ダイエットの次元

・スイーツを食べさせる男は女心をなめている

ダイエットを始めるにあたって、その考え方をまず理解しておかなければなりませんので、いろいろなシチュエーションを交えて説明してゆきたいと思います。まず、食べたいという欲求は、体がそれを要求している場合もありますが、脳に焼きついたイメージがそこに向かわせていることがあります。この想像力が強い人ほど太る傾向にあるような気がします。テレビのグルメ番組を見てしまうと、翌日のランチにはそれを食べていたということにもなり、世の中は誘惑に満ちみちています。そもそも経済の仕組みが、人の欲望をかり立て、あおりにあおって消費に向かわせるようにできています。たんに生きているだけでも、無数の罠が仕かけられているようなものです。スーパーを歩いてみれば、高カロリーなものを食べさせて、どれだけ人を太らそうとしているのかが分かります。ダイエットは経済の欲望に抗議するハンガーストライキのようなものです。皆が笑顔で「美味しい、美味しい……」と食べている中で、食習慣の違う外人さんにでもなったつもりで、「ノー、サンキュー」と言えるかどうかが試されています。こういうシチュエーションもあります。女性がダイエット中にデートに誘われて、男性のほうはここぞとばかりに高カロリーな食事を食べさせようとします。高カロリーな食事は見た目も豪華ですので、価格的にも割高です。デートにその食事をチョイスした男性のほうは、「オレッて、カッコイイ」となり、本人はグルメ気取りで、なんて気のきくデキタ男なのだろうと思っているのです。いや、ホントに――。しかし、ダイエット中の女性からすれば本当に迷惑です。たとえば、半年間も我慢してきたチーズケーキを男性に無理やりすすめられて、断り切れずに一口、食べただけで、耐えに耐えてきた今までの努力がガラガラと崩れ落ちてゆくような罪悪感に襲われるものなのです。チーズケーキ1個ぐらいは運動でリカバリーできると思われがちですが、そうではないのです。一口食べてしまったという事実が怖ろしい結果を生むのです。ダイエット中の口の中は、干からびた砂漠と一緒です。味覚そのものが乾き切っているのです。その舌の上にチーズケーキなどのせたものなら、糖分の快楽が脳天をいっきに突き抜け、瞳孔には血流がドバッと流れて、キラキラとした目をしながら「やっぱり美味しい……」となるのです。こうなったら最後、今日も明日もチーズケーキを食べ続けるようになり、あらゆる食べ物が食べてもOKという状態になってしまうのです。この食べていなかったものを食べてもよしとすることをダイエット界隈では解禁といいます。自分が食べないと心に誓ったものは、どんなときでも、なにがあろうと食べてはいけません。カロリーがどうこうというのではなく、その一口を突破口として、ダイエット全体のシナリオを破たんさせてしまうのです。

 

・あなたにとって福の神? それとも貧乏神?

自分から食べなくても、他人からすすめられて食べさせられることほど、不愉快なことはありません。お付き合いというのが、ダイエットの大きな障害となります。会社員でしたら、お付き合いも仕事のうちですから、テーブルに並べられた料理を頭の中で即座にカロリー計算して、高カロリーなものはメタボな社員に押しつけて、自分は野菜だけを拾って食べるようにするしかないのですが、私がダイエットしているときは、冠婚葬祭の料理でも一切、口にすることはありません。ウーロン茶をチビチビとすすりながら、お地蔵さんのようにじっと座っているだけなので、次から次へと料理が運ばれてきても食べる気配がない私は、まわりから見れば変な人です。「食べて、飲んで」と能天気な顔をしてすすめてくる人に対しては、「変でけっこう、あなたとは次元が違うんです!」と、心の中でキッパリと拒絶するようにしています。たった一口食べたときのリバウンドの恐怖を知っているからこそ、そこまで自分を律しないとダイエットはできないのです。私は人間関係おいて2通りのタイプがあると思います。自分と関わる相手が、果たして福の神なのか、貧乏神なのかということです。福の神というのはどういう人を指すのかといえば、付き合えば付き合うほど、知識、教養、活力といったものが高まり、新しい発見や感動をもたらしてくれて、自分がよき方向にすすむように導いてくれるのが福の神です。逆に貧乏神は、やることなすこと逆のベクトルに働き、ネガティブな感情しか残さず、自分の平常心を失わせます。存在自体が不幸を引き寄せてしまい、他人の運気を吸い取って肥えてゆくタイプの人のことを指します。ダイエットをしていると、この福の神と貧乏神が入れかわり立ちかわり、自分にすり寄ってきます。ダイエットをする気力を与えてくれるのが福の神、ダイエットをはばもうとするのが貧乏神です。神と書くと「そんな大げさな……」と思われるかもしれませんが、これは人間関係の向き不向きというような生やさしいものではありません。もし、これ以上、太り続けていたら命の危険にまでおよぶ、あるいは、太っていては未来を切り開くことができない人にとって見れば、ダイエットを邪魔するいかなるものは、自分の命や人生を奪おうとする貧乏神のなにものでもないのです。女性がデートに誘われて、高カロリーなものを食べさせようとする彼氏がいるとしたら、明らかに貧乏神です。即刻、別れてダイエットに集中してください。高カロリーなランチに誘うママ友がいたとしたら、一緒に太って自滅しようというたくらみです。行きたくもないのにわずらわしいお付き合いをしなくてはならない会社員は、社内で高カロリーな食事をしそうな社員をチェックし、そういう社員とは普段からうっすーい人間関係にしておくことです。メタボな社員が誘うお店は決まって高カロリーなわけですから、貧乏神の気配を少しでも感じたら、「寄らば斬るぞ!」という意気込みで用心しておかなければなりません。でなければ、高カロリーな食べものにあふれているこの時代、自分の命を守り切ることはできないのです。

 

・グチグチ、ネチネチの雑音をシャットアウト

ダイエットにおける福の神と貧乏神の法則は、人間関係だけに作用するものではありません。貧乏神を引き寄せる趣味、仕事、生活環境というのもあります。たとえばギャンブルが好きな人だったら、勝ったときは大盤ぶる舞いで暴飲暴食をし、負けたらヤケ酒ヤケ食いをするというように、勝っても負けても太る生活から脱しきることはありません。ギャンブルが好きな人が、野菜ものを積極的に食べて健康管理しているイメージはありませんので、平常心を失ってのめり込む趣味というのは、今ある自分の心がどこにあるのかも気づかず、体のことを顧みる心の余裕すらなくなっています。そういう趣味は、必ず貧乏神に命を取られます。最近は男性でも料理を趣味にしている人は多いと思います。食べた人から「美味しいね」と喜ばれることは、一種の快感でもあります。調理過程の動画を投稿サイトにアップロードしたり、SNSやブログに写真を投稿していたりすると好意的なコメントもきますので、食べ歩きと並んでハマる趣味でもあります。女性でしたらお菓子づくりやキャラ弁づくりも食べる趣味のひとつです。しかし、それらは貧乏神の趣味なのです。料理をする本人が痩せていれば、自分にふりかかる影響はないですが、つくった料理を食べさせるのは、家族や恋人、友人といったところでしょう。「美味しいね」の賛同を得たくて、そういう人は体のことではなく舌のことを優先的に考えて、高カロリーな料理をつくります。貧乏神はまわりを不幸にするという典型ですが、キャラ弁づくりなども、自分の子供以外の人からの賛同が目あてというのが本音でしょう。料理も食べる人の健康を思いやってつくらなければ、ひたすら悪趣味な方向に向かってゆくものです。今の生活環境や仕事によっても、福の神と貧乏神の法則が働きます。本来なら、どうしても痩せなければならないのだとしたら、思い切って転職するなり休職してしまったほうが賢い選択ではあるのです。ダイエットに成功してから復職しても損になるどころか、プラスになることしかないのですが、職場にダイエット休暇のようなものがない限り難しいのは分かります。であるならば、せめて生活環境は改善しなければなりません。私はダイエットをするために引っ越しまでしましたが、今、暮らしている生活環境でダイエットが続かない、もしくは、ストレスの原因となっているようなことは、期間限定でもいいので極力、排除しなくてはなりません。一切とはいいませんが、極力しなければならないのです。というのも、ダイエットがうまくいかないのは、生活環境の雑音に邪魔されることがほとんどなのです。たとえば、台所に立って自分用のダイエットのための食事をつくっていたら、姑が小言を言ってくるとか、食事制限でお腹がすいている中で、ちょっとでもガッついた食べ方をすると、ダイエットで苦労もしたことがない夫が「お前、太るぞ!」とことあるごとに言ってくるとか、ご近所さんの視線が気になって外で運動するのも気が引けるとか、そのグチグチ、ネチネチとした生活環境がダイエットの行く手をはばむのです。

 

・犠牲を払わなければダイエットは成功しない

ダイエットは犠牲を払わない限り成功しないと、私は本当に実感しています。決められた食事制限や運動を毎日こなしさえすれば、痩せることは痩せられます。特に専門的な知識も必要なく、ヤル気さえあれば誰でもできるというものですが、なにが大変なのかといえば、脳に浮かぶ雑念をどうふうじ込めたらいいかです。仏教のお坊さんにしても、雑念をふり払うのに何十年もかけて修行をするというのに、太っているだけの一般人が雑念に勝てるわけがありません。運動しているときは、炭酸の泡が浮かんでは消えるように、雑念がダイエットの気力を削いでゆきます。脳は本当に厄介です。楽しことよりも、日常であった嫌なこと、怒りを感じること、不安なことばかりが脳を支配します。しかし、それらは数秒後には脳から消え、また別の雑念が浮かび、たまには強い雑念がしばらく脳に居座ることもあります。人類の進化の過程で、種として生き延びるために、脳はもともとポジティブなことよりも、ネガティブなことを記憶し、考えるようにできているのです。こういった雑念は、1日のうちで何度もくり返される脳の働きではあるのですが、運動しているときは特に浮かびやすいのです。意識が外に向かっているときは雑念に縛られることもないのですが、運動しているときは意識が自分に向けられているので、どうしても内向きに考えてしまいます。この雑念が食べものだったときはどうでしょう。テレビやインターネットで美味しそうな料理を見た、スーパーのお惣菜売り場や通りがかりの食堂の換気扇から漏れでた匂いを嗅いだ、そういった食べものの記憶が運動しているときに、パッと脳に浮かびます。「アレも食いたいなー、コレも食いたいなー」という脳の動きは大変危険なのです。ダイエットはまず雑念をふり払う努力をしなくてはなりませんが、簡単にできるわけではないです。では、どうすべきかですが、私がそこで悟ったのは、意識を散らすか脳を麻痺させるかのどちらかにしか解決策はありません。意識を散らすというのは、運動のほかになにか別なことをしながらやるという一般的な方法です。音楽を聴く、読書をするなど、意識を外に向かわせれば雑念を克服できるでしょう。そして、脳を麻痺させるというのが私のダイエット法のメインテーマになるわけですが、これについては追々、明らかにしてゆきたいと思います。

 

・180度開脚ができてこそ成功者としての証し

私がダイエットの目標を立てたとき、まず自分の身長と同じぐらいの芸能人をインターネットで検索しました。そこで目にとまった芸能人は、女性が選ぶ好きな芸能人のトップにランクインするぐらいなので、男性の私から見てもなかなかのいい男に見えたわけです。そこで、私はその芸能人に成りきることにしました。痩せれば「芸能人も夢じゃない!」と思うようにしたのです。芸能人は私のように太ってしまった人にも夢を与えてくれます。実際、ダイエットにうち込んでいると、自分は芸能人に近づいていることを本気で意識するようになって、「歌と踊りもレッスンしていかないとなー」と、真面目に妄想していたのです。しかし、痩せただけでは芸能界にデビューできません。芸能人はなんといってもまっ白い歯でなくてはいけませんので、ダイエットに成功したら、歯をセラミックの差し歯にしようと決めました。それから、顔の頬にできたシミをレザー治療で落とし、全身脱毛すれば完璧です。結果的にこの妄想は大きな成果がありました。ダイエットだけをしていると飽きるので、そこにプラス別な目標を掲げます。ダイエットの次は美容という目標があれば、早くダイエットしなければ次のステップにすすめないので、集中してダイエットに励むことができるのです。ダイエットはまず大きな夢を描きます。夢は大きければ大きいほどモチベーションが高まります。ただし、体重を10キロ落とすといった具体的な数字であってはいけません。自分が別の何者かに生まれ変わるような壮大な夢でなくてはなりません。たとえば、私が運動を始める前は必ずストレッチをします。ストレッチをする理由は、いろいろあるのですが、毎回、必ずしようという気になるのは、バレエダンサーのように180度開脚をしたいからなのです。自分のダイエットの価値を高めるには、普通の人と同じようなことをしてもおもしろくありません。禁欲的なトレーニングをしてマッチョな体になる男性は多くいますが、180度開脚ができる男性は、世の中にそうそういないでしょう。なにかの集会のときに180度開脚で座っていたら、人気者になれるのは確実です。考えてもみてください。世界の大富豪、権力者、名だたる偉人、その中で180度開脚ができる人を私は知りません。健康が人生の価値を決定づけるものであれば、180度開脚ができてこそ、真の人生の成功者なのです。ダイエットはなにか別の目的を同時並行で行うことは正しい考え方なのですが、間違った組み合わせには気をつけなくてはいけません。ダイエットの第1の目的は痩せることです。筋トレのように食べて筋肉をつくる運動と違って、ストレッチは痩せる目的からすれば理にかなった運動になりますし、そこに180度開脚という目標を置けば、毎日少しずつ体が柔らかくなってゆくのを感じられるので飽きずに続けられます。さらに、180度開脚の先にも目標を設定し、体が柔らかくなったらヨガ教室に通い、クンダリニーヨーガで生命エネルギーを高めて、体から強烈なオーラを放つスゴイ男になりたいという宇宙的規模の夢を持ちます。ここまで妄想を膨らませれば、ダイエットなど俗世界のごくささいなことで、通過点のひとつにしかすぎなくなります。飽きる心をコントロールするには、自分が「おもしろい!」と思うものをやってゆくしかないのですが、まずなにをするにしても1つのものに絞らないことです。どうしてもダイエットは毎日欠かさず続けるというノルマに縛られてしまいますが、その単調なやり方が挫折を生んでしまうのです。運動をするなら、同じ運動量になる3つの種目をあらかじめ決めておきます。その日の気分でどの種目を選んでもかまいません。これは飽きないためにもなりますし、お天気を理由に運動をさぼるのを防ぐことにもなります。食事のほうも3、4日サイクルでメニューを変えれば、飽きる心をセーブできるようになります。

 

・6月から始めるダイエットのスケジュール

お正月休みになると、公園や路上でジョギングを始める人をよく見かけます。「今年は運動の年にするぞ!」と新年の誓いをもとに、早速、ジャージに着がえて走り出すわけですが、1週間も過ぎれば誰も走らなくなります。この現象を分析すると、お正月にジョギングするのであれば、その1ヵ月前ぐらいからストレッチや筋トレをして準備をしていなければ、お正月に走ってはいけないということなのです。新年の気合いが心を奮い立たせるのは分かりますが、体はそれについてこられません。しかも、ジョギングを始める時期が悪すぎます。寒い中、もともと筋肉が硬くなった体を無理に動かしているわけですから、ケガや病気のもとになってしまいます。ただでさえ走るのはツライのに、寒さを我慢してということであれば長く続くわけがないのです。まったく運動をしてこなかった人が、それを始めるのに適した時期は穏やかな気候の6月です。私の経験からいえば、運動を始めた1ヵ月間は、思うように体は動きませんし、疲れも相当でてきます。運動量を少しずつ増やしながら、本格的なダイエットの前に、ダイエットするための体づくり、つまり、準備期間が必要なのです。本格的にカロリーを消費するような運動ができるのは7月に入ってからで、なんといっても夏場の日差しは新陳代謝を上げ、みるみる痩せてゆきます。行楽シーズンの夏ということもテンションが上がりますし、ダイエットの孤独感も忘れさせてくれます。そして、8月が重要な月なのです。お盆は、久しぶりに顔を合わす身近な人とも会いますので、その日をメドにダイエットすれば、「痩せた?」のお決まりのセリフとともに気分がよくなり、ダイエットを継続するモチベーションとなります。しかし、油断してはいけません。8月はやたらと食の誘惑が多く、義理ごとのストレスも溜まるのです。友人などから食事に誘われたら体調不良を理由に断るか、あらかじめ電話を切っておいてください。私はダイエット経験者の話をよく聞いてきましたが、8月にリバウンドする人が実に多くいるのです。お盆を境にその先の運命が決まることになり、ダイエットにおける三途の川といってもいいでしょう。夏が終わり、太陽の日差しも柔らかくなる9月以降は、ひたすらダイエットにうち込むことがあたりまえのようになっています。運動や食事制限の苦しさ、孤独感といったものは、完全に克服できているはずです。そして、冬場の寒さにも耐えて、大晦日に鏡の前に立てば、そこにはすっかりとゼイ肉が落ちた懐かしい自分と出会える最高に気分がいい年の瀬となるのです。6月の準備期間をとり、7月から12月は、集中的に体重を減らす前期とし、翌年の1月から5月はリバウンドを回避する後期というのが、1年間のダイエットのスケジュールになります。

 

・朝食10時、昼食16時、晩酌21時の食生活

私たちは日常のあらゆる習慣に縛られて生きています。食生活もそのうちの一つで、朝、昼、晩の食事をとることが習慣になっていて、体を動かすエネルギーのために食事するというよりは、時間がきたから無条件に食べるということをくり返しています。家庭の食事ですと、お母さんがせっせとつくったホッカ、ホッカご飯というのは、たんなる食事というのではなく、それを食べなければとんでもない親不孝になるのではないかという気になって、ある種の儀式のように無理やり食べさせられていることがあります。農耕民族に染みついたお米の魔力がそこにあるのです。痩せたいのであれば、これらの習慣を一刻も早く断ち切らなくてはなりません。そこで習慣を変える第1歩が食事の時間帯です。私は、長いダイエット生活の悪戦苦闘の中で、この時間帯に食事をするのがベストタイミングであることを突き止めました。まず朝起きてコーヒーなどお茶を飲んで、家事をする人、仕事をする人はそれに取りかかって、最初の食事は10時になります。これより先でも後でもダメです。きっかりと10時に朝食をとります。ダイエットの出だしの食事というのは、その1日をどう過ごすのかを決定づける大切な1食です。次の食事は16時になりますが、その間にお腹がすいたら、フルーツなどを食べるようにして、16時の昼食まで我慢してください。16時にこだわるのには大きな理由があり、19時から21時までの2時間で運動しますので、16時の食事のタイミングを間違うと、運動している最中に猛烈な空腹感に襲われて体が動かなくなります。運動するためになくてはならない16時の食事であることを意識しておいてください。そして、私のダイエットの大きな特徴となるのが、晩酌21時の食事です。後で詳しく書きたいと思いますが、野菜類をつまんでお酒を飲む程度なので、1食分にはカウントされません。全体の食生活からいえば、2食半になります。朝食10時、昼食16時、晩酌21時の食生活は、絶対に守らなくてはならないスケジュールで、どの時間帯がズレてもダイエットに悪影響を及ぼします。ダイエットに気合いが入りすぎて「今日は一食抜いてみよう」という気を起こすと、必ずどこかの時間帯で空腹感に悩まされることになります。食事はその時間帯で必要最低限、腹持ちがよくて低カロリーなものを食べてゆくわけですから、ペースを乱さずに続けてゆくことが大切です。この時間帯を確保できないと、一度、太ってしまった人はなかなか短期間で痩せるのは厳しいように思えますが、もし人生のうちで3ヵ月だけでも犠牲を払ってダイエットすれば、確実に痩せることができます。次章では、私自身の経験を交えて、いよいよ、そのノウハウについてお話したいと思います。

 

脳内でダイエット?

