飲んだあとのシメがハンバーガーや牛丼ではない理由

なぜシメにラーメンを食べたくなるのか?

飲み会のシメにラーメンを食べたくなったことがあると思います。そのためか、深夜まで営業しているラーメン店が多く、さらに深夜に混んでいたりするのです。「最後にラーメンを食べよう」ということはよくありますが、「最後にハンバーガーを食べよう」という号令はかかりません。シメに牛丼という行動パターンも珍しいと思います。どれも同じ程度の手軽さ、価格帯なのになぜラーメンなのでしょうか?これは人体の機能を考えると容易に理解できるのです。アルコールを飲むと、体内で分解しないとなりません。分解にはそれなりにエネルギーが必要ですから、すぐに使えるエネルギー源が欲しいのです。また、アルコールの利尿作用があります。利尿作用とは、体内の水分を尿にして排泄する働きのこと。つまりアルコールを飲んだ後は、トイレに行きたくなるのです。飲み会の途中から、何度もトイレに行ったことはありませんか? 飲み会からの帰り道、無性にトイレに行きたくなり足早で駅のトイレを目指したこともあるでしょう。さらに、飲酒で体内は熱くなり汗をかきます。お小水と汗がいつもより多量に出ますから、体内は水分が不足してくるわけです。水分だけではなく、ときには塩分も出てしまいますから、体内では不足しています。ただし、塩分に関しては、飲みながら食べたものによっては、十分に補給されているため、足りていることもありえます。飲み会が終わる頃には、体内では水分が不足しています。ですから、まずは水分を補給したくなります。状況によっては、塩分も不足し始めます。また、体内では盛んにアルコール分解が行われていて、分解のためのエネルギーが必要になっています。すぐに使えるエネルギー源というと、やはり消化吸収が早いもの。タンパク質や脂肪よりも炭水化物になります。ツルツルと勢いよく胃の中に入りやすく、のどごしがよくて食べやすく、適度な水分や塩分も一緒に摂取できる麺類は、飲んだ後に食べるものには適した条件がそろっているのです。ラーメンに限らず、居酒屋で飲んでいて「店を変えるのも面倒だし、このまま仕上げまで……」と思うと、最後にザルうどんや雑炊を注文することがあるでしょう。これらも食べやすく消化のよさからくるものと言えます。

 

体が欲しているものをあなたが欲しているだけ

ハンバーガーも好きな人は多いし、手軽だし、深夜でも営業しているお店は多いですから、飲み会後に「ハンバーガーでも食べて帰ろうか?」という意見が出てもよいはずです。挽き肉には脂身も一緒にミンチされていて、それがおいしさの源、「うまみ」にもなっています。しかし、脂身は脂肪ですから消化や吸収に時間がかかります。ですから、ハンバーガーはエネルギーがすぐに使えるわけではありません。さらにパンの乾いたモソモソした食感は、すでにお腹もほぼいっぱいの状態では食べにくいと思われます。ですからシメにハンバーガーでは、魅力を感じないのでしょう。ハンバーガーは飲み会の後よりも、脂肪も適度にあり腹持ちがよいので、ランチタイムに向いています。もしくは「今夜は残業になる」なんて日の夕方、素早く食べてその後も仕事を続けるような場面で好まれます。牛丼も同様に、牛肉の赤身部分のタンパク質、脂身部分の脂肪が多い食事です。しかもご飯の上に牛肉が乗っていますから、一口目はどうしても肉になります。肉をしっかり噛んで食べることは、すでに満腹中枢が刺激されている状態では、人体にとっては億劫な行為です。肉類などきちんと噛んで食べるものは、満足感も大きい食事になります。牛丼は、お腹がすごく空いている会社員のランチタイムにはぴったり。夜でも、帰宅途中に牛丼屋さんの香りにひかれてつい立ち寄ってしまうこともあるでしょう。人気のある食べ物も、それぞれ適したときがあるのです。その傾向によって、繁華街には飲み屋さんに並んでラーメン屋さんがあります。ラーメン屋さんは早朝から開いている店はほとんどなく、たいていはランチタイムの頃に開いて、深夜まで営業しているものです。深夜、つまり飲み会のシメでラーメンを食べるお客さんが、一番のお得意様なのでしょう。ちなみに、アルコール分解ではビタミンCなども破壊されてしまいます。そのため、ビタミンCの体内での在庫が減ってくるとビタミン入りのジュースや果物が欲しくなることもあります。飲み会帰りの駅のホームで電車を待つ間、のどが渇いてしまい、ほぼ無意識に「ビタミン入り飲料」を選んでいる人もいるのではないでしょうか。

 

空腹で飲むと悪酔いする理由

空腹で飲むと酔いが一気にまわり、ときに悪酔いすることがあります。その理由はいくつかあります。

胃は大きな袋のような形状の臓器で、内面積がとても大きいです。胃の中がカラだと、アルコールが胃の内面に触れている面積も大きくなります。空腹で飲酒すると、アルコールは早い速度で血液中に吸収されていきます。そのため、血液中のアルコール濃度は一気に上がります。一気に血液中のアルコール濃度が上がるので、体内ではスムーズに処理されず、血液中にはアルコールがかなり多い状態になり悪酔いしてしまいます。アルコールは分解されますが、その過程は2段階あります。最初に、アルコールが分解されてアセトアルデヒドと呼ばれる物質になります。これが血液中に多量にあると、吐き気や頭痛など不快な症状を現すことがあります。

このアセトアルデヒドも肝臓内のアセトアルデヒド脱水素酵素によりさらに分解されて酢酸になり、これは さんやがて水と二酸化炭素になります。そして尿や汗、呼気になり排泄されます。しかし、日本人にはアセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素が乏しい人がいます。分解する酵素が乏しいと、アセトアルデヒドはなかなか分解されずに体内に溜まり、吐き気や頭痛が続く二日酔いにもなりやすいのです。では、何かを食べながら飲酒するとどうなるでしょうか? 胃では、食べたものの消化を一生懸命に行います。胃の働きの優先順位では、消化が先、余力があれば吸収もするという状況です。つまり、胃では消化しにくい食物が入っていると、消化をするだけで精一杯。アルコールを吸収するゆとりはありません。つまり、食べながら飲んだアルコールは、あまり吸収はできません。そのためアルコールは消化された食物と一緒に胃の次に続いて存在している小腸に送られます。そして小腸で、アルコールはゆっくりと血液中に吸収されます。ゆっくり吸収されれば、血液とともに肝臓を通るときに順々にアルコール分解が進みます。そして、スムーズにアルコールは分解されて、やがて排泄されれば悪酔いをしないで済むのです。これが気持ちよい酔い方でとどまり、アルコールを心底から楽しめる状態です。急に血液中のアルコール濃度が上がると、酔いやすいだけではなく、肝臓にも負担が大きくなりがちです。胃でも、空腹でアルコールが入っていくことでときには炎症を引き起こしたりします。人によっては、腹痛や下痢、すい臓や胆 たん嚢でも炎症が起こりえるのです。

 

コース料理の前菜は理にかなっている

空腹で飲むのがよくないのなら、何を食べながら飲むのがよいのでしょうか?アルコールの吸収を遅らせるためだけなら、消化に時間がかかるものを飲酒のときに食べればよいことになります。消化に時間がかかる食べ物は、脂の多いもの、タンパク質などです。でも、脂っこいものを食べながら飲んで、気持ち悪くなることがありませんか? 揚げ物をたくさん食べてお酒を飲んだとき、脂がたっぷりのカルビ焼き肉をついつい食べすぎてさらにビールや酎ハイを飲みすぎて、翌日まで気持ち悪さが残り、後悔したことがあるのではないでしょうか。医学的にも大量のアルコールと脂の摂取が一緒に行われると、肥満や脂質異常症(高脂血症)の原因になるため、避けたい生活習慣です。そう考えていくと、飲酒のときに一緒に食べるものは、タンパク質が主体で脂質をあまり含まないものと言えます。

たとえば、白身の淡泊な魚、鶏肉、牛肉や豚肉なら赤身の部分、大豆製品などが挙げられます。コースメニューをみると、なかなか理にかなったものも多いのです。和食なら、最初に枝豆、冷や奴、白身魚や貝の刺身などは好まれます。洋食では前菜に魚介のマリネ、生牡 か蠣、スモークされたサーモンや鴨なきどはしばしば登場しています。中華料理では、蒸し鶏、ピータン、ゆでた海老などがオードブルの盛り合わせには定番となっています。これらは、どれもタンパク質が主体で、しかもそれほど脂質は多く含まれていません。このようなものを食べながら飲んでいると、胃では消化活動を熱心に行う羽目になり、アルコールの吸収はあまりできません。飲んだアルコールは、ゆっくりと小腸から吸収されますから、アルコールの分解作業をする肝臓もかなり負担が減るのです。

 

チャンポンで飲むと悪酔いしやすい

日本の飲み会の習慣として「まずはビール」ということがあります。シャンパンやビールなど泡の出るお酒は、胃の粘膜を刺激して血行をよくして、次に飲んだお酒の吸収を促進します。胃の粘膜の血管が拡張して多くの血液が流れていますから、それだけたくさんのアルコールが血液中に入ってしまうことになるのです。その結果、急に血液中のアルコール濃度は上がり、悪酔いしやすいのです。もし最初からずっとビールを飲んでいたのなら多量に飲まない限りはまだよいのですが最初にビールを飲み、その後にもっとアルコール濃度が高いお酒を飲むと、その強いお酒がいつもより早く吸収されるので、酔いも早く回り、ときには悪酔いしてしまうのです。ですから「まず、ビール」で始まり、いろいろな種類のお酒を飲む飲み会は「悪酔いしやすい」と言われているのです。同様に「シャンパンで乾杯」で始まるパーティーも酔いすぎないように気をつけないといけません。シャンパンやスパークリングワインも炭酸が胃の粘膜を刺激します。よい意味では、胃の刺激により、その後の食事やお酒がおいしく感じるので、食前酒にシャンパンが好まれています。つまり、泡のでるお酒を最初に飲むのは、理にかなっているけれど、その後は飲みすぎない注意が必要なのです。また、チャンポンで飲むと、お酒の種類が変わるたびに、気分も新たにおいしく飲めてしまうのが一般的です。これも、気をつけないといけないポイントです。

さらに、チャンポンで3種類以上のお酒を飲むと、合計ではどのくらいのアルコールを飲んだかわからなくなり、自分の飲める量を超えてしまいがちです。特に、瓶ビールなどでは途中で継ぎ足されたりしているうちに、合計でどのくらい飲んだか曖昧になります。ワインは、最初はスパークリングやシャンパン、次は白ワイン、続いて赤ワイン、別の赤ワイン、などと違う品を頼み、それぞれを2杯くらいずつ飲んでしまうと、かなりの量の飲酒量になります。あれこれ飲みそうなときは、最初からペースを抑えて飲んでおかないと、大変なことになります。カクテルを何種類も飲むのも、要注意です。カクテルには強いお酒が使われていることが多く、その量もお店によって異なります。「ビール大瓶1本」なら、どのお店で飲んでも量は一定ですから、目安にはなります。でも、カクテルはお酒の量も、グラスの大きさもお店によってまちまちです。甘みや酸味が加えられて飲みやすいため、ついついアルコールを摂りすぎますから要注意です。すでにビールなどを飲んだ後、「仕上げにバーでカクテルでも?」なんてときは、1杯だけにしておきましょう。ただし、実際はすでに酔っているので、つい気は大きくなり「大丈夫、大丈夫」と思ってしまいがちです。カクテルの素敵なネーミングや美しい色彩にひかれて2杯、3杯となると、その後が危険です。しかも、少し酔ってくると「ちょっと飲みすぎかな? まっ、今日はいいか!」と、さらに飲んでしまうこともあります。そうなると、悪酔いして気分が悪いだけではなく、余計なことをしゃべってしまったり、終電に乗り遅れたり、帰りの交通機関を間違えたり、知らない人と討論していたりと困ったことも起こりがちです。チャンポンで飲むと体内のアルコール分解は翌日になってもまだ終了できず、二日酔いになって苦しむこともあります。なるべくチャンポンで飲まないで、初めから好きなお酒の種類を1種類にして、継ぎ足しはせず、どのくらい飲んだか把握しながら飲酒したいものです。気持ちよく飲める量は個人差があります。飲むアルコールの種類によってもかなり異なるものです。自分の飲める量や、体に合うアルコールの種類を知っておくと、悪酔いしないで済むわけです。

 

焼き肉の後、果物やアイスクリームがおいしいわけ

焼き肉を食べると、体の中からも温まるし、火を囲んでいますから外側からも温まります。さらに、唐辛子が含まれるキムチ、テグタンスープなどカプサイシンが豊富なものを食べているので、体内では熱をどんどん作っています。その熱を放散するために汗をかいて、その汗が蒸発することによって、体を適度に冷やしてくれます。汗が蒸発するのを待てないほど熱いときには、無意識に冷たいビール、氷のたっぷり入った水やウーロン茶に手が伸びます。気の利いたお店で麦茶などを出してくれると、うれしくなりますよね。麦は東洋医学でも体を冷やす食材に分類されていますし、日本では、麦茶は夏の代表的な飲み物です。

体が熱くなる焼き肉にも、麦茶が合うのも納得ですね。さらに、冷蔵庫から出してきた果物、アイスクリームなどは、胃の中に入ると体の中から冷やしてくれます。温まってダラーリとしていた胃も口の中も、少し冷やすとシャキッとなり気分も爽快。「焼き肉を食べると元気になる」と、実感できるのです。杏仁豆腐やマンゴープリンは中華料理のデザートですが、韓国料理の焼き肉の後にもぴったりです。韓国料理には詳しくありませんが、きっと同じように冷たくて口の中をサッパリさせてくれるデザートがあることでしょう。焼き肉は、タンパク質に加え脂肪もかなり含まれています。もし、特上カルビでも注文したら、赤身の中に脂の層が細かな線のような状態できれいに入り込んで、肉は遠目には赤ではなく淡いピンク色に見えます。何ともおいしそうですが、そこにはタップリの脂肪が入り込んでいるのです。タンパク質も胃の中での消化には時間がかかります。脂肪も、長時間の消化が行われています。本当は、焼き肉を食べた後は盛んに消化して効率よくさまざまな栄養分を吸収したいところです。そこで、体内を消化酵素がもっとも働く至適温度にしておきたいはずです。消化酵素の至適温度は、個人差もあると思われますが人体の平熱に近い36・9度くらいです。ですから、体の中が熱くなりやすい状況では、すみやかに冷やして平熱にしようと体内は大慌てなのです。ですからアイスクリームや冷たい果物を食べたり、冷たい飲み物を飲んだりして、体の中からも冷やし、体温上昇を予防したいのです。焼き肉の後に冷たいものがことのほかおいしいのは、体の中からの欲望もあるから当然と言えます。

 

フレンチでパンを先に食べるのも一種のダイエット

フレンチでは前菜の頃には、すでにパンが出されています。お店によっては、メニューの注文が済むと、パンを持ってきてくれます。オーストラリアに行ったとき、現地の知人と人気のレストランに行きました。高級感漂うレストランでは、席に着くとまずパンが各自のパン皿に乗せられます。それを食べながら、ワインリストを見て飲み物を決めたりしています。料理の注文にパンを頼むと、前菜より先にパンが出てきます。

そして、パンはアッという間に食べてしまい、それから前菜を食べる人が多いのです。日本のレストランでも前菜より先にパンが運ばれることはあります。でも、前菜の前からポツポツと食べ始めたパンを、メインディッシュの最後まで食べていてもいい雰囲気です。メインディッシュの最後の一口は炭水化物にしたい私はパンをとっておいたのですが、前菜の終わるころにウエイターさんに「パンはもう終わり?」と聞かれてしまいました。そのたびに「まだ、パンは置いておいてください」と頼むと、不思議そうな顔をされるのです。前菜の前にパンを食べきってしまうのは、ちょっと違和感が残ります。でも、現地在住の知人女性は「先にパンを食べたほうが太らないためにも、健康のためにもいいのよ」と教えてくれました。そのときは、最初にパンを食べてしまうのを太らないためというのは納得がいきませんでした。しかし、その疑問も現地の人々の食事の様子を見ていると、一理あるなと腑に落ちたのです。まず、食べる量がとても多いのでビックリ。前菜として注文したクリームスープに、大きな鶏の胸肉が2切れも入っているのです。さらに牡蠣のグラタン状のものを1ダース、つまり12個も食べている人、シーフードのフライを前菜に選んでいる人なんてあちらこちらにいます。シーフードのクレープ包みなんて、大きいものが2個も出てきて、とても前菜とは思えません。それらの前菜を食べた後で、メインディッシュが出てきて、それらも完食です。メインディッシュでは、かなり高齢の婦人でも400グラムのビーフステーキを食べていたりします。魚でも舌平目のムニエルは長さが40センチもありそうだし、スズキのフライもホタテ貝のグラタンもビッグサイズです。付け合わせもフライドポテトかバターがタップリと思われる濃厚な味のマッシュポテト。明らかにパンよりもカロリーが高い料理です。それらをお腹いっぱいになるまで食べて、さらに料理の途中からパンも食べるのでカロリー過多になるのは、間違いありません。パンを食べながら、ワインリストを見てあれこれ話しながらワインを選んだり、その後は料理のメニューを見て同じテーブルの人とおしゃべりしながら料理を選ぶわけですから、かなり時間がかかります。人は、空腹で物を食べ始めると20~30分は経たないと満腹は感じません。ですから、先にパンを食べつつ「食事時間」を開始してしまいます。すると、その後にメインの料理を食べる頃には、すでに満腹中枢は刺激される状況に達しています。ですから、もしメインの料理の途中でお腹がいっぱいになれば、「お腹がいっぱいだから、もう食べきれない」とか、料理の後にデザートを注文する場合はデザートメニューを見ながら「フルーツシャーベットにするわ」とか「コーヒーだけ」と、必要以上に食べないで済むのです。お酒を飲む頃には本当の空腹ではなくなっているので、悪酔いもしにくいでしょう。よく考えれば、パンを先に食べるのもときにはダイエットになるのも理解ができました。脂ものが好きで飲み始めるとついつい濃厚な味のものを食べすぎてしまう人は、食事の最初に炭水化物を少し食べておくことも得策です。たとえば仕事から帰ってあわただしく夕食の支度をするとき、支度をする前にちょっとしたものを食べておくと、超空腹な状態からは逃れられます。そして、夕食を作りすぎない、食べすぎない、となりますから一家のダイエットにもなるでしょう。

 

デザートは別腹のワケ

デザートが楽しみな人は多いでしょう。料理だけでお腹いっぱいなのに、なぜかデザートは食べられてしまったりします。脳内には食欲をコントロールする物質はいろいろあると考えられますが、その一つに食欲を増進する「オレキシン」があります。オレキシンは、血糖値が低いとき、つまりお腹が空いているときにも分泌されますが、それだけではなく「おいしそう」とか「食べたほうがよい」と認識するときも分泌されます。そして、消化を促進することで、急遽、胃の中にスペースを作り、そこにデザートがはいるのです。この特別にできたスペースを「別腹」と呼んでいるのです。つまり「別腹」は、ホントなのです。デザートだけではなく、バイキングとか食べ放題などで、どんどん食べられてしまうのは、オレキシンが関わっています。太っている人は、食べることに対してこのオレキシンが分泌されやすいのかもしれません。または、食べ物に対しての記憶力がよくて、おいしいデザートを食べたときの快い感覚が鮮明に記憶されていて、それを簡単に思い起こせるとも考えられます。オレキシンは、日中の過剰な睡眠の症状を改善することでも注目されています。つまり、寝てはいけないとき、寝ていては労働できずに損すると思われるときにも分泌されるので「得するように働くホルモン」とも考えられます。もしかするとオレキシンの分泌される量はほとんど決まっていて、食べることの魅力でしばしばオレキシンを分泌してしまう人は、ほかのときにあまり分泌されないのかもしれません。そうなると、おいしい物に目がなくてついつい食べすぎてしまう人、満腹なのに好きな物は食べられてしまう人は太りやすい上に、昼間はオレキシンが分泌されにくく病的に日中の眠気があるため、眠りたがり屋さんなのかしらと思われてしまうかもしれません。オレキシンは、1998年に判明したホルモンなので、まだわからないことがいっぱいの不思議なホルモンです。将来的には、オレキシンの分泌を調節できる物質が開発されれば、食べすぎを防げることになるでしょう。

 

