くなってきてしまいました。もっとゆっくり寝たいし自分の時間もほしい、だけどはじめの頃より状態が悪くなっている父を一人にはできない。そんなことを誰にも相談出来ずにいた春の日に、朝の掃除をしながら急に涙が出て止まらなくなりました。もう限界だと思ってしまいました。私はその日の夜に店長に相談し、数週間お休みをいただくことになりました。何でもっと早く相談しなかったんだと言われましたが、私は今言えただけで気持ちが少し楽になっていたので、特に気にしていませんでした。とりあえず一ヶ月後に職場に連絡して、状態によってはまた延長するということになりました。一ヶ月後、状態はよくはなりませんでした。2ヶ月後、少しよくなってだんだんと目処がたてられるようになりました。休んでいる間、オーナーから電話がありました。様子をうかがう内容でしたが、そのオーナーの一つ一つの言葉、声のトーンを聞きながらだんだんと涙が出てきてしまいました。オーナーから見ればいきなり休みたいと言い出して、今時の子は……と言われてもしょうがないと思っていました。なのに、そんな優しい言葉をかけてくださるなんて。何より一ヶ月以上美容の仕事を離れて私は、早くまた美容師がしたい! と思うようになっていたので、いろいろ気持ちが混ざって電話口で泣いてしまったんだと思います。その後、父も回復して私も職場復帰が出来ました。結果3ヶ月のお休みだったのですが、その間オーナーは待っていてくださいました。

 

◆社長が与えてくれた環境が財産!

美容師、生涯現役。という言葉をよく聞く。美容師には定年はないのだ。しかし、私が美容師になった12年前は、女性は結婚すると寿退社されることが多かったのを覚えている。産休、育休制度というのも美容師界ではあまりなく、社員として今までと同じようにすることはおろか、パートタイムという制度も当時はまだ美容師の世界ではなかなか難しかった。せっかく手に職を付けられて一生現役で働ける仕事なのに……。私も、いつか必死で働いてつけてきた数字やお客様を、結婚という幸せと引き換えに失なわなければならないのか。せっかく頑張ってもずっとはここでは働けない……と思っていた。しかし、私の働くZIPでは、社長が美容師という仕事を続けていけるステージを性別を超えて理解してくださり、産休・育休やパートタイムの制度を、世間よりも早く取り入れてくださった。産休・育休制度を使うことで、お休み中は他のスタイリストが担当し、お休みの社員が戻って来やすい状態になることを心がけてくださっている。パートタイム制度を使えば、お子さんを送り出して迎えに行くまでの短い時間を使うなど、時間を有効的に使って仕事を続けられる。まさに社長は私たち女子スタッフの救いの手である。私はまだ結婚はしていない。しかし、とある先輩は、結婚されてからも出勤される日数や時間を調節し、現役で働いていた時と変わらずのお給料をいただき働けている。普通ではあり得ないことだ。出産されてもなお、元気に働くお母さんスタッフもいる。先輩方がこの会社で、結婚されてなお、今まで以上に充実し活躍されている姿を見て、私自身ここに居続けるであろう未来が見えている。「女だから」「体力ないから」「どうせ結婚するだろ」なんてもう言わせない。だって私たちにまだ終わりなんてない。こうやって準備してくださったこの場所で、どんどんお客様を綺麗にする!今現在どの業種も女性を大切にされている会社が多いかと思うが、働き盛りな女性社員が働きやすい、さらに先を見据えても働きたい場所というのを早くから意識し、今現在ここまで定着するまでに会社の基盤を作ってくださった社長に本当に感謝している。社長が与えてくれたこの環境が財産だ。

 