・個人投資家という不健康な暮らしぶり

私は小さいころから肥満体質で、中学生のとき一時的に標準体になりはしましたが、20代に入ってまた太りだしました。10キロ前後のダイエットはできるものの、標準体に戻す前にリバウンドし、30代前半になると100キロの大台にのり、168センチの身長でウエストサイズは96センチとなってしまったのです。体重計の針が100キロをつけた時点で、自分に嫌気がさして体重をはかるのも止めたので、実際はもっと太っていたかもしれません。それでも、周囲の雑音さえ気にしなければ、太っていてもやり過ごせていたので、標準体に戻すような本気のダイエットをしようとは思いませんでした。しかし、漠然とではありますが、20代前半のときに自分は40代を前にしてダイエットに成功するだろうという読みはあったのです。自分で自分を予言するという、おかしな能力なのですが、悩み多き20代ではダイエットは絶対に無理と悟っていたのです。ダイエットをするチャンスを待ち続けて、38歳のときに半年あまりで30キロ痩せたわけですが、それをしようと決意させたのは、私のライスタイルにあります。私は本業が個人投資家であり、副業で貿易商をしています。人から「職業はなに?」と聞かれたときは、本業を秘密にして副業のほうを言うようにしています。というのも、株で儲けていると聞くと、人は平常心を失い、羨望というよりは強烈な嫉妬にかられます。そして自分もやってみようと――。欲を張らずにコツコツと身の丈に合った生活をするというのが、福の神に愛されるライフスタイルであって、そこになんの知識も経験もない、なにより心のトレーニングがなされていない素人が投資に手をだせば、貧乏神の餌食になるのは火を見て明らかなのです。最悪の場合、土地建物など身ぐるみはがされて一家離散、命までも取られるというのが投資の怖さなのです。実際、先物取引や為替取引で自殺した人などザラにいます。私はそれに限りなく近い恐怖を味わって生きてきました。ITバブル崩壊、リーマンショックなどの大暴落があって、私にとって最も厳しかったのは東日本大震災で、本当に死にそうになりました。

 

・太っていると、眠るのも命がけ

私の投資スタンスは小型株の中・長期投資です。ウン千万円という含み損にも耐えて生き残ってきた個人投資家なわけですが、誰もが知りたがることは株で儲けるコツでしょう。こういう質問を幾度となく修羅場をくぐり抜けてきた年老いた個人投資家に投げかけると、テクニックのことは適当にはぐらかして、口元をニヤッとさせながら「心だよ……」と答えるはずです。そのことを実感させられたのは、苦節4年の含み損に耐えて、買値から10倍の株価で売り抜けたときです。株価が低迷している間は、生きているのがツラクなるほどの絶望的な日々で、実際、保有している株の企業が倒産でもしたら、私はショック死状態になっていました。ストレスを発散するために暴飲暴食に走り、夜は浴びるほど酒を飲んで気を紛らわしました。出口のない深い闇は、まさに生き地獄であり、精神も肉体もボロボロだったのです。ダイエットは優雅でリッチな大人の遊びだと思うのは、精神的な余裕がなければ、体を動かそうという気力も、健康を顧みようとする気さえも起らないのです。個人投資家はパソコンのモニターを眺めるのが仕事のようなものなので、体中の筋肉はガチガチに硬く、椅子に座っているだけでも苦行なのです。厳しいポジションを抱えていれば、目だけが血走った廃人といっても過言ではありません。株主優待で食生活をまかなっている個人投資家もいるぐらいですから、おそらく健康的な食事を心がけているのは普通の人たちよりも多くはないと思います。なにより、食事はゆったりとした心持ちで食べるからこそ、栄養のことも考えてみようという気になるわけで、個人投資家のように毎日の値動きで心が荒んでいると、食事のことは二の次になります。何百億円と稼いだ有名なデイトレーダーにしても、普段の食事はカップラーメンというのはよく知られた話です。「夜明け前が一番暗い」という古い教えのとおり、私にも一筋の光が見えてきました。むしろ含み損に耐えているときよりも、株価が上昇を始めたときのほうが、頭がおかしくなるほど狂おしい精神状態となります。自分の欲との戦いであり、どこかで見切りをつけて売り抜けなくてはなりません。一瞬の気の緩みで、耐えに耐えてきた数年の苦労が水の泡になってしまいます。売り抜けるタイミングを見計らっている間は、株のことを考えただけで心臓が激しく鼓動し、背筋が震えます。頭には血がのぼり額の血管が浮きあがって、倒れる寸前のところまで極度の緊張状態が続きます。そのうちに不摂生がたたって、片足の表面が赤く腫れあがり、指先にも激痛が走りました。おそらく糖尿病か痛風の症状ですが、病院に行けば悪いことを言われるのは分かりきっていましたので、治療は後まわしです。利食いもせずに死んでなんかいられません!それと、私は長年、睡眠時無呼吸症候群で強烈なイビキと、呼吸停止に悩まされてきました。寝ている間に首を絞めつけられるように呼吸が止まり、それがちょっとでも長く続くと、顔をまっ赤にしながら突然、目が覚め、「もう少しで死んでた。危ないところだった……」と思わされるような危険な状態が度々ありました。太っていると、眠るのも命がけなのです。無事に株を売り抜けて利益を手にしたときは、喜びというよりは、「こんな生活をしていたら、命がいくつあっても足りないなー」と思ったのです。株で大儲けする前に株に殺されると感じて、個人投資家を続けてゆくためにもダイエットをしようと決心したのです。

 

・楽して儲ける、楽して痩せるの嘘

株とダイエットは似ているところがあります。株は値上がりを予測して投資するわけですし、ダイエットも未来の自分の体に対する投資としてそれにうち込むわけです。どちらにしても、将来、よい結果を生むためにすることであって、それにはリスクもありリターンもあります。「楽して儲ける、楽して痩せる」という楽してナニナニという言葉は、そのまっ只中で必死に戦っているプレーヤーからしたら、「なにも知らんくせに……」と言いたくもなります。そのときのプレーヤーでしか分かり得ない苦労というものがあり、株もダイエットもそれをしたことがない人たちのエセ講釈にふり回されることがあります。株における評論家は、実際に株を動かしていないので適当なことを言えます。個人投資家がそれで大損しても知らんぷりです。ダイエットにしても、医学的な知識を持っていてもプレーヤーではない人の話は、私からすれば聞くに値しないのです。私は長年の自分の経験をもとに、誰の知識にも頼ることなくダイエットをしてみようと思いました。まずは過去にどんなダイエットをしてうまくいったのか、それがどうして続けられなかったのかを思い返してみました。私のダイエットの中でも印象に残っているのが、タイムリミットダイエットというものです。ネーミングは私がそうつけたのですが、10年ぶりぐらいに古い友人から手紙が届いて、結婚式に招待されたのです。個人投資家となってからというものの、交友関係のすべてを断ち切って株で勝負してきたので、古い友人の招待はさすがに驚きでした。私との交友関係が途絶えていたとはいえ、昔の義理はとおすというのが古い友人の男らしさです。その一方で、私の体型ときたらパンパンに膨らんでしまっていて、胸は情けないほどにポヨヨーンとしていたのです。さすがに、こんな恥ずかしい姿は古い友人には見せられないと思い、急きょ、ダイエットを始めました。タイムリミットである結婚式まで3ヵ月はきっています。それまでに、なんとか痩せなくてはならなかったのですが、炭水化物と糖分と油分、それから肉魚は一切食べずに、お酒も止めました。週に1回のペースで断食をして、毎日、エアロバイクを20キロこいで、なんとか結婚式には、古い友人に「昔より痩せたね」と言われるぐらいにまでなりました。ただ、披露宴の上座の席をわざわざ用意してくれたものの、そこで3ヵ月ぶりにビールを口にしたおかげでアルコールが内蔵の隅々まで染みわたり、最後の盛り上がりとなる両親への感謝のスピーチの途中で、挙動不審者のようにガバッと席を立って、トイレに駆け込むという大失態をやらかしてしまったのです。結婚式が終わった翌日から、リバウンドしたというのはいうまでもありません。

 

・リバウンドのきっかけは1匹のクモ

リバウンドの恐怖を知っているのも、ダイエットをしたことがある人ならではのことです。ちょっとしたきっかけでダイエットが中断することはよく起ります。私は順調にダイエットを続けていたとき、部屋の天井に小さなクモがいて、それを逃がしてやろうと、椅子に上ってほうきをふり回しました。ダイエット中は肉類を食べませんので、そのためか荒々しい感情も起らずどことなく心が清んでいるので、殺すのは可哀想という心持ちになっていたのです。そのとき、椅子の車輪がズレて、私は床に転げ落ちて腰を打ちました。これで、しばらくは運動ができません。一度でもなにかを理由に運動を止めてしまうと、そのぶん筋肉が硬くなり、ますます運動する気がなくなるという悪循環に陥ります。腰の痛みは、ダイエットの集中力を削いでゆき、低カロリーな食事も妥協するようになって、通常の食事に戻ってゆきます。たった1匹のクモを助けようとしたばかりに、リバウンドしてしまったのです。この経験からいえることは、「虫は迷わず殺せ!」ということです。ダイエット中は、四方八方からさまざまな貧乏神がすり寄ってきて、痩せるのをはばもうとするので気をつけてください。リバウンドでよくあるのが、たった一口食べて脳が活性化されてしまって、それ以降も食べ続けるということがあります。私の場合も、食べないと決めていたものをつい食べてしまってダイエットが失敗したことが何度もあります。それを食べても今日だけにしておこうとなればいいのですが、脳はそんないうことは聞きません。1つの砦が崩されると、もう1つの砦が崩されるというように、その一口をきっかけにして高カロリーなものを食べるようになるのです。それと、なんといってもリバウンドの原因はストレスが大半です。嫌なことがあった、心配ごとがある、思いどおりにいかないなど、日常のちょっとした出来事がリバウンドに直結します。そのときは、高カロリーなものを食べることが一番のストレス発散になります。ですから、毎日、極度のストレスの中にあった個人投資家の私が、痩せられるはずがないのは当然のことだったのです。

 

・どうしてもヤル気がでないときの秘策

自分が一番のダイエットの教科書です。しかし、ノウハウがあっても成功しないのは、理屈では乗りこえられない壁というのがあるのです。それはとても俗っぽい動物的な本能に縛られていて、頭で分かっていてもできないということになります。株と同じで、テクニックというよりは心の動きにこそ儲けのカギがあり、投資家心理を経済学と心理学の両面から分析する行動ファイナンスという学問にもなっているぐらいです。景気の気は気分の気ともいいますが、株というのも人の気分が株価を動かすのであって、日々の値動きは心の動きそのものです。人の心が数値化されるのが株価といってもよく、個人投資家はそのウネリの中で、いかにして自分の心を清廉に保つことができるかが勝負の分かれ目となります。太った、痩せたの体重にしても、人の心の動きと連動しています。ダイエットも心のコントロールなくてして成り立ちません。「よし、ダイエットしよう」と決心させるきっかけは、「若く見られたい」とか「オシャレな服を着たい」とか、その程度のぬるい理由でダイエットしたとしても、せいぜい5キロ止まりで、それ以上、痩せることはないでしょう。もっと痩せたいのであれば、心を突き動かすような強い動機が必要です。病院で医者から健康状態について怖ろしいことを言われてヤル気になったという人もいるでしょう。太っている人は、病気にかかるまで自分の体が死に向かっていることを気づきません。それほど、ダイエットを決意することは難しいことなのです。それでもヤル気が起こらない人のために、とっておきの秘策を教えましょう。普段、絶対しないことをしてみるのも、心に刺激を与えることにもなります。一度、自分が排泄した便を触ってみてください。便は自分の食べたものが消化されて排泄された残りカスでしかありません。このあたりまえのことを人は意識せずに毎日、不健康な食事を食べ続けています。便が汚いと不快に思うのは、悪臭のもとになる汚い食事をしているからであって、野菜を中心とした健康的な食事をしていれば、森の中に積もった枯れ葉のように、便も自然の一部として感じられるようになります。実際、ダイエットをしていると便は臭いませんし、尿も透きとおるほどキレイです。体の内部が浄化されてゆくような感覚があり、トイレに入るたびに清々しい気持ちになります。それともう一つの方法になりますが、思いっきりダイエットにお金を使うことで、これだけお金を使っているのだから、もう後戻りはできないという状況をつくりだすのも効果的です。私はダイエットを始めるにあたり、車を買いかえました。スバルのレガシィを買ったのですが、ツーリングに出かけたいわけではなく、物を入れるスペースが広くとれるからです。次に買ったのが自転車で、レガシィの後部荷室に前輪を外せばジャストフィットで納まるものを選びました。運動器具を肌身離さず持ち歩くだけでも、いつでもダイエットをしなくてはいけない気になるので好都合です。そして、自宅のほうですが、私が10代のときから愛用していたエアロバイクがあります。通販で買ったものですが、今まで何種類かのエアロバイクを購入して乗ってみたものの、ほどよい負荷がかけられて、少々、荒っぽいこぎ方をしても大丈夫だったものはそれしかなく、20年使って壊れてしまっていたので買いかえました。新品が届いたときは、私のダイエットのよき相棒のようなものなので、「本当に長い付き合いだねー」と実に感慨深いものがありました。

 

・断食道場のような環境を求めて引っ越し

ダイエットのためならどんどんお金を使いましょう! これを私はダイエット・インフラによる設備投資のためと個人投資家目線でわり切りました。将来、大きなリターンを得るためなら、初期投資はどうしても必要なのです。さらに、私は事務所の引っ越しまでしました。私は個人投資家を本業としていますが、事務所での仕事の多くは貿易商としての取引に関わるものです。自宅の近くに事務所を置くこともできますが、生活環境の雑音がストレスになるので、なるべく自宅から離れるようにしました。また、自然の中でゆったりとした気持ちで自分の体と向き合いたかったので、自宅から車で45分ほど離れた高原地帯の町の物件を探しました。まず、私が物件を借りるうえで条件としたのは、事務所から歩いてすぐのところに公園があることです。事務所での空き時間を利用してすぐに運動ができるようにするためですが、高原地帯の河川公園は、遠くに2000メートル級の山容を望むことができ、シーズン中は釣り人でにぎわう清流が流れ、その河川敷に全面芝生のサッカー場、野球場、屋外プールとあり、さらには日本庭園、キャンプ場、ウォーキングロードとあって、十分すぎるぐらいの運動ができる素晴らしい環境がありました。それでもまだ条件は必要です。自宅から事務所までの間に、屋内プールがなくてはなりません。河川公園の屋外プールは夏場だけのオープンですし、仕事が遅くなってもプールで泳いでから自宅に帰る習慣にしたかったのです。ちょうど、自宅から事務所の中間に、町営の屋内プールがあったのでこれはクリアされました。食事のことも重要です。事務所にいたとしても、外食に頼るようでは、ダイエットなど到底できはしませんので、自炊するための新鮮な食材を手に入れなければなりません。事務所から車で5分以内に、5軒の大手スーパーがあり、地方ならではの野菜直売所の食材も確保できます。自宅から事務所までのアクセスを含めて、これらを条件にして物件を探した結果、河川公園から徒歩3分のところに事務所を開きました。はっきりいって、ここでダメならダイエットは無理と思わすほどのよい物件でした。私がダイエットを始めようとする人に強くアドバイスしたいのは、安アパートの一室を借りて、そこをダイエットの拠点にして励むぐらいでないと、生活環境の雑音からくるストレスから離れることはなかなかできないと思うのです。ある程度、コストをかけて対処しないとダイエットは難しいものがあります。

 

・第1の習慣「体重計に乗らないダイエット」

ようやくダイエットができる環境が整いました。あとは着々とヤルだけですが、お金をかけて退路を断ったはずなのに、もの凄く気が重いのです。どうしてダイエットをしようとすると気が重くなるのかというと、先の見えない孤独な戦いをしなくてはならないからです。ツライ、苦しい、ひもじい、こんなことをウキウキとした気分でできるほうがおかしいです。私はこう思うようにしました。「先が見えないのなら見てもしょうがない」とすれば、「今、目の前のやれることだけを集中しろ!」ということで、先を気にしていてもなにも始まりません。そんな思いから私が考案したのが、「体重計に乗らないダイエット」というものです。私はほぼ半年で30キロ減のダイエットに成功しましたが、その間、一度も体重計に乗りませんでした。自宅に体重計を置いているなら、ただちに捨ててください。ダイエットに体重計は必要ありません。体重計に乗れば乗るほどそのストレスで太ってゆきます。世間でダイエットを難しくさせているのは、この体重計がすべての元凶なのです。体重計に乗らないダイエットは、私が長いこと苦労してたどりついた究極のダイエット法です。そもそも、このダイエット法を編みだしたのは、個人投資家としての経験からです。株で大損するパターンに、買値より大幅に下落すると、苦しくなって底値で投げ売りしてしまうというのがあります。ところが、売ったところで底打ち反転して、再び、株価が上昇するとことはよくあるのですが、含み損に耐えられないのは、投資資金に金利がついていたり、返済期限のある信用取引だったり、投資資金と生活資金を一緒にしてしまってその目減りする恐怖に襲われるなど、心理的に耐えられなくなるのです。そんなとき、ゆったりと構えて、一時の株価の上下にふり回されず、いずれは圧倒的な人気となって株価も回復するだろうという読みがあれば、「含み損でもけっこう、塩漬けでもけっこう」ということで、デイトレーダーのように毎日、株価を追いかける必要もないのです。私のように5年でも10年でも含み損に耐え抜く個人投資家だと、自分の目標株価まで一切、売ることはないので、毎日の値動きを見てもしょうがないのです。塩漬けになった持ち株は、株価を見れば激しく落ち込むし、値動きを見れば売りたい衝動にかられるものなのです。ダイエットもこれと同じで、毎日、体重計に乗って数字を追っていれば、体重が減ったときは「やった、痩せた!」と有頂天になって喜びますが、それが戻ったときや逆に増えたときの精神的なダメージは大きいものがあります。体重はそのときの食事や運動量、体調などでも変動しますし、停滞期などもあるので、数字にふり回されると心が乱されてダイエットは必ず失敗します。私は6月からダイエットを始めて、体重計に乗ったのが大晦日の12月31日でした。体の感覚とウエストサイズの減り具合では、ダイエット開始から4ヵ月で、すでに30キロ減は達成していたと思われます。厳密に体重計に乗って計測したわけでもないので、ほぼ半年とクエスチョンマークがつくのはそのためです。ダイエットにおいて数字はあまり意味をなしません。数字のことは一切、気にしないでください。毎日、コツコツとダイエットメニューをこなしていたら、知らない間に月日が流れて、気づいたら激ヤセしていたというのが理想です。どんなことをするにしても時間はかかるものなのです。あせる気持ちを抑えるためにも、体重計は絶対に乗ってはいけません。

 

・第2の習慣「試着ダイエット」

「ダイエットは結果をだしながらするもの――」と考える人もいるでしょう。体重の減り具合を確かめながら食事や運動量を調節してゆく発想ですが、そんな器用なマネはどだい無理な話なのです。ダイエット中は無我夢中です。決められたダイエットメニューをこなすだけでも精一杯なのです。体重計に乗るというのは、株でいうところの「買ったら上がる」という幻想に似ています。ダイエットをしていればいつでも体重は減るものだと思って体重計に乗るわけですから、そういう心になること自体がよくないのです。自分の読みがいつでも正しいということにはならないのです。ダイエットのすすみ具合をチェックするにしても、確実に体重が減っている、もしくは、減っているような気がするという方法でなければなりません。そこでまたまた考案したのが「試着ダイエット」というものです。私はウエストサイズがマックスで96センチありましたので、その体型に合うパンツを買うには大きいサイズの専門的に行かないと厳しいのですが、イトーヨーカドーの紳士服売り場は、太ったおじさん向けの服も売られているのでサイズには困りません。ウエスト96センチは、かろうじて一般向けの一番大きな服として扱われていますが、それ以上は、売り場の隅のほうの大きいサイズと書かれた特設コーナーに並べられています。ダイエットをしていてツラクなったときは、イトーヨーカドーの紳士服売り場にかけ込みました。そこで、何本かパンツを試着してみて、自分のウエストサイズはどれぐらいまでいったかを確かめます。サイズが落ちてゆくにしたがって、試着室の中でニタッとしていたのですが、キツキツのサイズも履いてみて、パンツからはみでた腹のゼイ肉を鏡で見ながら、もう少し頑張れば履けると自分を鼓舞しました。ダイエットをしていて困るのは、日に日に痩せてゆくのはいいのですが、持っている服の多くはウエスト96センチの体型なわけですから、ガボガボのパンツを履いて生活しなくてはならなくなります。しかし、そこで服を捨てる勇気を持たなくてはなりません。人生のうちでもう二度とウエスト96センチに戻らないように、嫌な思い出はさっさと処分しなくてはなりません。捨てるのがもったいなくて、ウエスト96センチのサイズの服を持ち続けると、なにかの弾みで逆戻りすることだってあるかもしれません。それと、私はダイエット中に服を買うときは、一回り小さい割高なものを選びました。また痩せてきてサイズが合わなくなるからというのもありますが、「このサイズが着られなくなったらアウトだぞ」と自分に言い聞かせて、また太ったら着られなくなって捨てるしかなくなるというプレッシャーを自分に与え続けました。

 

・第3の習慣「瞳孔を開かせるダイエット」

人から「痩せた?」と聞かれることほど嬉しいことはありません。ましてや、人会うごとに逆の「太った?」と聞かれてウンザリしてきた人にとっては、バラ色の人生のようにハッピーな気分になります。この「痩せた?」、「太った?」には法則があって、もともと太っている人は他人にそれを聞くことはしません。なぜなら、その何気ない一言に心が傷つけられてきたというのもあるし、仮に「痩せた?」と人に聞いた場合、じゃあ、あなたはどうなんだと特大のブーメランになって返ってくるので、絶対に口にしてはいけない言葉なのです。「痩せた?」は、日常会話の挨拶がわりにもなっています。女性の多くは、この言葉を人からかけられたくてダイエットに励んでいる向きもありますが、男性にとってもそれは変わりません。「痩せた?」という言葉は、人から「愛してる……」と言われるのと同じくらいテンションが上がり、快楽をもたらしてくれます。ダイエットにはどうしてもその一声が必要なのです。「痩せた?」と言われれば、そこで満足して止めようとは思わないわけで、もっと痩せよう、もっと驚かせてやろうという気になるものです。たとえば、車のディーラーに行ったとき、「お客さん、痩せましたか?」とは絶対に言ってきません。一流の営業マンだと、お客さんの体に関わることは口にしないのがルールです。どうしてかというと、お客さんにしてみれば、ダイエットで痩せたわけではなく、病気の場合だってあるので、気分を悪くさせるようなリスクのある営業トークはしないのです。なので、誰もが「痩せた?」と言ってくれるわけではありません。やはり身近な人になるわけですが、あまりに近すぎる人だと、その「痩せた?」もリアリティーに乏しくなり、社交辞令的な「痩せた?」でもダメです。人が本当に驚いたときは、猫の目のようにパッと瞳孔が開いて、一瞬、顔の動きが止まります。「目は口ほどにものを言う」といいますが、そうなってこそ、はじめて「痩せた?」と言われることに価値があり、私はこれを「瞳孔を開かせるダイエット」と呼んでいます。つまり、日常生活の中にダイエットのチェックポイントを置いておくわけです。自分の体型を見てくれる判定人に「痩せた?」と言われたことで、1ヵ所目はクリアしたことになり、他のチェックポイントで言われないときは、ダイエットの手を緩めることなく、そのチェックポイントで判定人の瞳孔を開かせるまで頑張るという、他人を巻き込んだダイエット法なのです。チェックポイントの判定人は、「痩せた?」と言ってもらえるだけの人間関係は普段から構築しておかなければなりません。私の場合は、貿易商もしているので頻繁に、地元の郵便局に顔をだします。年間を通してかなりの額の荷物を預けているので、そこでの私は常連客なのですが、仕事に集中してもらいたいので、世間話もほとんどしません。3ヵ月に1回ほど、窓口のお姉さんや局長と仕事絡みの話をするぐらいです。このぐらいの人間関係の距離感が判定人にはちょうどよいのです。ダイエット開始から4ヵ月がたったとき、顔なじみだった窓口のお姉さんが、「あのー、どうやって痩せられたんですか?」と聞いてきました。私は「きたな……」と内心思いながらも、ニヤニヤしながら「いやー、秘密の方法があるんですよ」と答えましたが、そのお姉さんはいつか聞いてみたかったという感じで切りだしたので、表情にそれほど変化はありませんでした。しかし、常勤ではなかった別のお姉さんは私を見るなり、仁王像のように大きい瞳をガッと見開いて、まさに驚愕と言わんばかりの表情を浮かべました。これで郵便局のチェックポイントはクリアしました。私はあまりに嬉しくて、「かんぽ生命にでもなんにでも入っちゃうよ」と思ったぐらいです。

 

