ゴキブリとダイエット

Sさんは、周囲から見ればそれほど太っているようには見えない、中肉中背の女の子だ。

だが、若い女の子がスタイルのことで悩むのは当たり前。どうしてもあと5キロ体重を落としたい、そう考え

た。

しかし、もともとあまり贅肉のないSさん。

いろいろなダイエットを試してはみたが、目に見えるような効果は得られない。

あせりばかりが募るSさんだったが、ある日ホームページで「必ず痩せる魔法の白い粒」と書かれた薬を見つ

け、さっそくこの薬を購入した。

Sさんはすぐに薬を飲み始めた。

それから一ヶ月後、急にSさんは会社に来なくなった。

ケータイにも出ないSさんを気にした母親が、Sさんの一人暮らしのアパートを訪ねた。

Sさんの部屋に入ると、母親の足元を一匹のゴキブリが走り去っていった。よっぽど部屋を汚くしているんだ

ろう。母親はそう思って半分あきれながら台所を覗いた。

次の瞬間、母親は悲鳴をあげた。

流しにはびっしりとゴキブリが這って、下のステンレスが見えないほどだ。床でも、足の踏み場もないほどのゴ

キブリが蠢いている。

母親はSさんの名前を必死に呼びながら、隣の部屋のドアを開けた。

そこに広がった光景に母親は衝撃を受けた。

ベッドの上には息絶えて、変わり果てたSさんの姿があった。

だが、それだけではない。その体を覆い尽くすように何百匹というゴキブリがいたのである。

後で病院で死体を調べたところ、原因がダイエット薬にあったことが発覚した。

そのダイエット薬は、ゴキブリの卵を固めたものだったのだという。

Sさんはそれを飲み続けているなかで、お腹にゴキブリが繁殖してしまった。

ゴキブリにとって、人間の臓器はやわらかくて美味しいよい餌となる。ゴキブリはみるみるうちに増殖した。

そして最終的には、Sさんの鼻の穴を伝ったり、目を食い破ったりして外へと出てきたのである。

この薬はまだ、ネット通販で売られているという。

 

合わないコンタクト

コンタクトというのは、人に合うものと合わないものがある。

ソフトとハードの違いはもちろんだが、メーカーによっても、素材によっても違う。

E里が眼鏡からコンタクトに変えたのは、大学に入学した年のことだった。

新宿のMストアでコンタクトをつくったのだが、E里にはどうも違和感があった。

なんだかコンタクトが不安定な気がしたのである。

店員や友達にそれを伝えても、「コンタクトっていうのはそういうものなんですよ」と言われるだけだった。

ただ、店員の一人がその時こう言ったことを覚えている。

「寝る時だけは注意してくださいね。合わない人になると、コンタクトが変な所に入ってしまう恐れがあります

ので」

E里はその後二週間ほどコンタクトを使い続けていた。

相変わらず違和感があったが、周囲の評判も良かったので、やがて慣れるだろう、と思っていたのである。

ところがある夜、あまりの激痛で目を覚ました。

E里は目の奥に何かが刺さるような痛みを感じていた。すぐに、コンタクトをしたまま眠ってしまったのだと気がついた。

だが、その痛みは半端ではなく、目の裏に画鋲が刺さったような痛みだった。

E里は母親に連れられて病院の緊急外来へ向かった。医者は診察してすぐにこう言った。

「コンタクトレンズが目の裏に入ってしまっています。合わないコンタクトをして夜眠るとこうなるんですよ」

そして、医師は麻酔をして眼球を動かして、コンタクトをとることにした。

医師はE里をベッドに横たわらせ、「ちょっと怖いですが、大丈夫ですからねー」といって注射器を取りだした。そして、目の玉をおさえつけ、眼球に注射しようとした。

E里からすれば無理やり目を開けさせられ、そこに注射器の針が近づいてくるのだ。たまったものではない。

E里は泣き叫んだが、看護婦たちに取り押さえられ、注射器の針はズブッという音とともに眼球に突き刺さった。

E里はここで気を失ってしまい、その後のことはまったく覚えていない。

もちろん、E里がそれ以降コンタクトをすることはなくなった。

 

胸毛のある女

Rさんという女性がいた。

ある時、家が火事になってしまった。Rさんは全身に大ヤケドを負ったが、なんとか命だけは取り留めた。

しかし、皮膚はほとんど焼けただれてしまい、本人の強い希望で、全身の皮膚を移植することになった。

長く難しい手術だったが、無事に成功した。

Rさんは喜んだ。もう顔を出して街を歩くことも嫌ではなかった。

だが、その一方でひとつの悩みがあった。

それは、普段は隠しておける胸の部分の皮膚について、だ。

手術以来、Rさんの胸には、胸毛が生えてくるようになったのだ。

それも、かなり太くしっかりとした毛が次から次に生えてくる。

抜いてもきりがないし、放っておけばどこまでも伸びていきそうな勢いだ。

Rさんは、再び医師の元を訪れた。

ここまで治してもらったのだから、多少のことには目をつぶろうと思ったが、突然毛が生えるようになった理由だけは聞きたかった。

Rさんが勇気を出して医師に胸を見せると、医師は困惑したように言った。

「事故の傷は広範囲におよんでいて、移植する皮膚が足りなかったのです。そのため、胸の皮膚の一部に、手術当日亡くなった男性患者の胸の皮膚を移植したのです。それで、足りない部分を補ったのです。