飲んだ翌日に欲しいもの3種類

飲みすぎてヘロヘロになったけど、仕事や学校があるから仕方なく起きた朝のことを思い出してください。まず、何をしますか?最初は、トイレに行くでしょう。次に、キッチンに行って欲する物を探します。これからの行動パターンは3つに分かれます。その1。まず、ひたすら水分が欲しい人。冷蔵庫を開けて、冷えた水や麦茶などを飲みます。それも待てない人は、水道水をそのままコップに注いで飲んだり、購入した水の容器から水を注いだりします。これはアルコールの利尿作用と汗で、体からは水分が過剰に出てしまい、脱水になっているからです。脱水が進むと、血液は濃縮されて細い血管を通りにくいし、血液は固まりやすくなります。脳の血管に血液の塊が詰まれば脳梗塞です。脱水になってくると、すぐに水分を補給しないと大変です。体もその危機を感じて、早く水を飲みたくなるのも当然です。その2。真っ先に冷蔵庫を開けて、果汁や野菜のジュースを見つけて取り出し、コップに注いで飲む人。このパターンの人は、体内でアルコール分解のためにビタミンが消費されてしまい、ビタミン不足になっている証拠です。ビタミンが豊富な果汁や野菜ジュースが恋しいのです。中には「普段はジュースなんて飲まないのに、二日酔い気味の朝は、子どものために買い置きをしているオレンジジュースがやけにおいしく感じる」とか「飲みすぎた朝は、出勤途中でコンビニに立ち寄って無意識に野菜ジュースを持ってレジの列に並んでいる」という意見に賛同する人がいるはずです。もしくは「飲んだ翌朝はビタミンが入った栄養ドリンクを飲むと、体にアッという間に吸収されて、元気になる実感がする」なんて人もいるでしょう。ビタミンだけなら、野菜や果物をそのまま食べてもよいのですが、飲んだ翌朝は水分も当然のごとく不足しています。ですからサラダや果物をそのまま食べたいというより、ビタミンとともに水分も摂れるジュースは望ましいのです。その3。梅干しと日本茶、味噌汁、梅昆布茶など塩分の多い和食物が欲しくなる人。飲みすぎた朝のためだけに、梅干しが常備されているという人の話も聞いたことがあります。このパターンは、塩分も水分も不足しています。飲んだときに、あまり食べない人などは塩分をそれほどは摂取しないで、アルコールを飲んでいます。ですから尿や汗で水分と塩分が出てしまうと、体内は水分も塩分も不足してしまいます。

そのため、両方を補給したくなるので、梅干し、味噌汁、梅昆布茶を欲するのです。これらの3つのパターンは、いつも決まっている人と、そのときによって異なる人がいます。体質もあるし、肝臓や腎臓の機能にもよるし、アルコールとともに食べた物によっても変わることがあります。いずれにしても、飲みすぎて体にいつもより負担がかかっていることは確かです。でも飲みすぎてしまったときのために、1~3のパターンで、いつも欲しくなるものは用意しておくと、翌朝の回復を早めます。飲みすぎは避けたいけれど、イザというときのために常備しておきたいですね。

 

寝酒と眠りの不思議な関係

適度な飲酒は心地よい睡眠を促してくれます。リラックスしてよく眠れるようになるのです。また、寒い季節は飲酒によって体温が少し上がります。眠りに就きやすいのは、体温が下がりつつあるときなので、そのタイミングで眠りに就くとグッスリと眠りやすいと言えます。飲酒でも入浴でも軽いエクササイズでもOKですが、少し体温を上げておくことと、体温が下がるときに眠りに就ける状況をつくることが重要です。では「寝酒は睡眠にもよい」と断言できるかというと、ちょっと問題もあります。寝酒でも晩酌でも、多すぎる飲酒は熟睡の敵なのです。人は寝ていても、肝臓ではアルコール分解を盛んに行っています。ですから、内臓は労働時間中でまだ寝る態勢になれないのです。もし、寝酒のリラックス効果に助けられて眠りに就けたとしても、やはり内臓はフル回転の労働中ですから、全身は休まることができません。すると、内臓は働きづめで朝を迎えることになります。起きたときに背中が重かったり、肩が凝っていたり、動いているときのような奇妙な疲労感さえあります。たとえ十分な睡眠時間をとっていたとしても「なんだか疲れがとれていないなぁ」と不満足な睡眠になってしまいます。また、飲酒によりアルコールの利尿作用のため、体内では尿がたくさん作られて、膀 ぼう胱はパンパン。トイレこうに行きたくなって、深夜に目覚めることもあります。トイレに行ってホッとしたら、今度は体内が脱水でのどが渇いています。トイレに行ったり、キッチンで水を飲んだりしているうちに、すっかり目が覚めてしまうこともあります。そして、まだ朝まで時間があるのに寝付けないで、「眠れない。しっかり寝ておかないと明日は昼間に眠くなったり、疲れたりしてしまう。大事な会議もあるし、残業で遅くなりそうだし……。どうしよう、どうしよう。眠れない、眠れない」と、悶 もん々とするのです。

眠りの悩みのある人は、まず夜の飲酒をやめてみるとよいでしょう。キッパリやめることができないなら、ごく少量のアルコールだけを飲みます。それも難しいと思う人は、高級なお酒を用意して、それを少しだけ飲みます。すると、翌朝の目覚めはいかがでしょうか? スッキリと気分よく目覚めて、すぐにテキパキと朝の身支度などが進むなら、やはり飲酒の影響で睡眠が妨げられていたことになります。もしくは、健康診断の前夜などで「夜9時までに食事と飲酒は終わらせてください」などという注意書きの用紙を渡されて、仕方なく晩酌がいつもより控えめになってしまうこともありますよね。そんな翌朝、目覚めはいかがでしょうか?試してみると自分の体や生活習慣でいろいろわかることもあります。

 

晩酌の恐怖

晩酌は1日の仕事から解放されて疲れをいやしてくれる、至福のときだという人も多いでしょう。飲食店で飲むことが好きな人もいるけれど、家でくつろいで飲めば帰宅の心配もないし「家で飲むのが一番!」という人もいます。夕食とともに飲むお酒は、何をどのくらい飲んでいますか? これは、計算すると怖くなる場合もあります。晩酌にビールを飲むとしましょう。ビール大瓶1本分のエネルギーは約250キロカロリーです。もし、ビールを大瓶2本飲めば、その倍になりますから、500キロカロリーです。成人が1日に安静にしていたときに消費するエネルギーは、性別、年齢、体格などによりかなり異なりますが、およそ1500キロカロリー程度。ということは、もし8時間寝る生活なら睡眠時間内に消費するのは1500キロカロリーの1/3、つまり500キロカロリー。ということは、就寝中に使われるエネルギーはビール大瓶2本分のエネルギーとほぼ同じです。ですから、晩酌で飲みながら食べた食事のエネルギーは使いきれずに体内で残ります。それが、脂肪になってしっかり体内に貯蔵されていくのです。こうやって計算すると、晩酌は肥満への道一直線です。また、別の計算でもやはり怖くなります。普通の夕食をして飲酒していなかった人が、晩酌が習慣になったとします。毎日ビール2本を飲んだとすると、約500キロカロリーです。これは前述の計算結果です。飲酒していなかったときにくらべて、ビール2本の晩酌で500キロカロリーを余分に摂取する計算になります。毎日500キロカロリーを余分に摂取し続けるとどうなるでしょうか? 1日500キロカロリーが30日間で、計15000キロカロリーです。

脂肪1キログラムに相当するのは7200キロカロリー。15000キロカロリーは脂肪約2キログラムに相当するのです。単純計算では、今までの食事にプラスしてビールを毎日大瓶で2本飲んでいたら、1カ月間に2キログラムほどの脂肪が体内に溜められることになります。「少しだけならいいでしょ?」と思う人も、こういう計算をしてみると考えが変わるかもしれません。もし、毎日ビール大瓶1本だけを飲むようになったら、それまでにくらべて毎日250キロカロリーずつ余分に摂取していることになります。それが1カ月間では約7500キロカロリー。脂肪1キログラムに相当するエネルギーです。ということは、ビール大瓶1本の晩酌が習慣になると、それまでの飲酒しない生活のときにくらべて1カ月後には脂肪が1キログラム増えていても当然ということになります。脂肪が1キログラム増えれば、体重ももちろん1キログラム増量になります。そして腹囲やウエストも平均では1センチほど大きくなります。1カ月間で1キログラム、2カ月間で2キログラム、3カ月間では3キログラムと増えても「計算通り」なのです。3キログラムくらい体重が増えると、体のあちらこちらに不都合が生じてきます。腰痛、肩こりや頭痛、膝の痛みなどは自覚しやすい悪影響です。ほかに、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、脂肪肝、高尿酸血症などが考えられます。もちろん体脂肪や体重が増えた直接の影響もあるし、または体重が増えるような生活習慣の変化が病気の原因を作ってしまうこともあります。やはり飲酒は、しないか控えめにしておかないと大変なことになります。計算で表現されると、説得力がありますよね。それでもあなたは、毎日の晩酌を続けますか?ちなみにワインは、グラス1杯で(グラスの大きさにもよりますが)およそ150キロカロリー。3杯飲めば500キロカロリー近くになりますから、ビールを大瓶2本飲んだときとほぼ同様の脂肪が待っています。日本酒1合は、およそ200キロカロリー。2合よりさらに多く飲んでいると、やはりビール大瓶2本と同じようなエネルギーの残存、脂肪の貯蔵へとつながります。アルコールの種類に関わらず、晩酌は脂肪の源。もし1カ月間に2キログラムの脂肪が溜まり続けたら、1年後には20キログラム以上も体重が増加しても、計算通りですから文句は言えません。

 

ゴルファーに痛風が多い?

激痛が急に現れるつらい病気の代表に、痛風があります。働き盛りの男性に多いのも、この病気の特徴です。痛みのないときにも、血液中の尿酸が多く、血液検査では尿酸値が高くなっています。その状態で、さらに体内が脱水になると、血液中の尿酸が結晶を作ります。まるで金平糖のように多数のトゲのような突起がある塊で、そのトゲトゲのものが関節の骨と骨の間にあれば、まさに病名の由来になった「風がふいても痛い」という状況になるのもよくわかります。最初は足の親指の関節などに起こり、とにかく激痛です。ゴルフの直後や翌日などにも症状が出がちです。なぜ、ゴルフの後が多いのでしょうか?まず、ゴルフ好きは普段からアルコール好き、おいしい物好きの人が多いため、高尿酸血症の人も多いと予測されます。その上、ゴルフのプレイにより汗をかくと、体内では脱水になり血液は濃縮されます。そして、血液中の尿酸も塊を作りやすくなります。それが、関節にできると痛風発作を起こします。また、ゴルフの途中で食事のときにアルコールを飲む人もいます。これは、スポーツの中でも珍しいことでしょう。マラソンの途中でビールは飲まないし、水泳の途中に日本酒を飲む人もほとんどいません。でも、ゴルフ場では朝から飲んでいる人さえ見かけます。血液中の尿酸は、体内で「プリン体」と呼ばれる物質から作られます。プリン体は、ビールをはじめアルコールを飲むと体内でできやすい物です。ほかには、魚卵、肉類、臓物などお酒にも合いそうな、ご馳走のイメージのある物に多く含まれます。それらを日頃からたくさん食べて、さらに飲酒していると、血液中の尿酸は多くなりやすいのです。アルコールの利尿作用で、ますます体内の水分は排泄されてしまいます。飲酒でプリン体が増える上に、利尿作用で脱水が進行することも問題です。痛風に向けてのダブルパンチです。汗をかくスポーツはいろいろあります。なかでもゴルフは4時間以上屋外にいるので、長時間に汗も多量にかきます。そして、プレイの後もお風呂に入ったり、家まで長時間のドライブをしたり、とかく汗をかいてしまいがちです。生活習慣病の予防に「食事と運動」は、決まり文句みたいなものです。でも、この高尿酸血症や痛風に関しては、運動はあまり効果がありません。ときには、足の指関節に負担がかかる運動は、痛風発作を引き起こしやすくなる要因の一つともなります。その証拠に、日頃から運動しているプロゴルファーやプロ野球選手でも、痛風は起きています。

運動後の足の疲れをとっておくことが予防に役立つかもしれません。「運動しているから病気にならない、大丈夫」と言う男性はしばしばいらっしゃいます。でも、痛風はその言葉に当てはまらないですから、気をつけてください。女性でも、アルコール好き、美食家の人には痛風の危険も高まりますから軽視できません。「どうやって気をつけるか?」と言われれば、やはり食事に注意です。野菜を中心にして、ご馳走よりも粗食にして、お酒を控えましょう。禁酒にできれば理想的です。汗をかく前に、十分な水分を補給しておくことも大切です。ゴルフの後、ビールを飲んで、その夜に激痛で七転八倒とならないようにしたいですね。

 

ラーメンをダイエット食に変える方法

3つの「あ」に要注意

肥満、いろいろな生活習慣病、そのどちらも対策はとても似ています。キーワードは、3つの「あ」の摂りすぎに注意ということ。3つの「あ」とは、「アルコール、甘いもの、脂もの」です。脂ものは、特に常温で固形になっているもの、わかりやすく表現するとお皿に乗せておくと塊になっているものです。たとえばバター、肉の脂身、ラードなどです。あぶらには、大きく分けて動物性食品に含まれる「脂」と、植物性の「油」があります。

オリーブオイルなど「油」の中には、動脈硬化の予防にもかかわるよいあぶらもあります。ですから、一概にあぶらはよくないと言えないのです。まずは「脂」の摂りすぎを控えましょう。そして、もちろん「油」もあまりにも摂りすぎれば、摂取エネルギーは多くなりすぎ、もし体内で消費できなければ、残ったエネルギーはやがて体内の脂肪となります。「油」も、摂りすぎてはよくありません。まず、この「3つの『あ』」がダブらない食事を心がけることから始めてみましょう。

たとえば脂の多い豚肉を油で揚げてさらに甘みをつけて調理したかつ丼や酢豚を食べながらお酒を飲む、なんてこともあるでしょう。または、脂の多いカルビの焼き肉を食べながらアルコールを飲み、食後にアイスクリームも食べたりすること、ありませんか? 無意識だと、こんな食事になっていることもありえます。家族が揃ってハンバーグを食べて、大人は気分よくお酒も進み、食後はみんなで駅前のケーキ屋さんで買ってきたおいしいケーキを食べながら1日の出来事をあれこれ話して楽しくすごすこともあるでしょう。とても健康的な家庭の光景ですが、アルコール、甘いものはしっかり摂取しています。家庭料理の代表のようなハンバーグは挽き肉で作りますが、市販の挽き肉にはかなりの量の脂身が入っています。

この脂身が独特の「うまみ」にもなり、おいしさの元ではあります。しかし、脂の摂りすぎにもなりますから、要注意です。赤身の肉を家でミンチしたり、市販の挽き肉なら赤身のものを選んだり、料理によっては鶏のささみの挽き肉を使うようにしたり、ハンバーグならタマネギなど野菜を多く入れて挽き肉を少なくするのもよいでしょう。挽き肉は「脂もある」と意識して料理し、意識して食べることを忘れずに。「3つの『あ』」のすべてを避けたり控えるのでは、ちょっと寂しいと感じます。ですから、アルコール・甘いもの・脂もののうち、1日一つとなるように心がけるだけでも、好きなだけ飲食しているよりは、かなり健康的な食生活に近づきます。

アルコールを飲むときは、食べるものはあぶらの少ない豆腐や野菜、淡泊な魚介などの素材を使い、調理法も蒸したりゆでたり薄味で煮たものにします。そしてデザートはパスしましょう。

甘いものが食べたいときももちろんあるでしょう。そんな日は、アルコールは乾杯の1杯だけにするとか、主菜は鯛の刺身とかしゃぶしゃぶなどあっさり系にすればよいのです。ただし、塩分を摂りすぎないために、刺身の醤油は小さな皿に、少しだけ注ぎましょう。しゃぶしゃぶのたれも、ポン酢は酢を多めにしたり、大根おろしを多く入れたりするとおいしさを損なわず薄味にできます。

胡麻だれも、胡麻の風味を活用して塩分は少なくしたり、やはり大根おろしをたっぷり加えたりします。どうしても脂っこいものを食べたいときは、アルコールはいつもの1/2以下にしましょう。飲まないで済むなら、アルコールはパスするべきです。そして、デザートは食べないことが原則です。

食後に甘みの入ったコーヒーなどはやめて、無糖のブラックコーヒーか日本茶にしましょう。あまりにもストイックなダイエットでは長続きしません。厳しい食事制限で一度は減量できても、その体をなかなか維持できません。それよりも無理なく実行できる食事の工夫を知って、それを毎日の生活の中で継続するほうが現実的です。まずは「3つの『あ』」がダブらないようにすることから、始めませんか?

 

ラーメンの上手な食べ方・時間

ラーメンというと、健康によくない食べ物のイメージがあります。でも、食べ方や食べる時間によっては、健康的な食事にもできます。外食でラーメンを食べるとき、まずメニューをよく見てください。

「○○ラーメン」とか「○○麺」という○○の部分に注目します。「○○ラーメン」のバージョンやトッピング部門では、もやし、メンマ、ネギ、バター、コーン、わかめ、青菜などが一般的でしょうか。煮卵もよく見かけます。高級店では、フカヒレラーメンもあります。

「○○麺」では、五目麺、天津麺、広東麺、麻婆麺、ワンタン麺、担々麺、野菜たっぷりのタンメンなどがあります。メニューを見ながら、各々の特徴を推測します。もやしなら普通はゆでたもやしが山盛りで乗せられてきます。わかめや青菜もサッと湯通ししたような鮮やかな色彩のものが乗ってきます。素材以外は、ほとんど油も糖分も使わず、塩分も湯に少し加えている程度で、味として残るほどは使っていません。

ですから、食物繊維を摂れるメリットは加わり、健康に不都合なデメリットはほとんどありません。ですから、もやし、わかめ、青菜のいずれかは、追加したほうが健康的なラーメン食になります。コーンも、缶詰のトウモロコシを入れることになります。普通は、油も使わず、味もつけませんから、トウモロコシの食物繊維もあるし、まあまあ健康的なトッピングです。

ただし、トウモロコシは炭水化物も含んでいます。その分、エネルギーも多くなるし、食後に血糖値も上がりやすくなります。缶詰のトウモロコシは、ラーメンのトッピングの分量程度の50グラムで約50キロカロリーです。メリットとデメリットを考えると、コーンは糖尿病を指摘されていたり、肥満を気にする人は、あえて追加しないでもよいものです。メンマは、しょうゆとみりんなどで味付けされていますから、塩分も糖分も追加されます。ラーメンのトッピングのメンマではおよそカップ1/2弱の量でしょうから、100キロカロリーを少し超えるくらいのエネルギーがあります。

ネギラーメンは2種類あって、単に刻んだネギが大量に乗せられることもあります。また、刻んだネギをラー油や胡麻油であえてから麺に乗せられることもあります。こうなると、その油の分のエネルギーも追加されることになります。バターが入るとラーメンにコクがでますが、バターの分のエネルギーは高くなります。厚さ1センチ、2センチ角くらいの大きさだと4グラムくらいになります。それだけで30キロカロリー増加です。

増えたエネルギーを麺とともに食べたり、スープを飲むときにバターも一緒に飲んでいたりで、摂取エネルギーもそれだけアップしてしまいます。蛇足ですが、納得がいかないのはトッピングのバターの値段です。バター1片で50~100円も高くなります。なんで、こんなに割高なのかというと、やはりバターが入ると一気に味と香りは複雑な濃厚さを増して、満足感も増えるからでしょう。そうなると「バターは必須」ということになり、ちょっと高くてもついバターを頼みたくなるのです。それにくらべて、50~100円の煮卵は割高感があまりありません。スーパーマーケットで普通に生卵を買っても1個20円くらいです。それをまずゆで卵にして殻をむきます。ゆでるときに殻が割れてしまうものもあり、殻をむくときに白身もむけてしまう失敗もあります。

そのリスクも煮卵の値段には入っているはずです。ゆで卵をさらに調味料を使い、手間と光熱費をかけて煮ると、ようやく煮卵が出来上がりです。これだけ諸経費がかかるのですから、原材料費よりかなり高くなっても納得です。天津麺もおいしいですが、ダイエットとしてはちょっと損をすることになります。体は卵を欲しているのに、糖分や油など余分なものも摂ることになってしまいます。その分エネルギーは多くなりますから、それが体の脂肪になっていくのでは損ですよね。そう考えると、ラーメンに卵をトッピングするのは、栄養の摂り方としてよいこととも言えます。五目麺は、いろいろな野菜、肉、海老なども乗っていて、多くの品目を食べることができます。白菜や長ネギなど淡色野菜、にんじんやほうれん草など緑黄色野菜、きくらげ、しいたけ、豚肉、海老、かまぼこ、うずらの卵などいろいろな品を食べられますから、ダイエット中でもバランスよく摂取しやすい一品です。強いて言えば、とろみをつけたり、しょうゆ味で具にしっかり味をつけているので、塩分は摂りすぎになりがちですから、スープは飲まないように心がけたいです。タンメンも同じように麺の上に野菜がたっぷりと乗っています。五目麺にくらべると、タンパク質が少ないのでしょうか? ラーメンの世界に詳しくないのでよくわかりませんが、タンメンも野菜は各種多量に乗せられています。

五目麺もタンメンもダイエットに適しています。理由は、その栄養だけではありません。野菜を中心にした具は、必ず麺の上に乗っています。ですから、具をある程度は食べないと麺まで行き着きません。これも、ダイエットの味方になります。

 

太る人の食べ方には特徴がある

太っている人の食事風景を見ると、ほとんどの人が炭水化物から食べ始めます。まず、ご飯を一口食べたり、パンを一気に食べたりします。または、脂っこいものから食べる人もいます。肉料理から箸をつけるのは食習慣としては、よくありません。「野菜から食べる」ことは、すでに医療現場での栄養指導でも重視しています。とてもわかりやすいアドバイスでもあるし、医学的な理由もいくつかあります。まず、野菜には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、一緒に食べた炭水化物や脂質の一部を吸着して、そのまま腸へ進み排泄してくれます。ですから、同じ量の炭水化物や脂質を食べたとしても、血液中に吸収される炭水化物や脂質を減らせます。