・ほめ上手なチェックポイントの判定人

次のチェックポイントは1000円カットの床屋です。私は昔からヘアスタイルをソフトモヒカンにしているのですが、これには理由があって、株をしているとストレスと高血圧でもの凄い量のフケがでる体質なのです。なので、髪は板前のようにキリッと短くしているのですが、私はよくヘアスタイルの懐石料理と先々で触れ回っているのですが、簡単なようで難しいソフトモヒカンは、美容師によって微妙な技術の差がでてしまいます。下手くそな美容師だと虎刈りにされることもあるのです。体重100キロの巨漢に虎刈りはさすがにヤバイです。そこで、私はお気に入りの床屋に月2回ほど通っています。ここ4年ぐらいは同じ美容師さんを指名してカットしてもらっているので、顔を合わせればアウンの呼吸で、他のお客さんのいないスキを突いて、こっそりと猥談できるぐらいの仲なのです。美容師さんは20代半ばの若者ですがそこでは店長です。ポッチャリ体型で金髪に刈り上げ、ピアスにちょびヒゲという、パッと見はイケイケ風のアンちゃんなのですが、根は真面目で気持ちも優しくほめ上手で、なんといっても腕がいいのです。普段は無口な私も、そこでは大いに喋ります。私と店長の際どい話を、横で聞き耳をたてているゴージャスなヘアスタイルをしたお姉さんが慌てて止めに入るという流れで、私はこのお姉さんをマリリンと呼んでいます。店長はかなりの赤面症で、ちょっとでもテンションが上がるような話をすると、酒に酔っているように顔をまっ赤にします。逆にマリリンはいたってクールで、男のあしらい方も心得た大人の女性です。この店長とマリリンが私の体型の判定人でした。私がダイエットを始めたときは、床屋に行くのも月1回にしました。そのぐらいだと、ダイエットの成果も相手に見えやすくなるわけですが、店長のほうはダイエット開始から1ヵ月ぐらいで、「ちょっと痩せました?」と、私の体型の変化には気づいていました。そこから、床屋に行って体型を判定してもらうことが、ダイエットを続けるうえでのモチベーションになりました。来月また行ったら店長とマリリンはどういう反応をするのか、それが楽しみでせっせとダイエットに励んだのです。ここでもダイエット開始から4ヵ月すぎたあたりで判定人の表情の変化がありました。いつものように、窓ごしから「やあ!」と手をあげてお店の中に入ったのですが、店長は私を見るなり頬を強張らせ、赤面症の顔がまっ青になって、「えっ、えー、別人みたいすよ、すっげー」と言ったのです。マリリンのほうは眉間にシワを寄せてブチ切れたように私を睨みつけました。つまり、もともと美容の意識が高い女性からしたら、抜け駆けにダイエットに成功した人を見るのは、強烈なジェラシーを感じるものなのです。「店長とマリリン、ありがとう。君たちと出会わなかったら、私は孤独なダイエットに耐えられなかった――」と、心の中で深く感謝したわけですが、その後、ポッチャリ体型だった店長もダイエットに励むようになり、私はよい影響を与えられたと思っています。人は人からよい影響を受けることで幸運をつかみます。これこそが、福の神の神髄なのです。私はもう1人の判定人も設定していたのですが、貿易商として取引のあった問屋の社長でした。毎月のように会っていてもなかなか「痩せた?」と言いません。つまり、もともと判定人にダイエットの感性がなければ、人が太っていても痩せていてもどうでもいいことなのです。私はこの社長が「痩せた?」と言わなかったばかりに、取引を止めることにしました。貧乏神に近づいてはいけません。

 

・第4の習慣「疑似恋愛ダイエット」

瞳孔を開かせるダイエットは、判定人が驚いた様子をおもしろがりながら、ダイエットのモチベーションとするものですが、これを自分のほうに向けて、自らが瞳孔をパッと開いてテンションを上げてゆく方法があります。私は個人投資家として瞳孔が開きっぱなしの状態が2、3年に1回のペースであります。膨大な含み損に耐えて、株が目標株価まで達し、それを売り抜ける瞬間です。「読みがあたった!」と思うときほど、興奮を覚えるときはありません。このような興奮状態をつくり上げている脳内のホルモン物質がドーパミンです。ドーパミンは快楽物質とも呼ばれ、ヤル気がでたとき、好奇心がわいたとき、目的を達成したときなど、人がポジティブな気持ちのときに脳内でふきでています。この快楽物質が過剰になると依存症や中毒となり、アルコールや薬物、ギャンブルが止められなくなるわけですが、美味しいものを食べているときもドーパミンはふきでています。恋愛などもそうです。好きな人を見ただけで感情が高まったり、好きになった人のことを思うと元気になれたり、あるいは、好かれるための努力を必死でしようとします。脳内のホルモン物質が人の行動を決定づけているのです。であれば、ドーパミンを意図的にふきださせれば、ダイエットのモチベーションを高め、どんな苦しいことでも耐えられる脳の状態をつくりだせるはずです。そのために、ダイエットを始めようとする人は、まず誰かを好きにならなくてはなりません。これを「疑似恋愛ダイエット」と呼びます。不純な動機のように感じますが、恋愛までいかなくても日常生活の中でそういう行動をとっている場合が多く、ジムの先生がイケメンだから毎日頑張れるとか、喫茶店のウエートレスのお姉さんがキレイな人だからいつも通ってしまうとか、なにか自分にとって快楽や幸福と感じるようなことがなければ、人をそこに向かわすことはありません。キャバクラやホストクラブ、SNSや婚活サイトにしても、根本のところは誰かを好きになるという感情をあおった疑似恋愛ビジネスなのです。「どうして、あたし太っているんだろう……」という疑問を持った人にズバリ答えましょう。太っている人はストレスの影響で、脳内にドーパミンのふきでる量が少ないことが科学的に分かっています。痩せている人も美味しいものを食べたときにドーパミンがでますが、快楽を感じとったらすぐに食欲は収まってゆきます。太っている人はドーパミンの量が適正でないからこそ、食べたときの快楽が不完全で、いくら食べても脳は満足感を得られずに、太らされているということになります。つまり、ドーパミンを攻略することが痩せる一番の近道なのです。そのために、太っている人は食べる快楽を捨てて、恋愛によって快楽を得る努力をしなければならないのです。

 

・出会いは身近なところにある

私は株で疲れたときは、スーパー銭湯に行くのが日課でした。旅行もせず飲みにも行かず、趣味といったらスーパー銭湯でお金を使うぐらいで、アカスリから整体までのフルコースをなによりの息抜きとしてきました。こういう趣味となってしまうのも、太っていることにも原因があったのです。スーパー銭湯のサウナで汗をビッシリかくと、いくらか気持ちもスッキリし、毎晩、深酒をしているので顔の浮腫みも解消されます。それに、個人投資家は1日中、椅子に座って縛りつけの状態になっています。運動もしないので体の筋肉は硬く、整体に行って体をモミほぐしてもらわないと、まともな日常を送ることさえ間々ならないのです。ちょっとでも重いものを持っただけでギックリ腰になりますし、パソコンのマウスをつねに動かしているので、腕の筋から肩にかけてこっていて、ひどいときは頭痛まで起こします。私ほど体が硬いと、寝起きにクシャミをしただけで腰にきますし、肩甲骨まわりの筋肉がつって呼吸困難になるときもあります。足がつることなど日常茶飯事です。私は20代のときから整体院に通い続けていました。うまいと評判の整体には、整体ソムリエにでもなったつもりで出かけていたのですが、スーパー銭湯の中にある整体院のAさんは、私が整体を受けてきた中でも、かなりレベルの高い整体師でした。Aさんは、小柄な体格ながらも、体のテコを利用してしっかりと指圧してくれます。何回も通っているとお互いに顔見知りになり、世間話もするようになりました。私のほうは、「ねぇ、オレの体、めっちゃ、硬いでしょ?」と整体院で聞くことが自慢の種みたいなものだったので、Aさんも「そうですねー、今日もひどいですねー」という答えを返してくれると、なんだかほめられているような気になって、また通うということをくり返していました。それと、私がスーパー銭湯に行くときは、株で苦しくなったときや儲かったときなど、心の起伏が激しいときです。長年の苦労が報われたとき、露天風呂に浸かりながら見上げた空の景色は、一生忘れることはありません。Aさんには、私がどういう心境でスーパー銭湯に通っているのかを話したことはありませんが、私にとっては喜怒哀楽をずっと見守ってくれた人のように感じていたのです。スマートな男性ならそこで自分の気持ちを伝えればすむ話なのですが、こっちは激太りしているただの情緒不安定な個人投資家なのです。Aさんを口説いたところで悪い冗談にしかならず、今の不甲斐ない私ではなく、痩せたときの私を見て評価して欲しかったのです。私自身を株にたとえると、株式市場からは完全に無視されている出遅れ割安株、つまりクソ株にあたるわけで、半年もすれば仕手化して暴騰するお宝銘柄になるのだとしたら、自分の読みどおりになるためには、もうダイエットするしかありません!

 

・毒にも薬にもなるダイエット法

私の疑似恋愛ダイエットはここからスタートしました。チェックポイントを設けて判定人に体型を見てもらう瞳孔を開かせるダイエットのバージョンアップになりますが、自らも疑似恋愛をして脳内のドーパミンをふきださせて瞳孔を開き、ダイエットのモチベーションとします。スーパー銭湯がその舞台となるのであれば、体重計がそこにあります。普段、体重計に乗ることは体重計に乗らないダイエットということで私のダイエット法ではタブーにしていることですが、6月からダイエットを始めて、区切りのよい大晦日の12月31日を、体重を計測する日と定めて、なおかつ、「疑似恋愛から本当の恋愛が始まるかも?」という日が大晦日だとすれば、なにがなんでも痩せなくてはならなくなります。これ以上ないモチベーションです。しかし、気をつけなくてはならないのは、あくまで疑似恋愛であるということです。Aさんとしても変なお客さんの相手をするのも仕事のうちですから、少し愛想よくされたからといって、相手もその気があるのではないかと勘違いしてはいけません。そしてなにより、「疑似恋愛ダイエットは告白してはならず」という鉄のオキテを絶対に守ってください。まだダイエットが成功していない途中で、告白をしてふられでもしたら、崖から突き落とされるように、ダイエットのモチベーションがまっ逆さまに下がります。そうなったら、取り返しのつかない食欲となって、今よりももっと激太りするリバウンドが待ち構えています。恋愛とダイエットを天秤にかけるとしたら、当然、ダイエットが優先されることを忘れないでください。恋愛が許されるのは痩せてからです。恋愛をイメージできるような会話をするというのが、疑似恋愛ダイエットのポイントなのです。今日、楽しく会話できたから、今度はもっと痩せて驚かせたいと思う遊び心があってこそで、この脳内のドーパミンがふきでた状態を長く維持させることがコツなのです。私の場合は整体師でしたが、ちょっと探せば適任となる人は見つかるはずです。病院の健康診断でよく顔を合わせる看護師さんとか、会社の取引先のお兄さんとか、まずは誰かを好きになってください。ただ、毎日のように顔を合わせる人は相応しくないので、自分の夫や妻を使ってそれをやろうとしても無理があります。疑似恋愛ダイエットは毒にも薬にもなるダイエット法ということで、既婚者であれば秘密裡に、脳内だけのお楽しみとして行わなければなりません。夫がなにかにうち込み始めると妻のほうは大変、不安になるものです。ダイエットをするにしても夫が急に痩せ始めたら、「浮気でもしてるんじゃないかしら……」と疑いの目が向けられます。そんなときは、この本を見せて「この著者が疑似恋愛しないと痩せられないっていうから……」と説明して難局を逃れてください。まぁ、それでも話がモメるようなら、私は知らん――。疑似恋愛する相手は、たまに顔を合わせる機会を持てて、それがお店側とお客さんという関係性があったほうが、相手はお客さんを気持ちよくしようとして話してくれますので疑似恋愛のモードに入りやすいです。ただ、飲食店や飲み屋などですと、飲んだり食べたりしないといけなくなるので、相応しくありません。整体師が適任だったと思うのは、実際に自分の体に触って、体の状態を指摘してくれることにあります。ダイエットは基本的に食事制限、運動、ストレッチのダイエットメニューをこなしてゆきますので、やればやるほどなにがしかの体の変化があります。見た目が痩せなくても、体を指圧すれば、背中が前よりも柔らかくなったとか、体が引き締まってきたとか、目には見えない努力の成果というのが、整体師によって明らかにされるのです。私がAさんに心を寄せたのも、そもそも魅力を感じたからにほかなりません。スーパー銭湯にはいろいろなお客さんがやってきます。酔っているお客さん、暴言を吐くお客さん、不潔そうなお客さんといて、そういう相手でもうまくさばいて仕事しているAさんは頼もしく映りました。夜遅くまで働いて、死んだクジラのようにベッドに横たわるお客さんを、華奢な体で指圧している姿を見ると、「自分だったらもっと楽させてあげられるのになー」という気まで起こります。なんなら、株の資金を引き上げて、駅前の一等地にドーンッと、お店でもつくってあげようかと思ったほどです。私は完全に疑似恋愛のスイッチが入ってしまったのです。

 

・快楽物質ドーパミンの恐るべき威力

私はAさんに会いに行くために、ダイエットに励みました。大晦日までに自分が痩せることは、Aさんを幸せにすることだと、けっこう真面目に信じ込んでいたのです。一歩間違えれば頭がおかしい変な人ですが、感情移入しなければ恋の物語は生まれません。ただし、「会いにゆくのは月1回にすべし」という鉄のオキテは守らなくてはなりません。ダイエットの成果を見せられるのは、ある程度の期間を置いたほうがいいですし、相手も「久しぶりー」と、こころよく迎え入れてくれます。もし、これが頻繁に通いだすようになったら、本当に頭がおかしくなったと思ってください。相手はそれだけ警戒心を持つようになり、言葉少なめに変な客から逃げようとします。ダイエット中の脳はすでに異常なのです。マラソン選手が極限状態で走っていると、ランナーズハイになって気持ちよくなる現象と似ていて、ダイエットにしても夢中であるがゆえの副作用というものもあり、感情移入した脳が暴走しだしたら手がつけられません。ちょっとした心の乱れが、命取りになります。私の場合は、他の整体師とも顔なじみでしたので、いつもAさんを指名するお喋り好きな常連客として、変に怪しまれることはありませんでした。実際はどうか分かりませんが――。快楽物質ドーパミンの恐るべき威力に気づくのは、食事のときはそれほどでもないのですが、運動しているときです。脳はお花畑の中でモンシロチョウを追いかけるような恋のモードですので、「愛のためなら、苦しくてもヤル!」という気力がみなぎり、汗がでればでるほど、幸福感が高まってゆくのです。月1回の整体の日を設定し、その日までにはAさんに「痩せた?」と言われるような体つきになることを目指して、苦しい運動も乗り切ることができたのです。この月1回の間には、試着ダイエットや瞳孔を開かせるダイエットなども挟んできますので、気が遠くなってダイエットが嫌になることはありません。Aさんに会いにゆく疑似恋愛ダイエットを月1回のビッグイベントと考えて、その準備を着々とすすめてゆきます。ダイエット開始から1ヵ月目の整体のときは、「痩せた?」の言葉を引きだすことも期待できませんので、それとなくダイエットをしているようなネタを仕込みます。「最近、ダイエットのために金属バットを買ったんだよねー」と言うと、Aさんはエッとした表情で、「なにしてるんですか?」と聞き返します。「肩甲骨まわりの筋肉が硬すぎるでしょ。ウォーキングしながら金属バットをふれば一石二鳥かなーと。金属バットダイエットということね」「お客さん……、それってー、警察、呼ばれますよ」と、クスクスと笑いが起こり、まずはダイエットをしていることをAさんに告げることから始まります。私がAさんに冗談を飛ばすと、ポッと顔を赤らめ、目をふせて照れくさそうにします。どうも、美容師の判定人もそうなのですが、私が好意を寄せる人物というのは、恥ずかしがりやのようです。今、考えればそれも当然のことで、私のほうはダイエットしているのでテンションが高い状態であり、そこに同じようなタイプの人物が話し相手だとしたらストレスになるだけです。話している最中でもほどよい間があり、冗談には素直に笑いで反応してくれて、話すことがなくなったら、それとなく話題をふってくれるという、でしゃばりすぎずに一歩引いた謙虚な姿勢の人物だと、「またこの人と話してみたい。そのためにはもっとダイエットを頑張る!」という気になるものです。

 

・痩せた人には監視の目が光っている

Aさんが「ちょっと痩せました?」と言ったのは、ダイエット開始から2ヵ月目の整体のときです。金属バットダイエットの話を覚えていてくれて、その効果があったかどうかを気になっていたようです。私は金属バットダイエットどころの話ではなく、毎日、必死に運動をしていたので、体の浮腫みは取れて当然で、そう言われてもまだまだ嬉しいとは思いません。Aさんの目の瞳孔が開いて、「なぜだか恋しちゃった、あたし……」というぐらいのレベルじゃなければ、激太りから脱却することはないのです。ダイエット開始から3ヵ月目の整体では、今思い起こすと自分でも笑ってしまうのですが、「痩せた?」を無理やり言わせたくて、努力の成果を強調するように黒のタンクトップと短パン姿でAさんに会いに行きました。「さあ、オレの体を見てくれ」という意気込みでそうしたのですが、Aさんは、お店に入ってきた私に気づくと、一瞬、ハッという表情を浮かべ、ベッドにうつぶせになった私に、「わぁー、痩せましたね。どうやって痩せたんですか?」と、聞いてきました。このときは、溜まっていた思いを吐きだすようにして自分のダイエットについて話しました。「体もだいぶ柔らかくなりましたね。指がツボに入るようになりましたよ」そうなんです。私の体は分厚い脂肪に包まれていて、整体師が指圧してもツボに届かなかったのです。いままで散々、整体院に通ってきたのに、ツボに入っているつもりでいても、結局は肌をさすっている程度のことだったのです。Aさんは神妙な顔つきで私の体を触り、ダイエットの成果を確かめるように指圧していました。私はそろそろ恋が芽生えるときかなとも思ったのですが、ダイエット開始から4ヵ月目の整体では、予約時間のちょっと前に整体院に行くと、受付のカウンターに隠れるようにしてAさんと話し込む同僚の林さんの姿がありました。私はいつものようにベッドにうつぶせになりました。「お客さん、林さんがね、どうして痩せたのか聞きたいみたいなんです」私は隣のベッドで指圧している林さんのほうを向くと、「金属バットダイエット、あたし、絶対にそんなの嫌だわー」と、林さんが言ってきました。私のことは仕事場でちょっとした話題になっていたようです。私はダイエットのアドバイスを一通り話すと、林さんはウォーキングをしていて、5キロ近くは痩せられても、それ以上は難しくリバウンドしてしまうそうです。私は自分が考案した疑似恋愛ダイエットについても話したかったのですが、今、背中を指圧しているのはその本人なわけですから言えません。すると、天真爛漫な性格の林さんは、「Aさんわねー、めっちゃ、大食いなんですよー。Aさんみたいに食べてたら、あたし、絶対、太るわー」と言って、私はAさんに「大食いなの?」と聞くと、顔をまっ赤にして恥ずかしがりました。林さんは女のカンで、私がAさんに好意を持っていることは感づいていたようです。

 

・美容はダイエットにも効果あり

私はおよそ半年で激的に痩せることができましたが、まだまだ安心できる状況ではありません。なにか別の新たな策を打たないことには、リバウンドしてしまいます。ダイエットはなにか別なことをしながら同時並行してやってゆくと、一方が挫折すれば、もう一方も失敗に終わるという意識が働くので、心をコントロールしてゆくのに大変効果があるわけですが、私の場合は美容でした。女性は意外と男性の爪を気にします。それは、いざ抱き合うときに不潔な手で体を触られたくないという女性特有の意識が働くからであって、逆に手のキレイな男性はモテるのです。ホントに、ホント――。ならば、これからAさんを口説きにかかるわけですから、私はまず爪を研ぐ道具一式を買ってきて、爪の手入れを始めました。やってみるとなかなかハマります。爪切りで丁寧に爪を切り落としヤスリで整え、研磨クリームを塗って磨くとガラスのようにピカピカ光ります。私はそれを自慢したくて、いつもの床屋に見せに行くと、私の指先を見て「わぁー、ピンクいろー」とマリリンは興奮気味にそう言いました。後から店長がこっそりとそれを試したことは言うまでもありません。顔のほうは、私自身のこだわりがあって、「夏は黒、冬は白」ということで、夏場は日焼けをして黒くし、冬場は美白を目指すというものです。これもダイエットに飽きない工夫ではあるのですが、床屋ではオプションとしてあった女性向けのフェイスマッサージもするようにしました。さらに、小顔でかつ美白を目指すために、毎晩、女性用の美白クリームも塗るようにしました。男性の場合は、顔の皮膚のシミを落としても、その上からファンデーションを塗るわけではないので、完全な美白とはならないのですが、ダイエットに成功したら、レザー治療のシミ取りをしようと新たな目標もできました。それともう一つの目標がまっ白い歯にすることです。ダイエットに成功したらセラミックの差し歯にしようと思い、その手始めに虫歯の治療とホワイトニングをしました。意外なことかもしれませんが、ダイエットに虫歯の治療は欠かせません。太っていることの原因の一つは、早食いにあるともいわれています。よく噛んで食べれば脳が満腹感を感じるので食事を制限できるのです。虫歯があると飲み込むように食べなければなりませんし、硬い食材であってもしっかりと噛める状態にしておかなければなりません。よく噛んで食べるのは、美容にもいいのです。痩せている人であっても二重アゴになっている人をよく見かけます。アゴや首の脂肪はダイエットをすることで落ちていきますが、老化現象による顔の筋肉の衰えは、普段からケアしておかないと将来、どうにもならなくなります。その最も効果的な方法が、よく噛んでアゴの筋肉を鍛えておくことなのです。女性の美容をマネてみると、女性は美しくあるために、どれだけの手間暇をかけているのかというのが分かります。そのことを普段から意識するかどうかで、女性に対する愛情や尊敬も違ったものになることは間違いありません。男性が女性を理解したいと思うなら、つまらない偏見は捨てて、まずは女性の美容を自分でしてみることです。さらに、「女性って大変だなー」と深く思ったのは、脱毛クリームを塗ったときです。男性がそれをするときはコツというものがあって、ヒリヒリと痛む個所には、ワセリンを塗ってから脱毛クリームを使います。女性に向かって「オレッて、脱毛してんだよねー」と自慢げに言うと、「男のくせに……」と内心では思われているものの、口では「男の人が毛深くても、全然気になりませんよ」という答えが必ず返ってきます。女性を対象にしたアンケートなどでも、男性の脱毛は不評なのですが、これは、女性にとっての秘めごとである脱毛の領域に、男性が絡んでくるのを警戒しているのです。男性が脱毛していると聞いただけで、自分の体を覗き見されているような気になって、「こっちに寄ってくるな!」というのが女性の本心なのです。多分――。脱毛クリームよりも簡単なのは剃刀を使うことですが、剃った後の爽快さときたら、ヤミツキになります。近い将来、私は男性でも脱毛が常識になる時代がくると思いますが、脱毛して凄いと思ったのは、プールで泳いでいるときに水の抵抗がなくなることです。肌を水が弾いてゆきますので、まるでイルカになった気分です。こういった驚きや発見は、ダイエットを飽きずに続けてゆくうえで必要なことで、なにより疑似恋愛ダイエットですから、痩せて美しくなって晴れてゴールインというプロセスにおいては、ダイエットと美容は欠かせません。

 

・第5の習慣「革パンダイエット」

疑似恋愛ダイエットは、体重計を見ないダイエットも含みますので、ウエストサイズだけが痩せたかどうかの正確な判断材料です。ダイエット開始からおよそ4ヵ月、10月初旬にはウエスト96センチから72センチまで落ちていました。私は短期集中的に1回、痩せてしまって、そこからリバウンドを防ぎながら体型を維持する方法をとったわけですが、この10月初旬から大晦日の一区切りまで、これといったリバウンドもすることなく、また、急激に痩せることもなくニュートラルな状態で過ごしました。これがダイエットにおける停滞期というのかもしれませんが、リバウンドを防ぐためにもう1つのダイエット法を編みだしたのです。その名も「革パンダイエット」というものです。努力して一度、手に入れた体をもとに戻らせないために、普段から革パンを履いて締めつけておこうというものですが、革パンがいいのは、見た目もオシャレになりますし、ちょっとでも体型の変化があれば、その締めつけ具合で体が気づくのがいいのです。コットンパンツのような素材だと伸びるので、体で感じるような締めつけも余程、太ってからでないと気づきません。腹がでっぱっていても履けてしまうのが、コットンパンツの危険なところで、革パンならウエストがきつくなってきたと同時に、ヒップや股上、股下まできつくなってすぐに着られなくなります。すると、せっかく買ったのに着られなくなったらもったいないわけで、しかも革パンは値段も割高です。このことが、リバウンドを防ぐことになるのです。革パンを履くのであれば、下着もトランクスよりブリーフのほうがサッと履けます。ゴワゴワ、ブカブカのトランクスより、ピチッと体にフィットしますのでダイエットの気分を高めるのにもいいのです。私は持っていたすべてのトランクスを捨てて、グレーのブリーフに取りかえました。私は30インチの革パンを黒とワインレッドの2色を買いました。黒は普段、ジーンズのかわりに履くもので、ワインレッドはおでかけ用です。年明けにもう1本、革パンを買うことにもなりましたが、それは29インチにして、ときどき、無理やり履いてみて、ダイエットのモチベーションを高めています。30インチの革パンを履いて自分を鏡で映したときは、さすがに感動しました。自分でいうのもなんですが、そこには理想的な男の姿があり、実にセクシーなんです。別に、ダイエットをしすぎて脳がどうにかなってしまったわけではありません。革パンを履いて町を歩いたときは、自分でも驚くぐらいの反応がありました。すれ違う人がパッと見るのは私の革パンで、その下げた視線を持ち上げるようにして私の顔を覗き込みます。服屋の店員のお姉さんやスーパーのレジ打ちのおばさんまでもが、明らかに愛想がよくなって、熱い視線を投げかけてくるのです。「オシャレな人は好かれる――」という、このごく単純な道理に気づくまでに長い時間がかかりましたが、私はこの先、夏場を除いて、革パン以外は履かないと思います。

 

・ダイエット最終日、30キロ痩せていた!

