脂肪燃焼スープで7日間ダイエット

「心臓病の外科手術時に際し、短期間で減量の必要性がある患者に向けて医師が考案したダイエット手法」として2005年頃から話題になったダイエット方法です。関連する書籍も多数発行されており、レシピや実践方法が特集された新刊が2015年にも何点か発行されるなど、ある程度知名度があり、ニーズも継続的にあるのではないかと想像されます。インターネットで「脂肪燃焼スープ」と検索すると多数の「◯kg痩せた脂肪燃焼スープダイエット!」、「劇的に痩せる脂肪燃焼スープ」といった強い煽りの記事が多数見つかります。

ダイエットにまつわる情報に敏感な方であれば一度は耳にしたり、実践したことのある方も多いのではないでしょうか?まず最初によく紹介されている「7日間脂肪燃焼スープダイエットの実践方法」を簡単にご紹介します。あくまで、後半の「危険性」や「リスク」についての解説のための記載であり、実践をおすすめしているわけではありません。

<7日間脂肪燃焼スープダイエットの実践方法>

・野菜が豊富なスープ食べ放題。

・7日間炭水化物や糖質の多いものはほとんど摂取しない。

・1日の摂取カロリーは1000kcal以下だと想像される。

7日間のスケジュールや具体的に食べて良いメニューに関しては様々ですが、タンパク質が全体的に不足しており、総摂取カロリー量もかなり減らしている点は共通しています。

<わかりやすさがポイント>

低カロリーな「野菜中心のスープは食べ放題」で「その他は基本的に我慢」と、このダイエット方法に則るのであれば、実践方法は表向きシンプルな点が根強い人気の理由だと考えられます。一昔前からブームになるダイエット方法の傾向として、「◯◯だけは食べ放題!」という煽りがあります。(EX.りんごダイエット、バナナダイエット、酵素ドリンクを使った断食ダイエット など)流行させブームに乗せるには、キャッチーかつ、シンプルで伝わりやす事が第一だといえる良い例です。

食事によるカロリー摂取を圧倒的に抑えるため、「短期的に痩せる」という目的だけの達成にとっては理にかなっているとも言えますが、しかし元来、この方法は心臓病患者が手術前に医師の監視下のもと、手術の障害にならないように短期間でダイエットに取り組むために行われたものです。医師の監視下で行われるダイエットであれば、血糖値などをモニタリングしながら、身体に異変が無いかを日々確認しながら進めていることでしょう。

予備知識や自身の体についてモニタリングする手法もなく実践するには非常にリスキーな手法だといえます。極端な肥満でない人が絶食・断食に近い形で、急激なダイエットをすることは、体調不良にとどまらず、拒食症や過食症の原因となる他、命の危険性すらあります。

もう一つのデメリットとしてはこの手法で減量に成功したとしてもリバウンドしやすい点が挙げられます。

日々必要な摂取カロリー量を大幅に下回った食生活を継続することは、筋肉量を減らします。絶食時に血糖値が下がることで、肝臓や筋肉に蓄えられた糖質であるグリコーゲンがまず減少します。このグリコーゲンは体が即時に使えるエネルギー源であり、貯蔵量が少なく絶食に近い状態では1~2日で枯渇します。この状態が続くことで糖新生というタンパク質から必要な糖分を作り出す代謝が働きます。

もちろん、この過程で脂肪(体脂肪)も多少分解されるのですが、タンパク質を分解するほうが効率がよく、タンパク質も不足した食事が続くことで、体に起こっている現象としては、筋肉の分解が優位となります。

まとめると糖質・タンパク質不足など絶食に近い状態では「筋肉から減る」可能性が高いと言えます。

要は「7日間脂肪燃焼スープダイエット」を何の準備や知識も無く始めると筋肉が減りやすく、体重が減っているように見える結果となります。そして、脂肪と筋肉の重さには差があるため、「体重が減った事」と「見た目への変化」には差があります。ダイエットあるあるの「体重は減ったけれども、見た目に変化が感じられない」の完成です。

先ほどの図のように食事制限に頼ったダイエットとリバウンドを繰り返すことで、筋肉量は維持・もしくは減少していきます。過去に成功したと感じる手法をリバウンド後に繰り返しても体重が減りにくくなる一因はここにあります。(ダイエット→筋肉量の現象→脂肪増加による体重増加→再ダイエットでは筋肉量がすでに減っており、同じダイエット方法では体重が減りにくくなっている)

