本当のダイエットは正しくたべること

次章で詳しくお伝えしますが、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)はインスリンという糖の代謝に関わるホル モンの代謝異常が主な原因になっています。ですから、卵巣や子宮などの生殖機能の障害や低下が原 因ではなく、嚢胞と呼ばれる不要な「卵」がたくさんできてしまうことが原因なので、体質改善によってこれ らの不要な「卵」を取り除くことができたなら、むしろ妊娠しやすいと言えます。実際PCOSの方で「はじめ に」の事例のように5~10%程度の減量に成功すると排卵が始まり妊娠に至るケースは珍しくありませ ん。ですから体重の減量が目的ではなく、不要な糖や脂肪の代謝の改善を目的としたダイエットがPCO S(多嚢胞性卵巣症候群)の克服には有効なので医療機関での治療や漢方でのお手当と合わせて「正 しいダイエット」=「正しくたべること」を試みてください。ダイエットの本当の意味は「正しい食事」ということを 念頭に私のお店で行っている体重計に乗るのが楽しくなるような「正しいダイエット」を紹介いたします。 ・イヌイ薬局の正しいダイエットは何故楽しい 皆さんはおなかいっぱい食事をされた後に、「デザートは別腹よ~」などと いって、さらにケーキやアイスクリ ームなど高カロリー、高糖度、高脂肪のものを食べてしまうことはありませんか? これは、お肉などのご馳 走の多くは「陽」の性質の食事が多く、食べ過ぎると身体が「陽性」に傾きます。 そこにお砂糖、とくに白 糖一杯のデザートは「陰」の性質の食べ物なので、身体にとっては心地良く別腹に入ったように感じてしま うのです。 そして、めでたく(?)食べ過ぎてしまうことになります。 身体にとって、「糖分」も「脂肪」も必要 な栄養素ですが、食べ過ぎたものは血中にでてきて身体を傷つける有害なものになります。 これらのカラ ダにとって余分で不要なもののことを、わかりやすく「からだのゴミ」と呼ぶことにしましょう。 そして、 このような「別腹」食が繰り返されると、「からだのゴミ」が徐々に身体に溜まることになります。 これらの「か らだのゴミ」をキチンと捨てることで、太りにくい体質や、キレイな肌、規則正しい女性のリズムへの体質に近 づきます。 この大切な「からだのゴミ」出しがPCOSの改善につながるというのがテーマです。 この 「からだのゴミ」は、食べすぎだけではなく早食い、甘いものや濃厚な食事の偏り、慢性的な便秘や下痢、 冷え性の方によく溜まってしまいます。 とくに慢性的な便秘の場合は、食べ過ぎなくてもこの「からだのゴミ」 がたまってしまいます。 ゴミをためないためには毎日すっきり排泄するこが最低必要です。 たとえば、 「私は 何をやっても絶対やせません。」 「水をのんでも太っちゃいます。」 私たちの店頭で、ダイエットの相談時に よく聞くセリフです。 そして、確かに普通の量の食事でも、着々と太ってしまう方がいらっしゃいますが楽しく 簡単にダイエットできる方との違いは何でしょう。 「食べなくても太る。」なんてことは理論的には絶対ありえないのですが、勝手に思い込んでしまって、ダイエ ットしたいけど、体重計にのるのがこわいなんてことありませんか? 一生懸命、食事を制限し空腹を我慢 してもダイエットできない方の多くは、ホルモンのせいでもなく、ましてや意志が弱いせいでもありません。 ほとんどは、 低体温や便秘あるいは飲酒など前述の「からだのゴミ」がスムーズに排泄されないなんらかの原 因が見つかります。 この根本的な原因が改善できれば、脂肪は燃焼しやすくなります。 一生懸命、食事 を制限し空腹を我慢してもダイエットできない方の多くは、ホルモンのせいでもなく、ましてや意志が弱いせ いでもありません。ほとんどは、 低体温 または 便秘 など「からだのゴミ」の排泄に問題がある方がほとんど です。 この2つを改善するだけで、どれだけ多くの方に喜んでいただいたでしょうか。 それにしても、最近は、 ダイエット法だけでも星の数ほどあります。 バナナダイエット、トマトダイエット、リンゴダイエット、置き換えダイ エット、アミノ酸、キトサン、カルニチン、αリポ酸・・・・・。 いろいろ迷ってしまいそうですが、ヨーロッパの古い 言い伝えに You are what you eat。 「食べたもので、あなたのからだができている。」 そうです。 どう してもダイエットできない方はもういちど、食事を中心に自分の生活習慣を見直して見ましょう。 そして私 の専門の中医学では、食養生といって食べ物も大切にしますが、その結果として排泄される二便つまり 「尿」と「便」は体調や体質を判断するのに、とても大切な要素と考えています。 中国の歴代の皇帝たち は、中国屈指の中医師(漢方のお医者さん)たちに毎朝二便をチェックされていました。 ですから、確かに 普通の量の食事をしていても、着々と太ってしまう方がいらっしゃいますがそんな方々にも必ずやせない理 由があります。 食事よりも、食事の結果が排便なので排便を中心に、毎日の生活習慣をもう一度チェッ クしてみましょう。 本来、「ダイエット」とは「食べないこと」ではなくて「正しい食事」の意味です。 「ダイエット」の語源は「健康 的なからだになるための食事療法」ですが、おもに日米欧の先進国では(最近は経済発展著しい中国 も)、食事が豊かになったことで肥満の悩みが増えてしまい「健康的なからだになるための食事療法」がほ とんど「健康的なからだになるための減量」にかたよってしまったのです。 そして正しい「減量」とは、「体重を 減らすこと」ではなくて「不要な脂肪をへらす(そぎおとす)こと」です。 その意味では、ひとりひとり体質や体 脂肪量、筋肉量も個人差がありますので、信頼のおけるカウンセラーをみつけておくのが理想です。 少なく とも体重だけでなく、体脂肪や食事などについて積極的にアドバイスしてくれるダイエットカウンセラーをみつ けると、ワクワク楽しいダイエットが実現できます。 近年、ミスユニバースに「森理世さん」や「知花くららさん」 など日本人が連続して入賞・優勝しましたが、彼らの栄養指導や生活指導を行ったファイナリスト専用 栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさんの存在は大きいでしょう。 食事だけでなく、生活指導や精神的 なトレーニングも含めてサポートされていますが、どうせダイエットするならミスユニバースのファイナリストたち に負けない正道を歩みましょう。エリカ・アンギャルさんの著書「世界一の美女になるダイエット」はとてもお すすめです。弊社の5名のダイエットカウンセラーたち(ちなみに彼らイヌイ薬局ダイエットチームのニックネー ムは“アンギャルズ”です)も愛読しています。 ください。 そしてこんな方の多くは、吹き出物とかやゴリゴリのニキビとかがよくあります。 さらに、よく聞いてみると生理 不順や、生理が年に数回しかないという方もたくさんいらっしゃいます。 ・ダイエットも不妊症も主食とスープで断捨離 前述の、別腹などによって生じる「からだのゴミ」のことを漢方では「痰湿(タンシツ)」といって生理不順、ニ キビ、アトピー、生活習慣病をふくむ肥満の原因と考えます。そして、これらは病名が違いますが漢方での治療方針は「からだのゴミ」を捨てるという同じはたらきをする薬で治すことになります。このように、違う病 気を同じ治療で治すことを漢方では「異病同治(イビョウドウチ)」といいます。これら「からだのゴミ」が全身 2百万個といわれる毛穴から噴き出して、皮膚に炎症がおきてアトピーになります。同じように、必要以上 の糖や脂肪分といった「からだのゴミ」が卵巣や卵管にたまれば、正常な卵が育たず、排卵されずPCOS など生理不順や不妊症の原因になります。また皮下脂肪につけば肥満体型になり、内臓脂肪としてつ けば生活習慣病の原因になります。