それは、肥満、脂質異常症(高脂血症)などの対策としては、効果的です。もし、同じ量の野菜を食べたとしても、後から食べたのではメリットが少なくなります。先に食べた炭水化物は胃での消化時間も短いし、野菜より先に小腸に進んで早くも血液中に吸収されてしまいます。これでは、野菜を一緒に食べるメリットは半減です。野菜の食物繊維があり、炭水化物や脂質が吸着されているなら、一時的な吸着でもメリットはあります。吸着している炭水化物や脂質も食物繊維からやがては離されて、血液中に吸収される分もあります。

もし、そのように血液中に吸収される場合も、吸収が徐々に行われて、血糖値は急激には上がらず、少しずつ上昇します。これは、体内でいろいろなメリットがあります。血液中の糖分が一気に上昇すると、血液中で多量の糖分、つまりブドウ糖が余ります。これが、ときには筋肉や(筋肉の端にある)腱など体内のタンパク質に付着して「糖化」と呼ばれる現象が起こります。この「糖化」は、まだ不明な点もありますが、現在の認識では、糖化した筋肉や腱は硬くなり、老化現象の大きな原因になっていると言われています。

筋肉のほかにも、肌、脳、血管、目の水晶体など体内のさまざまなタンパク質に糖化が起こり、体内の機能は衰え、外見的にも変化があり老けて見えるようになるのです。ですから、過剰な糖化はなるべく避けたい現象です。

糖化を避けるために、大切なことは、血液中でブドウ糖を過剰に余らせないことです。日頃からの大食、大量飲酒、甘いものや炭水化物の摂りすぎは、控えたいものです。急に血液中にブドウ糖が増えるような食習慣もやめましょう。

 

ブドウ糖を過剰に作らせないための食習慣

急にブドウ糖が過剰に増えるような食習慣の一つに、野菜不足があります。野菜はたっぷり食べて、また食事の中でも最初のうちに食べることが大切です。炭水化物や脂質の吸収を徐々に行わせるので、吸収されたものが肝臓でブドウ糖に変換されるのも、ゆっくりと行われ、血糖の増加、血糖値の上昇も少しずつになります。エネルギーとして徐々に使う状態になりますから、血液中で多量にブドウ糖が余ることはなく、糖化も起こしにくくなります。ということは、いつまでも若々しく美しく元気にすごしたいなら、野菜から食べることは得策なのです。血糖値が一気に上がっても、本来は体に血糖をコントロールする機能が備わっていて、過剰に高血糖にならないシステムになっています。食事の1~2時間後に食べたものが消化吸収されて、肝臓で血液中でもすぐに使えるエネルギーであるブドウ糖へ変換されると、血液中のブドウ糖は急に増えます。ブドウ糖が増えすぎた血液はドロドロになり、細い血管の中は流れにくく、血管の壁に傷をつけるなど困ったことが起こります。そこで、血液中のブドウ糖が増えすぎたとき、すい臓からインスリンと呼ばれる物質が分泌されます。このインスリンは、すい臓から血液中に放出されて、筋肉や脂肪組織にブドウ糖を引き取ってもらう仲介役をしています。インスリンの助けがあれば、血液中で余ってしまいそうなブドウ糖も、筋肉細胞や脂肪細胞に引き取られて、血液中のブドウ糖は無事に正常な濃度に戻ります。これで一件落着なのです。

しかし、大食い、大量飲酒、甘いものをたっぷり食べるような食習慣を続けていると、問題が生じます。インスリンは、すい臓から分泌されますが、大食い、大量飲酒、甘いものをたくさん食べる生活を続けていると、飲食のたびに血液中のブドウ糖はかなり増えます。それらを筋肉や脂肪に引き取ってもらうために、すごく大量のインスリンを使います。これを長年続けていると、インスリンを作って分泌するすい臓は、とても大変です。過重労働を続けることになります。そのため、40歳ごろからすい臓は疲れ果ててしまい、もう十分な量のインスリンは作れず分泌できなくなります。そうなると飲食の後に血液中のブドウ糖が増えてしまっても、インスリンが不足しているため血液中の余分なブドウ糖は、スムーズに筋肉や脂肪に移動できません。いつまでも血液中に多すぎるブドウ糖が存在し、検査では、血糖値が高い状況が続いていることになります。これが、糖尿病となるのです。

糖尿病は、最初は自覚症状がありませんが、徐々に目が見えなくなったり、傷が治りにくく腕や脚の切断に至ったり、手足の感覚が鈍くなって歩けなくなったり、さまざまな症状や障害が出現する病気です。すい臓でインスリンがきちんと分泌できるうちから、一気に血糖値が上がること、つまり血液中にブドウ糖が増えることは、できるだけ避けておきたいものです。そのためにも、野菜から食べて、血糖値の上昇は少しずつ穏やかにさせたいというわけです。そのほかにも、野菜から食べるメリットはあります。野菜は一般に低エネルギーの食品です。エネルギーが少なく、分量があるので満腹感を得やすく、ダイエットの味方です。

ほとんどの野菜は、食物繊維も豊富であり、食べるときには必然的にしっかり噛むことになります。これも、満腹中枢を刺激して、食べすぎの予防につながります。ですから、炭水化物や脂質を食べた後で野菜を食べて満腹感を得てももう遅いのです。やはり野菜から食べるべきなのです。また、野菜を後から食べることにしていると、途中でお腹がいっぱいになると、野菜を食べずに残すことになりかねません。

特に、野菜が嫌いな人、あまり好きではない人にとっては、最後に食べるべき野菜は、欲求が満たされていたなら、あえて食べようとはせず、残す傾向があります。野菜には、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。ですから不足しないように摂取したい食品です。人体に必要なビタミンやミネラルが野菜から摂取できていると、間接的にですが、食べすぎを防げます。もしビタミンCが体内で不足しているとしましょう。

すると体は、ビタミンCを欲します。無意識にビタミンCを含んでいる食品を食べたくなります。たとえばいちごを見ると食べたくなったりします。いちごをそのまま食べるのならまだよいのですが、コンデンスミルクや砂糖など甘みをたっぷりかける人は、いちごに含まれる糖分に加えた甘みも摂ることになります。本来は体内で不足していない糖分を余分に摂取することになるのです。これは、ダイエットの大敵です。

果物は、ビタミンも糖分も不足しているとき、たとえばこれからエネルギーを使う朝食には向いています。でも、夜になってビタミンが欲しい体が無意識に摂るには、余分な糖分かもしれません。さらに、その果物にたっぷりと砂糖、蜂蜜、コンデンスミルクをかけたりすれば、糖分は明らかにオーバーです。血液中で余った糖分は、筋肉や血管にくっついてそれらの組織を傷めることになるでしょう。

 

ラーメンを食べるときはレンゲを使わない

このように考えると、野菜を先にたくさん食べておくことはいろいろなメリットがあるのです。定食ものなら心がけて先に野菜を食べましょう。つい、無意識に近くからとか、好きなものから箸をつける人は、タンメンやもやしそば、青菜ラーメンなどを選ぶとよいでしょう。最初にその野菜を食べないと、麺には行き着かないからです。自然に野菜を食べる運命になりますから、ダイエットの味方とも言えるのです。

ですから、ラーメンを食べるときは、野菜の多いものを選ぶか、または野菜をトッピングしましょう。バターの香りは恋しくても、バターのトッピングは我慢します。チャーシューも脂身が多いので1枚乗っているものを食べる程度で抑えて、追加のトッピングやチャーシュー麺をあえて選ぶことはやめておきましょう。卵に関しては、脂質異常症(高脂血症)の人は追加オーダーは避けましょう。ほかの人で、もしその日に卵を食べないようであればトッピングしてもよいです。ラーメンで注意すべきなのは、塩分の摂りすぎです。スープはおいしいですが、飲み干してしまうと、1日に摂る塩分量をラーメン1杯ですでに摂ってしまうこともあります。

それでは、ほかの食事で摂る塩分は、過剰に摂取することになり、習慣になると血圧を上げるなど問題になりかねません。また、塩分を摂りすぎると、まるでそれを相殺するように甘いものが食べたくなったり、飲みたくなったりしがちです。そうなると、そのエネルギーは余分に摂取してしまいますから、やはりよくありません。高血圧でなくても塩分は摂りすぎないように注意しましょう。ラーメンを食べるときに最初から「レンゲは使わない」と決めてしまうことも一案です。とにかくスープは飲まないことを習慣にしましょう。

 

ラーメンはいつ食べるといいのか?

ラーメンの食べ方のポイントはわかっていただけたと思いますが、では、いつならラーメンを食べてよいのでしょうか?寒いとき、熱いラーメンはとても魅力的です。熱々のラーメンを食べてからしばらくは、胃の中も温まっています。しばらくは体の中からホカホカになりますから、これから寒い中を歩くとき、寒いホームで電車を待つときなどは、ラーメンを食べておくと温かさがしばらく持続します。ビルの受付業務、冷蔵食品を扱う職場など寒い職場で長時間をすごす人も、お昼ご飯にラーメンはおすすめです。夏でもクーラーで冷えきっている職場、ありますね。

また自分のデスクがクーラーの吹き出し口近くで、冷風が直撃して寒いと感じる人も、ランチにラーメンを食べておくとよいでしょう。「今夜は残業で遅くなる」なんて夜もラーメンは適しています。まず、忙しいのですからゆっくりコース料理を食べられるはずもありません。手軽なものになるのはやむをえません。手軽なもので、野菜が豊富で極端に脂が多くないものは、なかなか難しいのです。

ですから野菜が多いラーメンを選べば現実的でもあります。美容目的のダイエットでも、糖尿病など病気の治療や予防としての食事療法でも「単品はやめて、定食ものを」と言われることは多いです。一般には、その原則も当てはまっていますが、野菜たっぷりのラーメンなら「ふーふー」言いながら、最初だけでもゆっくり食べることになります。これも、人によっては食べすぎ防止に効果的です。ラーメンもときを選び、メニューを選び、食べ方を考えれば、健康的な食事にできるのです。

 

サプリメントにも落とし穴がある

サプリメントなどはヘルシーで、優れもので、頼りたくなります。サプリメントに関しては、医学や栄養学の専門家でもいろいろな意見があります。「必要な栄養素を効率よく摂取できるから活用すべき」とか「やはり栄養は本来の食事から摂取すべき。おいしいと感じて食べると吸収率もよくなる」「体内で不足しているか不足していないのかどうかもわからず摂っても無駄になりかねない。過剰に摂ってしまう弊害も心配」などです。コエンザイムQ10が大人気になった頃、私は「確かに加齢にともない体内では減ってくるものだけれど、果たしてサプリメントで摂ったコエンザイムQ10のうちどれだけが、きちんと吸収されて、細胞内に入り、さらに細胞の内部に存在する核まで行き着くのだろうか? 体には60兆個もある細胞が存在すると言われているのに、すべての細胞に均等に行き渡るのは無理ではないか?」と考えて、私はコエンザイムQ10を購入しませんでした。もちろん、軽度の鉄欠乏性貧血の女性が鉄をサプリで摂ったり、牛乳も魚も嫌いな人がカルシウムをサプリで摂るのは、よい手段かと思います。

しかし、カルシウムも摂取量が極端に多すぎると、尿から排泄されるときにカルシウムの粒や塊を作り、それが尿路結石にもなりえます。ですから、サプリを飲むときにも、1日の量は守りそれを超えないことは必須です。サプリメント販売者の中には「これは、健康食品。食品ですから副作用もないし、安心です」とおっしゃる人がいます。でも、その言葉には危険がありそうです。卵、牛乳、海老や蟹などの甲殻類などは代表的ですが、果物や蕎麦など健康的なイメージの食品にアレルギーのある人も多くいます。ですからサプリメントも同様。「健康食品、食品だから大丈夫」という台詞を聞いた時点で、「この人、この会社は人々の健康のことを理解していないか、もしくは十分に考えてはいないかも?」と思うほうが賢明です。

もし花粉症など何かのアレルギーがあるなら、「サプリでもアレルギーはありうる」と考えて、摂る場合には自分の体に異常や不調が出ないかをよく観察しましょう。異常がなければ、その後で効果があるかはゆっくりとみていくべきでしょう。そして、体調がよくなるなど飲んだメリットがあれば、続けていくのもよいと言えます。私の観察では、サプリを内服している一般人のほとんどは、不健康な生活をしています。喫煙、不規則な生活、夜更かし、暴飲暴食、運動不足、ストレス……。その不健康な生活の悪い部分を帳消しにするために、サプリにすがっている人がサプリ業界を支えているのではないでしょうか? サプリを摂るにしても、まずは生活を見直して、できる限り健康的な生活を基本にして、その上で本当に必要なサプリを選ぶようにしたいものです。

 

スポーツドリンクは飲み方を間違えると危険な飲み物に

サプリと同じようにスポーツドリンク神話のような現象があります。会社員が、出勤時にコンビニで購入したスポーツドリンクをデスクにボンと置いて、デスクワークがスタートします。仕事の合間にスポーツドリンクを飲むのですが、日によっては1本ではなく、2~3本飲んでいる人もいます。スポーツドリンクは、製品により成分は多少異なると思いますが、目的はほぼ同じで「スポーツのときに飲むように」と作られた製品です。

たっぷりと汗をかいてスポーツするとき、またはスポーツではなくても体を動かして汗をかいて労働するときなどには、適した飲み物でしょう。素早く体に吸収されて、必要なエネルギーや汗で失われる塩分などのミネラルを効率的に補給してくれます。しかし、含まれる糖分や塩分は、デスクワークで座ったままの作業の人には消費しきれません。余った糖分は血液中のブドウ糖を増やし、そのブドウ糖もやがては体内で筋肉を糖化したり、さらに脂肪に変換されて蓄積します。体内で増えた塩分は、体内の塩分濃度を一定にするためにいつもより多くの水分も引き込みます。

腎臓機能がやや低下し始める中年以降では、余分な水分を排泄する働きも鈍くなるので、体内の塩分が多くなると水分も多く保持してしまいます。特に血液中の水分量は増え、血液はやや薄くなりますが量は増えます。増量された血液が、いつもの血管に通るのですから、血管は広げられます。すると、血管の壁は広げられて圧力は高くなり、血圧は上昇します。元々が高血圧の人にとっては、より一層注意したいことです。ですから、デスクワークで汗もかかない職場や環境にいる中高年の人で、運動もしないし、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)のある人にとっては、スポーツドリンクの糖分、塩分は病気の悪化につながりかねません。スポーツドリンクはスポーツや体を動かして汗をかくときには活用できる飲料ですが、万能の健康飲料ではないのです。

 

たった10キロカロリーの違いが明日のデブを作る

お金やものの値段でも10円の違いにこだわる人と、1000円くらいの差でもあまり気にしない人がいます。最近は、缶やペットボトルや紙パックに入った飲み物にもエネルギー(熱量、カロリー)が記載されています。コンビニで売られている食品の大半にも、ファミリーレストランのメニューにも記載されています。「○○キロカロリー」と書かれた数字を見て、とても敏感に数字が小さいほうの商品やメニューを選ぶ人もいます。その反対に、まったく見ない人、もしくは見ても「たった10キロカロリーの違いならほとんど同じ」と思う人もいます。この「小さな差」に鈍感な人こそ、「いつの間にか太って、しかも生活習慣病になっていた」というパターンになりがちです。

たとえば毎日、仕事中に飲むコーヒーを普通のミルク&砂糖入りのものにしたAさんと、「ブラックは飲めないから、せめて微糖にしよう」と気を付けたBさん、「飲み物はゼロカロリーが基本」と無糖を選んだCさんがいたとします。メーカーや商品によって異なりますが、ミルク&砂糖入りは約80キロカロリー、微糖は約40キロカロリー、無糖はゼロカロリーです。これを1年で職場に出勤する250日飲んだとすると大きな差が出てくるのは歴然としていますよね。AさんはCさんより、80キロカロリー×250日ですから20000キロカロリーも余分に摂取します。これは、脂肪1キログラムが7200キロカロリーに匹敵するので、20000を7200で割ると、およそ2・8となります。つまり、脂肪2・8キログラムに相当するエネルギーを余分に摂っているのです。Bさんだって、その半分1・4キログラムの脂肪に相当するエネルギーを摂取していることになります。何気なく缶コーヒーを毎日1本飲む習慣になって、甘みやクリームが入っていると、1年後には2・8キログラムの体重増加、体脂肪の蓄積がおきていても不思議ではなく、むしろ計算通りなのです。反対に、今まで飲んでいた微糖のコーヒーをブラックに変えると、変えなかった場合の1年後の体重とくらべて1・4キログラム、2年で2・8キログラム、つまり3キログラム近い脂肪を減らすことも可能です。これも計算通りと言えます。小さなカロリーの差に敏感になれば、1日で摂取エネルギーを200~300キロカロリーも無理なく減らせるのです。

こんな小さな「倹約」を続けていきましょう。まずカロリー表示を見るクセをつけます。商品やメニューを手にしたとき、すかさずカロリーや成分を記載した表を探しましょう。このように、まずは数字に敏感になり、「迷ったら1キロカロリーでも少ないほうを選ぶ」という習慣を身につけることが、ダイエットにつながります。

 

お好み焼き、餃子はヘルシー食

B級グルメは、手軽だし、外食でも安いし、家でも作れることから食べやすいものです。ただし「手軽なものは健康的でない」と思われがちです。手軽なものの代表に餃子があります。関西ではさらに、お好み焼きもとても身近なB級グルメでしょう。餃子は自分で作るのも簡単だし、野菜を増やすこともできます。挽き肉は、少なくてもそれなりにおいしくできます。焼き餃子でも使う油を減らし、または水餃子にすれば、調理で油を使わないで済みますから、おすすめなのです。家庭によっては焼き餃子を大皿に盛り、どんどん食べていく家族もいます。

この大皿盛りは、ついつい食べすぎてしまいます。ましてや、途中でアルコールでも飲みながら家族で楽しくおしゃべりして食べていくと、本来食べたい量よりも食べてしまいます。ですから、餃子の場合は、一人ずつの皿に食べたい量だけを取るようにしましょう。普通の一人前は5~6個です。でも大皿から食べると平気で10個、20個と食べているかもしれません。ゆでて食べる水餃子のゆで汁は、そば湯と同様に飲むこともできます。大根、にんじん、長ネギ、白菜など野菜をたっぷり入れて餃子と一緒にゆでて、餃子を食べた後で、塩コショウまたはだし入りしょうゆで味を調え、野菜スープとしていただくのも体の中から温まりおいしいです。調理の手間はかからずにスープも作れるし、しかも、新たに油なども使わないので低カロリー食品です。お好み焼きも自分で作るとよくわかりますが、大量の野菜を入れます。キャベツ、もやし、長ネギなどいろいろ。そして、肉類はあまり入っていなくてもおいしく仕上がります。しかし、ソースを大量に使うとそのカロリーもかなり多くなります。大さじ1杯で約20キロカロリーですから、たっぷりと大さじ2杯もお好み焼きの上からかけてしまうと、ダイエットにはなりません。ソースは、お好み焼きの上からかけるより、小皿に入れてそこに箸で一口大に切ったお好み焼きをちょこっとつけて食べましょう。そうすると使うソースの量は1/3程度に減らせます。最近はお好み焼きにソースとともにマヨネーズもかける人がいるでしょう。でも、マヨネーズは大さじ1杯でなんと約100キロカロリー! ご飯を茶碗に半膳くらいのカロリーなのです。

お好み焼きとソースにプラスしてのマヨネーズ、これはダイエットの大敵、生活習慣病の人には禁止事項と言えます。お好み焼きだけでなく、とんかつなどもソースは上からかけずに、小皿に入れてつけて食べると使用量を減らせるので、減量、減塩どちらの目的でも覚えておきたい「食べ方のコツ」の一つです。調味料を無駄にしないのですから、家計費の倹約にもなりますね。満足感がありおいしくて手軽にでき、大人も子どももみんなが大好きな餃子やお好み焼き。ちょっと材料や調理法、調味料を工夫すればヘルシーな食べ物になります。その「ちょっとの工夫」を忘れないで意識することが大切です。

 

私が震災時、外出先のコンビニで購入したもの

東日本大震災の日、私は大規模なイベントの一環として行われた健康関連のセミナー講師の仕事で千葉県の海浜幕張にいました。揺れ始めは講師控え室に一人でいましたから、誰の騒ぎ声も聞こえず、そんなに大きな地震とは思いませんでした。地震の揺れが大きくなってくると、湯飲み茶碗やお湯が入っているポットが載せられたワゴンが前後に1メートルくらい動きだし、それを見て「かなり大きな地震だわねぇ」と、それでものんきに考えていました。でも、やがて講演の担当者が「セミナーは中止になりました。もうお帰りになって結構です」と連絡に来たとき、2度目の揺れがありました。それでもまだ「中止なんて、ちょっと大げさかもしれないけど、まぁ、そう決まったのならそれでいいわ。帰りの電車は遅れるでしょうから、近くにあるアウトレットで買い物でもして時間をつぶそうかしら?」と、歴史に残る大地震とは知らずに、約1時間かかる帰路の交通のことばかり心配していました。ところが建物から外に出てみると、周囲のビルから飛び出した大勢の人々は、近くの公園に誘導されて小走りに移動していました。青ざめて心配そうな人と、なんだかみんなでテンション高く笑いながら歩いている人、頭にヘルメットをかぶっている人、緊急持ち出し用の布製の巾着袋を手にしている人々など、さまざまでした。