しかし、その男性には胸毛がありました。だから、あなたに移植した皮膚からも胸毛が生えてきてしまうのです」

Rさんは絶句したが、今さら胸の皮膚をすべて移植しなおすわけにはいかない。

この種の手術は保険がきかないため、何百万という金額になってしまうからだ。

Rさんは仕方なく、今でも胸毛のお手入れを欠かさずに行っているという。

 

SMダイエット

いろいろなダイエット方法が登場しては消えていく時代だが、こんなダイエットはどうだろう。

「SMダイエット」

ふつうセックスのカロリー消費量は平均して200キロカロリー程度。だがこれをSMにするだけで、消費カロリーの量はその4~5倍にまで増えるのだという。やり方は簡単。ただただSMプレイをするだけでいい。

例えば、ムチで打つ。

これは、打つ方は精神的に、打たれる方は肉体的に、緊張感をもつことができ、消費するカロリー量を多くすることができるのだという。

次に縄。昔から伝わるSMプレイの縛り方の数々は、なんとヨガのポーズに非常に似ている。

しかも縄は肌に良い刺激を与えることができる。

次にロウソク。ロウソクをたらされることで、体中の筋肉は震える。それによって体が引き締まっていくのだ。

このようなSMを「SM体操」として教えている教室が群馬にある。

ここでは、深夜からプログラムが始まる。男女ペアになって、さきほど例にあげたようなプレイを行いながらダイエットに励むのだ。

現在会員は300人近くいるというから驚きだ。

この教室では入会金と月の会費にそれなりのお金はかかる。

だが、効果が出なければこのお金は戻ってくるというから良心的だ。

またどこかのサイトからは、この体操のマニュアルを注文することができる。

マニュアルを買えば、自分の恋人を相手に体操をしてダイエットすることもできるらしい。

しかし、マニュアルの場合は、返品や返金はうけつけていない。

マニュアルには他に、一人用もある。群馬の教室まで通えず、相手にも恵まれない人がこれを購入する。

すると、一人で上手にSM体操をする方法がわかるDVDもセットについてくるという。

「恋をするときれいになる」というが、SMに限らずセックスは、体中の筋肉を使う運動なのでダイエットには適している。

それに異性と裸で向き合うので、その目を意識して体が引き締まる。

相手にきれいに見られたいという願望は、体の中にも変化を及ぼし、肌もきれいになるといわれる。

痩せたい人は、もっともっと恋をしてセックスするといいだろう。

 

産み分け

男と女を産み分ける方法がある。

男を産む時にはどうすればいいのか、女性を産む時にはどうすればいいのか。それを解説したい。

【男の子を産むための秘訣】

1、夫が肉系を食べ、妻が野菜系を食べる。

2、リン酸カルシュウムをよく摂るようにする。

3、妻を極度に感じさせてから膣内射精をする。

4、後背位で射精後もできるだけ長く挿入したままにする。

5、夫はトランクスをはいて、睾丸を温めないようにする。

6、精子をいっぱいためておいてから射精する。

次に、女の子を産むための秘訣。

1、女性が肉系を食べ、男性が野菜系をたべる。

2、カルシュウムとマグネシュウムをよく摂る。

3、あまり感じないうちに膣内射精をする。

4、夫はブリーフをはいて、睾丸を常に温める。

5、頻繁にセックスをして精子を薄くする。

絶対ではありませんが、そうするといいといわれています。本当かウソかはご自身でお確かめください。

 