◆内定取り消し!? でもオーナーは・・・

美容師としての内定をいただいたとき、次のステップである研修を受ける事になりました。私が配属されたのは千葉の駅から一番近く、アットホームな内装が特徴なお店。先輩スタッフがお客様からとても厚く信頼されているのは、研修生の私からみてもすぐにわかりました。私は全然動けない自分に苛立ちを覚えながらなんとかがむしゃらに仕事をこなしました。しかしそれが悪かったらしく、なんと先輩スタッフの方々に『この店舗にこの子はいらない』という前代未聞の判断されてしまいました。内定が取り消しになることがショックでした。ある夜、知らない番号から着信がありました。電話の相手はオーナーでした。「明日の夜お店にこれるかな?」正直行きたくなかった。なにを言われるのか怖かった。しかし、翌日の夜に会ったオーナーの表情は意外にも笑顔でした。「仕事楽しい?」「はい!……でも、先輩たちにはもう……」まだ話している最中で、オーナーは「じゃ、頑張ろう?」と一言。え? それだけ? でも先輩たちはいらないっていってるのに? 開いた口が塞がりませんでした。しかしその時はあまり深くは考えず、ラッキーとさえ思いました。その後無事入社でき、半年もたてば先輩とも打ち解けて少し深い話もできるようになりました。お昼御飯の時、たまたま一緒に食べていた先輩が口を開いた。「そういえばさぁ、おまえが入社するときいろいろあったじゃん? あの後、オーナーから直々に、俺らにもうちょっと様子みてくれって話があったんだよ。で、お前のこの店舗配属が決まったって訳。知ってた?」え? オーナーが? 箸を持っている手も、ご飯を噛んでいる口も止まりました。「……知らなかったです」。あの夜のちょっとした意思確認の後、オーナーはここの店舗のスタッフに私の意気込みを伝えてくれ、もう一度チャンスを与えてくれとお願いしてくれていたのです。オーナーがそこまでしてくれたからこそ、今日もこの素晴らしい会社で働けています。オーナーはよく言います。「俺は問題児が好きだ。やってみなきゃわからない!失敗するかわからないけどとにかくやってみよう!という前向きな気持ちがあるからね」と。

 

◆スーパーでの出会い

私と社長の最初の出会いは、とあるスーパーでした。レジの仕事をしていた私の手を見て、お客様として来ていた社長が「凄く手が荒れているね? レジやってても荒れるんだね」とおっしゃったのです。私はもともと人見知りで、お客様にレジで話しかけられても笑ってごまかすタイプの人間でしたが、「えっ?何で?」と思いつつも、社長には初対面にもかかわらず「違うんです、私もともとは美容師だったので」と答えました。きっと、話しかけてくれた社長の話し方が私の心を開かせたのだと思います。数日経ってまた社長が買い物に来てくださいました。その時はお客様というより、いつもと何か違うオーラを感じました。そして、私に「ウチで働かないかい? 実は美容室の社長をしているんだ」とおっしゃったのです。私は、ビックリしたと同時に、美容師に戻ったらまた手も荒れちゃうし、久しぶりすぎて不安だな、とマイナスな事ばかりが頭の中をよぎりました。社長は「せっかく免許をもっているんだから、スーパーで働くのはもったいないよ! スタイリストだけじゃなくて、手が荒れないまつ毛エクステとかアイリストには興味ないの? よければ、また後日しっかり面接しよう」といってくださいました。正直レジの仕事にも飽きていたので、面接を受ける事に。ただ、私は決して器用ではないほうなので、アイリストなんて私にできるかな? と不安ばかりでした。でも、面接の時も凄く優しく、アイリストはこんな仕事で、こんな事をするなど、凄く丁寧に説明して頂いて、私のやりたい事や不安に思っている事などを聞いて頂きました! 何より、話している時の社長の笑顔と元気さが印象的でした! そして、社長とお話させて頂いているうちに、マイナスに考えていた部分が自然と「自分も頑張ればできるかも」とプラスに変わっていったのです。「やらせて下さい」。その日に内定を頂き、すぐに練習にはいりました。案の定、不器用なので、日数は人一倍かかりましたが、今ではたくさんのお客様を担当させて頂いています。スーパーでかけてくれた社長の言葉がなければ、今もまだ黙々とレジを打っていたかもしれません。本当にアイリストという道を選んで良かった。社長に感謝の気持ちでいっぱいです。今も自信がなくなったり、不安に思ったりする事がありますが、元気な社長とお話させて頂いていると、よし、頑張るぞ! という気持ちになります。なので、そんな社長に恩返しできるよう、日々勉強し、頑張ろう! と心に決めています。

 