海浜幕張は埋立地のため液状化が起こり、あちらこちらで地割れや水道管が破裂し、道路に水が噴き出してきてぐちゃぐちゃ、部分的に大雨の後のようになって、とても通れるものではありません。人生で初めて地割れというものを見て、ようやくかなり大きな地震であったことを実感できました。最初は公園に避難していましたが、徐々に日は暮れて寒くなりました。そこで、私は近くのホテルに飛び込みましたが、その地区で大きなイベントが行われていたためもちろん部屋はありません。でも、ホテルの廊下で一晩をすごせました。ホテルに飛び込む前にコンビニに寄り、いくつかの商品を購入していました。コンビニには人の列はできていましたが、10分間くらいレジに並んで必要だと思うものを買うことができました。

コンビニで買おうと思ったものは、ペットボトルの温かいお茶とコーヒー、ミネラルウオーター、おにぎり2個、肉まんとフライドチキン、個包装のおせんべい、バームクーヘン、チョコレート、フェイスタオル、使い捨てレインコート、ハイソックスの以上でした。コンビニに入ったときはすでに寒くなっていたので、飲み物はホットも買いましたが、トイレに行けない状況ならカフェインの入っていないものがよいので、ミネラルウオーターも買っておきました。おにぎりは、もしかすると長時間持ち歩くかもわからないので、鮭などの傷みやすいものは選ばず、梅干しと昆布の2個を買いました。まだ、ホテルに入る前ですから、どんな所で夜を明かすかわからないし、座れず立ったままとか歩きながら食べられるものをと考えました。ですから、まだ幕の内弁当も残っていましたが、食べやすいおにぎりにしました。レジの近くにある保温器には、肉まん、フライドチキンが残っていたので、すかさず購入。胃の中に熱い飲食物を入れておくと、しばらくは保温剤の役割をしてくれます。フライドチキンは少し油がベシャッとした感じでしたが、鶏肉は柔らかくて食べやすく、こんなときには選んで正解でした。肉まんもホカホカでおいしく感じ、すでに冷えていた体も、あっと言う間に温まりました。

あんなに大勢がコンビニで買い物をしていたのに、よくフライドチキンや肉まんが残っていてくれたと驚いたと同時に「みんな緊急事態で何が必要かわからないのかも?」と思いました。多くの人は、冷茶、スナック菓子、チョコレート、ビールなどを買っています。「今すぐ食べたい飲みたい嗜好品」を選ぶのが、一般の人々の行動とわかりました。おせんべい、バームクーヘン、チョコレートは自分で食べるためにだけ選んだものではありません。このとき私は一人でした。

そこで、場合によっては仲間が欲しくなるでしょう。そのときの「道具」として、手が汚れていても食べやすい一つずつ小袋に入った長期常温保存可能な食品は使えます。それも、塩分を補給できるおせんべい、カロリーを摂取しやすく優しい甘みが心を癒してくれるバームクーヘンを選びました。タオル、使い捨てレインコートはもちろん寒さ対策です。寒い中ですごすことを想定していました。普段からやや心配性で用意がよい私は、温熱シートや使い捨てカイロなどはいくつも持っていました。

ハンドタオルを2本、マフラー、伝線したときのために換えのストッキング、ポケットティッシュ、折りたたみ傘などは持参していました。それでも、いろいろ使い道のあるタオル、着ても地面に敷いても、上からかけてもよいレインコートは持っていると安心度が高まります。パンプスを脱いだとき寒くないようにハイソックスも買っておきました。「もし今日や明日には使わなくても後で活用できて、無駄にはならないもの」ということも意識しました。これらは、避難場所で病人が出たときにも何かと使い道がありますから、持っているべきものと考えました。全部で2000円台だったと記憶していますが、これらを所持していたことで寒い体を温め、空腹を満たし、寒さや疲れをいやしました。そして、仲間作りにも役立ち、仲間の存在はどれほど心強かったかわかりません。人間には「集団欲」というものがあり、孤独より誰かと群れていたいという欲があります。とくに、緊急時、ストレスのかかるときなどには、誰かが側にいて欲しいと感じるのです。コンビニにいるときに、それがふと頭をよぎって、そのために「みんなで食べられるもの」を買っておいたのです。

ホテルの廊下に居場所を確保したとき、隣にいた二人組の女性がいました。二人は私が講演するイベントの関係者だけに配られる紙袋を持っていました。ですから、関係者であることはわかっていました。女性でもあるし、見知らぬ人としては安心感を抱ける二人組でした。つまり、仲間になりたい人たちとして、マークしていたのです。ホテルの廊下での待機時間が2時間くらいたったときでしょうか、二人組の一人が「お腹がすいた~」と、言い出しました。そのとき「今がチャンス」とばかりに「これならありますけど……」と、おせんべいとバームクーヘンの袋を見せたのです。「わぁ、食べた~い」と笑顔を見せた二人と、簡単に自己紹介しました。

その二人はなんと、私の健康セミナーを聴く参加者だったのです。そこからは話はスムーズです。仲間意識はすぐに芽生え、孤独感は吹っ飛んでしまいました。トイレに行くときも、貴重品が入ったハンドバッグは持っていきますが、その事態では食べ物や飲み物、やや高価なコートなどは「トイレに行くので見ていてください」と頼むこともできます。ホテル内も人がいっぱいです。かなり温かい居心地よい場所を確保した私たちですが、もし一人だったらトイレに行っている間に、ものも場所もなくなっているかもしれません。当座の仲間ですが、二人と一緒というのは、かなり安心感がアップしました。また不安で退屈な時間をすごすには話し相手が宝物です。二人は、私の話し相手にもなってくれました。仕事の話、おいしいお店の話などいろいろおしゃべりしてすごすことで、つらさはぐ~んと減りました。二人はイベントで配布されたパンフレットをいっぱい持っていました。これを、私も分けてもらいました。最初は、時間つぶしに読んでいたのですが、そのうち段々と廊下のベンチに座って疲れてしまい、周囲の人々も床に脚を投げ出して座り始めました。その頃、私たち三人もパンフレットを敷いて床に座ったり、寝ころんだりして体を休めることができました。靴を脱ぐとやはり寒いので、ハイソックスを買っておいて助かりました。首元は家から持参していたマフラーをぐるぐるまいて温かくしました。タオルも折りたたんでハンドバッグの上に乗せて、枕代わりにしました。貴重品の盗難予防にもなり、枕があると横になっても楽でした。レインコートはまだこの時点では使っていません。室内で暖房もきいてはいたので寒さも耐えられる程度でした。

もし、停電などの事態になり、さらに寒くなったらポケッタブルのレインコートも広げる予定でした。でも、持っているだけで、とても安心なものであることは確かです。私がコンビニで買っておくべきだったと後悔したものは、新聞です。読んで時間つぶし、その後は敷物や掛け布団代わりにもなります。コンビニで、段ボールをもらうこともできますが、それでは持ち運びにくいですから、新聞がよいでしょう。そんなわけで、震災時にコンビニで購入したものも、後で考えると、医学的に理にかなったものばかりだったのです。知人や友人にも「コンビニで買ったものが、さすがにお医者さんねぇ。普通の人は地震で避難するとき、仲間作りとか、靴を脱いだときのハイソックスなんて思いつかないわ」と感心されました。

 

理にかなった組み合わせでらくらく痩せる

寿司にはガリ

お寿司はネタの大半は冷蔵されています。寿司飯もあら熱はとってありますから、熱々ではありません。ですから握り寿司でもちらし寿司でも、温かい食べ物ではありません。しかし、寿司につきものなのは汁物、茶碗蒸しなど熱々のものです。さらに、欠かせないのは「ガリ」、つまりしょうがです。しょうがの辛み成分ジンゲロール、ショウガオールは、殺菌作用とともに、血行を促進したり体を温めたりする作用があります。ショウガオールは、ジンゲロールを加熱調理したり、保存していると自然に生成されてきます。ガリは、しょうがの皮をむいてスライスしてさっとゆでて、あら熱をとった後で甘酢につけ込みます。ですから、ジンゲロールもショーガオールも含まれています。冷たい寿司のネタ、常温の寿司飯、温めるガリの組み合わせは健康にもよくて、食べた後も心地よくいられます。そのため、全国どこでも「お寿司にはガリ」が定番なのでしょう。

 

寿司飯は酢飯

寿司飯は、酢飯です。お寿司はどうしても白米をたくさん食べてしまいます。しかも、普通は野菜もほとんど食べないですから、どうしても急に血糖値が上がりがちです。酢飯にすると白米より血糖上昇が抑えられるという研究や報告はいろいろあり、すでに定説となっています。酢に含まれる酢酸は、食物の胃から腸への移動をゆっくりにします。さらに酢は、小腸での糖の分解を抑制して、吸収を遅くします。そのため血糖上昇がゆっくりになるのです。また、血糖が上昇したときに酢は筋肉細胞でのブドウ糖の吸収を促進するという説があります。そのため、ブドウ糖は血液中から筋肉にひきとられやすくなり、血液中でブドウ糖が多量に余ることは、起こりにくくなります。これも、酢を摂ると高血糖になりにくくなるゆえんなのです。白米を食べすぎがちなお寿司で酢飯が定番なのは健康的でもあるのです。

 

とんかつにキャベツ

とんかつと千切りキャベツは名コンビです。一般家庭でも、とんかつにキャベツが添えられている場合は多いでしょう。とんかつ屋さんでも、ほとんどのお店でキャベツが盛り合わせられています。最近では、とんかつを売っているお店では、千切りになったキャベツも袋詰めで売られていることもあるほど、とんかつとキャベツは切り離せない間柄です。

とんかつが主役ではありますが、脇役のはずの千切りキャベツもたっぷりと盛りつけられていて、かなりの存在感です。そして、とんかつとキャベツを交互に食べていくと、そのおいしさも増すから不思議です。とんかつをはじめとする「かつ」は、パン粉もつけた分、唐揚げや天ぷらにくらべて油を多く含みます。ひれかつはまだしも、ロースかつは、赤身肉に脂身も付いていて、一緒に揚げるのが一般的です。脂の多い豚肉に厚い衣を付けて油で揚げて作るのが、とんかつです。つまり脂も油もたっぷりの食品です。

おいしいですが、油脂を摂りすぎることは確実な食べ物です。食べたいけれど、でも少しでも油脂を減らしたい、そこでキャベツを一緒に食べるようになったのでしょうか? それともとんかつとサッパリした千切りキャベツのコンビはおいしいからでしょうか? どちらもソースをかけて食べられるので、都合がよいからでしょうか?いずれにしても医学的に考えて、とんかつとキャベツはよい組み合わせです。できれば、ある程度はキャベツを食べておき、それからとんかつを食べると油脂吸収抑制効果が期待できるので、より一層望ましいです。

ですから、三口はキャベツを食べて、一呼吸してから熱々のとんかつを食べ始めるようにしましょう。さらにキャベツには「ビタミンU」が含まれます。これは、胃の働きを助けてくれるビタミンで、油脂がたっぷり含まれるとんかつの消化で過労を強いられる胃を助けてくれます。肉の塊は胃でかなりしっかりと消化しないと、腸に送られません。肉の脂身も消化が悪いものの代表です。そのため胃での負担は大きくなってしまうのです。ビタミンUのおかげで、胃のもたれや不快感をなくし「とんかつ、おいしい」とニコニコしていられるのです。

 

天ぷらに大根おろし

天ぷらには天つゆ。そして、天つゆには大根おろしがお決まりです。なぜ、大根おろしなのでしょうか?大根には、消化酵素であるアミラーゼが含まれています。アミラーゼは別名ジアスターゼと言い、唾液にも含まれていてでんぷんを分解して吸収しやすくする働きがあります。食べたものの消化を助けて、胃もたれや胸焼けなどを起こしにくくします。でんぷんは、葉緑素を有する植物の栄養の貯蔵のためにある球根・種子などに含まれる炭水化物です。トウモロコシ、じゃがいも、さつまいも、カボチャ、小麦、米などに多く含まれています。ブドウ糖がいくつもつながってでんぷんになっているので、消化の段階で分解していく必要があります。

天ぷらは、小麦粉で衣をつけ、油も多く含むため消化が悪くなりがちです。衣のサクサクした食感は、小麦粉のタンパク質であるグルテンとでんぷんにより出来上がり、天ぷらのおいしさになっています。天ぷらでは、海老、イカなど魚介類のほか、でんぷんの多いカボチャ、じゃがいも、さつまいもなども定番です。でんぷんの多い食材に、さらにでんぷんを含む小麦粉で衣をつけ、それを油で揚げるのですから、でんぷんの分解作業はかなり大変です。そこで、でんぷんの分解を助けてくれるアミラーゼ、別名ジアスターゼを含む大根をすりおろして、天ぷらに添えるとよいのです。ご飯もでんぷんです。ご飯をよく噛んでいると甘くなります。

これは、でんぷんがアミラーゼ(ジアスターゼ)で分解されてブドウ糖になるためです。でんぷんは、口の中でよく噛んで分解してから胃に送りたいものです。しかし、熱々の天ぷらをしっかり噛んで食べているでしょうか? 熱いのでいつの間にか飲み込んでいるのが現状でしょう。ですから天つゆに大根おろしを入れて、天つゆの熱を冷まし、そこにつけることで天ぷらの温度を下げておきます。するとややゆっくり咀嚼できるようになります。さらに、大根おろしのアミラーゼ(ジアスターゼ)があることで、でんぷんの分解を促進し、消化・吸収がスムーズになり、胸焼けや消化不良の不快感を起こしにくくしているのです。こう考えると、天ぷらをご飯に乗せた天丼は、カボチャやじゃがいもなどの食材、天ぷらの衣、ご飯と、でんぷんの三段重ねです。本来は、天丼のときこそ大根おろしを食べるべきなのです。大根おろしでなくても、大根の浅漬け、大根サラダなどでアミラーゼを補いましょう。

 

天ぷらに緑黄色野菜

天ぷらにする野菜は地域、季節、好みなどによりいろいろです。一般にカボチャ、ピーマン、ししとう、シソ、にんじんなど緑黄色野菜もよく天ぷらにします。緑黄色野菜にはβ―カロテンが含まれています。

ビタミンAには動物性食品に含まれてビタミンAとして働くレチノールと、緑黄色野菜に含まれるβ―カロテンがあります。レチノールは、そのまま体内でビタミンAの働きをします。緑黄色野菜は体内でビタミンAの働きをするようになります。ビタミンAは、美肌、目の健康維持、のどの粘膜を強化して風邪の予防、また長い目で見るとがんの予防にも関わっていると考えられます。ですから、不足しないよう留意したい栄養素です。β―カロテンは、それだけでは体内への吸収率が悪いものです。でも油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。ですから緑黄色野菜は、油とともに摂りたい食材です。天ぷらでは食材の量の10~20%の油が衣に吸収されます。ただし、油の種類によっては摂りすぎは健康の大敵。植物性の油を使って、揚げた直後にしっかり余分な油を切っておくことが大切です。

油をよく吸収してくれる専用紙などを利用して、余分な油を吸い取っておきましょう。また、一度揚げた天ぷらを揚げ直したり、電子レンジで温めるのは、動脈硬化を促進する酸化コレステロールができやすいという報告もあります。それでは、せっかくの緑黄色野菜と油のコンビで、酸化を中和する抗酸化作用があっても効果なしです。天ぷらは揚げたら早めにいただくようにしましょう。逆の考え方をすると、天ぷらなど揚げ物は、油の種類や調理手段によっては、体内の酸化を起こすので、それを中和する抗酸化作用のある栄養素を一緒に摂っておくのも得策かもしれません。抗酸化作用は、β―カロテンにもありますので、冷めた後で揚げ直しをしたり、温め直しをしたとしても、天ぷらのたねに緑黄色野菜をいれるようにして、一緒に食べていれば問題ないとも言えます。

 

冷や奴とおかか、しょうが、長ネギ

冷や奴にはおかか、おろししょうが、刻みネギが添えられているのが一般的です。豆腐だけでは、ちょっと味が淡泊な気もしますが、この3種が加わるとおいしさもぐ~んとアップします。豆腐もカルシウムを含んでいますが、せっかくのカルシウムも大豆製品など植物性の食品に含まれるものは、吸収率が低いのが残念な点です。ただし、植物性食品に含まれるカルシウムも、ビタミンDを一緒に摂れば、吸収率がよくなります。

ビタミンDは、鰹節、干し椎茸などに含まれます。ですから、鰹節を削ったおかかを豆腐と一緒に食べると、カルシウムの吸収率もアップして、味覚的にも鰹節のイノシン酸の深い味わいが付加されて、一段とおいしくなりうれしいものです。イノシン酸は、昆布のグルタミン酸とともに「うまみ」の主成分。食べる楽しみが増加するための海からのプレゼントとも言える味覚です。海の幸に恵まれた土地に行くと、たとえ畑で採れた野菜の料理でも、牧場で育てられた動物の肉料理でもおいしく感じられるものが豊富と言われます。その理由として、人々が先祖代々、グルタミン酸やイノシン酸など「うまみ」を知っていたことから、その土地の人の味覚が発達したのではないかと言われています。

冷や奴に限らず湯豆腐でも鰹節をたっぷり入れてたれを作ります。濃厚なだしがでて、そこに熱々の豆腐を入れて食べると、これもまたおいしいのです。そして、カルシウムの吸収もよくなれば、いいことづくめになります。

冷や奴は冷たいまま胃の中に入っていきます。ですから、胃の中で保冷剤の役割を果たしてしまい、体を冷やしがちです。だからこそ夏は冷や奴がおいしいのですが、極端に体を冷やさないために、体を温めるしょうがやネギを添えるのです。湯豆腐のたれにもネギやしょうがを入れることがあります。でも、冷や奴におけるネギやしょうがの存在感にくらべると湯豆腐の場合は「鰹節がたっぷり入っていれば、ほかはあってもなくてもよい」という感じです。湯豆腐は、豆腐だけが胃の中に入っても、まるで保温剤のように全身が温かくなります。むしろ柚子や七味唐辛子など、熱いものと一緒だと香りが増して体に温かさを追加しやすいものが、湯豆腐の薬味に選ばれることもあります。同じ豆腐でも、冷や奴と湯豆腐、温度が違うと付随するものが変わるのも自然の成り行きなのでしょう。

 

焼き魚には大根おろし

さんま、鯖、 さば鮭、ほっけなど焼き魚の魅力は、こんがり焼けたカリカリの皮とたっぷりと脂ののった身のコント さけラスト。皮の部分にちょっとしょうゆをたらして食べると、そのおいしさはほんの2~3行の文章では、表現できません。ご飯にもぴったりです。アルコール好きな人は日本酒にもビールにもぴったりでしょう。ところが二つ問題点があります。一つは塩分の摂りすぎです。塩焼きにしてさらに熱々のところにしょうゆをかけたくなります。もう一つの問題点は、焦げの部分に発がん性物質があるという不安です。塩分の摂りすぎは、高血圧の原因になります。

体内では塩分の主成分のナトリウムの濃度を一定に保とうとします。腎臓機能などが十分に働いているときは、過剰なナトリウムも速やかに排泄してくれますから、血圧も上がらずに済みます。しかし、体質や加齢など、さまざまな理由で体内から余分なナトリウムを排泄しきれない場合があります。すると、そのナトリウムにあわせて水分を余分に引き込み、濃度を一定にしようとします。そのため血液のナトリウム濃度も一定にするように血液に水分が増えます。血液量が増えるので、多くの血液が血管に流れて血管にかかる圧力は大きくなります。つまり血圧は上昇してしまいます。ナトリウムが体内に増えすぎないためには、減塩食は効果的です。また、カリウムを摂ることも効果があります。カリウムは排泄されるとき、体内のナトリウムを一緒に排泄してくれますから、カリウムを摂ることは体内の減塩になります。カリウムは、野菜や果物に含まれます。大根はカリウムが豊富に含まれていますから、塩分を摂りすぎる焼き魚との組み合わせはよいのです。ただし、その大根おろしにたっぷりとしょうゆをかけてはダメです。

塩分を摂りすぎる問題点は高血圧のほかにも、摂った塩分に合わせてアルコールやご飯を食べすぎることにもなります。焼き魚の焦げた部分は、ヘテロサイクリックアミンと呼ばれる化学物質など発がん性のありそうなものが含まれています。「発がん性のありそうな」と書いたのは、まだ、はっきりとは解明されていないからです。日常的に食べる程度ではまったく問題ないという説もあるし、その一方でやはりヘテロサイクリックアミンの発がん性を心配するような研究結果もあります。魚のみならず、動物性タンパク質が高温で調理されて焦げるようなときにヘテロサイクリックアミンはできてきます。ですから、焼き魚だけではなく、ハンバーグでも大根おろしを一緒に食べるのでしょう。もし、発がん性物質としても、そのまますぐにがんを作るわけではありません。体内の細胞はそのほとんどが、定期的に壊されて新しく作られています。俗っぽい言い方では「新陳代謝」です。本当は、新しく作られる細胞はその前に存在しているものとすっかり同一のものが作られることになっています。ですから、足の裏の皮膚はいつも厚くてかたい皮膚だし、目の周囲の皮膚は柔らかくて薄いものです。つまり細胞内の遺伝子情報に基づき細胞はコピーされているのです。ところが、長年にわたりそのコピーを続けていると、たまに間違えてミスコピーが起こります。