猟奇的なダイエット

東南アジアのある国に住む日本の商社マン夫妻がいる。Wさん夫婦である。

Wさんの妻は物価の安さと、暇から、毎日山のように食事をしていた。そのため、半年で20キロも太ってしまったという。

夫は、みるみるうちに太っていく妻の姿に命の危険を感じ、病院へ連れて行った。

地元の病院では、医師は彼女の孤独をしっかりと理解してくれた。

そして、食べることは精神のバランスのためにも続けて良いと言った。ただし、と言って医師は彼女に一つのカプセルを渡した。

「これは魔法のカプセルだ。今夜のうちに飲みなさい。今までと同じ生活を一週間続けたらまた来なさい」

妻は言われた通り、帰宅後すぐにカプセルを飲んだ。

そしてこれまでどおりに一週間を過ごしていった。

Wさん夫妻は驚いた。妻は食べる量も今までとまったく変わっていないのに、明らかに痩せていくのである。

あっという間に痩せ、一週間もする頃には、結婚当初の体型に近づいた。

次の診察の時、夫婦が病院へ行くと、医師は妻の姿を見て満足げにうなずいた。

そして、妻にスカートと下着を脱ぐように命じた。何をするつもりか見当もつかなかったが、とりあえず言われた通りにした。

すると医師は突然妻のお尻の穴に手を入れたのである。

医師は、妻を押さえつけると、穴の中を指で探った。しばらくして、何かずるずると長い物が外へ出て行くのを妻は感じた。

「見てごらん」

医師の言葉に彼女が顔をあげると、そこには一匹の巨大な真っ白い寄生虫がいた。2メートルはあっただろう。さなだ虫である。

「三週間、君の胃の中を掃除してくれていたんだ。これがダイエットの元なんだよ」

そう、カプセルの中には寄生虫の子供がはいっていたのだ。寄生虫は体内に落ちてきた栄養をすべて食べて成長した。

だからこそ、妻は実質的には一週間何も食べなかったことになり、ダイエットに成功したのである。

このダイエット方法はまだ東南アジアで続けられているという。

 

トマトジュースの残酷な中身

Yさんは、ある有名な食品会社の工場でアルバイトをしている。

担当はトマトジュースに使うトマトの選別だ。ベルトコンベアの上を流れてくるトマトの中から、腐っている物を取り除くのが仕事だ。

ある時、Yさんは、二日酔いで仕事をしていた。

流れてきたトマトの間に黒い影が見えていたのだが、ぼうっとしていたYさんは、それを見過ごしてしまったのだ。

しばらくして奧で作業していた別のアルバイトが「ぎゃー」と悲鳴をあげるのが聞こえた。

慌ててかけつけたYさんの目におそろしい光景が映った。

ジュースにするためにすりつぶされていくトマトの間に、黒い塊が挟まっている。よく見ると、なんとそれはカラスの死骸だったのだ。

このままでは、ジュースの中にカラスの死骸が入ってしまう!

急いで機械を止めなければ!

Yさんがそう思って、スイッチを押そうとした瞬間、同じ係の先輩社員がやってきた。

先輩は、Yさんの手を止めた。Wさんは機械を止めるべきだと意見したが、先輩社員は静かに言った。

「潰した後に一度加熱するから人体に害はない。それに、機械を一秒止めるだけで何百万単位の損失だぞ。バイトのおまえに弁償できるか?」

Yさん達は黙るしかなかった。

そして、カラス入りトマトジュースは何事もなかったように、出荷されていった。

Yさんはこんなことはしょっちゅうあるのかとたずねてみた。

先輩は笑いながらこう答えた。

「だからトマトジュースは健康にいいんだよ。カラスとかああいう生き物の血が入っているから栄養があるんだ。美容にだっていいんだぞ」

トマトジュースは健康にいいという話はいつからあるのだろう。

その昔から、トマトジュースは赤かったのだろうか。

Yさんはそんなことを考えながら、一生トマトジュースは飲めないな、と思った。

 

ヨガ教室の正体

主婦のNさんは、夏までに理想の体型になろうと、流行りのヨガ教室に通うことにした。

入会の説明会では、自然との関わり方や、動物や植物が存在する意味を教えられた。

よく考えれば、この時点で何かあやしいことに気付く。

だが必死だったNさんは、それどころではなかった。

週に2回、真剣に教室に通いヨガを行った。しかし3ヶ月通っても、まったく体重が減る様子はなかった。

ある日、Nさんはインストラクターに相談をしてみた。まったく痩せないのだ、と。

インストラクターはこう言った。

「社長直々の教えを受ければすぐに痩せますよ。ちょっと大変ですが、やってみますか」

その甘い言葉にNさんは、心を動かされた。

Nさんは“社長”と呼ばれる人物に会うことになった。

“社長”は中年の太った男だった。真っ白な着物に身を包んでいて、“社長”のまわりには怪しげな金のツボや仏像が飾られていた。

“社長”はNさんを気に入った様子で、その日以降、Nさんは“社長”の側近になった。

側近の仕事は“社長”のセックスの相手である。

“社長”は、相当なセックス好きで、一日に5回も6回もやることは珍しくなかった。

Nさんは一度これがヨガなのかとたずねた。

“社長”はこう言った。

「インドではセックスヨガというのがあるんだよ。ウソだと思うなら調べてごらん」

Nさんがネットで調べてみると、ちゃんとインドにはセックスヨガがあった。

だから、渋々セックスを我慢しなければならなくなったのだが、そのせいで体重が8キロも落ちてしまった。

結局、ダイエットには成功したのである。

このヨガ教室のパンフレットのイメージモデルは、いうまでもなく、Nさんである。

※追記

うそだと思うなら、「インド」「セックス」「ヨガ」で検索してみてください。インドのセックスヨガが出てくるはずです。正式名称は「タントラ」といいます。

 