皮膚炎が治ると不妊症だった方でも妊娠できたり、逆に短期間に 太ってしまった人の生理が不順になったりするのはこのためです。「はじめに」でご紹介した志真ちゃんの例 は「自然なダイエット」が女性が本来持つ妊娠力を高め、「新しい生命」の誕生に結びつきました。健康の ために、これらの「からだのゴミ」は、できてしまったらなるべく早く捨てましょう。 「からだのゴミ」を捨てる方法 は 1に排便 2に排尿 3に発汗 です。 とりわけ、排便は最大のゴミ捨て場です。その日のゴミはその日 のうちに捨てるのと同じように1日一回排泄しなければ便秘です。 中国の古いことわざにも「欲得長生、 腸中常清」(長生きしたかったらいつでも腸をきれいにしておくこと)といわれています。 そして、「からだのゴ ミ」をなるべく断ちきるためには「からだのゴミ」が溜まる生活習慣を改善すると、治癒は早くなり再発の防 止になります。 現代のような飽食の時代には、「補うこと」より「捨てること」のほうが大切なことが多く、いま のデトックスや断食ブームはそんな背景を反映しています。 日々の食事のなかでは、主食と汁物が食事 の割合の大半をしめるので「からだのゴミ」を溜めない習慣として主食と汁物に意識を集中することが大切 です。 ・ダイエットは食事だけじゃない食べ方も大切脂肪だけをそぎ落として、筋肉は大切に補い続ける「正しいダイエット」は何を食べるかも大切ですが、ど んな風にたべるかも大切です。 中医学の古いことわざにも 「食前のスープは神の処方にまさる。」 といわれ ています。 食前に、昆布や鶏ガラなどで出汁をとった液体のスープや汁物をまずお腹にいれることで、過 度な空腹感や飢餓感を軽減することができ、結果として食べ過ぎを防ぎます。また、昆布や鶏ガラで出 汁をとったスープや汁物にはアミノ酸をはじめミネラル、食物繊維などの大切な栄養素が煮出されていま す。ですから、昆布と鶏ガラで出汁をとった汁物(スープ)は「しなやかで美しい筋肉」を支えるアミノ酸やミ ネラルなどの大切な栄養素を一番吸収されやすい空腹時にまず体内にいれて、昆布に含まれる食物繊 維などでその後の食事の急激な血糖の上昇を防ぎます。 同じ食事をしても食事の順番で、美しくしな やかな筋肉になったり贅肉になったりしてしまいます。まず、ス-プやお味噌汁などの汁物、その次にサラダ などの野菜からたべるようにしましょう。 また食事の順番とおなじように、「良く噛む」ことも大切です。理想 は一口30回~50回。私のお店も、もともとがドラッグストアだったので、毎日たくさんのお客様に来店い ただいていました。しっかりとした漢方相談以外にも健康についてのさまざまな質問を頂いたり、良く売れて お店の棚からなくなった商品の補充をしたり、たくさんのお買いものをしてくれたお客様の荷物をはこんだりと 結構忙しく、お昼休みもゆっくりとることはマレでほんとうに食事を駆け込むだけの毎日をすごしていました。 中医学を学ぶようになって、主食を玄米や玄米パンに変えるようになってから、十分噛まないと消化しな いことに気がついたのですが、長い間の習慣の積み重ねでとにかく早食いの癖がぬけませんでした。皮膚病の漢方の勉強会で、そのことを尋ねると「一口ごとにお箸をおいて30回噛めるまで橋を持たない。」と教 わってようやく落ち着いて噛んで食べられるようになりました。最近は、女性もほとんど職業をもっているので 「早食い」のかたが多く、漢方のご相談時に舌をみせてもらうのですが「歯痕(シコン)」といって歯型が舌の まわりに残っていたり、「舌苔」といって舌の上に白や黄色の厚い苔が残っている方をよく見かけます。「歯 痕」は胃腸がつかれている証拠ですし、「舌苔」は食事の量が多いか消化ができていないなどの理由で 「不消化物=からだのゴミ」が生じている証拠です。聞いてみると、たくさん食べ過ぎか早食いがほとんどの ようです。前述のとうり、こういった「舌苔」のような「からだのゴミ」が蓄積されると「吹き出物」や「PCOS (多嚢胞性ら脳症候群)」の原因となってしまいます。仕事が忙しいなどで「早食い」の習慣がある方は、 まずお箸をおいて30~50回噛む習慣を付けましょう。 ダイエットといえば、「なるべく食べない」と思ってい る方も多いと思いますが、ダイエットは「何をたべるか?」「どのようにたべるか?」を含めて「正しく食べるこ と」です。さらには、気のあった友人、心安らぐ家族との食事を大切にすることで、むしろ体重計に乗るのが 待ち遠しくなる「楽しいダイエット」を継続することができます。 ・PCOS(多膿胞性卵巣症候群)とダイエットの深い関係 1つには物理的に私たちの排便は、普通の食 事ならば300gが理想です。 単純に考えて、たとえば2日に1回しかお通じがないとすると、1ヶ月で15日 しか排便がないわけですから 300gx15日=4500g つまり毎日排便のあるひとにくらべて、一ヶ月で 4.5kgも余分なものをためこむ可能性があります。 よく、こんな説明をすると 「翌日、でているので大丈 夫と思っていました。」 といわれます。が、理想の「便ちゃん」は一回300gで例えればバナナ3本くらいで す。もし2日目に2日分出るなら600gの「便ちゃん」でバナナ6本ということになります。 便器にバナナが6 本なんて、想像しただけでも壮絶な光景ですね。もし、本当に6本分排泄されるなら爽快な気分でしょう ね。 ましてや、ダイエット中なら(ダイエット中でなくても)バナナ6本でマイナス600g。 ご飯1杯150gです から、ご飯4杯分を余分に食べても体重は元通りです。 もちろん、バナナ3本食べてもマイナス300gで す。 ダイエット中の方なら魅力的過ぎるでしょ。便を出すことだけで、体重が違う。 これだけでも価値がわかっていただけたでしょうか。でも、まだまだ序の口です。 2日でバナナ3本だとすると残りはどこにい ったのでしょう。 しっかり再吸収され、腸壁にこびりつけば排泄されるまで再吸収され続けるばかりでなく、 新しい食事の吸収を妨げ肌荒れや生活習慣病の原因となる可能性が高いのです。 そして、何日もお腹 にある便は、身体にとって好ましいものとはほど遠く、たとえれば汚物や毒物になります。 便秘でない人と 比べて、1日150gの食事をハンディキャップとして抱え込むわけですが、これはちょうどゴハン1杯分の重さ に相当します。 ですから、ゴハン一杯を控えても、もともとの体重なので、ダイエットしようと思ったらここから さらに食事を控えなければなりません。そこで、今度はもう一食ゴハンを控えると、これでほとんど一日ゴハ ンを食べないわけですから、いわゆる炭水化物をほとんど摂取しない生活に突入します。 そうすると、炭水 化物は脂肪を燃やす前の着火点になっているので、脂肪が燃えなくなってしまいます。 それでもダイエット をしようとすると、今度はお肉や魚などのたんぱく質などを控えなければならなくなってしまいます。 すると、 今度はたんぱく質が不足すると筋肉がおちて行きます。ところが、人間のからだの中で、脂肪をもやす組 織は筋肉しかないので、脂肪が燃えにくい身体になってしまいます。すると、さらに食事を減らして体重を落としても、さらに筋肉が落ちて 脂肪がさらに燃えにくくなって・・・・・。これが食べなくても太るダイエットの 悪魔のスパイラルです。結果的に筋肉がドンドン落ちると 1、 脂肪が燃えにくいダイエットしづらい身体に まっしぐら 2、 からだの弾力は筋肉が主役、筋肉が衰えるとピチピチとはほど遠くなります 3、 炭水化物 も筋肉も減少してしまうと動くのが億劫になったり、動作に切れがなく緩慢になりますので周囲から横着で 太ったとみられてしまいかねません。 こんな経験された方も多いはず。 これがゴハンなどの炭水化物をまっ たく食べないという「炭水化物ダイエット」が痩せにくくみすぼらしい身体をつくってしまう理由です。 本当に、 かわいそうです、だって、頑張れば頑張るほど醜く不健康な身体をつくるわけですから。 話がはずれまし た。 そして慢性的に便秘があって、急に太った方も、無理やりダイエットされた方も、女性なら生理が止ま ってしまったりしつこいニキビや肌荒れに悩まされている方がとても多いのですが、便秘を解消しながら標準 体重に近づくと、生理のリズムもしつこいニキビも同時に解消してしまうことがままあります。 *便秘とニキ ビ・肌荒れ・アトピーについて、便秘と生理不順について次節以後で簡単にご説明します。 中国で古くか ら伝わる孫子の教え 「敵を知り己を知らば百戦あやうからず。」 にのっとって、ダイエットについてはのちほど 詳しく第3章で説明することにして、ダイエット・ニキビ肌荒れ・生理不順のキーマン「便ちゃん」について研 究しておきましょう。