整体師のAさんにも革パン姿は見てもらいました。普通、指圧してもらうときは、ジャージなどのゆったりとした服を着るのが常識なのですが、ダイエット中の「次元が違うんです!」という心の状態になっている私は、革パンにクリーニングしたてのワイシャツというビシッとした格好でAさんに会いに行きました。革パンダイエットを編みだしたこともAさんに伝えましたが、「もう、勝手にしてくれ」といった感じで呆れたように笑っていました。さすがに指圧をしてみると、30インチの革パンが履ける体には驚いたようで、帰り際に、どうしても言っておきたいという口調で、「ホント、凄いです」と言っていました。私のダイエットは6月から始まって、ついに目標としていた12月に入りました。この時期は年末商戦に入り、私の副業である貿易商が忙しくなるときです。ダイエットが苦しかった、楽しかったとふり返る間もなく、革パンを履いて仕事にうち込んでいるとクリスマスになります。私のモットーは人が働いているときに休んで、人が休んでいるときに働くという個人投資家としての人生逆張りをいつも心がけているので、クリスマスも正月もないのです。ただ、急に心が寂しくなるときもあり、そんなときは赤ちょうちんの居酒屋で一杯やればいいものの、「外食は蕎麦以外、食べてはならず」という、自分に課した鉄のオキテに縛られて、破目を外すこともできないのです。そこで私はクリスマスの夜に、いつもの床屋に顔をだしました。お客さんは私1人で、店長とマリリンはいつになく喜んでくれました。私はダイエット中に飲んでいた精力剤のマカをクリスマスプレゼントとして店長に渡しました。封を開けたのはマリリンのほうで、「怪しい薬?」と聞いてきましたが、「スタッフがテンション落ちてきたら飲ませてあげなよ」と言うと、店長はニコニコしながら、「えー、スタッフが仕事中にムラムラしちゃったらどうすんすか。オレが飲みますよ」と、言っていましたが、後で聞くところによると、20代の体には寝ていた布団をググッと持ち上げるほど凄かったそうです。マリリンにフェイスマッサージをしてもらっていると、「痩せすぎよ。昔のほうがカッコよかったのに――」と、私が動揺するようなことを口にしましたが、これも女性特有のポジショントークといったところでしょう。そんな一コマがあって大晦日の夜、私はスーパー銭湯に向かいました。体重計を見ないダイエットの計測の日であり、なにより疑似恋愛ダイエットの締めくくりの日なのです。私はサウナに入り汗を流して、完全に体の水分を抜いてから体重計に乗ろうかとも思いましたが、鏡に映した自分の体は、そんな涙ぐましいことをしなくても、しっかりと痩せていました。デジタル式の体重計に乗ると、きっかりと70キロを指しました。このときも、私は自分の読みというものに驚いたのですが、前もって70キロを予測していたのです。長い間、ダイエットをしてはリバウンドをくり返してきた中で、自分の体重はどれぐらいにあるかを脳がちゃんと記憶していて、体重計に乗らなくてもそれをあてることができたのです。私は風呂から上がると、いつものように革パンを履き、Aさんがいる整体院に向かいました。体重をはかりにきたことを告げると、興味ありげに「どうでした?」と聞いてきましたが、「30キロ痩せてた」と言うと、目を丸くしていました。大晦日の夜に、普通だったら家族団らん、テレビでも見ながら過ごすはずだし、恋人だったら甘い言葉をかけ合いながら年が明けるのを待つはずで、それでも、健気に働くAさんは、なんて素敵な人なのだろうという思いがわき上がりました。そして、帰り際に疑似恋愛ダイエットのタブーを破って、「今度、食事でもどうですか?」と私が切りだすと、Aさんはうつむきながら小声で、「わたし……、旦那がいるんです」「あっ、えっ、そうだったの……」「……お気持ちだけでも、本当にありがたいです」Aさんは体を小さくすぼめながら私に何度も頭を下げて、すまなそうな表情を浮かべました。私の疑似恋愛ダイエットはそこでピリオドを打ったのです。

 

食べてもダイエットはできる

・食べないと決めたものは、食べてはいけない

ダイエットにとって重要なのは、心のコントロールであることは説明しましたが、その次にくるものが食事です。最初にお断りしておきたいのですが、ダイエットの食事はその人の体調や体質によって千差万別で、こうするべきという方法はありません。お薬と同じで、頭が痛ければ頭痛薬を飲みますし、風邪をひいたら風邪薬を飲むということで、人によって違うということをご理解ください。私は個人投資家ですから、メディアの株式情報もチェックしていますが、株の解説が終わった後で必ず「投資は自己責任で――」という言葉が入ります。ダイエットにしても、自己責任でお願いしますということなのです。なぜこんな読者を突き放すようなことを言わないといけないのかというと、ダイエット界隈は、客の奪い合いのようになっていてあおりがひどいのです。医者がこのダイエット法はいいぞーと推奨すると、別な医者は危険だから止めとけと、なんだかよく分からないおかしな状況になっているのです。ダイエットのサイトにしても、うっすーい情報を流して、変なやり方をすれば、血液ドロドロ、血管ボロボロと怖ろしいことが書いてあり、記事の最後にちゃっかりとアフェリエイト広告が貼ってあるという、つまり、貧乏神がごっそりとうろついているわけです。ダイエットをする側としては、その騒々しいあおりをポカーンと眺めながら、いつまでたっても痩せられないということになります。株にも買いあおり、売りあおりとあって、ディープなあおりの世界が広がっていますが、マジネタかガセネタか定かではない以上、株でもダイエットでも、自己責任でやるより仕方ありません。私も長年の経験の中で、自分の体に合ったダイエットをしてきましたので、読者の皆さんも、そのへんのとこをよろしくということです。と、押さえるべきところは押さえておいて、話しをすすめましょう。ダイエットの食事は、なにを食べたらいいのかということですが、低カロリーならすべてOKとならないところが難しいところです。食べたいという欲求を解消しなければなりませんし、食べ足りなければ間食に走るようになりますし、なにより、食事の後の運動につながるようなヤル気を奮い立たせる食事を心がけなければなりません。ダイエットでよく話題になるのが、かたよった食事による栄養不足ですが、確かに毎日、キャベツだけを食べ続ければ体にも悪い影響はでるでしょう。しかし、そもそも太ってしまった体は、栄養不足以上の病気のリスクを抱えているので、栄養不足のことはひとまず頭の片隅に入れておく程度でいいのではないかとも思えます。「ビタミンB2が不足すると肌が荒れるからウナギのかば焼きを食べるようにしている」とか、「カルシウムが不足すると骨がスカスカになるからチーズを食べるようにしている」とか、あまりに栄養不足を気にしすぎて、

ダイエットを始める前よりもカロリーを過剰にとっていることはありがちなことです。それと、体質というのもあります。鉄分が不足すると貧血になる体質ならば、ダイエット中も鉄分を多く含む食材を意識してとるようにすればいいですし、そのへんのさじ加減は体の常識として分かってもらえると思います。私は栄養素を考えてというよりは、自分自身の鉄のオキテとして、「食べちゃぜったいダメ」というものを決めました。それが、炭水化物です。ご飯やパン、麺類といった炭水化物は、ともかく太ります。一般的には、糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットといわれているものです。「炭水化物を抜くのは体に悪いんじゃないの?」という声も上がりそうですが、ダイエットの食事の献立の中に、炭水化物を含む食材もちゃんと入っているので、完全にとらないというわけではないのです。要は、主食を抜く、ご飯やパンは食べずに、おかずだけにするということです。さらに油分、糖分も食事の献立の中でとれるものはよしとして、揚げものやお菓子などは口にしてはいけません。全体を通して心がけることは、炭水化物、油分、糖分をとらない食事ということになります。

 

・揚げものが我慢できないときの対処法

油分は意外と我慢できるものです。しかし、香りづけとしてのゴマ油は、どうしても食べやすさという点で必要になるときもあります。そのときは、タブーを破るというよりは、自分へのご褒美としてゴマ油を一滴垂らすという消極的な姿勢で油分をとれば、気持ちのうえでも許されるでしょう。揚げものはどうしても食べたくなるという人がいますが、最初の1、2週間さえ揚げものを食べなければ、食べたい欲求は収まります。しばらくすれば、スーパーのお惣菜コーナーの揚げものの前を通っただけで胸ヤケするようになります。私が揚げものを食べたのは、解禁日の蕎麦屋で天ざるを食べてからですから、ダイエット開始から6ヵ月後のことです。天ぷらの油が蕎麦のつゆに浮かんでいるだけでも油っぽく感じられて、それ以降もどうしても食べたいという気は起らなくなりましたが、ダイエット後期からは、蕎麦屋の天ぷらだけはOKとしました。ただし、自宅で調理した天ぷらはダメです。わざわざ蕎麦屋で食べるというストッパーを設けることで、食べ続けない工夫をしているのです。天ぷらであっても、海老や魚などはなるべく避けて、野菜天だけにします。カロリーどうこうというよりは、自分はダイエットをしているという気持ちを継続させてゆくことが大切なのです。それでも、中毒者のように揚げものを食べてしまう人に、とっておきのテクニックを教えましょう。私はいろいろな健康法、美容法を試してきた中で、古代インドの伝統的な医学にアーユルヴェーダというのがありました。心と体と環境の調和こそが健康をつくり上げることを説いているわけですが、スピリチュアルな考え方も含めてたくさんの療法があります。私は単純に、顔の肌を若々しく保ちたいのと、頭に生えてきた白髪をなくしたいのと、将来的に禿げないように今からケアしておこうと思い、アーユルヴェーダの言い伝えで、悪魔さえも長寿にしてしまうという万能薬、白ごま油を使った療法を毎日、行っています。白ごま油と黒ごま油がありますが、アーユルヴェーダで使うのは白ごま油のほうです。火にかけた鍋に白ごま油を入れ、温度計で90度まで加熱し、鍋をガス台から外して調理台の上に置くと、余熱で100度まで上昇します。これを冷ましてから、ボトルに入れて使います。100度まで加熱するのは、白ごま油の粘性を適切にし浄化するためですが、加熱せずにそのまま使っても問題ないです。私は朝起きて歯を磨いた後、大さじ2杯ほどの白ごま油を口に含み、息を小刻みに吐いて口の中の隅々にまで白ごま油を浸透させます。唾液と混ざり合って水っぽくなったところでウガイをして吐きだします。後は口を水でゆすげば完了です。さらに、運動をした後にシャワーを浴びますが、そのとき、白ごま油を顔と頭に塗ります。約10分間、ヘアブラシなどを使って叩くように頭皮をマッサージし、目やアゴの下あたりを指圧します。特に耳は東洋医学において、体のすべての器官とつながっていると考えられていて、耳たぶが硬くなると心臓に異常があるともいわれています。また、耳をマッサージすると胃腸が正常に働き、ダイエット効果があるということです。禿げの予防の効果は、まだまだマッサージを続けて、時間が経たないと分かりませんが、口の中は驚くべき効果がありました。ウガイをした後に歯を鏡で写すとまっ白で、輝きが増しているのです。この効果を目のあたりにしてから、私は白ごま油が手放せなくなりました。私はいつでもマッサージできるように、自宅と車の中と事務所に、白ごま油のボトルを置いて使っています。この白ごま油のウガイを続けている中で気づいたのは、ダイエットにも使えると思ったのです。白ごま油は飲み込むことはないので健康にまったく害になりませんし、カロリーをとることにもなりません。しかし、アーモンド1粒食べたときのように、口の中にわずかな油っぽさが残ります。この白ごま油のウガイをした後は、食に対する欲求はまったく起こりません。ましてや、揚げものを食べたくなることはないのです。おそらく、白ごま油のウガイをした脳は、揚げものを食べたときと同じように、欲求が解消されたと判断するのでしょう。仮に、揚げものを食べたとしても、それほど美味しく食べられないと思います。高カロリーな食事の欲求が断ち切れない人は、食べたいと思った瞬間に、白ごま油でウガイしてみてください。

 

・チロルチョコ1個でもリバウンドしてしまう

我慢できないものは、お菓子のほうにあると思います。それも甘いお菓子になりますが、スーパーのお菓子の棚を見てみれば分かりますが、カロリーの低いお菓子はこの世に存在しないのです。「量を減らして食べればいいのでは――」と思われますが、お菓子の封を開けたら最後、完食するまで手は止まりません。甘いものは脳が疲れていると感じたときに、どうしても食べたくなります。正確には、脳が糖分を欲しがるのではなく、体全体の疲労が糖分を欲しがるようですが、日常生活においては脳が疲れたから甘いものを食べるというのが習慣になっています。私が何度もダイエットしてきた中で、お菓子が原因でリバウンドしたこともあります。ハードなダイエットをしていたときは、頭がボーッとしていたため、道路の標識のポールに車をぶつけたことがあって、「大変だ。糖分が足りていないせいだ」ということで、すぐさまコンビニにかけ込んでチョコレートを口にしてしまったのです。しかも、コンビニのレジの前に置いてあった1個20円のチロルチョコです。その一口で脳は大輪の花火が打ち上がったように活性化され、結局、リバウンドしてしまいました。ダイエット中のお菓子は、本当に気をつけてください。揚げものと一緒でダイエットの最初のころに我慢できれば、その先、食べなくなるようになります。私は甘いものが食べたい欲求を我慢するために、ダイエット開始から1ヵ月間は、0カロリーゼリーを大量に食べました。最近はたくさんの0カロリーゼリーが販売されるようになりましたが、私がよく食べていたのは、マルハニチロの「ゼリーDEゼロ」(マルハニチロ)のシリーズで、特にナタデココ入りのマンゴー風味はヤミツキになりました。さらに、和風な甘味も欲しいということで、「ゼロカロリーくずもち」(遠藤製餡)も冷蔵庫に必ず入れておきました。それと、車の中に0カロリーのガムシロップを常備しておきます。これは、コンビニやファーストフードでアイスコーヒーを買ったときに入れるもので、粉末状のパルスイートも買ってはみたものの、あまり利用価値はなく、ガムシロップのほうをよく使いました。マクドナルドのドライブスルーでアイスコーヒーを注文したときは、店員さんにガムシロップを直接、手渡して、中に入れてもらってからアイスコーヒーを受け取ります。さりげなくダイエットをしていることを告げると、店員さんから「さすがです!」とホメられることもありました。普段の飲みものはコカ・コーラのライトなどの0カロリーしか飲んではいけません。ダイエット開始から7ヵ月間は缶コーヒーもブラックでとおしましたが、年明けのダイエット後期からは缶コーヒーの微糖も飲むようになり、若干、リバウンド気味になりました。久しぶりに一口飲んだときは、涙がでるほど美味しかったのですが、一度飲みだすと翌日もいうことになり、車の中のゴミ箱は空き缶でいっぱいになります。ちょっと立ち止まって考えてみれば、缶コーヒーの微糖という表示は、飲料メーカーの買わせようとする罠なのです。微糖を飲んでいるのだから、ダイエットをしているという気になって、微糖なら大丈夫なんだと脳が勝手に解釈します。微糖であっても余計なカロリーをとることになりますから、そのぶん、ほかの腹持ちのよいものを食べたほうがダイエットにはいいのです。

 

・スナック菓子は徐々に止めてゆく

お菓子にはスナック菓子もありますが、食べたいときは低カロリーなものか小さい袋のものを買います。私はスナック菓子も食べてはいけないリストの中に入れましたが、完全に食べなくなったのはダイエット開始から2、3ヵ月たってからのことです。それまでは、毎日ではありませんが、晩酌21時のときにポリポリと食べていました。私がダイエットを始めたとき、どうしてもポテチが食べたくて、ネットで検索してみるとノンフライの「ポテのん」(コイケヤ)が1箱105キロカロリーだったので、ネットショップでケースごと買いました。それから、スナック菓子はどれも高カロリーですが、その中でもわりとカロリーが低かった1袋123キロカロリーの「ソイカラ」(大塚製薬)のチーズ味も食べましたが、そのうちポテのんもソイカラも食べ飽きてきて、スーパーのお菓子売り場によくぶら下がっている4袋がつながったスナック菓子を買うようになりました。「かっぱえびせん」(カルビー)のミニサイズが1袋59キロカロリーですが、2袋食べてもだいたいポテのんと同じカロリーなのでよく食べました。今、思えば、甘いお菓子は一切食べなかったので、ダイエットを始めたときにスナック菓子を少し食べたことで欲求が解消され、おなかつ、かっぱえびせんのわずかな油っぽさが油分への満足感を与えてくれることになりました。スナック菓子は自分の意志で食べる量をコントロールできるかにかかってきます。一番いいのは、買わないことなのですが、それができるならもとから苦労はしません。スーパーに行くとどしてもスナック菓子を買ってしまう人は、ポップコーンで試してみてください。ただし、すでにできあがった袋入りのポップコーンではなく、フライパンでトウモロコシの種を炒って膨らますことから始めなくてはなりません。まずトウモロコシの種大さじ6杯分のポップコーンをつくります。フライパンに油やバターは必要ありません。味つけは塩のみです。量としてはかなりありますが、しばらくそれを食べ続けて、ダイエットに慣れてくるに従って、大さじ4杯、大さじ3杯、大さじ2杯と量を減らしてゆきます。ポップコーンは高カロリーなスナック菓子です。ですが、油を使わずに調理できるのがよい点であり、調味料も塩のみならば自然食の部類です。そして、わざわざフライパンで調理しなくてはいけない手間が、もっと食べたいという気持ちをセーブしてくれます。テレビを見ながら、ポップコーンを頬張って、食べきってからまた再びキッチンで調理するのはかなり面倒ですし、仮にそうしてしまったとしても、トウモロコシを炒っている時間は、ダイエットをしている人にしか分かりえない罪悪感に苛まれることでしょう。ダイエットも軌道に乗れば、スナック菓子を食べなくても平気になります。毎日、カロリーを減らすために運動をしているのに、スナック菓子を食べてその努力を無駄にするのは馬鹿らしく感じます。運動をしなくなるから、スナック菓子を食べ始めるわけで、運動をし続ける限りは、スナック菓子の誘惑は確実に断ち切ることができます。

 

・自然の甘味で満足できる脳にするのがポイント

晩酌21時には別にお摘みをつくりますが、いつもの習慣で、スナック菓子など袋に入ったものをビリッと破いて食べたいという気が起こります。たとえば、梅干しにしても、パックに入ったものではなく、小袋に入ったカリカリ梅を食べたくなるのです。そこで、私はカリカリ梅と茎ワカメは、部屋にストックしておいて口寂しいときによく食べました。低カロリーなのでおやつには最適です。私は事務所まで車で45分の距離を往復していますが、この45分の間にもなにか食べたいという衝動にかられます。そんなときも、カリカリ梅や茎ワカメは便利でした。ダイエット開始から4、5ヵ月はカリカリ梅と茎ワカメで我慢していましたが、この口が寂しいという状態は、前の食事のエネルギーが切れてきたことでもあり、ある程度、痩せたことを確認してからリバウンド防止の意味でも、徐々に食べるものを解禁してゆきました。ドライフルーツはどれも高カロリーなのですが、ダイエット食としても食べられているプルーンは車の移動のときに食べました。それから、冬の夜道は口が寂しいばかりでなく、気分的にも寂しくなりますが、干し芋や干し柿、甘栗などは、自宅に帰るのが楽しみになるほどホッとする甘味が口の中に広がります。カロリー的にはやや高めですが、チョコレートを口にするぐらいなら、断然、干し芋や干し柿のほうがいいです。干しもの系は食感があるので食べた気になりますし、3個も4個も食べたくならないのです。少量で満足できるのが干しもの系のいいところで、保存もきくので食べている途中でこのへんで止めておこうという気にもなります。そして、カロリー的には甘いお菓子と同じであっても、あえて干しもの系を選ぶのには理由があります。自然の甘味で満足できる脳にするということが重要なのです。1日1箱、チョコレートを食べないと気がすまないという人は多くいます。ちょっと脳が疲れたら、チョコレートを条件反射的に食べてしまうのは、脳がその甘味でなければ満足できないようになってしまっているからです。加工された強烈な甘味と自然のほのかな甘味は、私の感覚からいえば、チョコレートが5段階評価のレベル5としたら、プルーンや干し柿がレベル4、干し芋がレベル3、甘栗がレベル2、フルーツはレベル1といったところです。私がダイエットに成功できたのも、この甘味を脳でコントロールできたからです。自然の甘味をとり続けたことによって、ダイエットする前はそれほど感じることがなかった甘味が、一口食べて「わっ、甘い」と感じるようになり、特に酸味の強いフルーツでも美味しく食べられるようになりました。

 

・パイナップルを食べるのには理由があった!