多毛の原因

一般的に、男は毛が多く剛毛、女性は毛が薄くやわらかい。

これは男性ホルモンと女性ホルモンによる違いだ。

しかし、生まれつきとは別に、あることをきっかけにして一部だけ毛が濃くなってしまうことがある。

女子高生のUさんは、もともと体毛が薄かったので除毛に関する悩みはほとんどなかった。

友達には羨ましがられたし、自分もラクでいいと思っていた。

Uさんは、通学に自転車を使っている。

ある日、Uさんは通学途中に不注意から転倒してしまった。

幸い、命に別状はなかったが、右足を骨折してしまった。

数週間後にはギプスも外れ、松葉杖なしでも歩けるようになっていった。順調に回復していったのである。

だが、Uさんには一つ気になることがあった。

以前と比べてみて、どうも足の毛が目立つような気がしてきたのだ。

最初は気のせいかと思った。しかし、しばらくすると目に見えて足の毛が濃くなっているのがわかってきた。

不思議に思ったUさんは、医者に診察をしてもらった。

すると医者は、別に珍しくもないという調子で言った。

「骨折した場所だけ毛深くなることはよくありますよ。怪我をした場所を守るためにクッションが必要だと体が考えるんですよ。それで大怪我をすると、その部分だけ毛が濃くなるんです」

Uさんは驚いた。確かにUさんが事故で骨折した右足の毛だけが濃くなっている。

しかし、濃くなることはあっても、薄くなることはならない。今もUさんは、毎日足の毛を剃り続けて生活している。

 

スリムになれる洋服

D君は、日々ネットで彼女を募集し続けている。

ある時、D君は、一人の女性との出会いに成功した。何度もチャットをして、実際に会うことになった。

待ち合わせに現れたのは、顔はぽっちゃりと童顔で、スレンダーで手足の長い美少女。まさに理想どおりの外見にD君は喜んだ。

数回目のデートで、ついにD君と彼女はホテルへ行くことになった。

彼女がひとつだけD君に頼んだことは、絶対に電気をつけないでほしいということだった。

だが、スリムで美しい体を一目見たいと思ったD君。こっそりと彼女がシャワーを浴びているところを覗いてしまった。

するとそこには、80キロもあるかという、太った女性がいたのである。

目を疑ったD君の足元には、彼女が脱いだ服が置かれていた。

そしてその服の上には、人型の針金が転がっていた。

彼女は太った体の肉をぎゅうぎゅうにしめつけて、ごまかしていたのである。

驚いたD君は、その場から逃げ出してしまった。

その後、D君は、その人型の針金がネットで販売されているのを発見した。

30キロは痩せて見える、という売り文句だ。

ちなみに現在は注文が殺到し、製造が追いついていない状態なのだという。

 

アトピーの寄生虫療法

Hさんの娘は、ひどいアトピーに苦しむ一人だ。毎晩かゆみで目を覚まし泣き出してしまう。

Hさんが娘のそばに駆けつけると、体をかきむしった跡がある。そして、体もベッドも血だらけになっている。

なんとか少しでも症状が軽くならないかと思ったHさんは、ある有名な医者を訪ねた。

そして、とにかく少しでも症状を軽くするためにはどうすればよいかと聞いてみた。

すると医者はある研究者を紹介してくれた。

それは、寄生虫を研究している生物学者だった。その学者はこのように語った。

そもそも、人間の体内には寄生虫がいることが普通である。

それを異常なものだとして、薬で排除していくから寄生虫がいなくなったかわりに、他の病気にかかりやすい体ができあがってしまった。

そして、その典型的な例がアトピーなのだという。

つまり、ある寄生虫を再び体内に送り込めばアトピーは治るというのだ。わらにもすがる思いでHさんは、その学者に頼み込んだ。Hさんの娘の手術は成功した。

それから数ヶ月後。Hさんの娘のアトピーの症状は、ずいぶんと軽くなった。

Hさんと娘は喜んで学者を訪ねた。だが、どうも学者の様子がおかしい。不思議に思ったHさんが問いただすと、学者は、「あなたの娘さんは、大丈夫です」と言った。

実は、学者のアトピーの寄生虫研究は、手術の時点ではまだ途中段階だったのだ。

そして、いくつかの症例を収集するために5人の子供に別々の寄生虫を送り込んでいた。

その結果、アトピーが軽くなったのはHさんの娘のみ。他の子供達は、症状が悪化してしまったり、まったく何の変化も見られないままなのだという。

学者は、このことは口外無用と念を押し、手術費用を全額返還し、さらに謝礼までつけてきた。

Hさんは元気になった娘の姿を見て、この話を忘れるように努力した。

しかし、つい、娘に違う寄生虫が送り込まれていた時のことを想像しては、背筋が寒くなる日々だという。

 