PCOSと現代生殖医療

この、第二章ではPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を現代医学的な考え方について定義と治療やその おくすりについてお伝えします。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、生殖年齢にある女性の5%以上に 見られる症候群で、現在も増加傾向にあって排卵を障害するために不妊症の大きな原因の一つとなっ ています。現代生殖医療のなかでも原因としては、20%程度を占めると言われています。さらに、実際の 臨床の現場では男性ホルモンの分泌が過剰であったり、インスリンという糖の吸収に関わるホルモンの反 応の悪さ(インスリン抵抗性)などからだ全体の代謝に関わる面をもちあわせているので、単なる排卵障害 というよりは、全身の代謝の異常としてとらえる方向にあります。そのため、第4章でお伝えるように食事を はじめとする生活養生が大切になります。現在、医療機関でPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の治療を 受けている方々のために、代表的なおくすりと治療についてお伝えたいと思います。とりあえず、理屈はどう でも良い方は本症を読み飛ばしていただいてもかまいません。 ・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と検査 PCOS(多膿胞性卵巣症候群)の現代医療での診断につ いては、第一章で簡単にお伝えしたとおり、一般に超音波検査で小さな嚢胞と呼ばれる卵胞が卵巣に たくさん見られます(ネックレスサイン)。ただ、嚢胞がたくさんある(ネックレスサイン)だけでPCOS(多嚢胞 性卵巣症候群)と診断されるわけではありません。 第一章でお伝えしたように、 ひとつには、たくさんの嚢 胞があるネックレスサインに加えて、二つ目に排卵障害などの生理不順があって、三つめに血液中の男 性ホルモン値が高いか、LH(黄体化ホルモン)と呼ばれる排卵の時に分泌されるホルモン値が高いこと の、3つをすべて満たしていることがPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の診断基準とされています。 この3 つの条件が揃わなくても、生理不順などがある場合をPCO(多嚢胞)と呼ぶ場合もあります。いずれにし ても、男性ホルモン値が高いと卵胞が発育しても途中で成熟が阻害されたり、多毛などの男性化の現 象が見られます。また、糖を吸収するインスリンというホルモンの効き目が低下する「インスリン抵抗性が高 くなる」ことも多く複雑で多彩な症状がみられるので症候群と言われています。 ・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因については、かつて遺伝的な要因と言われていることが多いよ うですが、前述のインスリンの働きが悪い(抵抗性が高い)場合や男性ホルモンが過剰なことが多く、食生 活や運動不足などの生活要因にも注目されはじめました。私たちイヌイ薬局の店頭では、統計を取って いるわけではありませんが生活習慣が関与しているように見受けられることが動機にな っています。現在の日本では不妊に悩むカップルが40万カップルもいるといわれていてそのうち20%の方がPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)で悩まれているとのことですから、まずは生活習慣で予防・解決して いただきたいと思いペンをとりました。 実際、肥満をともなう感じのぽっちゃりタイプPCOS(多嚢胞性卵巣 症候群)のかたの場合は、いわゆるダイエットで妊娠されることも少なくありません。しかも、標準体重まで 体重がおちなくても現在の体重から10%くらい体重が落ちると排卵が始まり妊娠に至ることは少なくない いようです。肥満を伴うぽっちゃりタイプの方でない場合も、インスリンの働きが悪い(抵抗性が高い)場合 が多いのでダイエットというよりも、血糖値をあげにくいいわゆる低GI(グリセミックインデックス)とかグルテンフ リーなどと呼ばれる身体にやさしい食事で改善に向かうこともあります。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群) の場合「血糖値を急にあげない」いわゆる低GI(グリセミックインデックス)「からだにやさしい」食生活が鍵を 握りますので、改めて第4章で詳しくお伝えします。 以上、長くなりましたがPCOS(多嚢胞性卵巣症候 群)の定義をまとめると 1臨床症状 1月経異常(無月経、希発月経、無排卵周期など) 2多嚢胞性卵 巣 超音波断層検査で両側卵巣に多嚢胞所見が見られ、すくなくとも一方の卵巣に2~9mmの小卵 胞が10個以上見られること。 3血中男性ホルモン が高いまたはLHが高くFSHは正常。 で1~3のすべ てを満たすならPCOS(多嚢胞性卵巣症候群) ・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の薬物療法 Aホルモン療法 1クロミフェン クロミフェンは抗エストロゲン作用(anti-estrogen-agent)のおくすりといわれています。名前のとおりエストロゲ ン(卵胞ホルモン)の分泌を抑制します。卵胞は発育に比例してエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌がさ かんになります。エストロゲンの分泌がさかんになり血中のエストロゲン(卵胞ホルモン)の値が上昇するとF SH(卵胞発育ホルモン)と呼ばれる卵胞の発育を促進させるホルモンの分泌が減少します。ですから、ク ロミフェンのようにエストロゲンを抑制するおくすりは、FSH(卵胞発育ホルモン)の分泌を促進します。結 果、卵胞の発育を促進するFSH(卵胞発育ホルモン)の多量の分泌によって、卵胞の発育がさかんにな り排卵へ向かう可能性が高まりますので、排卵誘発剤と呼ばれています。ただ、クロミフェンなどのエストロ ゲンの分泌を抑制する、抗エストロゲン作用のあるおくすりは子宮頸管粘液の分泌を減少させ子宮内膜 を薄くしてしまうこともありますので、月経血や子宮頸管粘液が減少しはじめたらかかりつけの医療機関な どに相談しましょう。(*ホルモンの旅については付録ホルモンの旅を参照ください。) PCOS(多嚢胞性 卵巣症候群)の場合、排卵が起きにくいのでまずはクロミフェンなどの排卵誘発剤が処方されます。3~ 6周期で排卵が起きて順調に妊娠すれば良いのですが、長期にわたる排卵誘発剤の使用は卵巣を疲 れさせてしまうので、できれば3周期をめどに3周期つづけて排卵誘発剤を使用したら2~3周期卵巣を 休ませる意味で服用を休みましょう。長期間クロミッドやクロミフェンなどの排卵誘発剤を連用すると卵巣 過剰刺激症候群(OHSS)などに陥りやすくなります。クロミッドなどの排卵誘発剤をお休みの間には、な るべく漢方のおくすりや食事の改善などで卵巣の機能を取り戻すようなお手当が大切です。詳しくは第3 章でお伝えします。 