基本的にフルーツはなにを食べても大丈夫です。甘いお菓子を食べないぶん、フルーツを食べないと心も体もダイエットに耐えることはできません。量のほうも1日にどれだけと決めるとプレッシャーになるので、多いときも少ないときもあるという感じで臨機応変に食べればいいと思います。フルーツは突然の空腹時の非常食にもなりますし、運動後に食べると自分へのご褒美にもなります。食事のデザートには必ずフルーツを食べますが、栄養のバランスから見てもフルーツは毎日、食べておかなければならないものです。私はダイエットを始めるのは6月をおすすめしていますが、この時期はダイエットにエンジンがかかる夏場に向けて、スイカがスーパーに出回るというのがよい点のひとつです。なんといっても、スイカは他のフルーツに比べて低カロリーですし、砂糖水を飲んでいるようなほどよい甘味もあります。しかし、スイカは価格の面から夏場に限られてしまいます。そこで、1年を通して安く買えるということであればパイナップルをおすすめします。丸ごと買ってきて、3、4日かけて1個を食べきるわけですが、パイナップルのなにがよいのかといえば、味にパンチ力があるということです。ダイエット中の食事はどうしても味が濃くなります。たとえば、朝食にカレーや激辛鍋などを食べた後に、輪切りにしたパイナップルをかぶりつくと、口の中の塩味や辛味がスッキリと洗い流され、「よし、今日も1日ダイエット、頑張るぞ!」という活力のもとになるのです。しかも、パイナップルの酵素は脂肪を分解する働きがあるようなので、一石二鳥なのです。グレープフルーツやオレンジなどは、運動後に食べると最高に美味しいです。食べるタイミングでフルーツを選ぶのがよいでしょう。私があまり食べないフルーツはリンゴです。リンゴダイエットというものもありますが、わりとカロリーが高く満足感に乏しいフルーツはパスしています。その他にバナナなどもよく食べますが、若干、カロリーが高そうなフルーツは、小さいものを選ぶのがコツです。同じ値段ならつい大きいものとなりそうですが、ダイエットはその逆の意識を持たなくてなりません。食べるというよりは、食べた事実を意識の上で積み重ねてゆけば、量をとる意味はなくなってきます。それと、フルーツを買うときのポイントは状態のほうで、なるべく熟していない硬いものを選びます。なぜかというと、フルーツを食べるにしても、食感というのが大切で、口をモグモグさせると食べた気になるというのがいいのです。桃や洋梨なども柔らかいものより、あえて硬く色が熟しきっていないもののほうが、ダイエット中のフルーツには相応しいです。

 

・第6の習慣「鶏むね肉ダイエット」

ダイエットをしていて、人から「どうやって痩せたんですか?」と聞かれたとき、その答えに戸惑うことがあります。運動や食事、それから心のコントロールまでなにが抜けても成功することはないので、コレをしたから痩せたとは言い切れないものがあります。相手がそれほど詳しい答えを求めていない場合は、私は「鶏むね肉を食べて痩せた」というようにしています。これもダイエットの重要なノウハウになるので、「鶏むね肉ダイエット」と名づけます。運動するエネルギーになるのがタンパク質ですが、これを抜くと体がヘナヘナとなって運動することはできませんし、ダイエット中に急激な空腹感に襲われます。タンパク質をプロテインでとることもできますが腹持ちが悪いので、食材からキチンととらなければなりません。私の体を変身させてくれた魔法の食材、それが鶏むね肉なのです。低脂肪、低カロリーなうえに、高タンパク質というダイエットの食材としてはピカイチで、ご飯やパンを食べるよりも驚くほど腹持ちもいいのです。私にとっての主食は鶏むね肉です。ウォーキングしている最中に鳥が空を飛んでいたら、両手を合わせて鳥に感謝するほど、鶏むね肉には助けられました。鶏むね肉といっても、ダイエットをした最初から最後までスーパーで売っている鶏肉を買って、自炊して食べていたのかというとそうではありません。ダイエット開始から4ヵ月間は、セブンイレブンに売っている「サラダチキン」(プリマハム)を大量に買いしめて、朝食10時、昼食16時に必ず食べるようにしました。「サラダチキンは痩せる!」というのは、ネット界隈ではよく知られていた話でした。サラダチキンは115グラム入りです。100グラムあたり105キロカロリーと表示されていますので、1本あたり約120キロカロリーになります。今よりも種類が少なく、売っているお店も限られていたときは、サラダチキンの奪い合いのようなことも起ったりしていたのです。ダイエットしている人ばかりでなく、筋トレをしている人もサラダチキンは欠かせないので、その道の人たちには圧倒的な人気を誇る食材なのです。サラダチキンは手軽なのがいいです。ビリッと封を破けば、そのままかぶりつけますし、ほどよい塩加減なので、味つけをしなくても食べられます。外出していて決められた時間に食事できそうにないときも、セブンイレブンに立ち寄ってサラダチキンを買って、そこにサラダとフルーツをつけてコカ・コーラのライトでも飲めば、1食は乗りこえることができます。しかし、サラダチキンの欠点は毎日、食べていると飽きるというよりは、苦痛になってくるのです。そこで私は、国産の鶏肉を使っている「南部どりのサラダチキン」(アマタケ)をお取り寄せして食べていました。カロリーもセブンイレブンのものと同じぐらいですが、値段が割高なだけあってすごく美味しいのです。何種類かの味がでていますが、特におすすめなのが、タンドリーチキン味です。これは本当によく食べました。セブンイレブンのサラダチキンは、表面をカリッと焼いたりして調理するときに使うようにして、そのまま丸ごとかぶりつくときは南部どりのサラダチキンにしました。2食の食事は、サラダチキンを主食にして、副菜はいろいろなバリエーションがありますが、フリーズドライの低カロリーなスープや味噌汁の中に、糸寒天を混ぜてかさあげして食べることもありました。サラダチキンだけの食事は、どう考えても栄養面で体に悪いので、必ず野菜とフルーツをとらなければなりません。

 

・激ヤセ食材、鶏むね肉を美味しく食べるコツ

私が短期間で30キロも痩せられたのはサラダチキンのおかげといってもいいぐらいです。プリマハムさん、アマタケさん、ありがとう! ですが、ダイエットも4ヵ月をすぎれば、サラダチキンを見るだけで鳥肌が立つのです。プロテインのつもりでサラダチキンを食べていましたが、体がもう受けつけなくなりました。そこで、鶏肉を自分で調理して食べることにしました。鶏肉でも鶏もも肉のほうが美味しいのは分かります。ホロッとかみ砕ける肉質と唇にわずかに残った油分までもが美味しいのが鶏もも肉です。鶏むね肉は肉質もパサパサで味もパッとしないし、世間的には鶏もも肉が買えないから鶏むね肉を買うという貧乏食の扱いを受けているわけです。ところが、ダイエットにおいては、鶏むね肉こそが福を呼び込む福の神の食材なのです。スーパーで売っている鶏むね肉は1枚が200グラムになりますが、皮なしで約138キロカロリー、皮つきで約253キロカロリーです。皮があるのとないのとでは、倍近いカロリーの差がでてしまうので、皮は食べないほうがいいです。鶏むね肉の調理の仕方ですが、肉質を柔らかくするためにいろいろな方法がありますが、ダイエット中の調理は、手間がかからずに時間をかけないことが重要なので、そのまま切って使うか、冷凍してから薄くスライスするか、ミンチにするかのいずれかになります。鶏むね肉を食べるのに一番、簡単な方法は、電子レンジ専用の器に、水1カップと日本酒が2分の1カップ、ショウガ1片を入れてレンジで蒸します。できあがったら身をほぐして、せん切りにしたキュウリと合わせて、棒棒鶏のようにして食べることができますし、サラダと和えることもできます。丸ごと蒸した鶏むね肉は、食べごたえがあります。蒸した鶏むね肉にハーブ入りの塩をかけて、ハラペーニョソースとマスタードをたっぷりと塗り、玉ねぎ、ピクルス、トマトなどをのせ、レタスに挟んでかぶりつけば、サンドイッチを食べているような満足感を得られます。私がよくつくっていたのは、フィリピン料理のアドボという料理をアレンジしたものです。鶏むね肉を一口大にぶつ切りにし、ニンニクはみじん切りにし、日本酒、醤油、酢をそれぞれ1カップと水を加えた鍋で煮込みます。鶏むね肉に十分に味が染みたらできあがりとなりますが、サラダの上にのせて食べます。煮た鶏むね肉は味が濃いので、ドレッシングをかけなくてもすむので、カロリー削減にはいいのです。鶏むね肉を焼いて食べたいときは、一度、冷凍しておいたものを30秒ほどレンジで解凍します。まだ表面が凍っている状態から、包丁で縦にスライスして、塩、コショウをふりかけます。鶏むね肉をそのままぶつ切りにして使うと、火の通りが悪く食感も悪いのでそうします。油をしかずにテフロン加工のフライパンで焼きますが、ピーマン、輪切りの玉ねぎ、キャベツなどを同時に焼きます。市販されている焼き肉のたれは高カロリーですが、少量であれば問題ありません。鶏むね肉は食感がパサパサしていて食べ飽きることがあります。そんなときは、鶏むね肉のミンチを使います。刻みネギ、日本酒大さじ1、ショウガ汁、塩、片栗粉大さじ1を加えて、手で丸めたものを茹でると、つくねになります。柚子胡椒を加えてつくねにすれば、そのまま食べても絶品の味わいです。刻みネギを大量に入れればボリュームもあるので、サラダと一緒に食べるとオシャレなランチを食べている気分です。さらに、ひと手間加えてハンバーグにしてみるのもいいと思います。玉ねぎ1個をみじん切りにし、フライパンで飴色になるまで炒めます。余熱など取らずに、そのままボールの中に入れて、塩、コショウ、ナツメグ、片栗粉大さじ1を加えて、鶏むね肉のミンチと混ぜ合わせます。ソースはお好みでいいです。

 

・最高のごちそうはライスなしインドカレー

鶏むね肉のレシピはたくさんありますが、ダイエットにおいては、ノンオイルで低カロリー、なおかつ簡単につくれるレシピが原則になります。私は1日2食、鶏むね肉を調理して食べていますが、いろいろつくってきた中で一番、美味しく、自分にとって最高のごちそうといえるものはインドカレーです。スパイスを多く使いますので、体が温まり胃腸の動きをよくしてくれますし、気分がすぐれないときにインドカレーを食べると、途端に元気になり前向きな気持ちになります。私にとってインドカレーは自然の薬なのです。インドカレーにはベジタリアン向けのレシピもありますが、ココナッツミルクやバターを使うので、ダイエットにとっては不向きということで、私はオリジナルのレシピを研究しました。インドカレーはスパイスの分量をちょっとでも間違えるとマズくなるので、ダイエット向けのレシピをつくるのには苦労しました。まずは玉ねぎ1個をスライスし、クミンシード小さじ1、ベイリーフ1枚、クローブ3個、乾燥した赤唐辛子1本、粒コショウ5粒を入れて、フライパンで飴色になるまで炒めます。そこに、すりおろしたショウガとニンニクを大さじ1入れ、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、ターメリック、岩塩が各小さじ1、ガラムマサラとチリパウダーは小さじ2分の1加えます。そこにぶつ切りにした鶏むね肉を200グラム、ヨーグルトが200グラム、トマトケチャップ大さじ2を入れて、フライパンの蓋をしてしばらく煮込みます。最初のうちは水気がないので心配になってきますが、鶏むね肉とヨーグルトから水分がでてくるので、しばらくすると煮えてきます。普通であれば、ご飯やナンと一緒にインドカレーを食べるので、ある程度、汁気があったほうがいいのですが、ダイエット向きのインドカレーは、できる限り汁気を飛ばします。というのも、ご飯やナンの代わりに、レタスやキャベツを刻んだサラダと一緒に食べるので、汁気がないほうがいいのです。フライパンが焦げるぐらいまで汁気がなくなったらできあがりですが、1時間ほど冷ましたほうが、鶏むね肉に味が染み込んで美味しく食べられます。30分もあれば調理できるので、私は週に2、3回はインドカレーを食べています。スパイスを多めに買ってきてビンの中に保管してあるので、調理する際に手間もかかりません。注意したいのは、ガラムマサラを多く入れすぎると、胃腸薬のような味になってしまうので、気をつけましょう。

 

・第7の習慣「ぼっち鍋ダイエット」

サラダチキンを止めてからの2食の食事は、ぼっち鍋がメインになります。ぼっちとは1人寂しく鍋を突っつくということで、独りぼっちということですが、ダイエットに燃えているのであれば、寂しいどころか、汗をタラッと流しながら鍋を食べる姿は、まさにアスリートそのものです。これを「ぼっち鍋ダイエット」といいます。鶏むね肉1枚をぶつ切りにして、季節の野菜と一緒に煮込んでできあがりですから、調理時間も20分もあればできてしまいます。水炊きのようにしてポン酢で食べるのも美味しいのですが、ダイエットの鍋としてパンチ力にかけるのです。気分はアスリートなわけですから、鍋を食べることによってパワー全開で運動に向かわせるような気持ちにならなくはなりません。そこで、私は2つの鍋を紹介したいと思いますが、どこのスーパーでもエバラ食品の「坦々ごま鍋の素」と「キムチ鍋の素」が手に入ると思います。濃縮タイプですのでそれぞれ1カップ混ぜ合わせ、さらに豆板醤を加えて激辛にします。この鍋がいいのは、ニラやもやしなどの野菜を多く食べられる点にあり、満腹感が半端ないです。もう1つの鍋ですが、イトーヨーカドー系列で、「秋田名産 比内地鶏スープ」(斎藤昭一商店)という鍋のもとが売られています。これは、今ひとつもの足りなかった味の鶏むね肉を、高級ブランドの比内鶏の味にしてしまうという鍋のもとで、キノコ類をふんだんに入れて食べると最高に美味しいです。市販の鍋のもとは、ストレートタイプもありますが、好みに応じて使えば、鍋のレパートリーも広がります。寄せ鍋、ちゃんこ鍋、トマト鍋、カレー鍋と、こんなに美味いものを食べてダイエットになるのかというぐらいに、たくさんの鍋のもとが売られています。気になるのはカロリーですが、実は鍋のもとは低カロリーなのです。ラーメンを食べるように汁まですするということはないので、実際は成分表示のカロリーの3分の1といったところでしょう。ダイエットを成功させるには、ぼっち鍋を食べるしかありません!私はいろいろなブランドの鶏むね肉を食べてきましたが、値段が高い鶏むね肉ほど身が硬く食感が悪いです。値段が安いものであっても、煮込めば柔らかくなる鶏むね肉があるので、スーパーを何軒か回って、安くて美味しい鶏むね肉を見つけてください。ぼっち鍋ダイエットで気をつけなくてはならないことは、あえて鶏むね肉を主食にしているのは、運動とワンセットだからこそどうしても食べないといけないわけで、運動をせずに鶏むね肉だけを食べ続けていたら痩せることはできません。ぼっち鍋を栄養面から見れば、サラダなどを食べるよりも、断然、野菜を多くとりますし、鍋のスープの中には、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムなど基本的な栄養素が含まれていますので、ダイエット中に食べてはいけないリストの中に、炭水化物、糖分、油分とあっても、完全に食べないというわけではないのです。さらに、デザートにはフルーツも食べますので、糖分やビタミンも補えます。あえていえば、鉄分やカルシウムが不足しがちになりますので、そこはサプリメントを飲むことでカバーします。ぼっち鍋の具は、鶏むね肉と野菜が基本ですが、具として役に立つのが、もやしとえのきだけです。もやしは、鍋のスープによっては合わないものもありますが、具をかさあげして食べるのには最適な食材です。えのきだけのほうは、全般的に使える食材なので、冷蔵庫の中に必ずストックしておいたほうがいいでしょう。調理するのにもコツがありますが、ぼっち鍋の場合は、鍋そのものの大きさになります。野菜を大量に入れますので、小さい鍋では入りきれませんし、煮ている最中に吹きこぼれます。逆に、大きな土鍋ですと使いづらいうえに、つくりすぎて食べ残すということにもなり、毎日、適正な量の鍋をつくるには、ベストサイズの鍋を選ばなければなりません。直径20センチサイズのもので、高さは10センチの鍋を買うようにしてください。そして、ぼっち鍋の食べ方なのですが、ガス台の前に椅子を置いて、煮ながら食べてください。ものすごい量の汗をかくので、新陳代謝が急激に高まります。夏場の私は、あまりの暑さに上半身裸でぼっち鍋を食べていたりもします。食べ終わったら、横の流し台で鍋をさっと洗って、またガス台に鍋を置いておけばいいだけなので効率的です。ダイエット中は1秒も無駄にできませんし、面倒臭いと思った時点で挫折するので、食べ方にもコツがあるのです。

 

・ノンオイルのサラダはマズすぎはしませんか?

短期集中的にダイエットする場合、ある程度、痩せてくるまで、麺類を食べないことにこしたことはありませが、どうしても食べたくなるときがあります。そんなとき、私は「玉子とうふそうめん風」(紀文)を食べていました。麺のほうが62キロカロリー、つゆが27キロカロリーなので、合わせて89キロカロリーになります。同じシリーズにプレーンタイプの「とうふそうめん風」も売られていますが、火を通した料理をつくる場合は、玉子とうふそうめん風のほうが麺にコシがあります。食べ方は自分でアレンジします。納豆を加えて食べてもいいですし、冷やし中華風にしても美味しいです。夏場はミョウガなどの薬味がスーパーに出回りますので、せん切りにしたミョウガとネギ、それからナスを加えた温かい汁をつくって食べました。普通の麺を食べるよりも、上品な味わいです。しかし、玉子とうふそうめん風だけでは、次の食事まで体が持ちませんから、あわせてサラダチキンや鶏むね肉を食べないといけません。麺類もどきを食べるというのも、食に飽きるのを防ぐためではありますが、サラダもそのために食べるようなものです。ダイエットにサラダは欠かせない一品で、1食をサラダだけにする人もいますが、これがダイエットに失敗する典型的なパターンなのです。コンビニで売っているカップ入りのサラダを食べたところで、腹持ちは悪く、どこかでドカ食いしてしまうのです。ましてや運動などできません。ダイエットにおけるサラダの位置づけというのは、ご飯におけるお新香なのです。つまり、お口直しであって、食べるのを飽きさせないように、サラダも摘まむということなので、サラダを中心にした食事は絶対に失敗します。そこで、サラダの賢い食べ方なのですが、基本となる野菜は3種類です。適当な大きさに切ったレタスと、せん切りにしたキャベツ、斜めに薄切りしたキュウリになりますが、ここに、ピーマンやセロリなど余計なものは一切追加していけません。あくまでサラダはお口直しなのです。レタスのシャキシャキした食感と、キャベツにからんだドレッシングの美味しさと、キュウリの歯ごたえを楽しむものであり、量はそれぞれの好みで食べてもいいです。ここで問題になるのがドレッシングですが、市販のノンオイルはマズくて食べられるものではありません。やはり、油分が入ったドレッシングが美味しいのですが、高カロリーなのでドボドボとかけることはできません。そこで、大さじ1杯のドレッシングに、同じ量の酢を混ぜてかさあげするのです。そうすれば、サラダを食べ切るには十分な量となりますし、酸味が増して美味しいです。酢を足して美味しくなるドレッシングは、「コールスロードレッシング」(キューピー)をおすすめしますが、大さじ1杯が55キロカロリーありますので、かけすぎには気をつけたいものです。

 

・お腹がすいたときの非常食はトウモロコシ

時間帯をキチンと守った2食半の食事をしていれば、空腹感に悩まされることはありませんが、つい時間帯がズレたとか、運動量が多すぎたとか、脳を使いすぎたという理由で、お腹がすくことがあります。1食を早めてしまえば、次のスケジュールにも影響してしまいます。そんなときの空腹感を紛らわすものとして、栄養補助食品として、「SOYJOY」(大塚製薬)などが売られていますが、ブルーベリー味ですと1本135キロカロリーあります。ドラッグストアなどで売られている「鉄プラスコラーゲンウエハース」(ハンダコンフェクト)はココア味で1枚34キロカロリーなので私もよく買って食べていますが、ウエハースなのでお茶うけ程度のものです。SOYJOYは、小麦粉を使わずに大豆を材料にしているので、健康にもよさそうですし、ほどよい甘味があるので食べても美味しいです。しかし、1本食べたらあと2、3本は食べたくなり、ダイエット中は、なかなか手をだしづらいところです。それに、腹持ちもあまりよくありません。栄養補助食品のよいところは、バッグの中に入れておけば、どこにいても食べられる点にあります。ダイエット中の非常食としては、この点が欠かせないポイントになります。私がダイエットをしているときに、フルーツよりは腹持ちがよくて、2食の食事も補ってくれるということで買い置きしていたのが、トウモロコシになります。カロリーは1本が120~130キロカロリーほどですので、SOYJOYとほとんど変わりません。皮つきの新鮮なトウモロコシを買ってきて食べるのが一番美味しいですが、1年を通してレトルトパックのトウモロコシも販売されています。私はスーパーにそれが売られていたら、すかさず買いしめます。ダイエット開始から2ヵ月間ぐらいは、食事制限したところで空腹感には勝てませんので、毎日のようにトウモロコシを食べていました。なぜ栄養補助食品よりトウモロコシがいいのかというと、ほのかな甘味があるので、甘いお菓子を食べなくても欲求が満たされますし、なにより腹持ちがいいのです。食べ方のコツというのもあり、レトルトパックをビリッと破ったら、むしゃぶるようにかぶりついてください。お下品など関係ありません。ガッツリと食べたという事実が、欲求を満たしたと脳が認識するわけであり、そこにコカ・コーラのライトでも飲めば、心もウキウキで空腹感も忘れます。持ち運びができて手軽につくれるものだと、茹で卵も役に立ちます。1個が91カロリーなので、2個ぐらい食べても大丈夫です。茹でた卵の黄身はしばらく胃の中に留まるので、1、2時間は空腹を凌ぐことができます。私は朝食と昼食の間の午後1時30分ぐらいにお腹がすいてきますので、そのときに、50キロカロリーのインスタントスープと一緒に茹で卵を食べています。また、醤油味の煮卵をつくって冷蔵庫にストックしておくと、手がかからずに毎日、食べられますし、燻製卵も美味しいです。ただし、半熟卵は腹持ちが悪いので避けるようにしてください。2食のメインとなる食事には、根菜類はあまり使いません。せっかく低カロリーなレシピにしているのに、野菜の中でもわりとカロリー高めの根菜類を食べてしまうのは、ダイエットにとっては損になるからです。しかし、根菜類がどうしても食べたくなるときもあるのですが、私の場合はジャガイモでした。蒸かした皮つきのジャガイモに、岩塩とクミンパウダーをふりかけて食べるのですが、ちょうどインド料理のサモサという揚げコロッケの味と似ているので、とても美味しいのです。ジャガイモ1、2個ぐらいならおやつのつもり食べれば問題ないのですが、甘味がないのが欠点です。そこでサツマイモですが、これからダイエットを始めようとする人は、いきなり食事制限しても苦しいと思いますので、普段の食事の前に、サツマイモを1本食べてから食事してみてください。サツマイモは食物繊維が豊富ですので、腹持ちがとてもよいのです。