胎児の逆襲

都内の風俗店で働いているTさんは、32歳。この年でまだ自分の体でお金を稼いでいる。

Tさんほどの年齢になると、若い女の子と同じように働いては、とても儲からない。

だからTさんは、危険を冒しても確実にお金を稼ぐ方法をとっていた。店には内緒で生でセックスをさせてあげるのである。

Tさんは、もともと30代には見えない美貌の持ち主だ。

噂が噂を呼んで、連日指名が絶えない人気ヘルス嬢として活躍していた。

しかし、やはり悪いことは起きてしまうものだ。

Tさんは、どの客かわからない子供を妊娠してしまった。

Tさんは、産婦人科へ行き堕胎手術を受けた。胎児は、人間の形まで育ってしまっていた。Tさんは薬を飲み、その子供を銀色の棒で掻き出してもらった。

しばらくは、ショックで寝込んでいたTさんだが、その後も今までどおり仕事を続けていた。

ある頃から、またTさんのお腹が膨らみ始めた。

初めは小さなできもの程度の膨らみだったが、次第に大きくなり、3ヶ月でボールほどに膨れあがった。

短期間でお腹がこんな大きくなるはずがない。

怖くなったTさんは、病院へ行った。

医師に一刻も早く手術するべきだと強く言われ、その日のうちに手術を受けることにした。

手術中、医師はTさんのお腹の中に何かの塊を見つけた。

ボールのように膨れた腹の原因だ。医師はそれを取り出すと、しばらく見つめ、何かに気付いたように洗い出した。

血が洗い流され、医師の手に残ったのは、白い石のような塊だ。隣で見ていた看護婦が驚きの声でつぶやいた。

「歯、ですか……」

「そのようだ。堕胎の時に、掻き出しきれずに胎内に残ったんだろう」

看護婦はじっと歯を見つめていたが、ふと何かに気付いた。

「先生、そこに何か糸のようなものも」

医師が歯を指先でつまみあげると、黒い糸がすっと垂れた。

医師は、さらにTさんの腹をさぐった。そしてごっそりと黒い糸のようなものの塊をつかみあげた。

「髪の毛だ」

医師は、血まみれの黒い毛の塊と、その中にところどころ覗く白い歯とをじっと見つめた

「これだけになっても、ずっと育ち続けていたんだな」

 

人殺しロデオ

主婦のYさんは、深夜の通販番組で、まるでロデオをするように体が動く健康器具を見た。

一日数十分またがるだけで、シェイプアップ効果があるのだという。

Yさんはどうしてもその機械がほしかったが、高価でとても手の届く物ではない。

あきらめきれなかったYさんは、インターネットのオークションを探し回った。

そして、聞いたことのないメーカーの似たような機械が売られているのを見つけた。値段は格安だったので、Yさんは妥協してそれを購入した。

一ヶ月の間、Yさんは毎日その機械にまたがった。成果は少しずつ現れていた。

機械に乗り始めてから、Yさんの食欲が落ちてきたのである。

最初は喜んでいたYさんだが、三ヶ月目になると、食べたものをすぐに戻してしまうようになった。

さすがにおかしいと感じたYさんは病院に行った。

医者は、Yさんの体を見て、真剣な表情で言った。お腹の辺りに変な力を加えていないか、とたずねた。

Yさんが機械の話をすると、医者はすぐに使用を中止するように言った。

なんとYさんの体の中では臓器の位置がめちゃくちゃに変化してしまっているのだという。

だから、正しく機能せず食欲が減ったり食べた物を戻してしまったのだ、と。

そしてその原因は、おそらくその機械だろう、ということだった。

Yさんは、その機械を悔しまぎれにオークションに出してしまった。

今もその機械は、どこかで落札を待っている。

 

セックスをやり過ぎると病気になるのか

「セックスをやり過ぎる」

いつの時代に誰が聞いても、あまりよいことには思えないらしい。やりすぎる人間たちに関する悪い噂は後を絶たない。

有名なのは、セックスをやり過ぎると、性器が黒くなるというもの。あまりにも有名すぎて真実として語られている場合もあるが、もちろん嘘だ。

性器が黒くなる理由はメラニン色素にある。これは確かだ。

一説によると、性器は紫外線に非常に弱い。だから、紫外線から守るため、性器にメラニン色素が沈着するようになるのだというが、やはり真偽のほどはわからない。

やり過ぎて、白い目で見られるのは、おそらく男性よりも女性だろう。

ここで、やり過ぎる女性に関する噂を二つ紹介しよう。

一つは、不倫をすると、リウマチになるというもの。

リウマチとは、筋肉や関節が痛んだり炎症を起こしたりする病気だ。不倫はいけないという戒めにこんな噂が流れたのだろうか。

もう一つは、3人以上の男性とセックスすると癌になる。

もし、これが本当なら、世の中のほとんどの女性は癌になるのではないか。

これには、もっともらしい理由もついている。精液の性質は人によって違い、それがいくつも混ざり合うと体に悪影響を及ぼすというのである。

また、やり過ぎる男性とセックスをする女性にも怖い噂がある。

男性の恥垢のなかに、子宮癌を引き起こすウイルスが潜んでいるというのだ。

このウイルスをもつ男性は、不特定多数の女性とセックスをしていること、包茎であることなどが要素にあげられる。

「未成熟な体で好き勝手セックスをしてはいけないよ。今に怖い病気になっちゃうよ」ということなのだろう。

他には、某雑誌にも掲載された「セックスをしてすぐに寝ると体に悪い」などなど、数え切れないほどの噂がある。

ちなみに、この雑誌は、他にもセックスに関する噂を何度も取り上げているが、やはり真偽のほどは定かではない。

 