瑞々しい頬の皮膚が徐々に、しぼんだ細胞になるとシワができます。胃の粘膜が平らだったのに、細胞が異常に作られすぎて隆起するとポリープになります。異常に増殖した細胞が体内でよい細胞を脅かすような悪さをするものであれば、「がん」になります。発がん性物質は、そのミスコピーを起こしやすくする要素のあるものなのです。ですから、発がん性物質も体内でその作用を抑えてくれるものがあれば、その発がん性物質によるがんは作られません。そんな我々の味方をするものの一つがビタミンC。焼き魚を食べるときにビタミンCを含む大根おろしがその働きをしてくれます。一緒に添えるかぼすにもビタミンCは含まれます。かぼすは、絞ってほんの数滴を魚にかけるので、あまり大量のビタミンCは摂れません。むしろ味のアクセントとなり、かけるしょうゆの量を減らし、減塩につなげる効果のほうが大きいでしょう。焼き魚には、血液をサラサラにして動脈硬化を予防してくれるDHAやEPAも含まれています。これらは体内でよい働きをしてくれます。でも、酸化されやすいという欠点があります。

つまりは、さびやすい、というわけです。酸化されると逆に血管を傷つけるなど悪い働きもします。ですから魚油の酸化予防は大切です。調理したらすぐに食べて、温め直しなどは避けるようにしましょう。また、抗酸化作用のあるビタミンCを一緒に摂ることも推奨されます。焼き魚と大根おろしは、切っても切れない間柄なのでしょう。

大根おろしも、おろし金でおろしてから時間がたつと、ビタミンCは破壊されていきます。大根をすりおろしてから、20分以内には食べ終えていたいものです。

 

果物がヘルシーと言われる理由

多くの果物には、食物繊維とビタミンが豊富に含まれています。食物繊維は血糖の急激な上昇も抑えてくれます。一緒の食事で摂った脂肪も、その一部は食物繊維に吸着されてそのまま排泄されるため、脂肪の吸収も抑えてくれます。また、ビタミンCをはじめ、ビタミンA、ビタミンEなど豊富なビタミンが含まれています。さらに、抗酸化作用、わかりやすく言えば体の各部位がさび付いてくるのを防ぐ働きのあるポリフェノールも含まれています。ポリフェノールは、果物の色素、渋みなどの成分で存在しています。適度な糖分も果物には含まれています。果物の糖分は、胃腸で分解されやすいので、一気に吸収されます。これは、すぐに使えるエネルギー源にもなります。ですから、スポーツ選手が試合前や練習の合間にバナナを食べるのです。「朝の果物は金、昼の果物は銀、夜の果物は銅」ということばも、よく使われる表現です。果物は、これから活動してすぐにでもエネルギーを使う朝に食べるのがもっともよいということです。もし、夜に食べてそのエネルギーを使い切れなければ、それは体内の脂肪になって蓄えられるため、肥満の源にもなりかねません。

 

ショートケーキといちご

ショートケーキはおいしいですが、砂糖も脂肪たっぷりのクリームもバターもたっぷりと使われています。大きなケーキでは1個でカロリーが500キロカロリーくらいあるものもあります。ご飯2膳分のカロリーですから、肥満の原因になるのも納得です。ショートケーキも最近は、マスカット、マロン、オレンジなどいろいろあります。

でも定番はやはりいちごのショートケーキ。見た目からして白いクリームに赤いいちごのコントラストが魅力的です。そして、クリームの甘さと、いちごの爽やかな酸味がよいコンビ。スポンジケーキのふわふわ感といちごのシャキッとした食感の組み合わせも絶妙です。糖分も脂質も摂りすぎるショートケーキ。果物の食物繊維の存在で、糖分や脂肪分のうち一部であっても、食物繊維に吸着して排泄してほしいものです。いちごには、水溶性の食物繊維のペクチンが含まれていますから、ショートケーキを食べるときに一緒に食べることが望まれます。さらにいちごには、虫歯予防のキシリトールも入っていますし、ビタミンCの含有量は、果物の中でもトップクラスです。ショートケーキにいちごを合わせるメリットは、外見的にかわいいだけではないのです。

 

磯辺焼きに海苔

焼きたてのお餅にしょうゆベースのたれをつければ、それだけでおいしいです。たれは、しょうゆに砂糖を加えたり、さらに七味唐辛子を少し加えたりするのが普通でしょう。そこに海苔を付けて磯辺焼きにすると、最高です。餅だけだと炭水化物だけですが、そこに海苔が加わると、少しですがタンパク質も含まれています。

ビタミンB群、カルシウムなどミネラルが、濃縮されて含まれています。餅だけでなく、ほかの栄養素も加えられるため、海苔の存在は大きいです。もちろん、餅の両面に海苔が付くことで、手でも持ちやすく食べやすくなります。両手で持って、かじりつき、グィーンと伸びることで、おいしさもアップします。冬の楽しさの一つと言ってもいいでしょう。外国人からみたら、伸びる食べ物も不思議でしょうし、海苔も黒くて紙みたいで奇妙なものでしょうから、摩訶不思議な食べ物かもしれません。

 

かき氷と小豆

かき氷に小豆。小豆は、東洋医学的には体を温める食べ物ですから、冷たい氷には一緒に食べるとよいものの一つです。甘みをつけた小豆は食べると疲れがとれるように感じます。感じがするだけではなく、ビタミンが含まれていて、本当に疲労回復作用があります。ビタミンは、糖質を体内で使えるエネルギーに変える働きがあります。体内に使えるエネルギーが増えますから、疲労も癒されやすくなります。また、ビタミンは、筋肉内の糖質の蓄積を防ぎます。筋肉内に糖質が溜まると肩こり、だるさ、疲れなどの原因になります。ですから、ビタミンを摂ると、筋肉内の糖質の蓄積を防いで、こりや疲れが現れにくくなります。小豆は、ほかに食物繊維もあるので便秘予防にもなります。利尿作用のあるカリウムも含まれるので、むくみも解消されやすくなります。冷たい氷とむくみ対策は、やはり組み合わせで考えたいものです。さらに小豆は、不足すると貧血になる鉄、血中の脂質を減らしてくれるサポニンも含まれていますから、中高年の女性にも食べていただきたい食材です。かき氷を食べるときは、シロップのいちごやメロンではなく、健康のためには小豆を選んでいただきたいです。

 

朝食はまずジュース

洋食の朝食は、まずジュースをゴクリと飲むことから始まります。ジュースを飲むことで少し血糖値は上がります。飲食したものが血液中で使えるエネルギーのブドウ糖になるまでの時間は、食べたり飲んだりしたものによって異なります。飲み物や飴などは、早く血液中の糖分になります。ですから糖尿病の治療でインスリンを注射で投与している人が、そのインスリンが効きすぎて低血糖になったとき、まず飴をなめたり、糖分入りの飲み物を飲むように指導されているのです。

朝食に果汁や野菜のジュースを飲むと、血糖値が上がるだけでなく、体が発する「お腹が空いた~」という悲鳴はとりあえず止まります。ですから、食べたものを過剰に吸収することはなくなります。果物や野菜にくらべると、ジュースにするときに粉砕されますから食物繊維は少なくはなりますが、血糖値の急な上昇を抑える働きもあります。グレープフルーツ、オレンジなど酸味のあるジュースにはクエン酸も含まれて、その後に食べる炭水化物を体内でエネルギー源として使える形にすることを助けてくれます。

また、朝から昼間にかけては太陽の光を浴びるようになる時間帯です。日差しには、心身を活動的にして仕事や勉強に専念できるようにしたり、精神的に明るい気分にしてくれたり、睡眠のリズムを整えたり、よいこともいろいろあります。日差しとともに浴びることになる紫外線は、体内で「活性酸素」を作り出します。この活性酸素は、消毒薬の「オキシドール」と同じような物質です。殺菌作用もあり、がんの発生を抑えるなど、よい働きもします。でも、多すぎると皮膚や血管の老化を招くなど、困ったこともあります。そこで、日差しをたっぷり浴びる前の朝には、紫外線を無毒化してくれるものを体内に入れておきたいのです。それらは「抗酸化物質」と呼ばれ、ビタミンC、ポリフェノール、カテキンなどがあります。

朝食の最初にジュースで、ビタミンCを補給しておくことは、老化対策に重要なのです。もちろん緑茶でカテキンを補給するのもよいです。本来は果物でビタミンCが補給できれば、ジュースよりも多くのビタミンCを摂取できます。果物より手軽なジュースでも、摂っておいたほうがよいのです。

 

朝食には卵と炭水化物がお決まり

日本人は1日平均1個の卵を食べていると言われています。それだけ食卓によく登場するものです。人間の体には必要なのに体内では作れないアミノ酸は必須アミノ酸と呼ばれて8種類あります。この8種類の必須アミノ酸は、食品で摂らないとなりません。卵のタンパク質には、この8種類の必須アミノ酸がすべて含まれています。とても効率よくアミノ酸を摂れる優れた食材です。卵は、朝に食べるイメージがあります。

和食では卵焼き、納豆に生卵などが定番です。家庭によっては、お味噌汁にポンと落として弱火で静かに煮たり、炒めたほうれん草の中央に卵を一つ入れて火を通して「巣ごもり卵」にしたり、ご飯にも合うものを朝食に出しています。洋食でも、スクランブルエッグ、オムレツ、ハムエッグなど手軽に作れて、パンとともに簡単に食べられるものが一般家庭の定番です。夜、寝ている間には活動が乏しいので体温は下がっています。

朝食を食べると、その消化吸収の過程で熱が作られます。特に、タンパク質はしっかり消化しないとならないので、消化器もきちんと働くため目覚めてきます。卵のタンパク質を消化しているうちに、熱も多く作られますから体内はすっかり活動モードになり、仕事や勉強に集中できる態勢が整うのです。タンパク質の「蛋白」とは、本来は卵の白身のこと。つまりタンパク質の中でも栄養の優等生であり、代表的な存在です。

朝に食べることで、体のための栄養補給と熱を作るウオーミングアップもできる優れものです。タンパク質とともに朝食の必須アイテムのパンやご飯、シリアルなどの炭水化物は、体内ですぐに使えるエネルギー源になります。特に脳は、脂肪として体内で蓄えていた古いエネルギーは好みません。どうしてもエネルギー源になる新鮮なブドウ糖がないときは、体内で溜まっていた脂肪を分解したもので我慢します。仕方なしに我慢するわけですから、脳はあまりよい状態ではなく、働きもすぐれません。脳は体のいわば王様です。本来は、ついさっき食べたものから得られる新鮮なブドウ糖だけを食べて、精密に働いていたいのです。ですから午前中から脳を一生懸命に働かせようとすれば、朝食を食べてから1時間くらいで血液中のエネルギー源になる炭水化物を食べておきたいのです。炭水化物は比較的早く胃で消化されて小腸に運ばれて吸収され始めます。ですから、これもまた朝食では摂るべき栄養素です。

 

納豆に卵

納豆はしょうゆとからしと刻んだ長ネギがあれば、熱々のご飯の友になります。あっという間に、ご飯が1膳なくなってしまうほどおいしいのが、納豆ご飯です。納豆だけで食べたい人と、そこに生卵を入れたい人とで、意見は分かれるところです。医学的には、脂質異常症(高脂血症)がある人は、卵を食べすぎるのはよくありませんが、その心配のない人は納豆に卵が加わるメリットがあります。納豆には血液を固まりにくくして脳梗塞や心筋梗塞を予防してくれるナットウキナーゼという成分が含まれています。

ナットウキナーゼは、酵素ですからとてもデリケート。適した温度でないと、働きません。冷たすぎてもダメ。ですから食べる15分くらい前には冷蔵庫から出して常温にしておきましょう。熱々のご飯に乗せると、その熱でナットウキナーゼは死滅してしまいます。

その対策として、卵とあえておくのはおすすめです。納豆だけよりは、熱々のご飯に乗せても熱くなりにくく、ナットウキナーゼも働けるわけです。納豆は朝食のイメージがあるでしょう。でも、脳梗塞は夜中に起こりやすいことを考えると、朝よりも夕食に食べるほうが望ましいという説もあります。暑い夏は日中も血液が濃縮して血液が固まりやすく血栓ができやすいので、朝食べることもそれはそれで効果的だと思います。ちなみに納豆は、ほかにもいろいろ栄養的によい面があります。植物性タンパク質もあり、ビタミンB群も含まれています。血中脂質による健康への害を防いでくれるレシチン、腸内で善玉菌の増殖を助けて腸の調子を整える納豆菌もあります。

女性ホルモンに似ている作用があると言われているイソフラボンも納豆には含まれています。この効果はまだよくわからないのですが、もし、本当にある働きならうれしいものです。納豆は、ご飯のともとしてだけではなく、青菜やキュウリとあえたり、冷やし蕎麦に添えたり、いろいろと試して食べていただきたいです。

 

サンドイッチにバター

サンドイッチは、ハムやゆで卵、チーズ、トマト、キュウリ、レタスなどをパンで挟みます。パンには、バターとマスタード、マヨネーズを塗っておくのが一般的です。バターを塗っておくのは意味があります。トマトやキュウリやレタスなどは水分が多いので、パンにその水分が吸収されてグシャグシャになるのを防いでいます。つまり、バターは脂の壁なのです。もちろんバターのコクや風味が加わると、おいしさだって加わります。

パンに具を挟み食べやすい大きさに包丁で切ったとき、その断面にはっきりとバターの層が見えるほどタップリと塗られていることもあり、そのくらいがおいしいと感じる人も多いでしょう。パンは炭水化物で、普通のサンドイッチの場合の具は少量です。ですから比較的早く消化吸収されます。やがてお腹が空くのも早いのです。でも、バターつまり脂質が加わることで、胃での消化に時間がかかるようになります。

それだけ腹持ちがよくなり、ランチにサンドイッチを食べても、夕食まで持ちこたえることができるというわけです。カロリーを抑えたい人は、マスタードだけでもそれなりにおいしく作れますから、試してみてくださいね。また、サンドイッチに添えられたパセリ。これは彩りと解釈して残す人もいます。でも、このパセリは、ビタミンCやカロテンも豊富ですから、ぜひ食べたいものです。パセリに含まれるピネンという成分は、消化を助け、食後に食べると口臭予防にもなります。食欲がないときはサンドイッチを食べる前に、口臭が気になるなら食後に食べるとよいでしょう。

 

おにぎりに鮭・たらこ・梅干し・海苔

おにぎりもご飯で作りますから、パンや餅と同じように炭水化物が主体です。ほかの栄養素はほとんどありませんので、ミネラル豊富な海苔を使ったり、具として動物性タンパク質の鮭やたらこを入れたり、梅干しを入れたりするのです。特に梅干しは、おにぎりの具として代表的です。梅干しを見ていると唾液がでてきます。梅干しの酸っぱさを脳が記憶していて、自動的に唾液の分泌が盛んになるのです。

唾液には、でんぷんの分解を助けるアミラーゼが含まれます。ご飯もでんぷんですから、梅干しを食べると想像すると、自然に唾液が分泌されて、つまりはアミラーゼが分泌されますからご飯の消化もよくなります。また、梅干しにも含まれるクエン酸は糖質の代謝を促すので、ご飯もすみやかに体内で使えるエネルギーにしてくれます。さらに、クエン酸は筋肉を使うことでできる乳酸も、使えるエネルギーに変える働きをします。ですから、筋肉を使い疲れたときも、梅干しに含まれるクエン酸は、溜まった乳酸をエネルギーにして、疲労回復に役立てます。おにぎりを何個か食べるときは、1個は梅干し、ほかは動物性タンパク質の具があるものを選ぶとよいでしょう。

 

カボチャには挽き肉

カボチャの煮物は、挽き肉と一緒に煮てあげると、おいしさもアップします。鶏挽き肉でも、豚でも牛でも合い挽きでも大丈夫です。挽き肉は使いやすいし、値段も安いしうれしいものです。しかもいろいろ使えるので、残っても翌日はオムレツの具になったり、そぼろにしてご飯に乗せたり、ほかの野菜と煮たりと無駄なく使えます。挽き肉には、赤身の肉と脂身など、筋肉部位と脂肪が一緒にミンチされています。その脂分がうまみでもありますが、脂質摂取量を増やしたり、カロリーを増やしたり、健康的な食生活を考えると困ったこともあります。

ただし、脂分は一緒に摂るβ―カロテンの吸収をよくするなどよい働きもあるのです。「冬至にはカボチャを食べる」という習慣も理由はあります。β―カロテンは体内でビタミンAになります。ビタミンAは、粘膜を丈夫にし、のどや鼻の粘膜をよい状態にするので、風邪の原因になるウイルスや細菌からのどや鼻を守ります。ですからβ―カロテンを多く含むカボチャを食べることは、風邪の予防になり、日照時間が短くなる冬至にカボチャを食べるのは、理にかなっているのです。β―カロテンを多く含むカボチャと挽き肉を煮ると、カボチャのホクホク感に挽き肉のコクが加わり、β―カロテンもしっかり吸収されます。さらに健康にもプラスになるのですから、まさに名コンビです。カボチャはさらに、β―カロテンだけではなく食物繊維も豊富なのです。ちなみに、カボチャはオリーブオイルでグリルして、塩を振りかけてもおいしいです。肉料理の付け合わせにも使えるし、カボチャの黄色は食卓に彩りを添えるので、心も温まります。

 

肉料理の付け合わせににんじん、ほうれん草、ブロッコリー

とんかつ、豚肉のしょうが焼きなどお箸で食べる和風の肉料理には、キャベツの千切りが添えられます。でも、ステーキにはにんじん、ほうれん草、ブロッコリーなどカラフルな野菜が添えられるのは、なぜでしょうか?和食の場合は、肉料理とキャベツの千切りという、寂しい色彩です。

でも、必ずほかに味噌汁や漬け物などがあります。味噌汁は、豚汁ならにんじんのオレンジ色が目立つし、あっさり系でもわかめや青ネギの緑色など色を添えることがあります。漬け物でも、なすの紫色、たくあんの黄色、しば漬けの赤紫色などカラフルな品が食卓に乗ります。もちろん色彩だけではなく、食物繊維やビタミンなども摂れるのです。ただし、塩分も摂ってしまうのが難点です。ですから、味噌汁のお碗は小振りな物にして、具だくさんに。漬け物は、1回に1種類だけにしましょう。

和食の肉料理では、さらにほうれん草のゴマあえ、きんぴらゴボウなど小鉢の副菜がつきます。肉料理の茶色を囲みもり立ててくれる品々があるから、大丈夫なのでしょう。肉料理は、タンパク質も豊富、鉄分も多く含まれますから栄養的には優等生。でも、脂肪も摂りすぎになりがち。ですから、野菜も一緒に食べることが望まれます。食物繊維、ビタミンも野菜から摂ることでよりよい栄養バランスになります。もちろん緑黄色野菜に含まれるβ―カロテンは、調理のときにバターを使ってソテーされたり、肉の脂と一緒に摂ることで吸収がよくなります。付け合わせが乏しい焼き肉やバーベキューのときも、心がけて野菜、特に緑黄色野菜を一緒に食べるようにすべきです。

 

動物性タンパク質が豊富な欧米食ではデザートが必須

肉や魚、動物性タンパク質はおいしいし、腹持ちもよいです。それはそのはず、消化に時間がかかるからです。つまり、長い時間ずっと胃の中にあって消化され続けているのです。下手をすると「胃がもたれる」という不調の原因にもなりかねません。そこで、胃に協力するのが、食後のデザートです。「デザートは別腹のワケ」の項で記しましたが、違うタイプのおいしそうなものを見ると、胃の内容物を小腸に送り込んで、胃のスペースにゆとりを作ることができます。

ですから、デザートはメインの料理とは違うスイーツが主体なのです。もしくは、甘味が苦手な人のためには、チーズとワインの組み合わせで「おいしそう。食べたい。飲みたい。胃のスペースが必要」と刺激することもあります。いずれにしても、デザートが目の前に現れると胃の中で消化されていたタンパク質の一部が小腸に送られます。胃は、一生懸命に消化しないといけないタンパク質が少しでも減れば、楽になります。

しかし、デザートの目的は胃を楽にすることなのに、そこでまたバターやクリームなど動物性脂質をタップリ含むこってりしたケーキなどを食べすぎると、胃は「もう受け付けられません」となり、吐き気を感じます。これは、避けたいことです。ですから、デザートにはフルーツシャーベットなど爽やかであまり脂質を含まないものを選ぶのが賢明です。または、デザートはパスして、コーヒーに添えられる小さなチョコレートをつまむだけにするのもよい方法です。チョコレートなら、胃のスペースもとらず、胃の内容物は小腸に送り込んでくれる可能性もありますから、食後の一口には最適です。コーヒーは、脂質の分解を促進する働きもあります。コーヒーに含まれるタンニンは、微力ですが血圧や血中のコレステロールの上昇を抑制する働きがあります。またコーヒーにはカフェインの覚醒作用がありますから、眠れなくなる人もいますが、芳醇な香りは一種のアロマであり、リラックスできる作用もあるので、食事とともに摂る意味は大きいのです。

 

夕食は食前酒から

食前酒は19世紀にフランスで始まったようです。欧米では食前酒に強いアルコールが好まれますが、日本ではやや軽めのアルコールから始まり、その後は料理に合わせてアルコールも強いものにしていく傾向があります。食前にアルコールを飲むと、適度にリラックスできます。人は、リラックスすると「今は休むとき、体を養う栄養も補給すべきとき」と勝手に解釈します。