 

・食材で食べるというよりは調味料で食べる感覚

太っている状態というのは、なににも増して、一刻も早く痩せなければ、健康を考えるレベルにはないわけで、持病を持っている人は別としても、塩分のことはひとまず置いといてということになります。ダイエットの食事は、味が濃くて、塩辛く、激辛なものを食べて、運動によって塩分と水分をいっきに抜くというやり方になります。しかし、こういった食事は単調になりがちで、食べ飽きるというのがあります。サラダチキンにしても、はじめて食べる味ということもあり、苦にならずに食べられましたが、1、2週間もすれば、「食べるのも嫌、見るのも嫌」ということになります。しかし、鶏肉を食べなければ、後々、空腹感に襲われますし運動もできません。鶏肉はどうしても腹の中に納めておかなければならないのです。そんなときに役に立つのが調味料です。サラダチキンに柚子胡椒を塗りつけて食べても美味しいですし、タバスコやハラペーニョソース、粒状のマスタードなどは、ほどよい辛味が食をすすめます。私が特におすすめしたい調味料が、「香りソルト・イタリアンハーブミックス」(ハウス食品)です。サラダチキンに直接、ふりかけても使いますし、私は車の中にこの調味料を常備しておいて、外出先でもサラダチキンを美味しく食べられるようにしていました。サラダにドレッシングをかけたくない人は、この調味料をふりかけるだけでも十分に美味しく食べられます。それと、よく使う調味料が「四川豆板醤」(ユウキ食品)ですが、瓶入りよりもチューブのほうが便利です。ぼっち鍋を激辛にするのに必要不可欠ですし、麻婆豆腐や冷奴にも使います。カロリーも100グラムあたり62キロカロリーですので、チューブからドバッとだして使っても問題ないレベルです。調味料ぐらいは美味しいものを買い求めてください。味噌、醤油などは故郷の味というものがあります。どうもダイエットの食事というのは、マズくなくては効果がないみたいなところがありますが、そうではなくて、ダイエット中に食べてもよいと決めたものを、最大限美味しく食べるのがコツなのです。そこで、料理を美味しくさせるのはだしにあります。本格的に鰹や昆布でだしをとってつくればパーフェクトですが、ダイエットの食事は、手間をかけていては時間ばかり取られてしまいます。市販されているだしでおすすめしたいのが、理研ビタミンの「素材力だし こんぶだし」と「素材力だし 本かつおだし」です。スティック状になっているものですが、私はこれを普段からよく使っています。この素材力だしがいいのは、商品そのものが化学調味料と食塩が無添加であることもありますが、ぼっち鍋のときには、市販の鍋のもとに昆布と鰹の素材力だしを各1本入れるだけで、味に深みがでて美味しいのです。それから、麻婆豆腐には中華だしのかわりに使えます。晩酌のお摘みでも、漬物を漬けるときに使いますので、ダイエットの食事をつくるときには欠かせません。ちょっと高級な料理屋さんは、料理そのものもこっていますが、つけ合わせの薬味が料理を引き立てています。ダイエットの食事でも、調味料とだしと合わせて、薬味もいいものを使ってください。スーパーで買い物をしていると、薬味の値段を見て、わざわざ買うこともないかなと思ってしまいますが、たとえば、味が薄い冷奴を食べるにしても、薬味をふんだんにのせて食べれば、豪華な一品になるのです。特にニンニクとショウガはよく食べます。ニンニクは明日への活力をつけるのに最適な食材ですし、ショウガは体を温めて新陳代謝をよくする働きがあるので、毎日のように食べます。ダイエット中は健康によいものを食べているという意識を持つことが大切ですので、少々、割高ですがなるべく国産のものを使うようにしてください。

 

・簡単そうで奥が深い、気分転換の食事はコレ

ダイエットの食事は、30分以内で調理できるものがベストです。「今日はなに食べようかな……」とぼんやりと考えている時間が食欲の危険ゾーンであるわけで、コレとコレしか食べるものがないとしたら悩むこともないのです。ぼっち鍋でしたら、市販の鍋のもとを入れて、ぶつ切りにした鶏むね肉と野菜を入れて煮ればできあがりなので、悩むことも調理の時間をさく必要もなくなります。しかし、ぼっち鍋だけだと食事も味気ないものになるので、そんなとき私はけんちん汁をよくつくります。全国的に食べられている家庭料理ではあるのですが、野菜を煮るだけの簡単料理となめてはいけません。作り方によっては、けんちん汁ほど美味いとマズいの差がでる料理はないのです。ダイエットとしてのけんちん汁をつくるわけですから、肉や油も使わないので、より難易度が高くなります。けんちん汁のレシピを紹介しましょう。材料は、ネギ、白菜、ニンジン、ゴボウ、里芋、ダイコン、豆腐、コンニャク、味噌、鰹と昆布の素材力だし各1本です。これをつくるうえでよく勘違いするのが、けんちん汁は味噌汁なのかということです。味噌汁であれば野菜は細かく刻みますが、けんちん汁は、味噌汁と煮物の中間にあるような料理です。ネギは斜め切り、ゴボウはささがき、白菜はシンのところは細くザク切り、葉のほうは大きめに切ります。ニンジンと里芋とダイコンは、必ず乱切りにしてください。アク抜きもしてはいけません。また、豆腐とコンニャクは包丁を使わずに手でち切ります。こうすることで、味がよく染みるのです。そうしたらニンジン、ゴボウ、里芋、ダイコンをテフロン加工のフライパンで焦げ目がつくまでしっかりと炒めます。鍋に移しかえて水を入れ、炒めた材料と白菜のシンの部分を加えてしばらく煮ます。鰹と昆布の素材力だし、味噌、豆腐、コンニャクを加え、最後に、白菜の葉の部分とネギを入れてしんなりとしたらできあがりです。スーパーで売っている味噌ではなく、ちゃんとした昔ながらの田舎味噌を使わないと、けんちん汁は美味しくありません。しかも、このレシピになにを足しても引いてもダメで、ゴマ油や醤油も加えてはいけません。薬味は七味だと味がぼやけるので一味を使います。ダイエットの食事は食べられるものが限られてくるので、それをどう美味しく食べるのかという解決方法は、素材の鮮度と味つけ、それと食感しかないのです。0カロリーゼリーにしても、ゼリーを2層にしていたり、柔らかいゼリーの中に硬いゼリーを混ぜたりして食感が工夫されています。ダイエットには細かい工夫が必要なのです。私はダイエットをするにあたり、プロの板前が使う60センチのヒノキのまな板と、刺身包丁を買いそろえました。なぜかというと、美味しく食べるには素材の切り方で工夫しなければならず、たとえば、ネギを細かく小口切りにするにしても、文化包丁で切るのと刺身包丁で切るのとでは、その厚みによって味に違いが生まれます。お蕎麦屋さんのネギの薬味は刺身包丁のような刃の薄い包丁で切っているからこそ蕎麦に合うわけで、ダイエットの食事においてもプロの仕事をまねて、より美味しく食べなくてはなりません。

 

・誘惑の箱、冷蔵庫の正しい使い方

主婦の人が太る原因の多くは、もったいないと思う心です。冷蔵庫に入れてあるものが、賞味期限をすぎると、捨てるのはもったいないから食べてしまおうということになって、この習慣が太らせています。逆に夫のほうは、妻が「健康のためなんだから――」と言う料理を残さず食べます。しかし、妻のほうは賞味期限に迫られて、無理やり夫に食べさせている場合もあるのです。私は声を大にして言いたいのですが「どんどん捨てよう!」ということです。サラダの食材にしても、つい食べるタイミングが遅くなって、野菜の鮮度が落ちたとします。そしたら迷わず捨ててください。サラダは食感を楽しむために食べるのであって、その快楽が得られないのだとしたら、わざわざサラダを食べるべきではないのです。ダイエットにおいては、清廉な心で冷蔵庫を使えるかがカギを握っています。私は自分の事務所にダイエット用の冷蔵庫を買いました。そこには、ダイエットに必要のない無駄な食材は入っていません。ものを買って置いておくから食べたくなるのであって、もとからなければ食べたい気も起らないのです。私はプレゼントに甘いお菓子をもらっても、冷蔵庫に入れておくと誘惑にかられるので全部、捨ててしまいます。せっかくのプレゼントですが、ダイエット中は心を鬼にして臨まなければなりません。では、なにも入っていない冷蔵庫が正しき道なのかというと、そうではありません。そこには、ダイエットの食事となる食材は、1日も欠かすことなく置いておかなければならないのです。ナニがあって、ナニがないという状態がダイエットには危険なのです。たとえば、主食としていた鶏むね肉が冷蔵庫になかったとします。すると、こう思うでしょう。「今からスーパーに買いに行くのは面倒だし、食べないと後でお腹がすいてしまうし、インスタントラーメンならあるから、今日はそれにしよう。半分だけ食べればいいよね」と――。この面倒臭いと思う心がダイエットの落とし穴になります。鶏むね肉がなかったら、雨がふっていようが夜中であろうが、面倒臭がらずにスーパーに買いに行かなくてはなりません。どんなときでも食事のペースを乱してはならないのです。

 

・迷わず捨ててこそカロリー削減につながる

ダイエットの食事でよくあるのが、猛烈な空腹感に襲われているとき、普段の量よりも多く調理してしまうことがあるでしょう。「もっと食べられる、今、食べておかなければ後でお腹がすく」という心境で、ぼっち鍋にしても3人分つくってしまうことがあります。脳が食欲の暴走を止められなくなるわけですが、実際に食べ始めるとダイエットによって胃は縮小されているわけですから大量には食べられません。そのとき、大量の食べ残しを前にして「もったいない……」という気持ちになります。そのときどういう行動がとれるかでダイエットの成否に関わります。もったいないからといってそのまま食べ続ける人もいるでしょう。それか、冷蔵庫に入れておいて次の食事に食べればいいと思う人もいるでしょう。しかし、これらの行動は、まだまだ心のトレーニングができていない証拠です。ダイエットは食べ残したら捨てるが原則です。運動につながる一定の食事ができたら、そこで食事は終わりなのです。それ以上の食事は自分の体を蝕んでゆく毒と思うようにしてください。食べ残しを冷蔵庫に入れておく行為も、次の食事ではどんなものが食べたくなるのか気分も変わります。そのときに食べ残しが存在してしまうと、自分が食べたいと思ったものが食べられずに、満足できない食事になる可能性が大なのです。どんなときでも、食事はゼロの状態から毎食つくらなければなりません。自分が調理した食事でも、味つけに失敗してマズいと感じたらすぐに捨てて、もう一度、つくり直してください。皿に残った最後の一口になってお腹がいっぱいだったら、無理して食べないで残すのです。この積み重ねでしかカロリー削減はできません。これほど私が捨てるということを強調するのは、食欲がコントロールできなくなったときに、捨てるという意識が救ってくれるからです。たとえば、どうしてもパスタが食べたいと強く思ったとします。これを食べないと気が狂うのではないかと思うほど、食欲は我慢できなくなるものです。そのときは、スーパーに行って材料を買ってパスタをつくってしまいます。調理している間は罪悪感を抱きますが、パスタを茹でている湯気の匂いを嗅いだとき、ふっと我に返る瞬間があります。「ここまで頑張ってきたのだから我慢しよう」と――。このときに、普段から捨てるという意識を持っていれば、それをするのに迷うことはありません。仮に一口食べてしまっても、捨てることができさえすれば、まだまだダイエットのゲームは続いてゆきます。太っていることのリスクやダイエットに取り組んできた全体のコストを考えれば、数百円のパスタを捨てることなど容易いことです。

 

・食材の鮮度がキレイな体をつくり上げる

ダイエット中は食材確保にも時間をさきますので、スーパーにも頻繁に通うようになります。私はダイエットをするために事務所を引っ越したときも、近くに何軒かのスーパーがあるかどうかも物件を探す条件でした。ダイエットの食事は、「これが美味い!」と思ったものは、長く食べ続けることにもなり、たとえば、晩酌で食べる秋田名物の燻りガッコというタクアンですが、スーパーによって塩味にバラつきがあり、そこで売っているものでしか、口が受けつけないという食材がわりと多いのです。豆腐もそうです。お気に入りの豆腐が、売っているスーパーと売っていないスーパーとがあり、ダイエットの食事というのは、数あるスーパーの中から、吟味を尽くした食材で調理するということになります。そもそも、ダイエットしている人にとっての1食は、失敗は許されない大仕事のようなものですから、味も鮮度も満足できるようなものでなければ、お腹も心も満たされることはないのです。私は厳密にカロリー計算をする方法は取りませんが、大よその目安は1日1500キロカロリー以下になります。ダイエットを始めようとする人は、まずスーパーに行って、一つひとつの商品のカロリーを見て回ってみるのがいいと思います。ほとんど高カロリーで、無数にある商品の中でも自分が食べられるものは数種類しかないのです。その数種類をうまく組み合わせて食べてゆくのがダイエットの食事なのですが、食材が限られるのだとするなら、鮮度だけはよいものを手に入れなければなりません。地方にお住まいの人なら、野菜直売所や道の駅に出向いて食材を仕入れるのがいいと思います。私もトマトなどは、ここのでしか食べられないというものがあり、野菜直売所で買っていますし、田舎味噌を買うために、熊が出没する山奥の道の駅までわざわざ足を運びます。自分の生活圏の美味しい食材を調べて、「最高に新鮮な野菜を食べたのだから心も体も満足。高カロリーな牛丼を食べるよりは、こっちのほうが断然いい!」という気持ちになることが大切で、そのために何軒ものスーパーを回って、最もよい食材を探すのです。私のダイエットも後期に入りますと、冷蔵庫に食材を2、3日、置いただけでも鮮度が気になるようになりました。そんなときは、スーパーが開店する9時きっかりに買い物に行き、その日の朝食と昼食の2食分だけを買って、夜19時の運動の後に、晩酌用の食材を改めてスーパーに買いに行くというように、頻繁に買い物するようになりました。今でも、冷蔵庫に買い置きするというよりは、こまめにスーパーに買いにゆくほうです。スーパーに行くのが面倒で、コンビニ中心の食材や食品でなんとかしようとするならダイエットは無理と考えてください。

 

・解禁日でも食べられない体になっている

ダイエットには解禁日というのが存在します。一定の期間、ダイエットを集中的に行って、自分へのご褒美としてなにを食べてもよいという日をつくって気晴らしするということですが、これは効果的な方法です。私は6月からダイエットを始めましたが、解禁日はおよそ3ヵ月後のお盆直前に設定しました。これにはわけがあって、長いことダイエットをくり返してきた中で、お盆をすぎたあたりにリバウンドする確率が高かったのです。であれば、お盆直前に解禁日を設けて羽目を外して贅沢な食事をとれば、お盆中にドカ食いすることもないだろうと考えたわけです。解禁日には、地元で最も高級な焼肉店に行き、「霜ふりカルビを死ぬほど食ってやろう!」と思い意気盛んに出かけたのですが、待ちに待った解禁日にとんでもないミスを犯してしまったのです。コースを注文しましたので、小鉢がたくさんついてきます。まずはそれに手をつけてから焼肉となるわけですが、カブの煮つけのように見えるものを口の中に入れたら、生の脂身で焼いてから食べるものでした。その一口で、私の体は油分を受けつけなくなり、せっかくの解禁日なので無理して食べようと肉を焼いても箸がすすまないのです。そのうち、焼き台はもの凄い火柱をあげてファイヤーし、肉は丸焦げ胃はムッツリという状態でお店を後にしました。とても悲しい出来事でした――。解禁日は3ヵ月に1回のペースがいいと思います。私はその後の解禁日で、寿司屋、蕎麦屋、鰻屋、とんかつ屋と行きましたが、食べる前は期待に胸を弾ませたものの、実際、食べてみると感動が薄くて、「こんなものか……」といった感じです。普段、食べているサラダのほうが美味しいと思うようになったのです。それもそうです。ダイエットの食事は新鮮なものを食べるように心がけていますし、調味料やだしなどを使って味の工夫もしています。すでに体は油ものを要求しない状態にまでなっていますので、そこに突然、油っこいものを食べれば、オエーッとなってしまうのです。解禁日は油ものや生臭いものは要注意です。

 

・ぼっち鍋にも飽きてきたら蕎麦だけはOK

私のダイエットの食事は、サラダチキンから始まって、ダイエット開始から4ヵ月目あたりで、鶏むね肉を使ったぼっち鍋に切りかえました。半年がすぎてダイエット後期に入ると、ぼっち鍋にも飽きてきます。また新たな策を立てないと、ダイエットの食事も続かないだろうと思い、2食半の1食に蕎麦を解禁しました。もちろん、蕎麦だけでは腹持ちは悪いので、鶏の醤油煮やつくねをつくって、鶏プラス蕎麦ということになります。「この解禁はもしかしたらリバウンドの兆候?」とも思いましたが、蕎麦も3日に1回のペースです。自分で調理するときは、生の蕎麦ですと日持ちのこともあるので買ったら食べないといけないという気になりますので、乾麺の蕎麦を買うようにしています。ただし、麺類は蕎麦以外のものは食べません。うどん、ラーメン、パスタなどですと、麺そのものというよりは、スープやソースが高カロリーだからです。蕎麦のみとすると、心のストッパーをかけるのにも都合がよく、外食するときも蕎麦だったら許されます。私がよく行く蕎麦屋は、駅の中にあります。いわゆる立ち食い蕎麦ですが、ここがいいのは、山菜蕎麦やワカメ蕎麦があるからで、早くて安いのがいいです。地方の町によってはなかなか蕎麦屋が見つからないときがありますが、そんなときはパチンコ屋さんの食堂には必ず蕎麦が置いてあります。必要に迫られて、コンビニの蕎麦を食べるときは、ざる蕎麦は問題ないですが、レンジで温める天ぷら蕎麦などは、食べる前に天ぷらを袋の中に捨ててから蕎麦だけを食べるようにしています。この捨てるという発想がなければ、外食においてもだされたものは完食となりダイエットにはなりません。ラーメンを食べるにしても、スープは飲まずに、なおかつチャーシューだけは食べないで残すというようにしないと、カロリー的にはそれほど影響はなくても、なんでもかんでも解禁ということになってしまいます。それともう一つ、ダイエットはすればするほど、食事について敏感になります。ダイエットと美容を同時並行でやっているならなおさら、日常生活においての美意識も高まり清潔感にもこだわるようになっています。私は外食するときにお店に入って椅子に座っても、メニュー表やテーブルが汚れていたら不衛生なのですぐに席を立ちます。それと、料理人や店員の腕が毛深かったり長髪だったり香水の匂いがしたり、調理服が汚れていてもお店から出ます。ダイエット中の外食は、自分へのご褒美を込めたこのうえない楽しみなわけですから、心から満足するような食事をしなければなりません。

 

・体調が心配ならサプリメントも飲んでおく

ダイエットで手っ取り早く激ヤセしようとするなら、なにも食べずに運動もしないで1日中、ベッドに横になっていれば即身仏のように痩せられますが命の保証はありません。そうできないわけですから、食事と運動でダイエットするしかないのです。ダイエットにもさまざまな方法がありますが、痩せようとする側にも体質や体調というものもあるので、これを100パーセント守ってダイエットしなさいとは言い切れないものがあります。そこは、自分の体質や体調を考えて、自分で試行錯誤したり、軌道修正をしながら行うことはいうまでもありません。私がダイエットをしてきた中で、大きな体調の異変というのはなかったのですが、ダイエット開始から3ヵ月目あたりで、階段を上っている最中に立ちくらみをしたことはありました。それは、ダイエットの影響によるものなのかは分かりませんが、普段は立ちくらみなどしないので、心配になったことはあります。それと、解禁日に地元では最も高級な寿司屋に行ったのですが、ネタは最上のものを使っているはずが、私にはまったく美味しいと思わなかったのです。それよりも、だされた味噌汁のほうが美味しく感じられて、これは一種の味覚障害かとも思いました。確かに、ダイエットの食事は激辛なぼっち鍋ばかりでしたので、口の中はタダれたようなザラッとした感触があり、繊細な味には鈍感になっていました。ダイエット中はこういう体調の異変の心配もあるので、サプリメントは飲んでおいたほうがいいと思います。私は朝起きたらコーヒーを飲みますが、その際に「ディアナチュラ カルシウム×マグネシウム×マルチビタミン」(アサヒ)を飲んでいました。それから、気が向いたときではありましたが、南米ペールのアンデス高地でインカ帝国の時代から栽培されている精力剤のマカも飲んでいました。精力剤そのものの効果は不確かなのですが、ダイエットによって食生活を改善し、ストレッチによって股関節まわりの筋肉の血流をよくし、睡眠にも気を配るようになってからというもの、朝起きて感じる肉体の変化には驚くべきものがあります。まるで、10代のころに戻ったような活力があり、自分で笑ってしまうほどなのです。ただし、ダイエット中は性交も自慰も極力、控えなければなりません。これは実体験して分かったことですが、人間が種の継続のために持っている性のエネルギーを放出してしまうと、普段の空腹感よりも数倍の強烈さで食事に向かわせます。これは生命維持の本能がそうさせているので、コントロールは不可能です。運動のときはさらに影響が大きく、すでに体からは通常のホルモン物質や体力が抜け落ちているので、その状態で運動をしてしまうと、途中で全身の力が抜けて意識がモウロウとし、手が震え脂汗までかくようになります。そのときは運動を中止し、非常食を食べることで回復しますが、ダイエット中は必要最低限のカロリーで痩せようとしているわけですから、それを急激に消費させる行動は慎むべきです。性のエネルギーはダイエットに向けなくてはなりません。

 