痩せられるリップクリーム

大学生のKちゃんは、太っていることが悩みだ。

ある日、ネットでダイエット合宿の開催を知り、参加することにした。主催者は、過去にダイエットに成功した女性だった。

郊外のホテルに泊まり、運動をする。食事は少なめにする。

これを5日間続けるというのが合宿の内容だ。

だが、始まって2日目にして全員が筋肉痛になってしまい、運動ができなくなった。

仕方なく食事だけはなんとか制限しようとした。だが、運動ができなくなったことで、全員のやる気はくじけてしまっていた。

そんななかでKちゃんだけは、これがラストチャンスと思い必死に耐えていた。

それを見ていた主催者は、こっそりKちゃんを呼んだ。

主催者の手には一本のリップクリームが握られていた。

「私も昔、太っていたのであなたの気持ちがわかります。これは、絶対に食欲を落とせる魔法がかかっているリップクリームです。どうしても自分の力では無理だと思ったら使ってください」

Kちゃんはその言葉を胸に、お守り代わりにリップを肌身離さず持ち続けた。

合宿での運動と食事制限をやりきったのも、Kちゃんだけだった。

だが合宿後、Kちゃんの体重は、あっという間に元に戻ってしまった。Kちゃんにはあせりが見えてきた。

Kちゃんは主催者にもらったリップを付けてみることにした。

夜寝る前、唇にリップを塗り、Kちゃんはベッドへ入った。

次の日、朝起きてKちゃんは自分の口に異変を感じた。口が開かなくなってしまったのである。Kちゃんは泣きながら病院へ駆け込んだ。

リップクリームの中身は、接着剤だったのである。

Kちゃんの口はなんとか再び開くようになったが、Kちゃんはダイエットをあきらめてしまった。

 

色の違う双子

アメリカで起きた出来事。

子宝に恵まれなかったある白人夫婦が、人工授精をすることにした。人工授精は成功し、無事に妊娠。

そして月日は流れ、ついに出産の時がやってきた。産まれてきた子供はなんと双子。だがその双子の肌の色を見て、医師たちは困惑した。

一人は白人だが、なんともう一人は黒人の子供だったのである。

人工授精には確かに白人の精子を使った。なのになぜ黒人が産まれてしまったのか。夫婦もそれを知って激怒した。自分達が白人なのに子供だけが黒人では道理に合わない、というのである。

病院側がすぐに原因究明に乗り出した。そしてその謎が解けた。

この白人女性の人工授精を担当した医師は、その直前に別の患者にも人工授精を行っていた。それが黒人女性だったのである。

DNAを調べてみたところ、まさに、直前に黒人女性に受精させた精子と一致した。

病院側は、人工授精させる機械をよく洗っていなかったのだ。

そのため、器具に黒人の精子が残っていた。それが、授精させるはずだった白人の精子とともに、白人女性に授精したため黒人が生まれたのである。

他にも、こんな話がある。これもアメリカでの話だ。

ある白人女性が双子を出産した。だが一人は、金髪。一人は黒髪。しかもよく調べてみると、金髪の子の方が一ヶ月発育状態が進んでいる。

不思議に思った医師が、女性にたずねてみると、女性は妊娠した頃に二人の男性とつきあっていた。そし

て、一ヶ月間にその二人の子供を両方妊娠してしまったのである。

普通の女性は、一度妊娠をすると排卵が止まるのでもう一度妊娠をすることはありえない。だが、ごく少数、こういった特異体質の女性がいるそうである。

 

美味しい水

水道水を飲料水として使う人などほとんどいない時代になった。

街ではいたる所で、美味しい水が売られている。

千葉県のあるスーパーでも、無料で美味しい水の支給を開始していた。

店長の故郷である、長野の山奥の澄んだ水だ。

マイナスイオンを多く含んでいると、近所でもあっという間に評判になった。

それによって、病気が治ったとか、体脂肪が減ったとか、生理痛が和らいだという話もあった。

主婦たちは、スーパーに列を作り、この水を求めた。

それまで、赤字続きだったスーパーも持ち直した。

以前は、店長の家からよく、夫婦喧嘩の声が近所に漏れていた。

だが最近では、その声もようやく聞かれなくなっていた。

ある日のこと。

いつものようにタンクいっぱいの水を持って帰った主婦が、奇妙なものを見つけた。

水の中に何かが浮いているのである。

白い薄い膜のようなものだ。

不思議に思ったが、山から直接取ってくる水だ。

多少の自然の物が浮いているのも仕方がない、と思いそのまま捨てた。

その頃から、多くの家庭で水の中に沈殿物が見られるようになった。

最初は、誰も気にとめずに、そのまま利用していた。

だが、決定的な出来事が起こった。

ある一人の主婦の持ち帰った水の中に、人間の髪の毛が浮いていたのである。

不衛生な状態で保存されているのではないか。

さっそく、主婦たちは店長を問いつめた。

しかし店長は、以後気をつける、と言っただけだった。

それからしばらくして、スーパーは突然の閉店を迎えた。

店長が警察に逮捕されたのである。容疑は、妻殺しだった。

警察が店長の逮捕にふみきった理由を聞き、主婦たちは耳を疑った。

妻の遺体は、主婦たちに配られた水を貯めるタンクの中に沈められていたのだ。

沈殿物は、膨張し、ふやけ、腐っていった妻の一部だったのである。

今でもこの街の主婦たちは、懲りずに美味しい水を求めている。

ただ、自分の目で確かめなければ不安らしい。南アルプスまで水を汲みに行くツアーを度々、行っているという。

 