2メトフォルミンクロミッドやクロミフェンなどの排卵誘発剤で排卵がうまく起きない場合には、メトフォルミンなどと呼ばれる 糖尿病のお薬が処方されることがあります。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のひとつの特徴に、インスリ ン抵抗性が高いことが挙げられますが、これは「糖」の吸収を促進する唯一のホルモンの「インスリン」が身 体のなかで効きにくいことが原因なので、糖尿病のおくすりを短期的に服用して効果があることも多いよう です。 3ゴナドトロピンクロミッドやクロミフェンなどの排卵誘発剤が無効な場合、ゴナドトロピンなどの排卵を誘発する注射が 行われます。このおくすりの場合、卵巣を過剰に刺激しすぎて、卵巣に浮腫みを発症したり卵巣機能の 低下をまねいてしまう卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を発症しやすいため、少量からはじめて徐々に増 やしてゆく方法がとられます。 4人工授精クロミッドなどの排 卵誘発剤で子宮頸管粘液が少なくなってしまったり、排卵の機会を有効に使うために人工授精が行わ れることがあります。クロミッドなどの排卵誘発剤によって、順調な排卵が得られた場合には卵胞を凍結し ておくことで、妊娠の機会が増加します。 5手術療法 PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因の卵巣内の小嚢胞を腹腔鏡によってレーザーなどで卵巣表面 にある小嚢胞を照射して切除する手術が行われます。通常は療法の卵巣に対して行われ、片側あたり 数カ所から数十カ所処置が行われます。この卵巣書写によって排卵周期が回復するメカニズムは詳しく 分かっていませんが、卵巣内のアンドロゲン(男性ホルモン)の改善によると考えられています。 この卵巣照 射によるPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のメリットは、排卵誘発剤などによるOHSS(卵巣過剰刺激 症候群)を避けることができます。 逆に、デメリットは卵巣照射により焼灼された部位には卵胞ができにく くなります。また、効果の持続が1年程度と言われています。中医学では、照射後に血流を改善しておくと 卵巣機能の低下を予防できます。 6体外受精 PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、排卵障害が原因なので 一般の体外受精は、卵胞の直径20ミリ 前後で採卵すると妊娠率が高いのですが、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)が過排卵刺激を行なうとO HSS(卵巣過剰症候群)のリスクがあることから、まだ成熟しきっていない「未熟卵」を使った体外受精が 考えられています。この方法が未熟卵体外培養(成熟)IVM(in vitro maturation)です。分かりやすくい えば、卵胞の成長過程で採卵して、体外で成熟させます。その後にICIS(卵細胞質内注入術)によって 受精させ、通常のIVFと同じようにET(胚移植)を行います。が、まだ確立された方法とはいえません。 ・PCOSで知っておきたいこと PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)が原因で不妊症の場合、原因が男性 ホルモン過剰などのホルモンのバランスが原因であって、決して卵巣機能が衰えていたり子宮内膜に問題 があるわけではないので妊娠の可能性は高いと言いうことをこころにとめておいていただきたいと思います。生理が不順であったり不正出血が続いたりしますので、不安な気持ちになるかもしれませんが、上記のよ うな西洋医学的な方法や後述の漢方や食事の改善で妊娠の可能性が高くなります。むしろ、卵が十分 成熟しない状態で着床してしまうことも多く、習慣性流産の原因となりやすいので「卵」の質を十分に向 上させておくことが大切です。その意味でも、西洋医学的な治療と合わせて漢方や食養生の併用 が大 切です。漢方については第三章を、食養生については第四章を参照のうえ有効に活用下さい。

 

漢方で考えるPCOSとダイエット

プロローグ~~ 「生理が来なければ女性のカラダしゃない。」~~ 2014年7月6日まだまだ若さがまぶしい29歳のYさんの悩みは、自力では生理がいつまでたっても来な いこと。結婚してまだ間がないということもあって、とうぜん妊娠は希望されているけれど特に急ぐわけではな いのですが、「自力で生理が来ないので女性ではない。」のが悲しいと来局され、相談机での涙ながらの 訴になってしまいました。彼女の生理が来ない理由は、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)による排卵障 害で、数年前に禁煙によって体重が急に増えて以来生理が自然になくなってしまいました。しばらくは、 医療機関でのホルモン補充で生理周期をつくっていたのですが、ホルモン剤の補充をやめるとピタリ生理が こなくなってしまうことに疑問をいだいての来局でした。7月31日に来局されたときにはPCOSの方にあり がちなニキビもブツブツと出始めさらに落ち込まれたようでした。また、手足もほてって夜の就寝時には手足 をおふとんからだして寝るという状態。そこで、漢方のお薬と食生活についての約束をしてもらいました。(漢 方のおくすりについては本章の・夏桂成先生の周期調整法についてのところで少し説明させていただきま す。) 生活上の注意については、ご主人のお仕事が忙しく帰宅が遅いのでお友達とのお付き合いや間食 が多いとのことだったのですが、まず、間食をやめてもらう約束をしてもらったところ、体重が2kgくらい減少 して顔がこころなしかほっそりした8月23日には待望の生理が来朝。今度は、うれしくて相談机の前で喜 びの涙の報告をいただきました。まさに悲しみに「泣いたカラス」が2か月足らずで喜びに「泣いたカラス」に 変わられて笑えてしまいました。 悲しみや悩みの涙を喜びの涙に変えて行くのが私たちの仕事だと思いま す。 よく、過激なダイエットで生理がとまってしまう話題もありますが、Yさんのように、急に太ると生理がとま ってしまうこともままあります。 実際Yさんには漢方のお薬として、血液をふやす「婦宝当帰膠(フホウトウキ コウ)」と生理を促す意味で血流を改善する「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」と「からだのゴミ」を掃除 してくれる「シベリア霊芝(レイシ)」というハーブを生理がくるまで服用してもらいました。そして、食養生とし ては、間食が多かったのですがアイスクリームなどは極力さけてもらうか食後に食事時に一緒に食べてもら うようにしました。また、第4章でくわしくおつたえしますが、主食も雑穀を混ぜてもらい汁物も毎晩昆布を 浸した「浸し昆布」水をつかってもらいました。お友達との夜のおつきあいも、なるべく率先して取り分けるよ うにしてもらい、本人は野菜をたくさんとりわけるようにしてもらいました。 すると、結果的に、Yさんの場合も 少し「ダイエット」することでPCOSの改善につながりました。 「はじめに」のN様やこのY様のように、PCO S(多嚢胞性卵巣症候群)で悩まれるほとんどの女性は、生理不順、不正出血、無排卵などの症状が あります。現代の女性は、仕事と家事を両立させ忙しい毎日を過ごされることが常識となっていますが、そんな毎日を過ごされているみなさんの生理は順調にリズムを刻むことが大切です。特に、妊娠を望まれる 女性は、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)に限らず、正確で規則正しい生理周期を刻むことが基本で す。