酒とダイエット

・無理にでも睡眠をとらないと運動ができない

私が個人投資家の道を選んだのは、若いときからモノ書きやモノづくりを志してきましたので24時間、自分だけのために時間を使いたかったのと、睡眠時間を8時間、確保したかったからです。頭が冴えていなければ、なにをやるにしても手は動きません。そのためには無理にでも寝なくてはいけないのです。私は長いこと、人よりも脳が疲れやすい体質だと思ってきました。次から次へと雑念がわき起こり、気持ちが休まることはなかったのですが、特に私を苦しめたのは寝たときに見る悪夢でした。毎晩、心を締めつけるような悪夢にうなされ、朝、目覚めたときの気分の悪さは、ひどい罰を受けているようでした。しかし、30キロ痩せた体になってみてはじめて分かったことは、太っていたために睡眠時無呼吸症候群で眠りが浅かったのです。頭を使う仕事は、寝るのも仕事のうちですが、ダイエットにもそれはいえます。睡眠不足で次の日を迎えると、運動する気力はまったく起こりません。ダラダラと1日を過ごし、「今日は無駄な1日だったなー」と暗い気持ちになります。でもそれは自分の精神力のせいではないのです。ダイエットのヤル気を削ぐ根本の原因が睡眠不足なのです。私はダイエット中に熟睡できるように、ベッドと布団一式をまるごと買いかえました。睡眠時無呼吸症候群は、太っているため気管が圧迫されたり、舌が厚くなりすぎて呼吸を止める原因にもなっているので、枕は何度も買い直して自分に合ったものを探しました。部屋は少しでも心穏やかに過ごせるように壁紙を黄色に張りかえ、太陽の光が漏れていたカーテンを全部取りかえました。夏場はクーラーをかけて適温で眠るようにし、冬場の寒さ対策で二重窓にもしました。乾燥する季節は加湿器をかけ、ハーブの香りの中で眠るようにしています。私は寝汗を大量にかきますので、その汗で体が冷えて夜中に起きてしまうことがあります。冬場は体温を逃がさないスパッツ、夏場はゆったりとしたコットンのパジャマを着て寝るようにしていますし、布団もこまめに干しています。それと、朝方、外の音で中途半端な時間に目が覚めることもあるので、耳栓もして寝ています。ダイエットに失敗している人は、睡眠不足が原因かもしれませんので、もう一度、自分の寝ている環境を見直してみてください。ストレスが多い会社員が突然死してしまう原因は睡眠不足にあるともいわれています。睡眠は壊れた体の細胞を修復してくれる大切な時間なのです。睡眠が十分に取れているかどうかで、その後の人生も大きく変わってくるはずです。私は神経質すぎるほど睡眠不足には気をつけていますが、特にダイエット中はなぜそうしないといけないのかというと、風邪でも引いたものならすべてが台なしになるからです。治療のために炭水化物や糖分をとらなければ治りませんし、運動も中断しなければならなくなります。普段から風邪を引かないように心がけておくことが大切です。

 

・明日のためにお酒を飲んで早く寝る

8時間の睡眠ということに重点を置いた時間設定が、朝食10時、昼食16時、晩酌21時ということですが、布団に入って目をつぶったら、雑念に縛られる間もなく即、寝られる状態に持っていきます。このスケジュールは、夜の時間設定が遅めに組み立てられているのが特徴です。会社員が仕事帰りに運動するのであれば、自宅に帰って晩酌するのは私のそれより1、2時間早くなることでしょう。しかし、それではダメなのです。夜のポッカリとあいた自由な時間は食欲の危険ゾーンです。そういうスキを与えないで、「明日のダイエットのために酒飲んで早く寝なくちゃ」というスケジュールにしておかなければなりません。運動は1日の終わり近くになるまで十分に引きつけておいて、いっきに運動して大量の汗をかいて、クタクタに疲れた体で自宅に帰り、お酒を飲んでバタッと寝ます。その毎日をくり返すことで、確実に体は痩せてゆきます。そのための晩酌21時なのです。お酒を止めれば痩せられるというのは本当です。お酒と一緒に食べる高カロリーなお摘みが太る原因でもあるわけですから、お酒を止められるなら止めたほうがいいです。しかし、根性のない私にはできません。私は晩酌21時を宴と呼んでいますが、これがあるからこそ、19時台の運動が苦にならずにできるわけで、お酒は自分に餌をぶら下げておくのにちょうどよいのです。まさに、1日、ダイエットを頑張った自分へのご褒美ということです。実際、私もお酒を一切飲まないでダイエットしたこともありました。1週間、飲まなければ、飲みたい気持ちも薄れてきますが、お酒がないと夜が楽しくないのです。ましてや、膨大な含み損を抱える個人投資家でもありましたから、お酒なしではそれに耐えることはできません。お酒を飲むのはストレス発散のためと、強引に眠るためでもあります。ただし、体質によってアルコールには十分注意するのは当然のことですが、もともとお酒が飲めない人がダイエットのためにそれをするのは絶対にしてはいけません。しかし、お酒が大好きなばかりにダイエットができなかった人にとっては、スケジュールをうまく調整することで、お酒を飲んでも大丈夫ということになります。

 

・むぎ焼酎はアルコールの中でも低カロリー

どういう流れで、晩酌21時の宴に入るのかといいますと、私の場合は19時からの運動が終わりましたら、帰宅途中のスーパーに立ち寄って新鮮な食材を買います。冷蔵庫にストックしてあればそれでいいですが、せっかくの宴なのでこまめな買い物を心がけています。自宅に着くなり宴の準備に入るわけですが、調理時間は10分程度です。美味しいものを食べるには、調理時間を長くとるのが先決ですが、ダイエットは時間との勝負ですので、早くつくれて美味しいという難しい対応に迫られます。ダイエットの運動に水泳がいいと思うのは、プールから上がったらシャワーを浴びるので、自宅で風呂に入る時間を節約できます。エアロバイクですと、風呂で汗を流してサッパリとしてから宴という流れです。お酒を飲むといっても、なんでも飲んでいいというわけではありません。私はお酒のカロリーもよく調べましたが、その中で選び抜いたお酒がロングセラーとなっている「むぎ焼酎 いいちこ」(三和酒類)です。いいちこは20度と25度の2種類が売られていますが、黄色いパッケージの20度のほうを買うようにしてください。三和酒類のホームページを見てみますと、100ミリリットルあたりのカロリーが20度で113カロリー、25度で142カロリーとあります。この差というのは、ダイエットをしているうえでは大きいです。ただし、アルコールのカロリーは、食物からとる栄養分よりも分解が早いらしく、実際は7割程度のカロリーということです。であれば、毎晩いいちこを飲むしかありません。ビールのジョッキに氷をたっぷりと入れ、そこに炭酸水といいちこを注ぎ混ぜます。体は運動をして水分を欲しがっていますので、その枯れた状態で飲むお酒は本当に最高です。私は深夜に大声で叫んでしまうほど美味しく、このときほど、ダイエットが楽しく、おもしろい遊びはないと思える瞬間です。1日、ダイエットに励んだ充実感の中で飲むお酒は、太っていたからこそ味わえる人生の美酒なのです。私は夏でも冬でも焼酎の炭酸割りを飲んでいますが、量としては、ジョッキで2杯ぐらいです。焼酎の炭酸割りは、ペットボトルの炭酸水の飲み残しが難点です。運動が終わっての1杯には炭酸水の喉越しがどうしても必要なので、毎回、新しいペットボトルの封を切ってしまうのですが、私の部屋には、ネスカフェのゴールドブレンドが常備されています。朝起きたら、飲み残した炭酸水をグラスに注ぎ込み、粉末コーヒーを入れると泡がブワーッと立ちます。吹きこぼれないように混ぜ合わせると、炭酸コーヒーという摩訶不思議な飲みものができるのですが、お酒を飲んだ次の日には、胃腸をすっきりさせるのに最適なのです。最近は低カロリーな発泡酒も多くの種類が売られていますが、私はもともとビールが体に合わなくて、飲むと必ず顔が浮腫んで2日酔いになり、丸1日、脳の働きが鈍くなるので飲まないようにしていますが、発泡酒で酔えるならそれでもいいと思います。ただし、いくら飲んでも寝られないという状態だと、カロリーの摂取が増えるだけで睡眠不足になります。次の日までアルコールが残るようなお酒も飲んではいけません。ダイエットのためにしている晩酌が負の連鎖を招くことがあるので、自分に合ったお酒を選んでください。

 

・お摘みも明日のエネルギーには必要な栄養素

夜の宴では、お酒とお摘みはワンセットですが、ダイエットしているのであれば、お酒だけ飲んでお摘みは食べないほうが痩せると思われがちですが、お摘みを必ず食べるのにも理由があるのです。19時からの運動のときは、16時に食べた食事のエネルギーが温存されている状態で運動します。運動後は当然、お腹がすきますが、急激にというよりは、なにか一口食べたらもっと食べたくなるというなだらかな空腹感です。たとえば、マラソンのアスリートがゴールテープを切ったとき、それと同時に空腹感に襲われるかというとそうではありません。運動直後というのは、食欲を我慢できる状態なのです。だからといって、夜の宴でお摘みを抜いてはいけません。お摘みは半分の食事でもあると考えてください。お酒だけを飲みますと、体は水分を欲しがっていますから、飲みすぎてしまってオエーッとなることがあります。仮にお酒を飲まない人であっても、0カロリーの炭酸飲料を飲みながら、お摘みは食べるようにしてください。この時間帯に食べておかないと、翌日の朝食10時までの間に空腹感に襲われることになります。そして、私がお摘みでタブーとしていたのは、コンビニでは絶対に買わないとしたことです。お摘みを買うためにコンビニに立ち寄ること自体、危険な罠が待ち構えていて、自分では低カロリーなものを買おうとしていても、手が勝手に動いてお好み焼きやウインナーの盛り合わせをカゴの中に入れてしまいます。ダイエットをしている人の中には、空腹感を紛らわすために、スルメイカをかじるという人もいますが、これもおすすめできません。珍味などは胃の消化が悪いので、翌日、胃がもたれた状態でスタートすると、ダイエットのペースが乱れる可能性があります。コンビニでも珍味は回避するようにしてください。では、どんなお摘みがベストなのかということですが、ダイエット前期と後期とではメニューが異なります。前期では集中的にダイエットしますので、その活力となり低カロリーなものを食べてゆきます。ある程度、体重が落ちた後期になってはじめて、お摘みのバリエーションも増えてゆきます。魚介類にしても、私はダイエット開始から4、5ヵ月は食べませんでしたが、その後、イカとタコ、かまぼこや笹かまといった練りもの系はOKにして、亜鉛を多く含むホタテ貝や牡蠣、それから時季のものでホヤなども食べるようになりました。ダイエット後期になれば、シシャモやホッケ、焼き明太子も解禁しましたが、そもそもダイエット前期だと野菜中心の食事なので、ちょっとでも生臭いと感じるようなものは、食べられない体になっています。

 

・これだけ食べていれば痩せられるマル秘レシピ

ここでは、ダイエット前期に食べたお摘みを厳選してご紹介します。まず、冷凍庫の中に欠かさずストックしておくものは、「塩あじ茶豆 1回ぶんだけ」(ニッスイ)です。冷凍の枝豆ですが、160グラム入りの小さいサイズなので、1回で食べ切るにはちょうどよい量です。大きいサイズを買ってしまうと、つい量を増やしたくなりますので、1回に1袋ということであれば、食べすぎることもありません。可食部100グラムあたり131キロカロリーです。この水準がお摘みとしてどうかの判断基準になりますが、枝豆はカロリーがあることにはありますが、他の食材と比べたら断然、低いほうです。塩あじ茶豆がいいのは、2分ほど流水して解凍すればすぐに食べられますし、手でつまんで口の中に押し込んで殻をだすという枝豆特有の手間が、ゆっくりとお酒を飲む夜の宴には相応しいお摘みになります。私がダイエット中に、最もよく食べたのは「ナスの辛子漬け」です。これなしではダイエットは成功しなかったと思えるほど、ナスの辛子漬けは欠かすことができないお摘みでした。冷蔵庫で2日ほど漬けたものが食べごろなので浅漬けの部類ですが、2食の食事で紹介したけんちん汁と並んで、ナスの辛子漬けもつくり方によって美味いとマズいが両極端で、私は何度も失敗をくり返しながら、今のレシピにたどり着きました。ナスはなるべく皮が柔らかいものを使います。美味しく食べるコツは切り方にあるともいいましたが、ナスも輪切りにしたり皮をむいてみたり1本漬けにしてもダメで、縦半分に切ったナスを、縦に4、5等分に切ります。ナスは漬けると身が柔らかくなりますが、皮を残すことによってコキコキとした歯ごたえがあり、舌先にピリッとくる辛さが、お酒にちょうどよいのです。1回に漬ける量は中ぐらいのナス5~6本がベストです。切り分けたナスを小型の漬物容器の中に入れます。漬け汁のほうは、別のボウルに醤油半カップ、粉末の洋辛子が大さじ2、鰹と昆布の素材力だしのスティック各1本入れて、水を半カップ加えて混ぜたら、その漬け汁で漬け込むだけでできあがりです。一晩、漬けるだけでも食べられますが、美味しいのは2日目で、4日目に入ると色がどす黒く変わり時間がたてばたつほど味が落ちてきますので、こまめにつくるしかありません。私は運動後に自宅へ帰ったら、まず冷蔵庫を開けてナスの辛子漬けの減り具合を確かめます。そこで、足りなくなっていたら、すぐに仕込みに入りますので、普段からナスは切らさないようにしています。次におすすめなのが、冷奴になりますが、たんに鰹節とショウガをのせて食べても飽きるので、激辛の具をのせて食べる「激辛冷奴」をつくります。ザーサイとネギはせん切りにし、ボウルにすりおろしたニンニク小さじ2と豆板醤小さじ2を混ぜ合わせ、豆腐半丁の上に盛ります。お好みで醤油をかけてください。ダイエットの食事でよく食べるのがザーサイですが、とっても低カロリーな食材ですので、冷蔵庫に買い置きしておくと鍋にも使えます。この塩味茶豆、ナスの辛子漬け、激辛冷奴は、毎晩の宴には欠かせないお摘みで、そこにプラスしてお摘みを1、2品加えます。

 

・「なに食べよう」と迷わない厳選お摘み7品

夜の宴のお摘みは、食べるときにちょっとした手間になったほうが、ガッツリと食べなくていいのですが、そこで考えたのが、「シャリなし納豆巻き」です。海苔はピンからキリまで品質があり値段もそこそこしますが、安く買うならトップバリュの「瀬戸内海産のり使用 おにぎりのり」(イオン)をおすすめします。普通の大きさの海苔を3切れにしてあるので15枚入りになりますが、私はイオンに行くと必ず買いしめて、自宅にストックしています。納豆のほうですが、私はいろいろなブランドを試してみたのですが、シャリなし納豆巻きに合う納豆というものがあり、ひきわりでも小粒でもダメで、大粒でないと美味しくありません。納豆に刻みネギと塩少々、加えます。納豆はかき混ぜればかき混ぜるほど美味しいイメージがありますが、シャリなし納豆巻きはなるべく大豆本来の味を引き立てたほうが美味しいので、あまりかき混ぜないほうがいいです。食べるときは、海苔の上にスプーンですくった納豆をのせて、クルッと巻いてかぶりついてください。シャリなしであっても、納豆巻きを食べているのと同じ感覚になります。このレシピには続きがあって、「シャリなしアボカド巻き」というものもあり、適当な大きさに切ったアボカド1個に、刻みネギ少々と、すりおろしたニンニク小さじ2と、チューブ入りのワサビを入れて混ぜ合わせ、最後に醤油をかければ完成です。ご存知のとおり、ネギトロの味になります。私がわざわざイオンのお手ごろ価格な海苔を買うのかといえば、海苔をそのままムシャムシャと食べることもあるからです。3切れ海苔の1枚あたりのカロリーはなんと、たったの1キロカロリーしかありません。これほどダイエットに相応しい食材はないので、お腹がすいたときのおやつにもいいです。次のレシピは「生ワカメのゴマ風味」というものですが、生ワカメは1年をとおして買えますので、乾燥ワカメよりも生を使ったほうが美味しいです。生ワカメを3センチほど切り分けたら、そこに岩塩少々と味の素、最後にごま油を小さじ1ふりかけて完成です。とっても簡単なレシピですが、岩塩を使うのがポイントです。他の塩では美味しくありません。それと、化学調味料はなるべく避けたいところですが、味のバランスからどうしても必要になります。ダイエットの食事において油分はタブーなのですが、このお摘みだけはゴマ油をちょっとだけ使います。そして、7品目になりますが、これもナスの辛子漬けのときと同じように仕込みをしなければならないレシピです。スーパーではキノコが安く売られています。ぼっち鍋でもキノコは大量に使いますが、お摘みでは「えのきだけとなめこの醤油煮」をつくります。大きな鍋にえのきだけ2袋となめこ2袋を入れて下ゆでします。なめこのほうは、なるべく株採りした新鮮なものを使います。煮たったらザルでいったん水気を切り、鍋に水を2カップ入れ、醤油1カップ、粉サンショウ少々、鰹と昆布の素材力だしのスティックを各1本入れて、下ゆでしたキノコを加えてしばらく煮ます。火を止めてあら熱をとると、ゼラチン状になりますので、それをタッパーに入れて冷蔵庫にストックしておきます。これは小腹がすいたときに食べると便利ですし、夜の宴ではすりおろした大根をのせると美味しくいただけます。この7品目がダイエット前期に食べていたお摘みの基本メニューで、どれを食べるかはその日の気分で決めます。お摘みが7品目と決まっていれば、なにを食べたらいいのか迷わなくてすみますし、食材をそろえるのにも楽でいいです。それでも物足りないときは、小袋のかっぱえびせん、燻りガッコなどのタクアン、ラッキョウやショウガの甘酢漬け、ゴボウの醤油漬け、味つきメンマなどスーパーで売っている加工されたものを足します。

 

ダイエットに運動は必須

・100キロの体では10メートルも走れなかったダイエットは食事制限プラス運動ですが、最も人気がありすぐにできる運動がウォーキングだと思います。私も本格的なダイエットをする前から、不定期ではありますがウォーキングはしていました。本業は個人投資家なので、身動きの取れない含み損を抱えていたりすると、そのうち頭がおかしくなってきます。ストレスに押し潰されそうになったとき、ウォーキングすると一時の気の迷いは解消させてくれます。個人投資家の間でも、気晴らしにウォーキングしている人はけっこういます。私のウォーキングは運動というよりも、心の爽快さを求めていました。その工夫として、ヒゲ剃りと歯ブラシを必ず持ち歩いていましたが、途中、公園の水飲み場で伸びきったヒゲを剃り歯を磨くと、生き返ったようにサッパリします。ダイエットをする前は、そこまで追い込まれた生活を送っていたのです。ウォーキングをしていて、体の異変を感じたのは、強烈な空腹感に襲われたときです。普段、お腹がすいてもゆっくりとその欲求が高まって、1時間ぐらいは我慢できるものですが、そのときは、発作的に空腹感のスイッチが入ったのです。まず、肩の力が抜けてゆき、足が震えだしてフラフラになります。靴を履いているだけでも重く感じられて、足を前に出すのも精一杯です。「なにか食べないとヤバイ……」と察知し、なんとか自動販売機の前までたどり着き、糖分が高い飲みもののほうがいいだろうということで、乳酸菌飲料のビックルを3本買って、その場にへたり込みながら一気飲みしました。こういう症状が何度かあったので、ウォーキングのときは非常食としてフルーツやお菓子を持ち歩くようにしていました。おそらく糖尿病かなにかの低血糖の症状がでたのだとは思いますが、私の体はそろそろ限界に近づいていたのです。ダイエットをしようと決心したとき、ウォーキングも運動のメニューの中に取り入れましたが、自分にとってなにがベストな運動なのかというのは、そのときの体調なども影響しますので、いろいろ試してみないことには分かりません。まず、私は河川公園のグランドを走ってみることにしました。さすがに30分ぐらいは余裕で走れるとタカをくくっていたのですが、10メートル走っただけで息が切れて足が止まってしまったのです。たった10メートルも走れなかったことがショックで、顔が引きつりました。「今回のダイエットも相当、厳しくなるなー」と思いましたが、よくよく考えれば、100キロの体で走れるわけがないのです。しかも、グランドを走ったのは20年ぶりのことでした。

 

・ウォーキングをすれば痩せられるという誤解

この経験から、なにかの運動をするには、その運動をするための体づくりをしてからではないと無理ということが分かり、私がジョギングできるようになるには、まずは30キロほど体重を落としてからということになります。あたりまえのことなのですが、ほとんどの人は昔、若いころにやっていた感覚で、ジョギングぐらいできるだろうと甘く考えるでしょうが、実際、走ってみると体は思うように動いてくれません。私のダイエットでは、運動メニューの中でジョギングは早い段階で消えました。であれば、ウォーキングならどうだろうということですが、思っているほど効果はないというのは実感していたものの、気晴らしにやるぶんにはいいだろうという結論になりました。ウォーキングは足腰の負担ばかりがかかってしまって、ほどよい疲れもあるので、運動している気になるという点がよくないのです。ウォーキングのカロリー消費量はそれほど高くありません。カロリーが消費されない運動はストレス解消の部類であり、その気分転換の効果が自分は運動していると脳が錯覚してしまうことが危険なのです。それに、ウォーキングは雑念に邪魔されるのです。歩いている最中にさまざまな思いに縛られて、考えごとをしているのか運動しているのか分からなくなることがあります。私のような個人投資家だと、歩いているときも株のことで頭がいっぱいになっていたりするのです。ジョギングのように、ある程度は夢中になってハイな状態になれれば雑念もわきませんが、ウォーキングだとスピードが遅いぶん、いろんなことを考えてしまいます。運動するにしても、この雑念をどうふり払うかというのが重要になってきて、雑念がわき上がるからこそ、気力が削がれたり、飽きてきたり、ツラクなるのです。それでも、今まで運動をまったくしてこなかった人が、第1歩を踏みだすときは、ウォーキングから始めたほうがいいと思います。そのときの注意点ですが、ウォーキングを始めるときは、スポーツ用品店で足のサイズに合った専用のシューズを購入してください。ウォーキングはれっきとした運動の一つであり、それに適したシューズでないと体に負担をかけてしまいます。ウォーキングする場所も重要です。アスファルトの道路だと足の踵や膝を痛めることになり、あまりおすすめできません。近くにグラウンドがあれば、芝生や土の上を歩いたほうが疲労も軽減できます。まずは、ウォーキングをしてみて、今の自分の体がどれぐらいの状態にあるのかということを確かめて、さらにそこにプラスしてどんな運動ができるのかを考えてみてください。実際、私もそういうプロセスがあって、自分に合った運動を見つけることができました。まずは体を動かしてみることからです。

 