そして体は、食べるものを十分に摂り入れて、きちんと消化吸収する準備をします。準備が整った体内は喜んで食べ物を受け入れますから、気持ちよく食べられて、おいしく食事も楽しめます。消化器もきちんと働き、消化吸収もスムーズに進みます。ですから、前菜、メインディッシュ、デザートと進むことに期待感も伴います。そのように食前酒の大きなメリットはあります。ただし、食べすぎにもなりかねませんから、タップリと食べて楽しむ食事、食前酒からスタートするゆったりした食事は要注意です。また、アルコールに弱い人は、食前酒の分も考えておかないと、楽しい食事の後には苦しみがやってきますから注意しましょう。

 

ワインとチーズ

ワインとチーズは名コンビ。下戸の私にはワインがあるとチーズのおいしさがぐ~んと増すというのは、残念ながら実感できません。しかし、世界各国で愛されている組み合わせですから、名コンビであることは間違いありません。医学的に考えても、ワインにはチーズを合わせるメリットがあります。アルコールは骨を弱くしてしまいますが、そこを補うのがチーズに含まれるカルシウム。味のコンビもよい上に、健康面でも名コンビなので、自然とタッグを組むようになったのでしょう。カルシウムは、脳の過剰な興奮を抑えてくれます。ですから、ワインを飲みすぎてエキサイトし始めたとき、その興奮を少しでも抑えてくれるためにカルシウムは役立っているかもしれません。

 

寝る前に微糖のホットミルク

入眠前に飲むなら温かいものが適しています。ただし、カフェインが入っていると寝付けない人もいるので、ノンカフェインの飲み物が向いています。なかでも、ホットミルクはおすすめです。私たちが人生で最初に口にする飲食物は母乳または人工ミルクです。いずれにしても人間の体温くらいの温度のミルク系です。ミルクは、人生で最も長くつきあっている飲み物と言えます。しかも母に抱かれて、本能的にも安心できる状況で飲んでいました。

ですから、ミルクと安心感は一緒に記憶されている場合が多く、ホッとできる飲み物なのです。温かさもリラックスできる要素です。人間は寒いと免疫機能が低下したり、生命に支障をきたす状況に直面しやすくなります。そのため、寒いと緊張感が高まり、眠くならずに仕事や勉強に励めることもあります。その反対に、快適な温かさはリラックスできます。寝る前にはリラックスが大切ですから、冷たいものをお腹に入れるより、温かいものを入れるほうがよいわけです。さらにほのかな甘さはホッとします。適度なエネルギー源が与えられたと、体も安心するのでしょうか?夜には、極端には熱すぎない、人肌よりもちょっと温かいホットミルクに蜂蜜か砂糖を少し入れて、ゆったり気分で飲むとよいです。一説には、ミルクに含まれるカルシウムが脳の過剰な活動を抑えて、気持ちも落ち着くと言われています。

一方、「そんな微量のカルシウムがすぐに脳の状況を変えるとは考えられない」という説もありますが……。睡眠の悩みのある人は、「ミルクでカルシウムも摂ったし、これで眠れるはず」と信じて布団やベッドに入ってしまったほうが幸せです。ちなみにホットミルクを飲むとき、蛍光灯は消して、オレンジ色の光を放つ照明にしましょう。

キャンドルの光、白熱灯、などがおすすめです。人は白い光は日中の光と判断し、覚醒しやすくなります。オレンジ色の光は夕陽の色ですから、「1日も終わり、もう休む時間、寝る時間」と感じるのです。心も体も温まりリラックスできたら、その体の温かさが徐々に冷えてくるタイミングで眠りに就けばベストです。ぐっすり眠って、翌朝には疲れもいやされて爽快な気分で目覚められるでしょう。

 

夏は麦茶とビール

夏においしい飲み物の一つが麦茶です。大麦は東洋医学的には「寒」といい、体を冷やす食べ物です。ビールも大麦の麦芽で作られますから、同様に体を冷やす飲み物です。

麦茶もビールも体を冷やす麦で作られて、それを冷蔵庫でギンギンに冷やして飲みますから、冷やし効果が満点です。麦茶はガラスのコップに注いで、氷を浮かべたりします。氷が触れあうとカラカラと上品な音が響き、視覚的にも聴覚的にもとても涼しげです。冷たいコップを手で持ち上げたとき、手にも冷たさが伝わり、触覚的にも涼がとれるわけです。ビールもジョッキやコップをあらかじめ冷蔵庫で冷やしておくことがあります。炭酸の爽やかなのどごしも特徴的で、暑い日にゴクリと飲むおいしさは、言葉では表現できないとか?

これも、私はアルコールが飲めないので、多くの愛飲家のご意見です。東洋医学的に、小麦は「涼」、熱さを和らげるような食材とされています。小麦を使った食品も、夏には合うと言えます。ところで「冷や麦」は小麦粉を原料にしたうどんを細くして作ったものですが、なぜ「冷や麦」というのでしょうか? これは私の推測で何の根拠もありませんが……「麦」は涼しくしてくれるイメージを伴うものなのでしょう。ですから「冷や麦」というネーミングは涼しげであり、夏においしそうで食べたくなるものの代表となったのではないでしょうか。

 

蕎麦と蕎麦湯

蕎麦は健康食と呼ばれます。熱い蕎麦もおいしいし、冷たい蕎麦もおいしいし、あっさりとかけ蕎麦や盛り蕎麦もよいけど、天ぷらや油揚と一緒もよいです。そのときと場合によって、いろんな食べ方ができるのも蕎麦の魅力です。蕎麦には、食物繊維やビタミン、さらに穀物にしては珍しくアミノ酸のリジンやトリプトファンなども含まれます。さらに、血管を強化するルチンを含んでいます。ルチンは、特に毛細血管も強くするので細い血管で起こる脳出血を予防します。

さらに、全身の細い血管で血液の流れをよくしますから、全身に血液がきちんと行き渡り、たとえば痔の対策にも効果的という報告もあるようです。ルチンは食べる蕎麦よりも、ゆで汁である「蕎麦湯」に多く含まれます。蕎麦湯は、一般に冷たい蕎麦を食べた後で、つけ汁に注いで飲みます。冷たい蕎麦を汗をいっぱいかく暑い夏に食べるなら、つけ汁も蕎麦湯とともに飲んで塩分を補給するのも熱中症予防になります。しかし、ほかの季節ではつけ汁を全部飲んでは、塩分を摂りすぎます。蕎麦湯を別の器に入れて、つけ汁を少し入れて軽い味をつける程度が健康的な飲み方です。

かけ蕎麦を食べるときも、同様にルチンを摂取するために、蕎麦湯を飲むのはよいことです。蕎麦に添える薬味も健康に役立っています。ネギはアリシンという物質を含んでいます。アリシンは、蕎麦に含まれるビタミンの作用を長時間維持してくれます。ネギを薬味として入れると、蕎麦に含まれるビタミンの効果が持続するのです。薬味として大根おろしを入れると、食物繊維やビタミンCやカリウムが摂れますから、疲れやむくみを解消する働きがあります。ゴマならビタミンEも摂れます。わさびや唐辛子は、体を温める作用があります。冷たい蕎麦ならわさびによって、体を冷やしすぎないようにしてくれます。かけ蕎麦なら、唐辛子のカプサイシンがより一層体を温めてくれます。薬味は風味が加わりおいしいですが、体のためにも役立っているのです。と一緒に摂取すると、体内でのビタミン

 

痩せの大食いは得か?

痩せ体質の人は脂質異常症になりやすい

私は常々「痩せの大食いはいるが、デブの小食いはいない」と思っています。確かに痩せの大食いの知人は何人かいます。仲間からは「うらやましい」と言われていますが、医学的に考えると、よいことばかりではありません。それなりに注意すべきことがあるのです。食べても太らない人には、重症の脂質異常症(高脂血症)の人がいます。たくさん食べればそれなりに血液中の中性脂肪やコレステロールなどの脂質も増えます。

普通の人は、血液中で過剰な脂質は内臓脂肪や皮下脂肪に変えて蓄積されることになっていますが、内臓脂肪や皮下脂肪が増えれば、それだけ「太る」という問題に直面します。ところが、痩せの大食いさんは、血液中の余分な脂質を内臓脂肪や皮下脂肪に変える働きが劣っています。食べても内臓脂肪や皮下脂肪はあまり増えずに太りません。ですから、大食いでも痩せていられるのです。ここまでは、うらやましい話です。でも、痩せの大食いさんは血液中で脂質が多すぎても、内臓や皮下には移動しないので血液中の脂質は多いのです。

やがてその多すぎる脂質が血管の壁に入り込んで、壁は厚くなり「動脈硬化」になります。これが、痩せの大食いさんの問題点です。動脈硬化が進んでくると血管が詰まって、脳梗塞や心筋梗塞になりやすいのです。血管の壁は厚くてもプヨプヨで弱い場合があり、ときに血管が破裂する場合があります。これが脳で起これば脳出血です。もし、眼の奥で起きてしまえば、眼底出血となり失明の危険もあります。痩せの大食いさんの全員ではありませんが、多くの人が高脂血症になっています。

たとえ太らなくても、脂ものやアルコールの摂りすぎに気をつけておくべきです。甘いものや炭水化物もたくさん摂ると、やがては血液中の脂質に変えられます。ですから食べすぎは控え、運動する習慣も大切にしないといけません。脂質異常症の患者さんというと太っている人のイメージがあります。確かに軽症や中程度の脂質異常症を有する人は、太っている人も多いです。でも、重症の脂質異常症の患者さんのなかには、ガリガリに痩せている人もみられます。

脂肪はしばしばお金にたとえられます。どちらも生きていく上で大切で、しかも「イザというとき」に備えて蓄えておくべきものという意味もあり、その点で脂肪とお金は似ています。しかし、所持するものが多すぎると危険もあります。お金なら盗まれるとか、よくない使い方をしてしまうとか……。脂質異常症は動脈硬化のリスクが増えます。内臓脂肪は普通預金です。使いたいときにはほんのちょっとしたプロセスだけで使用できます。

皮下脂肪は定期預金。使えるようにするには、ちょっと面倒な手順が必要です。ですから一度溜めると、なかなか使うに至りません。お金なら貯まるのはよいことですが、脂肪が溜まると肥満ですから、困ったことになります。ちなみに血液中の脂質が多いとき、一時的な蓄え場所である肝臓に送られることもあります。これは、すぐに使うと思って仮に溜めたようなものです。必要なときは、すぐに使えます。脂肪が肝臓に溜まると「脂肪肝」になります。

脂肪肝は、ダイエットをしたり運動する習慣が始まると、すぐに使われて消費されます。肝臓から消えて、脂肪肝は解消されます。お金にたとえると「タンス預金」ですね。ただし、タンス預金も使われずそのまま貯まっている人もいるでしょう。そのうちに紙幣が新しく変わってしまったりすると、ちょっと厄介です。脂肪肝も同様で、食事療法や運動習慣で「完治する病気」ですが、食事療法も運動療法も継続できなかったら、改善できません。

また、重症の高脂血症では次々と脂質が肝臓に運ばれますから、減らすのが困難な人もいます。脂肪肝は、自覚症状もないし、軽症ならとくに大きな問題はありません。でも、そのまま何年も経過していくと、肝硬変になりかねません。肝臓の正常な部分までも変化して、働けなくなってしまいます。この肝硬変は命取りになり、しかも完治はできませんから、怖い病気に分類できます。まだ脂肪肝のうちに、食事や運動を省みて治しておきたい状態です。お金も体内の脂肪も、適切に分類して上手に管理したいですね。

 

痩せの大食いは、食べすぎると下痢をしやすい

たくさん食べても太らずにスリムでいられる痩せの大食いさんは、皆から「いくら食べても太らないのはうらやましいわねぇ」と言われます。そんなことを言われて「ホホホ」と優雅な笑顔を浮かべていたりします。でも、内心は「私なりの苦労があるのよ。でも食事中に言うのはちょっとね」と、心の中でつぶやいています。痩せの大食いさんのほとんどは、食べすぎるとすぐに下痢をします。食べすぎなくても、普通に食べていても下痢をしている人もいます。これは、腸が「こんなに受け入れられないから、すぐに体から出ていただきましょう」と判断し、腸の動きが極端によすぎるようになったのが原因で、腸の内容物を素早く排泄しようとするのです。すると、小腸で糖分や脂肪分を十分に吸収できないで、排泄されています。こうなるとたくさん食べていても、吸収されない分もありますから、太れないのです。たくさん食べても太らずに済む、つまり痩せの大食いさんの理由の一つとなっています。

周囲からうらやましがられても、本人は大変です。デートでロマンチックなディナーを食べた後も、食後のコーヒーが運ばれる頃に「ちょっと待っててね」と一言を残してトイレに走って行きたくなります。ドライブデートでもふとした拍子に、トイレに行きたくなります。朝の通勤電車の中もこの悩みは深刻です。次の駅で降りてトイレを探してたどり着いても、駅によっては長蛇の列。冷や汗を流しながら列に並んで待ちます。ようやく順番がきて、ホッとできました。そこで時計を見たらまた冷や汗。「電車を2本も見送ってしまった。また遅刻!」となります。

または、通勤電車の中でのピンチは駅のトイレで解決。笑顔で次の電車に乗り込んだとしても、また2駅をすぎるころにお腹がグルグル。トイレに行きたくなり、3駅目で降りてトイレに向かってダッシュ。こんなこともあるでしょう。痩せの大食いさんにも、深刻な悩みはあるのです。たくさん食べても太らないだけでは、済まない人も多いんです。こういうことがわかると「人生は平等にできているのかも?」と考えてしまいます。

 

適度な脂肪はやっぱり必要

ややふっくらとしてポッチャリタイプ、体も顔も丸みを帯びている女性は、女らしさというか母性を感じます。これは、医学的にもほぼ正しいのです。女性の象徴とも思われているホルモンの一つとして「エストロゲン」があります。実は、エストロゲンは、男性ホルモンから作られています。女性の体内でも、男性ホルモンの「アンドロゲン」は副腎から分泌されています。

このアンドロゲンは、脂肪の中で代謝されて女性ホルモンの「エストロゲン」になります。ですから、女性の体内で脂肪が減ると、エストロゲンが作られにくくなります。無理なダイエットをしたり、極端に痩せている女性では、生理が止まってしまったり、不妊の原因になったり、骨が弱くなったりします。

ではなぜ、エストロゲンが不足すると骨粗鬆症になるのでしょうか?骨は、少しずつ壊されては新しく作られて入れ替わっています。エストロゲンは、骨の破壊を抑制して骨の中にカルシウムをしっかりと溜めておき、強い骨を維持しています。ところが、無理なダイエットや極端な体脂肪の減少、更年期以降のエストロゲン減少などで骨はカルシウムが流出するほうが多くなり、骨粗鬆症になりやすいのです。更年期は年齢的な変化ですから仕方ないですが、厳しすぎるダイエットなどは、生理の問題、不妊症の問題、骨粗鬆症の問題、そのほかエストロゲンの作用で調整されている美肌、美しいボディラインなどは維持できなくなります。女性の美しさには適度な体脂肪も必要なのです。いざというときの保存エネルギーとしての役割以外にも、人体で大切な役割があるのです。

 

皮下脂肪が多いと得することもある

皮下脂肪は、内臓脂肪にくらべると、動脈硬化などへの影響は少なく、体への害は少ないとも言えます。でも、皮下脂肪を減らしたいと思う人が大半です。でも生来ずっと痩せている人は「脂肪が欲しい、太り方を知りたい」と言います。では、皮下脂肪が多いと得することはなんでしょうか?女性ホルモンのことはすでに記しましたから省略しますが、イザというときのエネルギーの備蓄があるということです。天災、事故、遭難などで食べ物が足りないとき、脂肪を燃焼して生き延びることができます。

これが、脂肪の本来の存在理由でもあります。皮下脂肪まで使うのは、かなりエネルギー不足の場合です。でも、内臓脂肪は皮下脂肪より簡単に使えます。食事の暇も惜しんで追い込み作業をするとき、内臓脂肪を燃やしてエネルギーにします。「お腹が空いた」という感じも忘れてしまうほど、スポーツに熱中しているときなども脂肪を燃やして使っています。持久力を必要とする登山家や格闘家などは筋肉だけではなく必要な脂肪も体内にきちんと備えておかないといけません。

水中でのパフォーマンスのための浮力が得られるよう、シンクロナイズドスイミングの選手も脂肪が減っては困るのです。

オリンピックの水泳競技を見ていて、黒人選手がとても少ないことに気がつきましたか? かつてアメリカでは、人種差別で黒人はプールに入れない所が多く、水泳をする機会が乏しいから、と言われていました。しかし、時代は変わり肌の色が違う子どもたちが一緒に水泳を楽しんでいます。にもかかわらず世界のトップクラスの水泳選手で黒人はほとんど見かけません。

一説によると「黒人は脂肪が少ないから水に浮くための余計なパワーを使う。だから水泳では黒人はすごく不利」とのことです。水泳選手も引き締まった体ですが、マラソン選手にくらべると脂肪は蓄えられています。もし、人が海に放り出されたときも、脂肪があることは命を助けるために有利になるということがわかります。皮下脂肪に関しては、保温の役割もあります。体内の熱を逃がさないので、温かさは維持できます。

しかし、寒いところに長時間いるとき、その皮下脂肪が冷たくなります。すると、保冷剤を体に巻き付けているような状態にもなりかねません。冷えた脂肪の冷たさがシンシンと伝わってしまいます。ですから、皮下脂肪の多い女性で「夏は暑がりだけど、冬は寒がり」という人がいるのも納得です。彼女たちは、単にわがままや我慢なしではなく、皮下脂肪によって夏は暑くなり、寒い冬はすごく寒いのです。脂肪は、保温効果だけではなく、衝撃を和らげる役割もあります。交通事故、転落事故のとき、体が柔らかくて脂肪も多い女性や幼い子どもは命拾いしたり、けがが軽症で済むことがあります。高齢者が尻餅をついたとき、骨折しないためにヒッププロテクションと呼ばれるクッションみたいなヒップパッドを腰からお尻に当てておくことをすすめている医師や介護専門家もいます。

お尻の皮下脂肪は天然のヒッププロテクションなのです。ただし皮下脂肪が増えると支える体は重労働です。ときにはよろめいたとき、支えきれず倒れることもありえます。転倒して骨折する心配に関しては、脂肪はメリットもデメリットもあるというわけです。メリットもデメリットもあるということでは、外見的なこともあります。特に女性では、適度な脂肪は体や顔の造作、表情の曲線を作りそれが美しさになります。しかし、脂肪が多すぎるとボディラインもだらしなく崩れるし、顔も顎のラインはシャープさがなくなり、目や鼻は脂肪に埋もれてしまいます。「適度な」という言葉 あごが大切な領域です。

 

皮下脂肪は間接的にも病気リスクを上げる

では、反対に皮下脂肪が多くて損をすることは外見が悪くなる以外にどんなことがあるでしょうか?まずは、腰痛や膝の痛み、股関節痛などをおこす原因になります。何しろ皮下脂肪は増えた分だけ、支えていく体にとっては「お荷物」になるのです。継続的に足腰に負担がかかり続けていれば、節々にだって無理が生じます。

皮下脂肪は内臓脂肪よりさらに「重みとしての害」が大きいのです。理由は、皮下脂肪は主に筋肉より外側にあり、内臓脂肪は腹筋など筋肉の内側にあるからです。荷物を運ぶとき、胸の前に抱えるなどなるべく体の近くに持ったほうが、両腕を伸ばしたまま胸の高さで荷物を持つより、少ない労力で運べます。重量物は中心に近い部分で持ったほうが楽に運べます。中学校で教わった「てこの原理」を思い出すと理解できるでしょう。

たとえば子どもやペットの犬は、胸の前に抱くと、そんなに重く感じません。でも、「高い、高い」をしたり、腕を伸ばしたまま支えるとすごく重くて大変です。体の脂肪も腸の周囲にある内臓脂肪と、腹筋や背筋の外側に存在する皮下脂肪をくらべるとどうでしょうか? 同じ3キロの脂肪なら、内臓脂肪よりも皮下脂肪があるほうが足腰の負担は大きくなります。色白でポッチャリタイプの中高年の女性は膝が悪いイメージがあります。ポッチャリタイプは、筋肉が少なくて皮下脂肪が多いですから、膝の関節だって大変です。太股の骨(大 だい腿 たい骨)と向こうずねの骨( こつ脛 けい骨)の こつ間にあってクッションの役割をしている半月板はすり減って、さらに骨そのものも端は体の重さや動きの負荷で押されて、変形したりします。

一般的な腰痛や膝の痛みなどは、命取りにはなりません。でも、痛みはつらく、ときには生活に制限が加わります。場合によっては、腰痛や膝痛で仕事を辞めたり、趣味のスポーツをあきらめたり、歩ける距離が少なくなるので行動範囲は小さくなり、楽しみも縮小しかねません。もちろん、どうしても運動不足にもなりますから、生活習慣病のリスクは高まります。O脚になったり、姿勢が悪くなると外見も悪くなります。似合うスカートを探すのも難しくなり、おしゃれなハイヒールも履けません。歩くのもつらいので、つい出不精になり、気持ちも暗くなりやすい人が多いのが特徴です。

しかも、スポーツや旅行などもあまり楽しめなくなるので、どうしても食べる楽しみに走りがち。食べることを楽しむのはよいことでもありますが、運動不足で食べてばかりでは、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)など生活習慣病になりやすいのは心配です。皮下脂肪が増えることは、直接に生命を脅かすわけではありません。でも、間接的には病気になるリスクを増やしているのです。皮下脂肪は多いとよいでしょうか? 少ないほうがよいでしょうか? やはり「過度にはいらないけど、適度にほしいもの」と言えるでしょう。

 

糖尿病は重症になると痩せる?