中医学で考えるPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の改善については、これからご紹介する夏桂成(カ ケイセイ)先生の漢方月経周期調整法のなかで、女性の生理にはそれぞれ意味があると考えて、その周 期にあわせたお手当をすることで順調で健やかな生理周期を整えます。 ・生理痛・生理不順はないのが当たり前 順調な妊娠や安全な出産を迎えるためには、生理痛や生理 不順のないスムーズな生理が大切ですが、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の多くの方は、 生理周期が 一定しない 生理周期が35日以上で長い 生理が来ない 不正出血しかない など排卵障害を含め生理 不順を伴うのが一般的です。 でも、後ほど「夏桂成先生の月経周期調整法」でお伝えするとおり生理の 周期にはそれぞれ意味があり全体を通じてスムーズに流れてゆくことが大切です。生理痛や生理不順を 「生理だから仕方のないこと。」と考えるのではなく、「生理痛や生理不順はないのが当たり前。」として早 め早めのお当てが大切です。中国では、お嬢さんの生理痛や生理不順はお母さんの責任で結婚するま でに改善しておくのが習慣になっています。結婚が決まってから、あわてて婦人科を受診するなんてことの ないように、日本でも見習いたいものです。生理痛や生理不順がある場合、中医学では何か原因が必 ずあると考えその原因を改善するように体質に合わせておくすりや食事の内容などの生活習慣を改善し ます。月経周期調整法では、ただ一時的に痛みや不正出血を止めるのではなく、生理周期の持つ本来 の役割に沿って全体のリズムを整えてゆきます。全体のリズムを整えるためには、「足りないものを補い余 分なものを捨てる。」ことで対応しますが、今の身体の状態で「何が足りなくて何が余分なのか?」を見極 めるのにBBT(基礎体温)の変化をみせていただくことがとても役に立ちます。私たち薬局では検査をする ことも超音波でエコーをみることもできませんが、BBT(基礎体温)をみせていただくことで「卵」の状態や 「子宮内膜」の状態を垣間見ることができます。そして、「足りなければ補うおくすりを、逆に余分なものが あれば捨てるおくすりを」漢方のおくすりやハーブのなかから選んで、そしてさらに生活養生でお手当しま す。 ・ご存じですか?PCOSの原因が「からだのゴミ」って 第一章でおつたえしたように、「糖分」も「脂肪」 も「タンパク質」も身体にとって必要な栄養素ですが、食べ過ぎたものは血中にでてきて身体を傷つける 有害なものになります。これらのカラダにとって余分で不要なもののことを、わかりやすく「からだの ゴミ」と呼ぶことにしました。 これらの「からだのゴミ」が身体にたまってくると、PCOSの発現につながると中 医学では考えていますし、たくさんできてしまって排卵することのできない卵そのものも「からだのゴミ」=痰 湿と考えています。 この「からだのゴミ」は、食べすぎによってたまる場合もありますし、慢性の下痢や便秘・ 冷え性など胃腸が弱くて「からだのゴミ」が排泄できない場合にも溜まってしまいます。いずれにしても、中 医学でもPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因は、「からだのゴミ」がたまってしまう「身体の代謝」が主 な原因で、卵巣機能の低下などの「生殖機能」の問題ではないことを理解しておきましょう。生殖機能の 低下ではなくからだの代謝の問題なので、糖尿病や高脂血症などのお手当と同じように、食生活をはじ めとする生活習慣を見直すことが大切で、PCOSの場合には「卵」はむしろ「単純な卵の数」でいえば逆にたくさんできすぎているのですから「からだの代謝」さえもとに戻ればむしろ妊娠しやすいといえます。このこ とが、最もおつたえしたい事柄で、本章のはじめのYさんの例のように鳥越苦労はやめて、生活習 慣をただすことで「泣いたカラスが笑える日」が近いと言えます。食事については、第4章で詳しく解説して ゆきます。 ・PCOSの最大の原因「からだのゴミ」と月経周期調整法 ~~「からだのゴミ」は断捨離~~ 200 6年以来毎年のように私たちが学び実践している「月経周期調整法」は、中国南京中医薬大学の夏 桂成(カケイセイ)先生の経験によるもので、現在も80歳ちかい夏先生の元には中国全土から不妊症の 診察を受診するために毎日大勢押し寄せています。そして、2014年10月には中国政府から中国全 土で60名(しかも生存されているのは50名弱)しかいない、いわば「漢方の人間国宝」ともいえる「国医 大師(コクイタイシ)」の称号を授与されています。

「月経周期調整法」の応用範囲は広く生理不順から不妊症、習慣性流産の方にも喜ばれています。こ こでは、実際のPCOSに対する「月経周期調整法」の考え方について簡単にお伝えします。PCOS(多 嚢胞性卵巣症候群)では何度もおつたえしたように、嚢胞のようなたくさんの「卵」ができてしまうことで良 質の「卵」が育たなくなってしまうのですが、「月経周期調整法」ではこれらの嚢胞のような「卵」自体を身 体にとって不要な「からだのゴミ」と考えます。そして、これらの嚢胞のような身体にとって不要な「卵」に必 要な栄養を取られていってしまうので「主席卵胞(シュセキランポウ)」と呼ばれる排卵に向かう良質な「卵」 ができなくなってしまうと考えます。これらの不要な「卵」=嚢胞を取り除くことで、はじめて本来の元気な 「卵」に栄養を届けることができて排卵に向かう元気で良質な「卵」が育つようになります。現代生殖医療 ではこれらの不要な「卵」をレーザー照射によって焼き切ることでとりのぞきました。「月経周期調整法」で は「化痰利湿(ケタンリシツ)剤と呼ばれる」、身体に不要な「からだのゴミ」=(中医学で「痰湿(タンシ ツ)」と言います)を流してくれるおくすりや、血行を改善する「活血剤(カッケツザイ)」と呼ばれるおくすりや ハーブでこれらの不要な「卵」を自然に排泄します。レーザーによる照射は、確実かもしれませんが、照射 された部分で「卵」が再び育つことは無いので、残りの「卵」の数が多くない方々、年齢の高めの方やAM H(抗ミューラー管ホルモン値)の低い方はまず「月経周期調整法」を試されるのも一手です。 「はじめに」のN様と本章の29歳Yさまにつかった漢方のおくすりやハーブは 必要なホルモンの分泌を安定させるた め、血液を増す補血剤(ホケツザイ)と呼ばれる漢方の「婦宝当帰膠(フホウトウキコウ)」と呼ばれるおくす り や 中医学で破血剤(ハケツザイ)と呼ばれる血液の投げれを改善するハーブ「水快宝(スイカイホウ)」 とよばれるハーブ、 そして補陰剤(ホインザイ)と呼ばれ身体を潤す「知柏地黄丸(チバクジオウガン)」とい う漢方薬と 利湿剤(リシツ)と呼ばれる身体のなかの老廃物「からだのゴミ」の排泄を促す「シベリア霊芝」 というハーブをのんでもらいました。 PCOSの場合、中医学でいう「利湿(リシツ)」という「からだのゴミ」を出 すおくすりやハーブがとても大切ですので、食養生でも新たな「からだのゴミ」を溜めないように *腹八分目 *下痢や便秘を改善 *深夜の食事や間食を控え *玄米などの全粒粉や海藻・茸類をうまく取り入 れる よう工夫しておく必要があります。 食養生で「からだのゴミ」を「断」ちきり 「利湿剤(リシツザイ)」と呼 ばれる漢方のおくすりやハーブでたまっている「からだのゴミ」は「捨」ると PCOSなどの症状が身体から 「離」れ 妊娠しやすい身体へと向かいます。 ・医療機関のおくすりと漢方の併用について 店頭でよくいただく質問で、医療機関のおくすりと「月経周 期調整法」などのおくすりの併用についての質問をたくさんいただきます。基本的に、医療機関のおくすりと 漢方のおくすりとの併用は可能ですが、医療機関から処方されるおくすりについても場合によってさまざま なので、私たちイヌイ薬局の店頭では、漢方のおくすりについて相談されるときに医療機関から処方された おくすりについても詳しくおたずねするようにしています。