・365日いつでも運動ができる環境にしておく

「今、ダイエットをしてるんですよ」と人に言った場合、決まって「ジムに行ってるの?」という言葉が返ってきます。近場で運動する環境がないときは、お金をかけてでもジムに行ってしまうのが一番、楽なのかもしれませんが、私がジムを避けるのは理由があります。ジムで運動している人は、どことなく他人と競い合っているような雰囲気を感じるので、私はそういう空間にいることが苦痛でなりません。女性だと毎回、ジムへ行くたびに女性同士の世間話にストレスを感じて運動を止めてしまった人が割と多くいます。太ってしまった人は、切実な思いでダイエットをしているわけですから、運動においてもストレスになるような環境はなるべく遠ざけておきたいものです。それとジムは、同じ場所に通わなくてはならないというのが飽きるのです。ダイエットの運動コツは、1つのものに絞らないで、「今日は気分的にこっちのほうがいいからコレしよう」というように、いくつものカードを切れる状態にしておくことが大切です。最近の私はストレッチを1時間ほどするようになりましたが、川のせせらぎの音が聞こえる場所や山並みを見渡せるところなど、何ヵ所かストレッチする場所を決めておき、日替わりで場所を替えてストレッチしています。こうすれば飽きなくなります。それでもジムは、1年を通して季節も関係なく屋内で運動できる点がいいところです。ウォーキングなどの屋外の運動ですと、当然、雨の日はお休みになるわけですし、私の住んでいる地域は雪も降るので、12月初旬から3月初旬まで、屋外で運動することはできません。一口に運動といっても、365日、いつでも運動ができる状態にしておかなければならないわけで、運動をさぼるようなときは、体調うんぬんというよりも、雨がパラついてきたから中止とか、寒いとケガのもとだから止めておこうとか、お天気を理由にしてやらないことはけっこうあります。「いつでも運動ができる、でもやらないのは誰のせいでもない――」というように、屋内と屋外で両方できる運動を想定しておかなければなりません。そこで私が選んだ運動というのが、「水泳、エアロバイク、自転車」の3種目です。もともと事務所を引っ越したのも、自宅から事務所までの通勤途中に屋内プールがあるからで、事務所近くにも夏場にオープンする屋外プールがあります。自転車のほうは、車の後部荷室に常時、乗せて持ち歩いているので、乗りたいときにいつでも乗れます。エアロバイクのほうは自宅の書斎に置いてあり、忙しいときでもすぐに乗れる状態になっています。この3種目の運動によって、私はみるみる痩せていったのですが、当然、やり始めたころは苦しいです。運動をすると決めたとしても、はじめから厳格なノルマを設定すると失敗のもとです。まずは少しづつ、その運動に体をならさせてから、徐々に運動量を上げてゆきます。

 

・運動したくないときは自分に餌を与える

そこで問題になるのが、どうしても運動する気力が起こらないときです。運動の時間になったら、一切の仕事を中断して運動に向かわなければなりません。行くかどうかを迷っている暇はなく、必ず運動に行くのです。とはいっても、脳内では「今日は休もうかな……」という葛藤があり、運動したくない日もあるでしょう。私もプールの駐車場に車を停めたまではいいですが、車のドアを開ける段階で気が重くなり、脳内で都合のよい言い訳をして、そのまま運動せずに帰宅したことも何度かありました。そんなときは、ひとまず運動する場所に行ってどうするか決めます。プールであれば、ロッカールームで水着に着替えてから泳ぐかどうかを決めればいいのです。こういう行動をとり始めたら、ダイエットの危険信号です。そこで考えた緊急時の対処法ですが、たとえば犬を躾けるとき、ビスケットを与えながら訓練するとうまくいきます。これと同じ方法で自分に餌を与えます。運動をしたくないと思ったとき、自分の中でこう考えます。「ご褒美にビスケット1枚食べていいから運動しようよ」と――。運動する場所まで行ったら、ベンチに腰かけてティータイムの時間をとります。ビスケット1枚は約50キロカロリーということを頭に入れて、低カロリーなお菓子を食べながらお茶を飲みます。私の場合は、屋内プールの自動販売機に売られていたSOYJOYがそれでした。するとどうでしょう。脳はスイッチが切り替わったように、「よし、やるぞ!」という気力がわきます。お菓子を食べてしまった罪悪感が、運動してカロリーを消費しない限りチャラにはできないという思いとなりヤル気を奮い立たせます。この対処法は必ず運動する前でないといけません。運動後にお菓子を食べては無駄なカロリーをとるだけです。いざ運動をするようになって、まわりの人は軽快に運動しているのに、自分は老人のようにノロノロと、これぐらいしか運動はできないのかと落ち込まないでください。まわりなんて関係ないです。子供がはじめて自転車に乗ったときのように、なれてゆくに従って、自転車をうまく操ることができるようになります。これと同じことです。私が河川公園で運動をしていたとき、よく顔を合わせていた同年代の人がいました。体型も私と同じくらいです。私は自転車で相手はウォーキングをしていたのですが、いつもその人を見ながら、「ウォーキングしても痩せないんだよなー、よく飽きもせずに歩いているなー」と思っていたら、1年ぶりに会ったら見事に激ヤセしていました。運動はどんなものでも地道にやり続けさえすればよい結果を生むのです。

 

・明日の運動のために今日のストレッチがある

ダイエットをしている人で、運動はするけどストレッチはしないという人が多くいます。カロリー消費につながらないストレッチは、やっても仕方がないと解釈しているか、面倒臭いということだと思いますが、これがダイエットにおける運動の大きな間違いなのです。運動をする前に、必ずストレッチをしなくてはならないのは3つの理由があります。「ケガの防止、体を温める、疲労の防止」ということですが、太っている人は、ずっと体を動かしてこなかったので、いきなり運動をすればケガのもとです。筋肉痛ぐらいですめばいいですが、ねん挫などしてしまったら、ダイエットも一時中断となってしまって、それをきっかけにリバウンドの道に突きすすみます。ストレッチをすることで体を温めて新陳代謝を高め、運動によってカロリーを燃焼させやすい体にしておくことが大切です。それと、ストレッチをしておくと、翌日まで疲労が残らないので、運動を長く続けるうえでは、必ずしなくてはなりません。私は太ってしまった人の体をよく知っています。いざ、ストレッチをしようにも、ゼイ肉たっぷりの腹が邪魔をして体は思うように曲がらないばかりか、ストレッチ自体が大変、苦しいのです。腰を曲げるだけでも息が上がり、額に汗がにじんできます。そんなときは、ラジオ体操をすることから始めてください。私も最初の1、2週間はラジオ体操をしてから運動していました。ストレッチにしても段階を踏んでやってゆくべきものがあり、多くの動作を取り入れると失敗のもとです。はじめは、少しづつでいいのです。ダイエット前期の6ヵ月間は、本格的なストレッチをするための準備期間と考えてください。筋肉を柔らかくするストレッチは体重が落ちてきた後期になってからで、1年後にはリバウンド防止のために、ヨガの瞑想や呼吸法を取り入れたストレッチをしてゆきます。私が最初にしたストレッチは、肩甲骨まわりの筋肉をほぐすことからです。内側に向けた両腕を上げて万歳の格好をし、そこから両手をクルッと外側に向けて、胸を開くようにゆっくりと下げます。これを毎回、50回行いました。なぜ、このストレッチから始めたのかというと、ダイエットのモチベーションとしたのが疑似恋愛であったわけですが、その恋した相手が整体師でしたから、毎回、体の硬さを指摘されるわけです。すでに私の体はボロボロの状態で、ロボットダンスを踊っているように体中の筋肉が硬かったのですが、整体師の気を引くために体を柔らかくしようと思ったのです。2、3ヵ月続けていたら、長年、悩まされ続けていた肩こりが改善したこともあり、やればやるだけ効果がでてきます。ストレッチは先を見すえながらすると楽しくなってきます。精力減退にはお相撲さんのようにシコを踏んで股の筋肉を柔らかくすれば血流がよくなるということなので、「おもしろそうだからやってみよう!」というノリで、私はシコを取り入れました。それと、シコからの流れで、野球選手のイチローがよくしている片方の肩を前にひねる動きも取り入れました。ストレッチにもいろいろなやり方がありますが、私はダイエット前期に8パターンのストレッチをしてから運動するようにしていました。

 

・ダイエットにマッチョな筋トレは必要ない

私はもともと運動と筋トレを同時並行でやろうと考えていましたので、ダンベルなども買いました。1週間のメニュー表などをつくり、やってはみたものの長くは続きません。それもそうです。今まで運動していなかった体を急に動かして、なおかつ食事制限までしているのですから、筋トレなど苦しくてできるわけがないのです。よくダイエットでは新陳代謝を高めるために筋トレの必要性を説いていますが、筋トレをすればするほど筋肉となって体に蓄積されるわけですから体重は落ちなくなります。しかも、筋肉をつくるためには大量に食べなくてはなりません。筋トレすればリバウンドしなくなるともいわれていますが、私の経験上、筋トレしていようがしていまいが、心が折れればリバウンドはするものなのです。私の目的は第1に痩せることであって、マッチョな体になることではありません。すらっとした細身の男性を目指しているわけですから、マッチョになるための運動は必要ないのです。これは、まさにダイエットの罠だと思わされました。早い段階で気づいたのがよかったのですが、そのまま筋トレをやり続けて、筋トレの苦しさがダイエットの苦しさのように感じてしまっていたら、きっと挫折していたはずです。こういうイメージによる間違いはよく起ることで、たとえば、ヨガの先生の腹筋はあれだけトレーニングしているわけですらムキムキに割れていると思いがちですが、ヨガは筋肉をつくる動きではなく筋肉を伸ばす動きです。一度、ヨガの先生の腹筋を見せてもらったら、さすがに脂肪はないもののコンニャクゼリーのようにプニョプニョしていました。私はそれを見て、「目指すべきはコレだ!」と思ったわけです。ストレッチと運動をワンセットでやってゆけば、確実に体重は落ちてゆきますが、体が動くようになると、もっと運動量を増やしたいという気が起こります。早く痩せたいという、はやる気持ちは分かります。私も体が思うように動くようになったとき、1日の中で水泳と自転車の2連発ということもやりました。しかし、体は正直にできていて、運動量を増やせば、それだけお腹がすいて食事を多くとらないといけなくなるのです。それに、翌日にまで疲労が残り、運動する気力が削がれるので、毎日、決められた運動量をこなすほうが得策です。仮に運動量を増やすのであれば、19時から21時までの間に水泳をしたとして、自宅に帰ってエアロバイクに乗り、晩酌して寝るというのが理想ではあります。私が短期間で痩せられたのは、そこまでこまめに運動してきたからともいえるわけですが、毎日、継続してそれをしていたわけではないので、基本は1日の運動量を変えないと覚えておいてください。それと、1日のうちにいくつかの運動をすると決めた場合、その種目の順番を間違えると大変です。たとえば、最初に自転車に乗って、次に水泳をしたとします。すると、水泳のときにノルマとした距離を泳ぎ切れずに、途中でプールから帰ることになります。すでに自転車で足の筋肉を動かしているので、さらに水泳をするにはスタミナが持たないのです。逆に水泳を最初にしておけば、それほど足の筋肉に負荷はかかっていませんので、引き続き自転車に乗ることも可能になります。

 

・毎日の水泳をライフスタイルの一部にする

それでは私がやっている運動を個別に見てゆきたいと思いますが、私の水泳歴は長いです。20代前半から水泳をしていましたが、ずっとしていたわけではなく、ある期間、夢中になって泳いだら3、4年はプールに通わない期間がありました。本気のダイエットを始めて、久しぶりにプールで泳いだときは、これまた驚くほど体力が落ちていたことを痛感させられました。25メートルプールを往復5回ぐらい泳いだだけで疲れてしまうのです。始めて1週間は特にツライです。しかし、徐々に負荷をかけていかなければダイエットになりませんので、最低でも往復10回、距離にして250メートルは泳ぐようにしました。後は水中ウォーキングを往復10回すれば、ダイエットのスタートの運動としては十分でしょう。あせってハードルを上げないことです。ゆっくりと体をならしてから、往復15回、20回、30回と運動量を増やしていって、ダイエット開始から1ヵ月後には、往復40回、距離にして1キロは泳げるようになりました。私は今でもプールで1キロは必ず泳ぎます。時間にして50分ですが、それ以上は増やしません。食事とのかね合いで、1日1キロがちょうどよいノルマになるのです。水泳も途中で疲れてきて、今日はこれぐらいにしておこうと止めたくなるときがあります。それを防ぐために、アクアグローブという水かきをつけて泳ぎます。アクアグローブは腕の筋肉を鍛えるためのものですが、これをつけることで浮力が増して泳ぎやすくなります。アクアグローブは往復30回泳いだら外して、残り往復10回は素手で泳ぎます。すると、腕が軽くなっていっきに泳ぎ切ることができます。水泳もちょっとしたことですが、それをするかしないかで、長く続けられるかどうかに関わってきます。ダイエットのための水泳なわけですから、スピードはいりません。まわりを気にしないでゆっくりと泳げばいいのです。勢いよくターンもしてはいけません。このターンも積もり積もって、筋肉の疲労につながるのであくまで静かにです。プールから上がるときも、そのままプールサイドに勢いをつけて上がるのではなく、後ろ向きになってお尻から上がるか、階段を使ってください。なぜこんな細かい動きまで気をつけなくてはならないのかというと、運動不足で太った体なわけですから、わずかな力を入れただけでも腰が痛くなったり、足が痛くなったりするのです。水泳が終わったら、ジャグジーで十分に温まって自宅に帰ります。私は屋内プールでの水泳を再開したとき、とても懐かしい顔を見かけました。20代のときに屋内プールで泳いでいたとき、足ヒレをつけて人魚のように泳ぐ美しい女性を見かけました。長いこと強烈な記憶として覚えていたのですが、40代を前にしてそこを訪ねたとき、その女性があのときと同じ姿で可憐に泳いでいたのです。私にとってのプールは、感情が乱れて自分を見失いそうになったときや、経済的な苦境に立たされたときや、孤独や不安、あるいは、生きる気力や情熱を奮い立たせる場所として、いつでも私と寄り添ってきました。私は激太りしながらもなんとか生き延びてきて、その女性もまた昔のままだったことに、時の流れを感じてホント涙がでてきました。そんなことがあって、その女性とも顔なじみになって話をするようになったのですが、幼いころから腰に持病を持っていて水泳を続けていたということですが、屋内プールがオープンしたときから通っているので、すでに20年になります。私はこの女性からいろいろなアドバイスをもらいました。たとえば、「冬場のプールは寒いでしょう。冷えたりしないんですか?」と質問すると、「バタ足を強めにすれば、太ももが刺激されるので体温が上がりますよ」という答えがあって、実際、冬場にそれをしたら、寒空の下でも額に汗が流れるぐらい体が温かくなるのです。さらに、「ジャグジーは温度が低いですよね。もっと熱くしてくれたらいいのに……」と言うと、「汗をかくぐらいの温度だと逆に体温を奪うので、ぬるいぐらいが体は冷えないんですよ」と教えてもらいました。今ではこの女性も、私の体型に変化があるかどうかをチェックしてもらうよき判定人となっています。

 

・夏場の屋外プールはダイエットの強化期間

私はときどき、毎日、通っている屋内プールだと変化がないので、住んでいる町の60キロ圏内にあるプールに出かけてゆきます。リゾートホテルのプールなども、気分転換にはいい場所です。特に夏場の屋外プールは、私の中ではダイエットの強化期間に入ります。私が住んでいる地域は、7月中旬から8月末までの約50日間、屋外プールがオープンします。この期間、世間では夏休みということで行楽に出かけますが、私は一切のスケジュールを入れずに、ダイエットだけに集中します。1日の流れとしては、午前中に仕事や用事を片づけてしまって、午後の1時30分から屋外プールでノルマの1キロを泳ぎます。ヨガマットも持参するので、プールサイドでストレッチも行います。それともう1つの目的があり、日光浴をすることがなによりも重要なのです。日光浴は健康にとってよいことは知られています。適度な日光の刺激は、リラックスした感情をつくる脳内のセロトニンというホルモン物資が活性化されます。ダイエットはドーパミンだけをふきださせればうまくいくといものでもなく、それを抑制するセロトニンも心と体のバランスを保つうえでも重要です。私の経験上、夏場に日光浴をしておくと、冬場も病気せず元気に過ごせています。ただし、それだけが目的ではなく、日焼けによって見た目がカッコよく、健康そうになったという自己暗示をかけるために日光浴をしています。夏場の屋外プールは、アルバイトの監視員が10人ほど働いています。オープンしてから毎日、欠かさずやってきて、プールサイドでヨガのポーズをとっている私は、かなり目立った存在なのですが、そこのプールに7年も通い続けていると、ちょっとした有名人なのです。聞いたところによると、激しい雨が降った日などは、私がプールにくるかどうかを監視員が気にかけていたようですが、孤独の中でする運動とは違って、人に見られているという環境が夏場の屋外プールはいいのです。派手なビキニを着て色気をふりまく女性の心理と同じく、たいして引き締まっているわけでもない私の体を、日焼けしているというだけの理由で他人がジロジロと見てくれると、もっとダイエットをして、視線を釘づけにしてやろうという野望が起こります。プールで泳ぎ終わったら、ヨガマットの上に寝転んで日焼けします。このとき、一日一冊、本を読むこともノルマとして課していましたので、教養を深める時間ともなっています。3時間ほどプールで過ごしたら、事務所に帰っていつものように鶏むね肉の食事をとります。さらに、夏場は自宅に帰ったらクーラーをかけずに部屋が暑いままの状態で、エアロバイクに乗ります。大量の汗が流れるので、体も急激に引き締まってきます。もし仮に、ダイエットに挫折してリバウンドしていたとしたら、心を入れ替えるにはなにかのきっかけが必要です。夏場の屋外プールは、夏になったら再びダイエットに挑戦しようとする気力を蘇らせてくれる場所でもあるのです。私は8月末にプールが閉鎖される日、夏を惜しむようにゆっくりとプールで泳ぎます。太陽の日差しがプールの底に乱反射して、サンゴ礁の海を泳いでいる気分です。プールを取り囲む樹木は青々と茂り、すべての景色が輝いて見えます。実に爽快で満たされた気分です。これほどダイエットが素晴らしいものだと感じるときはありません。そして、夏場のプールを泳いだ達成感は、自分の体に刻み込まれています。日焼けの痕は冬場近くまで残り続けるので、ダイエットに苦しくなったときは、自分の体を鏡に写します。すると、生き生きとダイエットに励んでいた夏場の自分を思い起こさせてくれるのです。この日焼けの痕は冬場にリバウンドしそうになったときに、警告を与えてくれる大切な印にもなるのです。

 

・エアロバイクこそが痩せる最強のツール

ダイエットの運動は、息が上がるほどの激しい運動はマイナスの効果しかないということで、水泳が最も適した運動になりますが、近所にプールがない場合は、ダイエットを諦めるしかないのかというと、安心してください。エアロバイクに乗るだけでも十分に痩せられます。エアロバイクはダイエットの運動において最強のツールです。太ももの筋肉は体全体を動かすエンジンのようなものなので、そこを動かせば新陳代謝が高まり、汗がふきでて、カロリー燃焼にはいいのです。これも最初のころはしんどいわけですが、ランニングマシーンなんかと違って、体が動かなくなるほどの疲労はこないので、我慢して乗り続けさえすれば、ノルマとした距離は達成できます。どれぐらい乗ればいいのかですが、意外なことに10キロで十分なのです。時間にして30分足らずです。しかし、この10キロは汗を流しながらという条件つきです。そこで、素早く汗をかくためのサウナスーツが必要なわけですが、市販されている銀色の定番商品は、エアロバイクに乗っているとパンツがすぐに破れて使いものにならないのです。スポーツ専用のトレーニングウェアですと、通気性を考えてつくられているので、汗を流す目的にはマッチしません。そこで私は、ホームセンターで売っていた上下の雨カッパを着てエアロバイクに乗っています。雨カッパといっても農作業などで着るものなので、つくりはしっかりとしていますし、太っている人でもサイズがあるので困りません。エアロバイクに乗るコツですが、私が使っているものは、ディスプレイに目標タイムと走行距離が表示されます。まずそれをタオルで隠します。エアロバイクも乗っていると飽きてきたりツラクなったりで、視線をディスプレスに向けたままでは、気が遠くなって止めたくなるのです。私はエアロバイクを自宅の書斎に置いています。個人投資家なので書斎はディーリングルームでもあり、大きなモニターが設置されています。そこに動画を流しながらエアロバイクに乗っています。基本的に、ダイエットの運動は、水泳かエアロバイクかの2択で行ってゆきますが、室内運動ばかりだと飽きてくるので、私は車に自転車を積んで、気が向いたときにそれを乗るようにしています。私がサイクリングロードとして使っている河川公園は、駐車場から出発して、サッカーグランドのわきを通り、河川敷のウォーキングロードからキャンプ場に抜けられます。そのキャンプ場を1周して駐車場に戻るまで3・5キロあったので、往復3回でノルマの10キロはクリアされます。外で自転車を乗ってみれば分かりますが、10キロは意外と距離があり、体力も消耗します。エアロバイクの30分は、かなりの運動量であることを再認識させられました。自転車に乗っていると、退屈しませんし雑念もわきませんので、最高に気分がいいです。運動が続けられない人は、外で自転車に乗ることを強くおすすめしたいです。自転車は季節を感じられるのがいいです。春になれば桜の木々の間を抜けながら自転車に乗ることになりますし、初夏にはウォーキングロードの紫陽花が一面に咲き誇ります。秋になったら風の中にほのかな稲わらの匂いを感じることができ、遠くの山々は紅葉でまっ赤に染まります。「こんなに幸せでいいのかなー……」と、現実にはたいして幸せでもない男がそう言ってしまうほど、ダイエットは幸福感を与えてくれます。やはり、ダイエットは自然の中でするのが一番ですが、河川公園が地獄と化すのは、夏休みシーズンなのです。運動のコースは、キャンプ場を通るわけですから、そこは、家族連れでごった返しになります。そんな中でも私はせっせと自転車に乗ったり、ウォーキングをしていたりするのですが、キャンプといえばバーベキュウです。キャンプ場の森の中は、霧ですっぽりと覆われたようにバーベキュウの煙でモンモンとして、家族連れが満面の笑みを浮かべながら、高カロリーな食べものを食っているわけです。こっちは汗をダラダラと流しながら運動していますから、焼けた肉の美味しそうな匂いは、私の脳をフラフラにさせます。財布から1000円摘まみだして、「頼むから、その肉を1枚、売ってくれー」と、かけ寄りたくなったほどです。運動をしていると、このようなダイエットをはばもうとする貧乏神たちと遭遇するので、それに耐えて、耐えて、耐え抜いてダイエットを成功させてください。私はいつでもダイエットに励んでいる人たちとともにあります。

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