◆反社会的だった自分への言葉

もし今のオーナーと出逢っていなかったら。そう思うとゾッとします。だってどんな自分になっているかわからないから。初めてオーナーに会ったのは17歳の時です。当時の僕は荒れに荒れていて反社会的な人間でした。悪い男がかっこいいというその思いだけで生きていて、学校はロクに行かず、行っても好き勝手にやっていました。周りの人間も気付けば同じような種類の人間。自分に近づこうなんて人は誰もいませんでした。そんな事をしていたある雨の日。友達何人かと電車に乗っていました。まばらに人が立っているなか僕たちは優先席を占領し大声で話していました。目の前に老夫婦が立っていることに気が付いていたのに。するとそこに一人の男性が近づいてきました。「席を空けてもらえないかな。そこの席は座るべき人がいるんだ」。そう言って笑顔を見せました。当然馬鹿な僕達は歯向かいました。「なんだよおじさん。俺達のこと舐めてんの?」と友達が威圧すると、「ここで揉めたくはない。電車を降りたら話をどれだけでも聞くから今は立っていて」と落ち着いて話してきました。もう少しで駅に着く所だったので男性を囲むようにして立っていました。この人大変なことになるなと思っていたところ、僕の電話が鳴りました。それは待ち合わせをしていた友達からで、少し問題が発生したから至急全員で来てくれとの事でした。さすがに友達の事となると背に腹は変えられません。その男性の事は忘れその場を離れました。それがオーナーとの出逢いです。それから幾日か経ち、近くの街を歩いていたところ電車で会った男性を見かけました。この前の件でなにか文句でも言おうかと思いましたが、面倒だなと感じ踵を返して歩いていたところ、肩をポンと叩かれました。振り返るとなんとその男性でした。「なに触ってんだ。この……」と言いかけている言葉に被せるように「この前の電車で真ん中にいた子だよね? いやー探してたんだ。よかったよかった。」と興奮気味に話してきました。叱られるのかな? とも思いきや、「君はあんなところにいるべきじゃない。本当は自分でもわかってるんだろ?」。さっきまでイライラしていた気持ちは違和感に変わり、妙なもどかしさの中、僕は悪態をついてその場を離れました。

しかしそれからというもの、一人でいる時に会うたび会うたび話しかけられました。その度に逃げていましたが、とうとう僕が折れ、近くのカフェで話をすることになりました。そこで初めて美容室のオーナーだと知り、意外と偉い人なんだなーと少しびっくりした覚えがあります。その時になにを話したか、詳しくは覚えていません。でもたった一つ覚えている言葉があります。「君の目はとても輝いている。いや、輝きたいとうずうずしているように見えるよ。そういう子が僕のいる美容業界に必要なんだ。だから美容師をやろうよ!」当時の僕は、大人に期待されることも必要とされることもない人間だと思っていました。オーナーの言葉は、そんな僕には十分すぎました。それからは美容師になるために高校にもちゃんと通い、美容学校になんとか入学できました。高校の時に一緒にいた友達には自分の思いを伝え、距離を置くことにしました。そして就職先を決める時がきました。もちろん僕の胸は決まっています。これが社長と僕との出逢いと物語です。

 

◆後ろ向きな私を変えてくれた

私が入社してから、オーナーにはたくさんお世話になってきました。私が道に迷ったとき、どうしたらいいのか一人で悩んでいたとき、陰ながら一番私のことを支えてくれていました。私がもうすぐ三年目に上がる直前のことです。元々人付き合いが上手ではない方だった私は、人間関係や仕事が上手くいかず、この仕事をやっていく意味に悩んでいました。学生の頃とは違い、もっと難しくなった社会人の世界での人間関係は、自分では解決できないほどの難題だと実感しました。しかしあまり表情を上手く表現できなかったために誰にも相談できず、いつか時間が解決してくれると信じていました。やはり私よりも経験が長い先輩は何かあったんだなと気づいてくれたようです。声をかけてくれる人、さりげなく連絡をくれた人が何人かいましたが、心配をかけてしまう、重荷になってしまうのではないかと思い、誰にも相談することができませんでした。そんなとき、オーナーとの個人ミーティングがあったのです。仕事の話はもちろん、時事の話もしましたが、私の頭の中は相談しようかしないかの葛藤でいっぱいでした。そしてオーナーなら私の悩みに対して明確な答えを導き出してくれると思い、勇気を出して話してみました。すると、私の話を聞き終わったオーナーは私にまず初めにこう言ったのです。「自分はどうしたいのか」と。私は予想していなかった言葉をかけられ、動揺してすぐに返事ができませんでした。少し考えてから私は「辛い、辞めたい」と弱気な返事を返しました。するとオーナーは、今の状況に対して私がどうあるべきなのが、どうしたらいいのかを色々な例を踏まえながらお話をしてくれました。私は自然と聞き入って、オーナーの話に釘付けになっていました。なかなかこんなに深い話をすることが無かったので、つい聞くのに夢中になってしまっていたんだと思います。オーナーは私のいいところも悪いところも知っていて、私の性格を考えた上で的確なアドバイスをくれたのだと思います。自分では導き出すことのできない答えをオーナーが自然と導き出してくれたのです。私は少しずつ前向きな思考に変わり始めることができました。自分だけで解決できず、後ろ向きになっていた私を、オーナーは変えてくれたのです。もし私がこの会社ではなく、違う会社に入社していたら、こんなに親身になって話を聞いてくれるオーナーに出会わなかったかもしれません。今も私がこの会社で頑張り続けていられるのは、オーナーのスタッフへの思いやりがとても強いからだと思います。ずっとついて行こうと思えるのです。オーナーはある意味、父親のような温かさをもっていると思います。そんなオーナーに私は救われたので、いつか絶対恩返しができるくらいの立派な美容師になってみせます。オーナーの背中をいつまでも追いかけていきます。