医療機関からのお薬が処方箋であれば、ほとんど の薬局の窓口で「おくすり手帳」という服用中のお薬についての履歴や注意を薬剤師さんが書き込んだ手 帳をもらえると思います。差支えなければ、漢方のおくすりの相談の時などにその「おくすり手帳」を拝見で きるとモレが無く調整しやすくなります。夏先生の「月経周期調整法」は、中医学の基本となる「陰陽五 行」の考え方の上に成り立っていて簡単に理解実践しがたいので、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)に ついて「月経周期調整法」での改善をのぞまれる方はあるべく専門の方にご相談ください。 コラム ・夏桂 成先生の月経周期調整法とは 最後に夏桂成瀬性の月経周期調整法について説明します。月経周 期調整法では、女性の生理にはそれぞれ意味があると考えて、その周期にあわせたお手当をすることで 順調で健やかな生理周期を整えます。 以下、それぞれの周期の役割についてお伝えします。 @生理期 (月経期) 生理の時期は、身体にとっては排泄の意味をもつ時期となります。妊娠しなかった周期の、 古い子宮内膜を捨てて次の周期に備えて、新しい子宮内膜をつくる意味を持ちます。できるだけ、古い 子宮内膜を残さないようにすると、柔らかくてフカフカの新しい子宮内膜が出来やすくなります。ちょうど、 部屋を片付けるのに、家具をすべて捨ててお部屋にあった新しい家具をそろえると期待する雰囲気に合 ったお部屋ができやすいのと同じです。月経周期調整法ではこの時期に血行を改善する「冠元顆粒」な ど漢方のおくすりで、古い子宮内膜をしっかり排泄します。 @卵胞期(低温期) この時期は、静かに卵 胞を育てて排卵に備える時期です。元気な「卵」を育てると、着床してからの子宮内膜も厚くフカフカにな りやすく健やかな安産に結びつきます。月経周期調整法では、身体を潤わせる「補陰薬(ホインヤク)」と 呼ばれる漢方のおくすりで「卵」の成長発育を支えます。 @排卵期 この時期は、成長した「卵」を排卵さ せる時期で通常の健康な排卵であればBBT(基礎体温)が三日間で0.3°Cくらい上昇します。中医学では、排卵のためには十分な「気血」が必要と考えています。月経周期調整法では、「気」や「血」のめ ぐりを整える漢方のおくすりを使うことで、スムーズな排卵を支えます。 @黄体期(高温期) この時期は、 着床に向かって子宮内膜が厚くなって9mm~12mmくらいになり体温も36.7°Cから37°Cに維持さ れます。この時に柔らかくフカフカの子宮内膜が形成されていれば、着床しやすくなります。月経周期調整 法では、「陽」を補う「補陽薬(ホヨウヤク)」と呼ばれる漢方のおくすりで子宮内膜の増殖と高めの体温を 支えます。めでたく受精卵が着床したら、子宮内膜の厚さも体温も維持されたままになります。着床しな ければ、生理期に戻って不要になった子宮内膜をなるべくきれいに排泄することになります。 以上簡単に月経周期調整法についてみて行きましたが、お話をもとにもどして、PCOSでは排卵できな い卵をふくめて不要な「からだのゴミ」を捨てることで排卵を促し本来の周期を取り戻します。漢方のお薬と しても利湿剤(リシツザイ)が良く使われますし、食養生としても「からだのゴミ」をためない食事になり、結 果的に「ダイエット」な生活がPCOSの改善につながります。本来の「ダイエット」は正しく食べることですし、 妊娠を希望するなら必要な栄養素はキチンと摂取しなければならないので、食事について次章で詳しく みて行きましょう。

 

PCOSを乗り越えるダイエット

・漢方で考える「からだのゴミ」だしサイン ~~舌の苔を取ってるあなたはPCOS予備軍?~~ ダイエッ トで思わず妊娠のNさんや無月経だったYさんのように、PCOSになってからお手当して首尾よく改善でき れば良いのですが、PCOSは予防することで安定したリズムを維持するのが一番です。PCOSの予防の ためには「からだのゴミ」を溜めない生活が理想です。でも、思わず大好きなスィーツを食べ過ぎちゃったり、 宴会のあとに〆のラーメン食べちゃったり、忘年会、新年会、お花見、同窓会が続いてしまったりと常に、 「からだのゴミ」をためこんでしまう誘惑は日常生活のなかにはたくさんあります。 でも、こんな時にからだはい ろいろなサインを出しています。中医学でよく見るのが「舌」です。毎日歯磨きの時にご自分の「舌」をチェッ クする習慣をつけておくのも良いでしょう。すでにおこさんがおられる方は、毎朝お子さんの「舌」をチェックし ながら献立を考えるのも一案です。 中医学では、二便や脈とともに舌で体調や体質を判断する「舌診 (ゼッシン)」は、必須のチェック項目で日常的に行われていますし、私たちも店頭のご相談では必ず舌の チェックをさせていただいています。さまざまなタイプの「舌診(ゼッシン)」につてはブログ http://atopy- druginui.jp/blog/archives/694 などを参照ください。ここでは、「からだのゴミ」がたまっている状態の「白い 苔の舌」と「黄色い苔の舌」についてお伝えしておきます。 舌についている苔のことを、「舌苔」(ぜったい)と いうのですがこの「舌苔(ゼッタイ)」が白いとからのなかに不消化物=「からだのゴミ」がたまり始めていること の「からだからのサイン」です。こんな場合に店頭でも良く舌磨き(タンクリーナーなど)で「舌苔」(ぜったい) のお掃除をされる方が多いようです「が、ご注意して下さい。 舌の上には味蕾(みらい)という味を感じた り、わずかですが消化酵素を分泌する器官があります。舌専用といえどもタンクリーナーなどで強く摩擦す ると、これらの組織が破壊されてしまうこともあり、味覚異常の原因になったり、酵素の分泌が妨げられる と消化能力が低下したりしますので、不用意にタンクリーニングは行わないほうが無難です。こんな場合には、身体がむくみやすかったり、身体が重たかったりするのも特徴です。食事では冷たいもの や甘いものはなるべく避けて、 体を温めるネギや生姜、ぎんなん、いも、卵、豚肉などをしっかり摂るとよい でしょう。 漢方では健脾散(けんぴさん)、衛益顆粒(えいえきかりゅう)、晶三仙(しょうさんせん)といったも のをよくおすすめしています。 黄色い「舌苔」(ぜったい)は食べ過ぎ、飲み過ぎから!

「舌苔(ゼッタイ)」が白い苔の状態が続くとさらに、黄色い舌になりますがこれは、「舌苔」(ぜったい)が熱 を持ち始めたサインです。食べ過ぎや、飲み過ぎ、便秘などが続いたときはこういう状態になりやすいで す。また、白い時と同じで消化不良も伴っている場合が多く、高血糖や高脂血症など生活習慣病のもと にもなりやすくPCOSの可能性も高まるので注意しましょう。こんな時には食べ過ぎはもちろん、濃厚な食 事や辛い食材は控えて頂きたいです。ニガウリなど苦いものは熱を冷ましてくれますので、食事に取り入れ てみて下さい。漢方では黄蓮解毒湯(おうれんげどくとう)、晶三仙(しょうさんせん) などが良く処方されま す。 「舌」以外にも、 *耳がかゆい *排卵以外のオリモノがある *目ヤニが多い *口臭・体臭が強くなってきた などが大切なサインです。 *耳がかゆい よく、中年の男性が耳を掻いている姿をみかけますがこれは「食べ過ぎ」で主に脂肪などの 「からだのゴミ」がたまっているサインです。ご主人や家族の方が、さいさい耳を気にするようであれば、中性 脂肪やコレステロールなどが上がる可能性があるので、生野菜や味噌などの酵素の多い食材の比率をふ やして脂っこい食材の比率を減らしましょう。 *排卵以外のオリモノ 女性の排卵期のオリモノは、卵の成長に伴うオリモノなので多い方がこのましいの ですが、それ以外の時期でもオリモノがあればそれはやはり食べ過ぎか、消化不良、下痢便秘などの原 因で「からだのゴミ」がたまりはじめていますので注意しましょう。