全身ダイエット

Oさんはこの春、大学に入学したばかり。

ぽっちゃり体型の彼女は、高校時代に体型を理由にふられてしまったことがあった。

自分を変えるためOさんは、ダイエットに挑戦することに決めた。

家でもできて、つらくなく、痩せられる。そんな方法はないだろうか。Oさんは悩んだ。そして、あるアイディアを実行してみることにした。

Oさんが寝室で死んでいるのが発見されたのは、それから数日後のことである。

Oさんの命を奪ってしまったアイディアを教えよう。

Oさんは、夜寝る前に、熱い蒸しタオルを腕や足、お腹に巻き付けた。そして、その上から、全身にサランラップを巻いて眠りについたのである。

こんな状態を何時間も続けていたせいで、皮膚のすべてが覆い隠され、すべての毛穴がふさがれてしまい、酸素不足で死を招いてしまったのだ。

皮肉なことに、Oさんの死体は確かに、前日よりも軽くなっていたそうだ。

ダイエットに挑戦しようとするなら、楽に痩せようなどとは考えないことだ。

 

歯科医のストーカー

中学一年のY美は、生まれつき歯並びが悪く、矯正をしている。

定期的に近所の歯医者に通っているのだ。矯正は早いうちにやらないと良くならないのだという。

ある日、Y美がいつもの歯医者に行くと、歯科医がこんなことをつぶやいた。

「今日は、公園に寄ってから来たんだね。学校が終わったらすぐに来なきゃ」

Y美は公園へ寄ったことなど歯科医には言わなかった。しかし、歯科医はそれを知っていた。あまりの恐ろしさで黙ってしまった。

この日を境に、歯科医はY美が来る度に、不気味なことをつぶやいた。

昨日は塾へ行ったんだね、今朝は友達の家に迎えに行ったでしょ、おばあちゃんの家に行ったのは一昨日だっけ……。

歯科医はY美の行動をすべて見通しており、それを治療の最中に囁いてくるのである。

Y美は恐ろしさのあまり母親と一緒に警察に訴え出た。

警察は迅速に対応してくれた。だが、3週間張り込んでも歯科医がストーカーをしているという証拠を見つけられなかった。

それなのに、Y美が治療に行くと、かならずその間の行動をすべて把握しているのである。

そんなある日、警官はY美に思いがけないことを言った。

「矯正の器具をはずしてもらってもいいかな。調べたいことがあるんだ」

Y美はその要請どおり違う歯医者へ行って、矯正を外して警官に渡した。

数日後、警官から連絡があって、歯科医を逮捕したという報告を受けた。

警官は経緯をこう説明した。

「あの後、矯正の器具を調べてみたんです。そしたら、器具のなかにGPSのチップが埋め込まれていたんです。それで、患者の行動を監視していたんです。歯科医の自白によれば、お気に入りの患者の矯正や銀歯にチップを埋め込んで、ストーカーをしていたのだそうです」

歯科医のストーカーには、くれぐれもご注意を。

 

小さくなるダイエット

Sさんはダイエットに失敗し続けていた。

彼女にとって痩せるということは、もう強迫観念になってしまっていた。

Sさんはずっと無理なダイエットを続けていた。

ある日、Sさんに会った友人は、その姿にぎょっとした。

なんとSさんは丸坊主になっていたのだ。理由をたずねるとSさんはこう言った。

「髪の毛を切ったら少しは体重が減るかと思って」

Sさんによると、なんと髪の毛や眉毛だけでなく体中の毛を剃ったらしい。それで少しだけ体重が軽くなったと喜んでいるのだ。

次にSさんに会った時、Sさんは両手のすべての指に絆創膏をしていた。Sさんは言った。

「爪を切れば、少しは体重が減るかと思って」

Sさんは、少しでも多くの爪を切ろうと、血が出るまで深爪をしすぎてしまったのだという。

微笑んだSさんの口には歯がなかった。Sさんはさらに言った。

「歯を抜いたら少しは体重が減るかなと思って」

こわくなった友人は、それ以来Sさんと連絡をとらなかった。

数年後、Sさんから手紙が届いた。なかには一枚の写真と便せんが入っていた。

便せんには一言。

「こんなに軽くなりました!」

と嬉しそうな文字が躍っていた。友人はおそるおそる写真を見た。

そこには、手も足もなくベッドに横になっているSさんの姿があったのだ。

 