糖尿病は重症になると、常に血液中の糖分は多く、血糖値を測定すると高い値になります。そうなると、体の中では多すぎる糖を尿中から排泄してくれます。尿に糖が出るので「糖尿病」という名前が付いたのでしょう。糖尿病は、食事やカロリーのある飲み物を摂ることで、血糖値が上がりますが、その増えすぎた糖分をうまく筋肉などに移動できず、摂ったエネルギーが筋肉内でもきちんと活用できなくなります。そのため血液中であまり続ける糖は、尿からも排泄されるのです。糖が尿からたくさん排泄されてしまうと、体内では糖分の不足、エネルギー不足になります。特に筋肉で使えるエネルギーは乏しいので、疲れやすくなったりもします。体内でのエネルギー不足を補うために、最初は内臓脂肪を分解して使っていますから、腹囲は小さくなります。皮下脂肪も使いますから、腹部、脚などの皮下脂肪は減り、痩せてくるのです。

脂肪だけでは補えない場合は、筋肉さえも燃焼して生きて動くためのエネルギーにします。ですから、お尻の筋肉も小さくなり、スリムになると言うより「枯れた」「衰えた」という印象になります。背中や腹部の筋肉も少なくなるので姿勢も悪くなります。この状態になると、体内の脂肪も筋肉も減少します。つまり素敵に「痩せる」というわけではなく、むしろ「病的に痩せてしまう」というわけです。糖尿病に限らず、食事制限も運動を続けることもしないで痩せてくるのは、健康的ではないのです。

健康的ではない痩せ方の場合、肌もたるみ、シワができ、髪や爪の艶はなくなり、体力も気力もなくなり、ハッピーな痩せ方とは言えません。糖尿病の初期は、やや肥満体の人がなる病気のイメージがあります。ところが痩せていても糖尿病になる人はいます。むしろ半数以上が「太ってはいない人」とも言われています。

日本人などアジア人は、糖尿病になりやすい遺伝子を持っています。そこに生活習慣の問題点が加わると糖尿病になりやすいのです。多すぎる飲酒、食べすぎ、特に炭水化物や甘いものなど、体内で吸収されたときに、血糖値が急に上がりやすいものをたくさん食べることが習慣になるとよくありません。忙しいランチタイムにもありがちですが、早食いもよくないのです。

 

朝食抜きが糖尿病リスクを上げる

朝食を食べない習慣の人も糖尿病になりやすいので要注意です。朝ご飯を食べないと昼間には、体はエネルギー不足で飢えています。特に新鮮なエネルギーを好む脳ではエネルギーの補給を欲しています。そこで、昼食を食べると、体は「待ってました!」とばかりに、エネルギーをできる限りたくさん、さらに早急に吸収します。すると、血糖値は一気に上がります。血糖値が上がりすぎると、細い血管に血液が流れにくいなど困ったことがあります。ですから、血液中の糖分を「とりあえず、どこかに移動したい」ということになります。そこで、すい臓からインスリンが多量に分泌されて大活躍。インスリンの働きに助けられて、多すぎる糖分は血液中から、筋肉や脂肪に移動して一件落着となります。しかし、このようにインスリンの大量の分泌を繰り返していると、インスリンを作るすい臓は早くに疲れてしまい、正常に機能できなくなります。

つまり、インスリンを十分には分泌できなくなるのです。そうなると、飲食後に血糖値が上がっても、糖分を筋肉や脂肪に移動できず、血液中には糖分が多すぎる状態が続きます。こうなると糖尿病になるのです。糖尿病では尿から糖が出てしまうので、そのときに一緒に過剰な水分も排泄されます。腎臓での、糖と水分の再吸収が行われないままにたっぷりと排泄されてしまうのです。ですから、糖尿病の人は「のどが渇きやすい」とか「尿量が増える」という症状も現れることがあります。

悪いとわかっていてもますます甘いものが食べたくなるのも、体内でエネルギーが不足しているため、消化や吸収が早く進む砂糖の入ったものなどをつい食べたくなるのです。できれば、糖の吸収を遅らせる食物繊維が豊富な野菜を主体にした食事にするべきです。糖尿病になると、尿から糖が排泄されてしまい、そのためすぐに消化吸収される甘いものなどがますます食べたくなります。それを食べると一気に血糖値は上がり、すい臓からは多量のインスリンが分泌されます。

血糖値の急上昇と急下降、インスリンの無駄遣いを繰り返す状態です。血糖値は上がりすぎるのも困りますが、下がりすぎるのも低血糖になり、イライラしやすくなったり、集中力がなくなったり、これもまた困りものです。糖尿病の人も運動する習慣をつけると、食後に血糖値が上がったとき、筋肉が「また、運動させられる」と自覚して、血液中から糖分を引き寄せてくれます。インスリンの助けがなくても、筋肉に糖が引き取られていきます。すると、血液中の糖は減少して、尿中に糖が多量に排泄されることも起きにくくなります。ですから、糖尿病対策として運動も食事とともに大切な柱になるのです。

 

アルコール依存症も重症になると痩せているのはなぜ?

アルコール依存症になる人は、毎日たくさんのアルコールを飲んでいる人、もしくは飲んでいた人です。アルコールにもカロリーはありますから、それならアルコール依存症の人は太っているはずです。重症になればなるほど太っていてもよさそうです。ところが必ずしも太ってはいません。痩せている人も多いのです。アルコールに依存するようになると、とにかくアルコールを飲むことになります。それも少量では満足せず多量に飲むようになります。

そうするとどうしても食事は食べられなくなってしまいます。普通の人は「お腹が空いた」というときにもアルコール依存症が重症の人は「まず、アルコール」となるのです。普通の食べ物は、優先順位が低くなります。よって食べる量は少なくなります。アルコールのカロリーは、飲酒で体内に摂取しても「エンプティーカロリー」つまり「空のカロリー」と呼ばれています。

そのときには使えるけどすぐに消えてしまうように、保存されにく からいカロリーなのです。ですから、アルコールだけなら体内の脂肪にはなりにくいのです。大量飲酒する人というと太っているイメージがあるのは、普通の人がお酒を飲む場合に、飲みながら食べたもののカロリーが使い切れず、体内の脂肪として蓄えることになるためです。ですから、飲酒と食事が両立(?)できる人は、太っても当然です。でも、食べることに興味を失いひたすら飲んでいると痩せてきても不思議はないのです。もちろん大量の飲酒を続けてきた人は糖尿病に罹患している場合も多いので、そのために痩せてくることもあります。痩せても決してかっこよく痩せてはいないのも特徴です。アルコールを体内で分解するとき、ビタミンCなどを消費します。

ですから、大量に飲酒すると大量のビタミンが消費されてしまいます。その結果として、いつもビタミン不足になっているのです。栄養バランスのとれた食事もしていないなら、ますます栄養不良になり、顔色は悪く、肌のツヤは悪く「健康美」からは遠い痩せ方をします。大量飲酒の怖さは、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)や高尿酸血症などの生活習慣病、胃がんやすい臓がんなどの悪性腫瘍だけではありません。小脳が変性してしまうこともあるのです。小脳はおもに運動機能を司っています。ですから、小脳変性が起きると運動機能がかなり低下します。まっすぐ歩けないなど、生活上に支障をきたすような障害も現れることがあります。「話す」という機能も口の形状を変えて言葉を発する部分には、運動機能も関わっていますから能力が低下することが考えられます。

飲みすぎて一時的に脳の働きに問題が生じると、千鳥足になったり、ろれつが回らなくなったり、ものを落とすなど、いつもとは異なることが起きます。そのほかにも手が震えたり、ふらついたりなどが起こりうるのです。小脳が変性してしまうと、すっかり元に戻ることは不可能です。たとえばグシャッと潰されてしまった箱や空き缶を、すっかり元に戻せないように、変性してしまった小脳は健康だったときの状態には戻せず、完治はできないのです。

 

ストレス太り VS ストレス痩せ

ストレスがあると痩せてしまう人と、太ってしまう人がいます。しかもたいていは、太っている人はストレスがあるとさらに太り、痩せている人はストレスが加わるとますます痩せてしまうのです。人間の体は本来、脂肪細胞から「レプチン」と呼ばれる一種のホルモンが分泌されます。ホルモンというのは、特定の組織などから分泌される、ごく微量で、特定の部位に働きかけて体内の調整などをする物質のことです。レプチンは脂肪細胞からごく少量が分泌され、血液によって脳の視床下部に到達し働きかけ、食欲を抑制します。ですから、脂肪の多い食事をするときなどにはレプチンが十分に分泌されることが必要なのです。

ところが、このレプチンがあまり分泌されなくなる事態があります。たとえば、ストレスがあるときです。ストレスによって、脳内ではストレスのある状況に適応しようとして、視床下部が刺激されてさまざまな反応が起こります。視床下部には、加わる刺激が強くなりすぎないように制御するシステムが備わっていますがストレスが加わり続けていると、制御されてしまい、刺激に対してもはや反応できなくなってしまうのです。

このことから、太ってきても、脂肪の多い食事をしても、食欲抑制はされにくくなります。そのため、どんどん食べてしまい「ストレス太り」になるのです。もともと太っている人は、脂っこいものを好んでよく食べます。本当は、しっかりとレプチンの刺激が視床下部で活かされたいところです。にもかかわらず、ストレスが続いていると視床下部では、もうレプチンの刺激があっても、食欲制御はされず食欲は旺盛、脂っこいものもたくさん食べてしまいます。困ったことに太り続けていくわけです。

ストレスがあるとその不快感を打ち消すために、快感や安心感を求めます。快感にも安心感にもいろいろありますが、食欲を満たすことで得られる快感や安心感は大きなものです。ですから、人によっては食べることでストレスを解消しようと、より一層、美食や大食をします。ストレスで太る人は、この「ストレス食い」とか「やけ食い」をする傾向があります。

もちろん、食べるだけではなく「飲む」ことで、ストレスを解消する人もいます。飲んで食べてを繰り返していけば、太るのはもっともです。ストレスのあるときは、運動量は減っていることがあります。よほど運動好きでない限り、「今は運動どころではない」ということで、運動は後回しにされがちです。この状態では、心身ともに疲労してはいても、消費カロリーは減少しています。「疲れているから食べる」とか「食べないと体が持たない」と言って食べることには一生懸命で、運動はしないという、太りやすいライフスタイルになってしまいます。ストレスがあると、睡眠不足にもなりがちです。

「時間に追われて」という場合と「悩みや不安で眠れる心境ではない」ということがあるでしょう。いずれにしても、睡眠不足も太る理由になります。まず、起きている時間が長いと、食事回数が1回増えたり、間食や夜食が増えます。これが連日続くようだと太る大きな原因です。いろいろな理由が組み合わさって、ストレス太りは成立してしまうのです。その反対に、人によっては、ストレスにより食欲がなくなったり、胃の働きが悪くなったりします。「あまり食べられない」と言って体調不良になったり、「さっぱりしたものしか受け付けない」ということになります。低カロリーのものを少ししか食べられないのですから、痩せてきてしまうのも納得です。痩せている人こそ、ストレスがあると痩せてしまうのです。そんな人は下痢をしてしまい、栄養分がしっかりと吸収されないこともあります。

食べられないのに、下からはすぐに出てしまうのですから、まさにダブルパンチ、ストレスでますます痩せてしまいます。ストレスがあると、人の体は戦いに備えた設定になります。本来、人間は動物や敵を追ったり追われたりしているとき、命がけで戦うときが、最大のストレスになるはずです。現代社会では、このストレスも多様化して必ずしも生命を脅かすものではない精神的なつらさが主となるストレスがあります。精神的なストレスだけでも、人体はときに、命がけで敵を追ったり追われたりするのに適した体調に設定されてしまいます。そんなときは、のんびり食事をしているはずはありません。消化器の機能は低下します。消化能力が低下するので、胃もたれがしたり、空腹になりにくく食欲が出ないこともあります。

腸も吸収機能が低下して、栄養分をきちんと吸収できず、腸の不調もあります。とにかく「早く出してしまおう」と腸の内容物(将来的には便になるもの)を早く先に送り、排泄するために下痢をする人と、「今は、敵を追ったり追われたりして走り回るのだから、便を出してはダメだ」と、腸の動きが遅くなり便秘をする人がいます。痩せている人はこんな成り行きで痩せてゲッソリとしてしまうのです。

 

これならできる!「1週間食べ痩せ」食事法

1日3食、1年で1000食になるのだから……

健康目的でも、さまざまな食事法があります。炭水化物を食べないダイエット、脂ものを極端に制限するダイエット。「毎日○○を食べる」というもの、逆に「○○は摂らない」というもの。食事回数は1日3回が基本であり、医学的には推奨されています。でも、医師の中でも「朝食を食べないほうがよい」とか「1日1食が理想的」「1日5回、少量ずつ食べるのがよい」という、独特な食生活をアドバイスしている人もいます。私は、やはり1日3食、規則的に食事をするのがよいと思っています。その食事を「ちょっと考えて食べる人」も、まったく考えず「おいしいから食べる」「手軽だからこれで済ませる」という人もいます。もし、1日3回食事をするとして、1年では約1000回の食事をします。10年間では約10000回の食事をする計算になります。

10年間で10000回ですから、少しでも健康を意識するか、いっさい考えないか、その差がでるのは当然です。10年後、20年後、30年後……どのような人生を送るか、かなり異なるのも納得できるでしょう。今日から、「体にいいこと」「健康にいいこと」「美容にいいこと」増やしてみませんか? 「ちょっと、心がける」を実行してみましょう。すでに大食いの人にアドバイスするなら、まず週末などの2日間は、市販のお弁当を買うかファミリーレストランなどで、普通の1食分を食べます。大盛りの注文や、ボリューム弁当は禁止です。ごく一般的なものを選んで食べます。

一般的なメニューでも、高カロリー、高脂質、高塩分の場合があります。ですから理想の食事というわけではありません。でも「ほかの人はこのくらいで満腹なんだ」という一つの基準になります。まず、週末の昼食と夕食だけでも、「外食で自分の食べすぎを是正」してみましょう。そして、月曜日からは脂ものを控え、食べすぎや大盛りをやめて大食い習慣から脱出します。そして、徐々に脂肪を控えたり、甘みを控えたり、野菜を追加したり、減塩したり、少しずつ健康食を身につけていきましょう。

 

「仕方ない」とあきらめる前に「ちょっとでも考えて食べる」へ

ダイエットは毎日、それも毎食厳しくしないといけないと思われがちですが、そうとも限りません。そのよい例があります。計測器メーカーの社員食堂が考案したメニューを提供したら、多くの社員が減量に成功。生活習慣病の改善にもつながったということで、注目されました。その会社の社員さんが社員食堂を利用できるのは昼食だけで、朝食や夕食は今までと同様に各自で食べていたわけです。つまり、1日に1食でも健康的な食事をすると、数カ月間で違いが出るという実証にもなりました。私は、企業の健康診断の診察もしていますが、社員食堂があり、きちんと管理栄養士がメニューを立てている会社では、貧血の人が少ない傾向があることに気づきました。やはり、1日1食でも健康的な食事をすることは本当に大切なのです。「朝は忙しいし、夜は仕事の接待がある」、「仕事が遅くまでかかるので食べるものは決まってしまう」なんて不健康な生活を強いられている人もいます。医療関係者でも、当直があったり、手術を担当すると食事時間も不規則になったり、そんな日々を送っている人はいっぱいいます。そんな人も「仕事上、仕方がない」とあきらめるより「健康的な食事を食べられるときだけでも、考えて食べよう」と発想を転換してみてはいかがでしょうか?

 

3つの「あ」の摂り方を工夫する

医療現場の指導でも使われている言葉として「3つの『あ』の摂りすぎに注意」ということがあります。3つの「あ」とは、アルコール・甘いもの・脂ものです。脂ものは、特に常温で固形になっているもの、肉の脂身やバターなどが要注意です。この3つを摂りすぎると、肥満や脂質異常症(高脂血症)や、さらに糖尿病にもなりやすいわけです。でも、この3つの「あ」は、魅力的なのが悩みです。そこで、まず3つの「あ」がだぶらないように気をつけましょう。アルコールを飲むときは、甘いものはパスします。脂っこいものもなるべく避けましょう。脂っこいものが食べたいときは、アルコールは控えめに。そして、デザートの甘みには手を出さないようにしましょう。甘いものを食べたいとき、おいしいスイーツを買ってきてあるときなどは、アルコールは少量にして、脂っこいものは明日に延期。今日はさっぱり系にしておきます。「ちょっと心がける」だけで、1年後には何らかの差が出ているはずです。

 

量から質への転換で3つの「あ」を減らす

さらに、もう一歩進みたいなら、こんな方法もあります。好きなものは、高級品を少量摂るという方法です。アルコールなら、高級な日本酒やウイスキーをゆっくり味わいながら、楽しみます。家飲みなら、お気に入りのぐい飲みやグラスで一口ずつ味を確かめつつ飲んでみましょう。その心地よさに気づいたら、大量飲みは卒業できます。

外飲みなら、いつもの予算よりちょっと高めでも気になるワイン、素敵なネーミングのカクテルなどを選んで楽しむのもよいでしょう。脂ものも、少量を意識します。お肉を買うなら、大きくてお得感のあるサーロインより小さくてもおいしそうなヒレ肉を選ぶなど、ちょっと気にしてみます。パンに付けるバターも、良質のものを少しだけ。朝食がパンの人は毎日のことですから、大量にバターをつけていた人は、バターの量をちょっと減らすことも大切です。揚げ物を食べるときも、いつもの2/3の量にしてみませんか?甘いものを食べるときは、まず脂が少ないものを選びます。ケーキはおいしいですが、バターやクリームもたっぷり入っている場合がほとんど。カロリーは和菓子のほうが少ないですからたまには和菓子を選んでみましょう。「でもケーキもおいしいし、食べたい」という人もいるはずです。

私もその一人です。そんな人は、まず小さいものを選びます。厳密には、材料や作り方によってカロリーはかなり異なりますが、詳細なカロリーはわからなくても、いつも小さいものを選ぶように「ちょっと心がける」。これが、大切なんです。甘いもの好きなら、どうしても甘みが恋しいときは「高級なチョコレートを一つ」というのもよい選択です。チョコレートなら、保存できるので、その日に食べなくても大丈夫。夕食で「お腹がいっぱいになっちゃった」という日は、無理にその日に食べなくてもよいわけです。賞味期限が当日までとなると、お腹がいっぱいでも「もったいないし、明日ではダメだし」と、つい強引にでも食べてしまいます。

これは、ダメな習慣です。高級なチョコレートなら、一粒で豊かな味と香りを楽しめ、大きな満足感を得られます。「小さなもので、大きな満足」というわけです。チョコレートは甘みも濃厚ですが、小さいならカロリーは大したことないでしょう。しかも高級なチョコレートは、値段も高いです。一粒で何百円もするチョコレートを、一度にいくつも食べる勇気ありますか? 私は、ちょっともったいなくて、せいぜい2個くらいしか、食べられません。甘いものなら、小さいものを、満足できないなら高級なものを少し。この「ちょっと心がける」を忘れずに。

 

野菜を多く食べる、野菜から食べる

野菜を多く食べることは健康にも美容にもよいことは知られています。野菜は一般に低カロリー、食物繊維もビタミンも豊富、そして満腹感を得られやすいので食べすぎの対策には大切です。野菜を多く食べるためには、まず保存がきき、いろいろな料理に使える野菜を冷蔵庫に入れておきます。たとえば、キャベツ、タマネギ、長ネギ、にんじんなど。乾燥か塩蔵のわかめも常備しておくとよいでしょう。そのほか、その日に食べるものは買い足します。ほうれん草、トマト、ブロッコリー、ピーマンなど緑黄色野菜も特に選んで買いましょう。キノコも食物繊維が多いし、おいしさアップにも役立つので、料理に加えたいものです。野菜は生だと量をたくさん食べられません。でも、長時間の調理で、ビタミンは破壊されてしまいます。

ですから、サッと加熱調理するような食べ方がベストです。たとえば、味噌汁には野菜か海藻かキノコを必ず入れましょう。長ネギ・わかめ・えのき茸、ゴボウ・にんじん・ほうれん草、白菜・しめじ・青ネギ、などがおすすめです。味噌汁は具だくさんにすることで、汁を減らせます。これは減塩にもつながります。パスタの料理でも、パスタをゆでるとき一緒に千切りのにんじんとかザックリ大きめに切ったキャベツ、パスタに形状が似ているえのき茸などをゆでて、麺の量を減らすこともできます。ゆでるときに、キャベツやえのき茸はパスタがゆだる寸前に、湯の中に入れればOK。

簡単に野菜をたくさん食べて、麺を減らせます。蕎麦やうどんでも、わかめ、オクラ、山菜などを具として上に乗せると、麺は少な目に用意しておけば足りるわけです。ラーメンでも、モヤシ、ゆでキャベツ、わかめか青海苔などを盛れば、麺は少なくても満足します。しかも、上に乗った具をある程度は食べないと、麺にたどりつけないので、野菜から先に食べることになります。

 

食べる順番も意識するだけでダイエットに

野菜をたくさん食べることも大切ですが、野菜から食べ始めることも大事です。忙しい朝食では、野菜を付け合わせる程度が精一杯かもしれません。でも、ゆっくりできる夕食は、「野菜を多く食べる、野菜から食べる」。毎日のことですから「ちょっと、心がける」を継続したいです。

家ではまず、お浸しやゴマあえ、温野菜サラダなどから食べ始めます。前菜ということになりますね。さらに、野菜たくさんの味噌汁やスープ、煮物などを食べて、空腹を満たしておきます。それから、主菜になる肉や野菜、主食のご飯を食べます。外食やお弁当などを買ってくる場合なら、野菜が多く入っているものを選びます。できれば、野菜の種類も多いほうがよいです。

付け合わせのキャベツだけというメニューより、小鉢で煮物もあるようなメニューです。もし、サイドオーダーできるなら、お浸し、ゴマあえ、白あえ、酢の物などを注文するのもよいです。そして外食やお弁当でも、まず最初は野菜から食べ始めましょう。一度に野菜の料理も肉や魚も食卓に並べてしまうと、魅力的な肉料理や魚料理に手を出したくなります。ですから、まず野菜の一皿を食べてから主菜や主食に進みましょう。これを意識しただけで、体重が5キロ落ちたという方もいらっしゃいます。

 

ボリュームのある食事はランチに

午後の活力を与えてくれるような、かつ丼、ハンバーグとご飯、豚のしょうが焼き定食、メンチかつ定食、酢豚定食、ミートソースがたっぷりのパスタなどはランチに食べたくなるものでしょう。ラーメンでもチャーシュー麺は、ランチタイムに食べられると幸せです。そんなボリュームもあるメニューはランチで食べたいものの代表です。

それらは、ご飯やパンや麺類などの炭水化物と、脂身の多い肉類などの適度なタンパク質と脂質を含んでいます。昼休みになる頃、血液中ではすぐに使えるブドウ糖は不足し始めています。ですから、炭水化物を含む食事で、まずはすぐにでも使えるエネルギーの補給をしたいのです。でも、お昼ご飯の後、夜まで何も食べられないこともあります。

一般的な社会人は、夜まで何も食べないのが普通です。ですから、体内で使いやすいエネルギーを長持ちもさせたいのです。そのためには、いくつかの手段があります。体脂肪にして、きちんと蓄えておく方法、ゆっくりと吸収させて血液中のブドウ糖濃度、つまり血糖を急に上昇させない方法などです。体内で血糖値が急に上がるとどうなるでしょうか?