 

◆職人気質の僕が教わった事

いついかなる時も常に2歩3歩先の事を考えてるオーナー。思い付いたら即行動におこすオーナー。接客以外の雑務は仕事じゃないと考えている美容師が多くいるなか、だらけ癖がついた僕等に厳しく接して仕事をやらせて下さるオーナー。ただやらせるだけじゃなく、自分が率先してやって道を作って下さるオーナー。そしてそれをシッカリと継続していくって事がどれ程大変か判ってるオーナー。僕はそんなオーナーの下で沢山の事を教えて頂きました。僕は自分で言うのもなんですが、今のオーナーに出会う前までは職人気質の美容師でした。カットが上手けりゃOK、仕事が早けりゃOKと考えていました。しかし今の時代それだけじゃダメで、人の動かし方・お客様の呼び込み方・物事の継続の仕方など、今までよくわかっていなかった事を教えて頂きました。勿論最初は厳しく言われるので不快感丸出しでしたが、今となっては、あの時オーナーに厳しく指導して貰ってなかったら、美容師を続けていられなかったかもしれないと思っています。僕の為に熱く指導してくれたんだと……。今ではオーナーが言うんだから間違いない! と、下の子達に嫌な顔されながらも厳しく指導出来るようになりました。今の僕が美容師として仕事していられるのもオーナーのお陰と本当に感謝しています。

 

◆恵まれた環境に感謝

美容の世界に入って8年、今の会社に入社して7年。あっというまだったような、すごく長く感じたような、振り返った月日はいろんな意味でとても濃い毎日で、たくさんの経験をさせてもらいました。信号機より多いと言われる美容室の数。けれど、1年間でお店を閉じてしまうところも毎年多くあります。その中で常に新しいものを取り入れて下さるオーナーのもとで働かせて頂いて、2度も新しくオープンする店舗のオープニングスタッフを経験させて頂きました。新しくお店をオープンするということはなかなかなく、未知な世界ですし、人と人との繋がりが大切で、心を一つにして頑張る力が必要となります。その経験があったらからこそ、お客様が美容室に来て下さるということは、すごくありがたいことで、そして自分をご指名頂いて来てくれるということは、すごい奇跡だということを感じることができました。オーナーはいろんなことを教えてくださいました。「お客様には新しくて品質の良いものを、なぜならばお客様みなさんに美しくなって頂き喜んで頂きたい」「やらないで後悔するよりやって後悔した方がいいじゃないか」「良いものをなぜお客様にお教えしてあげないのか」「技術はさほど差はなくても、気遣いの面で人と人との関わり、対人の関係性が大切なんだ」そんなオーナーはいつも私たちのことお客様のことを第一に考えて下さいます。スタッフが多い美容室ですと、オーナーは経営するのみで考えるような形で、スタッフの一人一人の名前すら把握していないところがほとんどだと思いますが、私たちのオーナーは違います。オーナーと関係性が高い分スタッフ同士もオン・オフはしっかりしていますが、信頼関係が高い分、団結力は自然に強くなります。挨拶でのハイタッチも私の会社での特徴ですが、その一瞬で気持ちが切り替わり、笑顔になれます。イコール、元気が漲ります。また、今の環境に満足しないで常に先を見越した行動や最新の情報を、私たちにいち早く教えて下さいます。何よりもお客様により美しくなって頂くための情報収集に力を注いで下さいます。その環境そのものを築いて下さったオーナー。採用して下さったこと、色々な出会いを下さったこと、美容師として一人前にして下さるステージをつくって下さったこと、本当に感謝しています。人生の中のかけがえのない大切な出会いとなるものもありました。この恵まれたオーナーの元で働くことのできる環境にいられることを感謝して、これからも精進していきたいと思います。

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