溜まりはじめのオリモノは透明か白医色をし ていますが、時間がつと黄色くなったり臭いの素になります。また、カンジダ(コシケ)などにも乾癬しやすくな ります。色がつきはじめたら、瀉火利湿顆粒(シャカリシツカリュー)などの漢方薬やシベリア霊芝などのハー ブなどで早めにお手当しましょう。カンジダなどから骨盤内炎症が起きると子宮卵巣などでの癒着などが 起きてしまうこともあります。また、タイミングなどの時にパートナーにとっても、気持ちの良いものではありませ ん。エチケット上も気遣って早いお手当をススメします。 *目やに 目ヤニも食べ過ぎのからだからの大切なサインです。大人はとにかく、ことばがしゃべれない乳幼 児などについては、お母さまにとってことさら大切なサインです。毎日目ヤニが多かったり、夜泣きが激しい 場合には食事や授乳の量を少しづつ減らして症状の出なくなる量をみつけましょう。 ・きれいな卵のために「からだのゴミ」は素早く断捨離 「からだのゴミ」を断ちきる食事:断 「からだのゴミ」を 捨てる食事:捨 「からだのゴミ」をなくして子宝体質:離 *「からだのゴミ」を断ち切る食事「断」・・食物繊維 PCOSや肥満のおもな原因は「からだのゴミ」なの で、その特徴のひとつとしてインスリンの抵抗性が高くなる傾向があります。ですから糖尿病の食事と同様 に食後の血糖値があがりにくい食材がおすすめです。細かい食事の内容を考えるのは、忙しい現代の女 性にとっては大変なことだと思います。でも、おちついて食事の量から考えると一般的な日本の食卓では 「主食」と「汁物」で半分以上を占めます。ですから、ご自宅での日常の食事であれば「主食」とお味噌汁 などの「汁物」に注意を傾けていただければ手軽に体質改善できます。 主食では穀物全体食の「全粒 粉(ホールフーズ)」汁では昆布で「出汁(ダシ)」を取ることが決め手になります。どちらも食物繊維が豊富 なので、食後血糖の上昇をゆっくりおだやかに上昇させます。まず食事のはじめに、このような「出汁」をとっ た汁物や、玄米や麦などの全粒粉の主食や野菜からお箸をつけると、あとから食べたものの吸収も穏や かになります。 中医学の古いことわざに 「食前の汁は神様の処方にまさる。」 とも言われています。 とにも かくにも、血糖値の上昇を急激に上げない主食とお味噌汁などの汁物が決め手です。 ・主食について・・・全粒粉のススメ 主食については、白米に比べ玄米は食物繊維が豊富に含まれるた め食後の血糖値があがりにくいのでオススメです。ご家族の好みなどで玄米食がむつかしい方は、粟(ア ワ)や黍(キビ)麦(ムギ)などの雑穀をまぜても良いでしょう。雑穀については、日本を代表するお料理研 究家の辰巳芳子先生が考案されたスーパーミールは安心でおすすめです。またパンやパスタが主食なら、 やはり全粒粉やライ麦パンが、パスタも全粒粉のパスタがおすすめです。いずれも、生成された小麦に比べ、食物繊維が含まれるため食後の血糖上昇は穏やかになります。 ・汁物について・・・昆布出汁のススメ 汁物についても、食物繊維が豊富なものにするためには、昆布で 出汁(ダシ)をとることが大切です。 参考までに日本を代表するお料理研究家の辰巳芳子先生のベスト セラーとなった「いのちのスープ」から 昆布のうまみを最大限に引き出す「一番だし」の引き方をここでご紹 介いたします。 材料 水・・・・10カップ 昆布・・・5cm角 10枚 削り節(かつお)・・・40g 昆布のうまみ を引き出す 1、 なべに分量の水と昆布を入れ、1時間くらいおく。強めの中火をかけ、昆布から小さな泡 が出てきて揺れ出したら弱火にする。20分間くらい、沸騰しない状態を保つ。 削り節を入れる 2、味を みて「よし」といえるほど昆布のうまみを引き出したら、昆布を取り出す。 水カップ1/4を注いで温度を下 げ、削り節を入れる。 五呼吸で火から水を下ろす 3五呼吸(約5秒間)したら火から下ろし、まず、こし器を逆さにしてこし、次 に、ざるに紙タオル(不織布タイプ)を敷いてこす。かつおの臭みが出るので、削り節を絞ってはいけない。 メモ:いきなり神タオルでこすと削り節がたまり、ダシが落ちるのに時間がかかって臭みが出る場合がある。 ゆえに2度こす。1回目で手早く削り節を除き、2回目で削り節の粉を除く。 4すぐ料理をするなら、その まま使用してよい。保存するなら、鍋にいれて火にかけ、水面がゆらりとする温度(約50°C)で殺菌する。 完全に冷めたら密封容器にいれる。 保存 冷蔵庫で2~3日間保存できる。梅干を1個いれておくと、 だしが傷みにくい。 以上、普通の一番だしは火にかけて煮立つ前に引き上げますが、これは弱火で20 分から30分間も火にかけます。そして、小さな泡が出てくるのを鍋から目を離さず見守ることがおいしい出 汁(ダシ)汁をとるコツなのです。 そしてようやく、昆布のうまみが最大限に引き出せるわけですが、お母さま 自身も仕事をかかえて限られた時間のなかで、出汁(ダシ)をひくとために鍋につきっきりで30分以上の時 間を割くのは大変かもしれません。 冷蔵保存で2~3日ですから、休日などに作りおきするとしても毎日 の朝食や夕食に出汁(ダシ)をひくのはかなり大変でこと。大切な来客をおもてなしする、お正月やお盆に 腕を振るっていただきたいとはおもいますが・・・。 ・一晩でできる神さまの処方・・「浸し昆布」 そんな出汁がひけないほど忙しい方々も多いことと思います。 そんな方々に手軽に昆布出汁(ダシ)に等しい成果が得られるのが「浸し昆布」です。 つくり方はいたって 簡単で、 「浸し昆布」のつくり方 水1Lに10g程度の昆布を浸して一晩つけおくだけ これなら、仕事を持 つ忙しい主婦にも簡単にできるでしょう。それも、忙しくてできない方はご主人やお子さんなどのご家族にお 願いして、寝る前に昆布を鍋やコップに浸して冷蔵庫に入れてもらいましょう。 味覚的に完全な出汁(ダ シ)とはいえないまでも、10時間も浸せばうまみ成分であるグルタミン酸も食物繊維も十分引き出せま す。栄養的には十分な出汁(ダシ)といえます。 なぜなら、昆布には、現代の日本人に不足がちな「食物 繊維」「ミネラル」そしてうまみ成分といわれるグルタミンをはじめとする人間が生きていく上で大切なアミノ酸 が豊富に含まれていて、一晩つけおくことで出汁(ダシ)のなかに溶け込むからです。 これらの現代人にとっ て不足がちな栄養素が、一晩つけおくだけで引き出せます。この「浸し昆布水」で調理をしたり、発汗の 盛んな夏などは飲料として、またお湯で沸かしてインスタントラーメンなどの即席食品とあわせていただけれ ば、豊富なミネラルが塩分を中和し炭水化物に偏り勝ちなメニューにアミノ酸を加え、豊富な繊維が超過がちなカロリーの吸収を穏やかにしてくれます。 漢方の世界で「昆布」は効果効能もうたわれていま す。日本では、食品としてポピュラーですが「昆布」を食べる習慣がある民族は世界中でも少なく、一人 当たりの「昆布」の消費量は日本が世界一といわれています。 中医学では「化痰利湿(ケタンリシツ)」と いって、いらないものを体外に出してくれる働きがあると言われています。「化痰利湿(ケタンリシツ)」の意 味あいは「からだのゴミ」掃除のことです。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の方々にとっては、卵巣のなか の嚢胞は中医学では痰湿(タンシツ)といわれ「からだのゴミ」として考えられています。まず、不要な「嚢 胞」を漢方のおくすりや食事から排泄しやすくしておくことが根本的な改善につながります。 魚卵などを、 昆布で巻く「昆布巻き」はもちろん味覚的にも美味を増しますが、栄養価の高い魚卵が「からだのゴミ」に ならないようにという、健康面での意味もあります また、漢方で「昆布」は、「軟堅散腫(ナンケンサンシ ュ)」といって堅いものをやわらかくして、腫れたものを散らすおくすりとしても使われます。 