くすぐったいマッサージ

女子大生のAさんは、最近マッサージにはまっている。

特に、新しくオープンした隠れた名店を見つけるのが趣味だ。

ある時、Aさんの家の近くに一軒のマッサージ店がオープンした。さっそくAさんはその店へと足を運んだ。

店に入ると、一人の男しかいなかった。どうやら、この男が一人で経営しマッサージもしているようだ。

Aさんは、すぐに奧の部屋に案内された。

薄いバスローブのようなものに着替え、ベッドに横になった。リラックスできるように、と、ヘッドホンとアイマスクをつけられた。

クラシック音楽が流れ、お香の良い匂いがした。

「少しくすぐったいかもしれませんが、我慢して下さい。私がタイで特別にならってきたマッサージです」

マッサージが始まった。

男が言ったように、マッサージはくすぐったかった。やわらかいスポンジでゆっくりなでられているような感じだ。

我慢しているうちに、Aさんはそのまま眠ってしまった。

気付くとマッサージは終わり、男の姿はなかった。

隣の部屋から、さっきと同じお香の匂いがする。どうやら他の客のマッサージをしているらしい。

Aさんは、そっと隣の部屋のドアを開けた。

男がこちらに背を向けている。Aさんはじっと男を観察した。

そして、見てしまった。

男が、横たわっている女性の体をなめ回しているのを。その瞬間、Aさんの背筋に冷たい物が走った。

Aさんは、何も見なかったふりをして、店を出た。この店はその後、何度か雑誌に紹介されている。

「女性専用! くすぐった気持ちいいマッサージ店」という触れ込みで。

 

鏡の中のシェイプアップ

OLのMさんは会社帰りにジムに通うのが日課だった。

Mさんはエアロビをする時には、いつもスタジオの左端にいた。そこでエアロビをしている自分を鏡で見ると、ダイエットのやる気が出るのだ。

鏡に映っている自分は、ぶくぶくと太っていて、重たそうに動いている。

早くこんな自分とはさよならしなくちゃ。

その思いがMさんを動かしていた。

ある日、Mさんが遅れてジムに行くと、いつも立つ左端の場所はすでに他の女性にとられてしまっていた。

仕方なくMさんは、別の場所に立った。そこでエアロビをしながらふとMさんは思った。

私、気付かないうちにずいぶん痩せたみたい。

Mさんは自信がついて、いきいきとエアロビをした。

その日、Mさんは、誰もいなくなったスタジオで、鏡の前を移動しながらウォーキングの練習をしていた。

すると、明らかに左端の鏡の前で見る自分の方が太って見えるのだ。

気のせいかとも思ったが、Mさんは仲の良いインストラクターにたずねてみた。

インストラクターは、こんな話をしてくれた。

以前、このジムにとても太った女性が通っていた。

一生懸命体を動かして努力をしていたが、なかなか痩せなかった。そうしているうちに、その女性は体のことを職場でからかわれ、自殺をしてしまった。

その女性がいつも立っていたのが、左端の鏡の前なのだという。

どうしてそんな鏡をずっとつけたままにしているのか、Mさんは疑問に思いたずねた。

するとインストラクターは、困ったように笑った。

「この鏡を気に入ってるお客さんが多いのよ。もちろんみんな理由は知らないけど。でも、気のせいか太って見えるから、ダイエットのやる気が起きるんだ、って。ちょっとした評判になってるの。だから取り外せないのよ」

恐ろしい呪いもダイエットの材料にしてしまう。

痩せたい女性の執念はすさまじいのだ。

 

毛だらけ

T子は24歳の時に同じ会社の男性と結婚した。

昔から、子供が欲しく、結婚後すぐに寿退社して子づくりに励んだ。

しかし、一年経っても、二年経っても、子供は産まれなかった。夫婦そろって婦人科へ行ってみると、医者からは「不妊症ですね」と告げられてしまった。

T子は落胆した。しかし、医者はこう言って励ました。

「あなたの体を改善していけば治るものです。根気よく治療していきましょう」

そこからT子の不妊症治療がはじまった。医者は通院してきたT子に注射をした。

T子には生まれつき女性ホルモンが多すぎた。それゆえ、子宮の働きが異常で子供が産まれない体質になっていたのだ。

そこで、医者は男性ホルモンを注射することで女性ホルモンを減らし、治療をしようとしたのである。

しかし、T子は治療をすればするほど自分の体が変になっていくのに気がついた。

頬や鼻の下の産毛が濃くなり、声が低くなった。また、体から変な親父臭がするようになった。

T子は医者に相談したが、医者からはこう言われるだけだった。

「男性ホルモンを打っているんですから、男性化は避けられません。不妊症を治すために我慢してください」

T子はそう言われて、子供を産みたい一心で必死に努力した。

治療をはじめて二年後、ようやくT子は念願の妊娠に至った。だが、お腹が大きくなってきた矢先に、突然夫から離婚を告げられた。夫はこう言った。

「君はどう見ても男性だ。女性として見られなくなった。許してくれ」

そう、T子は男性ホルモンの打ちすぎで、髭や胸毛が生えて、男性化してしまったのだった。

一度男性化してしまうと数年は戻らないという。

夫はそれに耐えられず、子供の誕生を待たずに離れていってしまったのである。

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