まず、血液中にブドウ糖が多くなるので、血液は水よりも蜂蜜やシロップに近い状態になります。細い血管は通りにくくなったり、詰まりやすかったり、困ったこともあります。その状態で、もし走ったり、筋肉を使う労働をすれば、血液中にたっぷりとあるブドウ糖を消費しながら動けます。

筋肉は、栄養源であるブドウ糖がたっぷりありますから、好都合とも言えます。そして、動いているうちにブドウ糖は使われて、ちょうどよい程度を血液中に残して、余分に増えた分は使いきれば理想的です。

しかし、デスクワークの人とトラクターで作業する農業従事者などでは、増えた分のブドウ糖をそんなにたくさんは使わずに、午後の仕事ができるため、体内では増えすぎた血液中のブドウ糖をなんとか減らそうと努めるのです。

 

夜食はそのまま脂肪になる

「つい、一口だけ……」。こんな誘惑はいっぱいあります。残ったおかず、食後のデザート、外食の多すぎるご飯、テレビを見ながらスナック、お腹いっぱいなのに出された高級菓子、などなど。この一口の積み重ねも、長い間には脂肪になります。しかも、この「つい、一口」が習慣になると、ますます拍車がかかり、一口は二口、三口へと増加します。するともちろん摂取カロリーだって、増加するのです。ですから、この「つい、一口」の習慣をやめないといけません。たった一口ですから、やめるのが簡単です。ただし、二口、三口となってくると、やめるのも大変です。

ですから一口の誘惑から、やめていかないとなりません。食べるものを大切にすることはよいこと、食べるものを粗末にすることは悪いことです。ですが、すでにお腹がいっぱいだったり、食べなくてもよいものを食べる必要はありません。「残すともったいない」と食べてしまう人もいますが、よく考えてみましょう。ちょっとの食べすぎが、高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病の引き金になり、動脈硬化を早めます。

その「つい、一口」は、寿命や健康でいられる期間をほんのわずかずつ、縮めているかもしれません。いつもは無意識に手を出していた「つい、一口」。きょうから「ちょっと、心がけて」手を出さないように意識してみましょう。慣れれば、そんなにつらいわけではないし、なんということはありません。そもそも、その「つい、一口」と手が出しやすい、お菓子、スナックなどの買い置きをやめましょう。お菓子を入れる引き出しがキッチンにあると、いつもお菓子を常備しがちです。お菓子のための収納スペースは、ほかのもので使ってしまいましょう。お菓子を入れていた場所に調味料、予備のふきんやタオル、いつもは使わない食器などを収納してしまうことも「つい、一口」を封印するために役立ちます。

 

お弁当・外食では「選び方」に気をつける

最近では、家で食事をする人ばかりとは限りません。3食とも外食の人だって、珍しくはありません。朝は、コーヒーショップや喫茶店のモーニングセット、ファストフード、牛丼屋や定食屋で済ませる人もいます。

または、コンビニで買ったサンドイッチやおにぎりを職場に持って行き、そこで食べている人もいます。昼食が外食や買ってくるお弁当の人はいっぱいいます。社員食堂や職員食堂、学食、出前、職場でまとめて配達のお弁当を注文していることもあります。家にいる主婦やリタイア後のご夫婦なども、ランチは買ってきたり、出前を頼むこともあるようです。つまり、食事に関して考えるとき「家で作る」ということを基本にしては、健康アドバイスは成り立ちません。「作る」とか「用意する」だけでなく「選ぶ」ということを、考えておかないとなりません。選ぶためのポイントがあります。

◎野菜が多いもの。量も種類も多いもの。◎脂や油が少ないもの。揚げ物、肉の脂身はなるべく選ばないようにしましょう。◎炭水化物は1種類。パスタにパンが付く、麺類と丼ものなどは避けましょう。◎量が少ないもの。量が多いと、カロリーも多くなりがちです。塩分も脂も多くなる場合がほとんどです。◎彩りがきれいなもの。野菜などの種類が豊富だと、彩りがよく見えます。◎カロリー表示があれば、カロリーが少ないものを。カロリー表示を見る習慣をつけましょう。◎作られてから新しいもの。全部とは言えませんが、時間経過とともに、油が酸化したり、ビタミンが破壊されることもあります。もちろん、もし細菌が付着していれば、細菌は増殖しています。作ってから早めに食べましょう。◎一緒に飲食するもののカロリーも考えましょう。別に注文したり買った副菜、飲み物、デザートなども計算に入れましょう。こんな「ちょっとした心がけ」、外食や買ってきた食事を食べる機会も増えた現代では大切です。

 

飲酒量も1週間単位で調整

仕事柄、飲む機会が多い人もいますよね。そんな人は、「ビールは1日1本まで」なんてことは守れないでしょう。そこで、こんなアイディアがあります。1日単位で飲酒量を考えるのではなく、1週間単位で飲酒量を考えるというものです。つまり今日が接待で飲みすぎたなら、明日はアルコールを控える。どうしても飲みたいなら、ほんの1杯だけにします。飲み会の予定がわかっているなら、その前日から飲酒は控えておきましょう。飲み会の前日と翌日は、飲酒を控えるように「ちょっと、心がける」。

これが、愛飲家に覚えておいていただきたいポイントです。1週間の合計の飲酒量が、ビールなら大瓶5本以内、もしくは日本酒5合以内が望ましい範囲です。でも、「それでは足りない」という人もいるでしょう。そんな人も、せめて1週間7本以内、日本酒なら7合以内で抑えておきたいですね。手帳にでも「飲酒記録」をつけておくのもよいです。たくさん飲みそうな日には◎をつけておきます。

すると、飲み会の前日は、飲酒を控えることを忘れないで済みます。実際に飲んだ量で、多い日は◎、普通の飲み量だった日は○、ほんの少しだけ飲んだ日は△、飲まなかった日は×。アルコールの種類や銘柄、飲み会のメンバーなども記録しておきます。健康目的だけではなく、飲酒の楽しみの記録としても役立ちます。

 

小さくて重い茶碗に替えてみる

食生活の習慣は、なかなか変えられません。薄味にするようにアドバイスされても、徐々に元に戻ってしまう人も多いのが現状です。同じように毎日使うご飯茶碗、これも大きいものだと必要以上に食べてしまいがち。ですから、小ぶりのものを用意するとよいのです。しかし、小さいものですと物足りなさを感じることもあるでしょう。そんなときのために、茶碗は小ぶりでやや重めのものを選ぶのがコツです。持ったときの感触では、満足感がありますから、「ご飯はこれ1膳だけで十分」と直感的に判断して食べ始めます。ご飯はそれほどカロリーは高くありません。

でも、家庭によっては「ご飯を残すのはよくない」という考え方もあり、また習慣として、ややお腹がいっぱいになっても茶碗の中のご飯は最後まで食べてしまいます。ですから「多いと思ったら残す」ということが実行しにくいのです。食べすぎないために「ちょっと、心がける」、ご飯に関してはこれはとても難しいので、あらかじめご飯茶碗を小さくしてしまいましょう。ごく普通の茶碗は、それほど高価なものではありません。ですから、小さめでやや重い茶碗を買ってもよいでしょう。今まで使っていたものは、大きめの器で食べたいとき、たとえば丼もの、雑炊などのときに使えば無駄にもなりません。

 

小さいお碗は、味噌汁の塩分を減らすメリットも

味噌汁も、ごく普通の家庭では毎日食べるものです。味噌は発酵食品で腸の健康にもよいし、やはりご飯と一緒にいただくとホッとするおいしさがあります。まさに家庭の味の一つです。味噌汁の具として、野菜や豆腐などを入れると、油も加えず野菜を食べられるし、豆腐も新たに味付けせずに食べられますから、健康食としての大きなポイントです。

ただし欠点は塩分を摂りすぎる原因になること。そこで、ここでもお碗を小さいものに替えてみましょう。さらに、具だくさんにすることで、同じお碗の容量内での汁は減ります。ですから、塩分も減らせるわけです。味噌汁もご飯と同様に毎日のことですから、お碗を小さくしてしまうことで「ちょっと、心がける」が自然にできるのです。

 

「油を減らす」ために、テフロン加工のフライパン

調理のときに油を多く使うとカロリーは増えます。使う油の量は、たいていの人は目分量。「いつもの感じ」と、フライパンに油を流し入れています。油の量を減らすために、役立つのはテフロン加工のフライパンです。油が少なくても、焦げつきがなく上手に料理ができる便利なものです。人気のタジン鍋も油はほとんど使わず、野菜と肉や魚をおいしく蒸し焼きにできます。

味も香りも閉じこめて調理できるので、簡単でヘルシーな料理です。電子レンジも、油を減らす調理には活用できます。上手に使って、手軽にヘルシー料理を作って食べる習慣を付けたいですね。料理を作るときは、とにかく「油を少なく」がポイントです。そのためには、使用する調理器具の選び方も「ちょっと、心がける」ことが、健康管理には大切です。

 

しょうゆやソースのつけ方

塩分を控えたい人なら知っておきたいしょうゆやソースのつけ方があります。食品の上からかけると、ついかけすぎてしまいます。しかしそれでは塩分を摂りすぎます。とんかつのソース、海鮮丼のしょうゆなどをかけずに、小皿に入れて、そこにかつをつけたり、海鮮丼の刺身をつけたりしましょう。この方法だと、使うソースやしょうゆの量を約1/3に減らせます。しかもその小皿を小さめのものにしておくと、さらに効果的です。

何気なくかけているソースやしょうゆも「ちょっと、心がける」だけで、使用量を減らせます。家での食事でも外食でも、実行してください。

 

刺身にしょうゆは片面だけつける

刺身をしょうゆにつけるとき、両面にたっぷりとしっかりとしょうゆをつけている人はいませんか? 刺身だけではありません。たとえば、餃子や焼売をたれにつけるときも同様です。調味料につけるとき、小皿に入れた調味料に食品の片面を少しつけるだけにしましょう。つける調味料が多すぎないほうが、その食品の味がよくわかり、おいしさを感じられます。にもかかわらず、焼き肉屋さんで、小皿のたれの中に焼いた肉を入れて、おしゃべりに夢中になっている人。握り寿司を小皿のしょうゆの中に置いてしまい、日本酒を一口飲んでから握り寿司をしょうゆの中から救出して食べる人がいます。

日本酒をゴクリと飲むほんの3秒間くらいに、しょうゆはご飯粒にたっぷりと吸い込まれていきます。これでは塩分も摂りすぎることは確実です。しょうゆやたれをつけるときには、片面だけ。少しだけ。特に高血圧の人、親が高血圧など遺伝的に高血圧になりやすそうな人は常に「ちょっと、心がける」。これは、大事です。

 

外食では「ご飯は少なめ」と注文する

目の前に置かれた食事は、かなりお腹がいっぱいにならないと、「残す」ということはできないでしょう。しかも、仕事の合間のランチタイムなど短い時間で食べるときは、満腹を感じるより先に食べ終わってしまいます。ですから必要以上に食べている場合もあります。

つまり日常的に食べすぎになっている可能性があります。まず、普段から「ご飯は大盛り」と注文している人は、その一言を封印しましょう。普通盛りで食べてみます。最初の3日間くらいは物足りないかもしれません。でも、慣れると「これでちょうどよい」と思えるから、不思議です。普段は普通盛りで食べている人は、勇気を出して「ご飯は少なめにしてください」と注文してみます。そして、ゆっくり食べてみましょう。

これを続けていくと、「これでも足りる」と気づく日が来ます。家で食べるご飯だけではなく、外食でもご飯はいつもより、少ない量で注文するように「ちょっと、心がける」。これも継続すると健康に変化が現れる日が来ます。

習慣は、変えてしまうとそれで慣れる日がきます。もちろん、悪い習慣もついてしまうとそれが当たり前になるから怖いです。たとえば、食後に甘いデザートを食べる習慣になり、ランチタイムには近くのコンビニでプリンやアイスクリームなどスイーツを買って食べる習慣になると、デザートがないと物足りないことになってしまいます。

 

高カロリーなパン食には野菜スープをつける

パンはご飯にくらべて軽い食事のイメージがあります。けれども、コンビニで売られているパンの袋に表示されたカロリー記載を見たことはありますか?かつなど揚げ物を挟んだドッグパン、チーズやサラミが乗っている調理パン、クリームがたっぷりのデニッシュなどは、カロリー数を見るとビックリします。一つの調理パンやデニッシュで、500キロカロリーくらいあるものもあります。

むしろ300キロカロリー未満のものを探すほうが難しいくらいです。しかも、ランチならパン1個では物足りないでしょう。最低でも2個、人によっては3個は食べたいはずです。そうなるとパンだけの食事で、ほとんどが炭水化物と脂、それでカロリーは1000キロカロリーを超えてしまうこともあります。さらに、甘みもクリームもたっぷりのカフェラテを飲んだりしたら、摂取カロリーは1日分になってしまいます。もし、食後にデザートなんて食べてしまったら……。恐くてカロリー計算なんてできません。

「今日のランチはパンで軽く済ませる」、この思い違いが肥満や生活習慣病対策の落とし穴です。パンは自分で焼いてみればわかりますが、かなりの量のバターも使って作ります。その上に、さらに脂肪が多いサラミを乗せたり、かつを挟んだり、油で揚げたりと調理が増えるたびにカロリーも増えます。でも、パンはおいしいし、私も好きです。選ぶときは、なるべくサンドイッチなど中身がよくわかるものを食べるようにしています。チーズ、サラミやソーセージ、コロッケやかつ、クリーム、砂糖やジャムなどいろいろなものが乗ったり挟んだりされていて、手で食べるときに、手に脂や油やクリームがベットリ付きそうなものは、高カロリーの場合が多いので選ぶときの参考にしてください。パンを食べるときには、野菜スープ、温野菜サラダなどを追加すると健康食にできます。

サラダでも、マカロニサラダは野菜料理ではなく、炭水化物と油が主体ですからそのつもりで食べないといけません。パンは意外に高カロリーで高脂質な食べ物です。パンは食べすぎない、野菜のスープやサラダを追加するなど、パン好きなら「ちょっと、心がける」が大切です。本当は、食パンを買ってきて家でサンドイッチを作ったり、トーストにして少しだけバターかジャム、ママレードをつけるような食べ方がよいです。でも、みんながこの忠告を守ってしまったら、パン屋さんは売り上げが落ちてしまいますね。

 

1日に3杯、砂糖やクリームの入ったものを飲んだらどうなる?

飲み物はのどの渇きを潤したり、ホッと一息ついたり、ときには打ち合わせなど接客の決まりものとして出されたり、1日に何度も飲むことになります。ときどき講演の受講者から「1日に水はどれくらい飲めばいいんですか?」とか「1日に2リットル、飲まないといけないんでしょうか?」と質問されます。これは一律に「○リットル」とは答えられません。体格、年齢、ライフスタイルなどによって、相当の差があります。真夏の暑い日に屋外で作業をする人と、室内でゆったり身の回りのことだけをしてすごす人では汗をかく量もかなり違います。食事でどれだけ水分を摂っているかによっても異なります。

「カリフォルニアのモデルさんは1日に2リットル以上の水を飲んでいるから、美容のために2リットルは必要」という情報もあり、無理矢理2リットルのボトルの水を飲むことを義務にしていた女性たちもいます。しかし、190センチ近い長身のモデルさんは空気が乾燥したカリフォルニアで暮らし、オーディションであちらこちら飛び回り、ステージや撮影の日は食事の時間もなく、仕事がオフの日もトレーニングに励んでいるでしょう。

これでは小柄な日本女性がオフィスでデスクワークをしているのとでは、必要な水分も違います。その上、食事もかなり制限しているモデルさんたちと、ラーメンのスープ、味噌汁、煮物など、食事からも多くの水分を摂る日本の食事をしている私たちとでは、食事から摂る水分量もかなり差があります。私たち個人でも、その日の気温や湿度、生活パターン、食事の内容によって、摂るべき水分量は違うのです。「のどが少しでも渇いたら何か飲む。できればのどが渇く前に飲んでおく」のがよいでしょう。

のどの渇きに対して補給すべきは、本来は「水」です。でも、自販機の前に立つと、砂糖もクリームも入ったコーヒーを買っていたり、打ち合わせの場所として入ったコーヒーショップで、クリームと砂糖入りコーヒーの上にホイップクリームが乗りさらにキャラメルを乗せたキャラメルラテの大きなサイズなんて頼んでしまったら、そのカロリーはご飯1膳分くらいになりかねません。こんなものを1日に3杯も飲んでいたら、それだけで肥満や生活習慣病になってしまいます。コーヒーにミルクと砂糖を入れただけでも、60キロカロリーくらいにはなってしまいます。缶入りコーヒーでも、メーカーや商品によって違いますが80キロカロリーくらいあります。これを、1日3回飲んでいたら、約200キロカロリー。毎日のことですから、砂糖やクリームはやめるとか、ノンカロリーでおいしい日本茶や中国茶にするなど「ちょっと、心がける」。これだけでも毎日の積み重ねですから、1年後には変化があるはずです。ちなみに大きなペットボトルを持ち歩いている人、これは別の危険があります。私たちの口の中には、細菌がいます。

口をつけて飲むペットボトルの液体には、その細菌が入り込んでいます。朝から職場の机の上に何時間も置いておいたり、炎天下を持ち歩いたり、車の中に置いておくと、細菌が増殖してしまいます。それを夕方くらいに飲むと、増えた細菌が原因で、細菌性胃腸炎を起こすこともあります。激しい下痢や嘔吐で苦しむことになりかねません。ペットボトルの注意書きにも「開栓後は冷蔵庫に保存し、なるべく早めにお飲みください」と書かれています。飲み方の注意も守りたいですね。

 

新しいもの好きな人は気をつけたい

昔はなかったけど、最近は一般的になった食べ物や食べ方がありますよね。お寿司のネタやおにぎりの具に、マヨネーズであえたものなど、私の幼い頃はありませんでした。鳥の唐揚げにマヨネーズをたっぷりかけたりしなかったものです。パンケーキにアイスクリームを乗せたものもいつの間にか定番になっていました。コーヒー豆や紅茶の葉の種類も増えましたが、それだけではなく、クリームやキャラメルが加わり、抹茶ラテなどもあり、ロイヤルミルクティーにもストロベリーなどフレーバーが出現しています。

豊かになった食生活は、楽しいことです。ときや気分によって、選べるものが増えたんですから。でも、増えたバラエティーのほとんどは「今までのものに追加する」ということで、できています。しかも、その追加されたものは甘みと脂肪がたっぷりのクリームが入っています。香りのシロップには、糖分も入っていて、よりおいしさが増すようにできている場合があります。そうなると、香りだけでなく甘みも自動的に追加されることになります。新しいものは、脂や油、甘みが追加されることが多いので、要注意です。新しいものを食べたいときは「何が、追加されたのかな。カロリーはどのくらい増えたかな?」と考える。「ちょっと、心がける」を忘れないようにしましょうね。

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