「腫れを散らす」と いえば、ガンなど「「腫瘍」でお悩みの方が聞いたら喜びそうな効果です。 また「堅いものをやわらかくする」 といえば卵巣のなかの膿胞だけでなく「ゴリゴリにきび」の方にもうれしい響きですね。 ・「からだのゴミ」はすぐ捨てる酵素・・・袋の味よりおふくろの味 最近は徐々に、「酵素ダイエット」が流行 はじめてダイエット用に飲料タイプの酵素などやサプリメントが比較的こうがくにも関わらずよく購入されてい るようです。 ひとくちに酵素といっても、現在ではその種類が5000種類以上もあると言われています。酵 素は、生命の維持・活動に欠かすことのできないもので、植物の種が発芽したり成長するためにも酵素が 働いています。また、私たちが食べたものを消化吸収するのはもちろん、手を動かしたり、ものごとを考えた りするのも、酵素の働きのおかげです。酵素(エンザイム)にはとても多くの種類があって、人間が生きるた めに必要不可欠な酵素は、五千種以上といわれています。こんなに多くの種類の酵素が必要な理由 は、 「一つの酵素は特定の一つの働きしかしない」 という酵素の特性があるからです。 そして生命を支え ているさまざまな、酵素(体内酵素)は、特定の場所で特定の酵素が大量に消費されると、他の部分で 必要な酵素(エンザイム)が不足してしまいます。 その結果、食べ過ぎると消化に酵素がたくさんとられて しまい「からだのゴミ」の排泄などの役目を果たす代謝酵素が不足してしまいます。食べ過ぎでほんとうに 心配なのは、たくさん食べてカロリーオーバーで「からだのゴミ」がたまって太りやすくなるだけでなく、代謝酵 素が不足して「からだのゴミ」の排泄代謝ができなくなってしまい老廃物である「からだのゴミ」がたまりやすく なってしまいます。 たまりはじめた「からだのゴミ」を捨てるには、1、腹八分目と2、酵素の多い食事が大 切です。 酵素が多く含まれる食材でおすすめなのは、大根やキャベツなどの「生野菜」や味噌や醤油、お 漬物、甘酒などの発酵食品です。 ・酵母は酵素のお母さん ところで、味噌や甘酒、お漬物やパン酵母などの酵母は酵素の生みの親なの です。酵母と酵素の大きな違いは、酵素は一般的に一つの酵素は一つの働きしかしません。たとえば、炭 水化物の消化酵素であるアミラーゼは炭水化物を糖に変えるはたらきしかしてくれません。 一方、酵母は 生きている微生物なのですが、約10種類の酵素を必要な時必要な量だけ生産してくれて、さらに体内 の胃腸管内で大量のビタミンB群、ミネラル類、アミノ酸などを生産してくれます。さらに、酵素は熱に弱か ったり、酸にも弱いため、食後の胃腸内での働きに不安がありますが、酵母は酵素に比べ熱に強いので幅広い強みがあります。 ですので、「からだのゴミ」のお掃除には 酵素の多い生野菜 酵母の多い味噌・お 漬物 などを意識して食べるようにしましょう。 ・お月様を味方につけよう 中医学では、基本的に人間は 「自然と調和した生き物」 としてとらえていま す。ですから、生活のなかで自然のちからを利用することをとりいれると、体質改善もさらにやりやすくなりま す。ですから、漢方のおくすりや食養生も大切ですが、生活のなかでお月さまも味方につけてみましょう。 特に女性は月のリズムに敏感ですが、動物たちも月のリズムにあわせて生殖活動をおこなっているようで す。お月さまの運行のなかで新月はRealize(実現)の月と言われていて、願い事が叶いやすいと言われ ています。まず新月の夜には、良質の卵がそだつようお願いしてみるのも一手です。そして、新月の日には 人間に限らず自然界のちからは「排泄」に向かいます。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)や生活習慣病 の大半の原因は、「からだのゴミ」のことが多いので、新月の夜こそ身体にやさしい和食中心の食事をここ ろがけると体内が浄化されやすくなります。玄米やそば、麦など全粒粉の穀物を中心とした主食と昆布 出汁をとった汁物のメニューをこころがけましょう。漢方のおくすりも、からだのゴミ=痰湿を排泄する化痰 利湿(カタンリシツ)おくすりを忘れずにしっかり服用しましょう。からだのゴミを出す月に一度の大チャンスで す。 ・食べ方も大切 そして、食材として何を召し上がるかも大切ですがどれだけ召し上がるかも大切です。基 本的には、穀類など栄養価の高いものや海藻を中心に栄養価の高いものをはら八分目が原則です。 腹八分目の目安は腹八分目といっても、おなかの中を覗くことは できませんから、腹八文目の目安は 1、食後に体が重くならないこと 2、食後に眠くならないこと です。 腹八分目の励行のためには、一口ご とにおハシを置いて30回咀嚼して食べること が大切です。 また、特に、下記の食材は注意して避けたい ものです。 * 甘いもの・・・チョコレート、ケーキなど * 油物や肉類・・・とんかつ、てんぷらなど * 香辛料 の多いもの・・・キムチ、カレーライス、唐辛子、こしょう * 加工食品・・ファーストフード、インスタントフード、 スナック菓子など * 生もの・・・刺身など * 冷たいもの・・・ジュース、ビール、カキ氷など ・PCOS(多嚢胞性濫訴う症候群)で極力避けたい食品 *精製度の低い穀物(玄米、全粒粉パン、 全粒粉パスタ)を食べる。 *ファーストフードはあまり食べない。 *砂糖は極力摂らない。 *清涼飲料 水は飲まない。 *豆、野菜、果物、キノコ、海藻、を毎日食べる。 *砂糖の代わりに、ハチミツやメープ ルシロップを。 です。食養生というと「あれも食べてはいけない、これも食べてはいけない。ばかりで食べるも のがありません。」とよく言われますが、上述の主食や汁物のように食べていただきたいものからまず食べて 空腹を満たしてゆきましょう。スウィーツの好きな方は、ドライフルーツやナッツなどで代用できないかとか、白 いお砂糖よりも蜂蜜黒砂糖などの天然の甘味料のほうが血糖が上昇しにくく身体に優しいと言えます。 最後に、何を食べるかも大切ですが誰とどのように食べるかも大切です。食材を選びながら、一緒に食事 をしてこころ穏やかに過ごせる家族や仲間と楽しい食事をお過ごしください。 コラム 酵素ダイエットの酵素 って 最近は「酵素ダイエット」といわれるくらい世の中に「酵素」がひろまってきました。ここで酵素(エンザ イム)というのは、生物の細胞内で作られるタンパク質でできた触媒の総称で、生命の維持・活動に欠か すことのできないものです。植物の種が発芽したり、成長するのにも酵素(エンザイム)の働きが必要ですし、私たちが食べたものを消化吸収するのはもちろん、手を動かしたり、ものごとを考えたりするのも、酵素 (エンザ イム)の働きのおかげです。 酵素(エンザイム)にはとても多くの種類があり、人間が生きるために必 要不可欠なエンザイムは、五千種以上といわれています。なぜこれほど多くの種類のエンザイムが必要な のかというと、一つのエンザイムは特定の一つの働きしかしないという特性があるからです。 そして 生命を支 えているさまざまな、「ボディエンザイム(体内酵素)」には、特定の場所で特定のエンザイムが大量に消費 されると、他の部分で必要な酵素(エンザイム)が不足する傾向が見られます。 酵素(エンザイム)は、さま ざまな生命活動に使われますが、もっとも多くの酵素(エンザイム)を消費するのは「解毒」作用においてで す。ですから、酵素(エンザイム)が体内に多い人ほど体の老廃物や毒素=「カラダのゴミ」がたまらないで 済みます。逆に、添加物やアルコールなど解毒しなければならない要素が多い人ほど酵素(エンザイム)の 消耗が激しく、その結果、健康維持に必要な酵素(エンザイム)が不足し、病気になりやすくなると考えら れています。

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