食事制限だけに頼ったダイエットは不健康なだけでなく、筋肉量を減らしてしまい、太りやすく引き締まった体とは逆のたるみがちな体へと変化させます。また、脳など体の一部の器官は血中のブドウ糖のみをエネルギー源としており、不足することで集中力の低下、イライラやひどい場合にはめまい、吐き気など様々な不調を招きます。インターネットなどで話題の手法ではありますが、実践するメリットは殆ど無く、デメリットばかりのダイエット方法だと言えます。また、1週間程度であればリスクも限定的だと思われれますが、継続して絶食に近い状態を維持したり、脂肪燃焼スープだけの食生活は体への影響が大きいため絶対に避けるべきダイエット方法だといえます。

この『タンパク質が不足した状態になる「7日間脂肪燃焼スープダイエット」がダメなら最近話題の「糖質制限ダイエット」ならタンパク質も沢山摂るから大丈夫??』と思った方はダイエットに関する情報を沢山見聞きしている方なのだと思います。

次項では「糖質制限ダイエット」に関するリスクについてご紹介します。

 

糖質制限ダイエットの是非

前項でご紹介した「7日間脂肪燃焼スープダイエット」ではタンパク質不足となるため、仮に体重を減らすことに成功しても一過性であり、継続することは困難、そして繰り返すとリバウンドしやすい体質になると解説しました。最近特に話題の「糖質制限ダイエット」は糖質(麺類・パン・米など)の主食を控える、もしくは全く食べずに、タンパク質主体の食事にすることでダイエットする手法です。提唱者によって異なります

が、糖質を減らす分、タンパク質主体の食生活に切り替え、食べる量に関してはあまり気にしなくて良いとする内容が多い傾向があります。

近年の糖質制限ダイエットは、アメリカの循環器学者のロバート・アトキンスが考案したダイエット(アトキンスダイエット)に端を発します。類するダイエット手法として、ローカーボダイエット、低炭水化物(低糖質)

ダイエット、糖質制限ダイエット、低GIダイエットなどがありますが、日本では2000年頃から書籍が発刊されており、グーグルトレンドというインターネット検索数の変化を比較するサービスで見ますと、2012年ごろから火が付き始め、最近でも話題に事欠かないダイエット手法です。

糖質制限系のダイエットは実践することで結果が出やすく、分かりやすく体重が落ちやすい傾向があります。また、お米やパンなどを食べずに、お肉などは沢山食べていいとするダイエットメニューが多いため、シンプルかつ、糖質の多い物以外の食べたいものを食べつつ体重が減る点も多くの人が魅力的に感じる理由だと思います。極端な記載があるサイトなどでは「お米とパンを止めれば、お肉は食べ放題!」といった食事制限をすすめているようなサイトも見受けます。

<そもそもの三大栄養素>

糖質制限ダイエットはその名の通り「糖質」を控えるダイエット方法ですが、みなさんも学校で一度は学んだことのある「三大栄養素」についておさらいしてみましょう。

三大栄養素は糖質、脂質、タンパク質の総称で、食物に含まれる体を構成するために必須の栄養素です。それぞれ1gあたりのカロリーが異なります(タンパク質:1gあたり4kcal、脂質:1gあたり9kcal、糖質:1gあたり4kcal)。この1gあたりのカロリーに差があり、最もカロリーの高い脂質過多な食事では太りそうに感じますが、それぞれ栄養素の代謝経路が異なり、体脂肪の増加と直結するわけではありません。また糖質は広義には炭水化物と言い換えられます。食品の裏面に記載のある栄養成分などは「糖質」の記載ではなく、「炭水化物」という記載されることのほうが多いと思います。「糖質+食物繊維」の合計が「炭水化物量」です。

低炭水化物(ローカーボ)ダイエットも糖質制限ダイエットも糖質を抑えるという意味においては、基本的には同じです(それぞれ提唱者や著者などにより差はあると思います)。この糖質を抑えることで体重が減るメカニズムについて次項でご紹介します。

<糖質制限ダイエットの基本的な考え方>

先程も記載した栄養素別のカロリーを比較すると、脂質:1gあたり9kcal、糖質:1gあたり4kcalと炭水化物量を減らして、脂質(お肉など)を増やした場合において、全体の摂取カロリーが増えてしまうように感じるかもしれません。炭水化物によるエネルギー摂取量の比率は60%度だと言われています。かなりの比率を炭水化物でエネルギー摂取していることになります。

糖質制限ダイエットと切っても切れない関係に「血糖値」があります。トクホのお茶のCMなどでも「血糖値の上昇をおさえる」、「血糖値が高めの方に!」といったフレーズを聞いたことがあると思います。人は食事をする度に血糖値が上昇します。大切なポイントとしてカロリーの高い食品=血糖値の上がりやすい食べ物ではありません。炭水化物(糖質)の多い食べ物は、タンパク質や脂質の高い食べ物と比較して、血糖値の上昇により大きな影響を及ぼします。そして、血糖値の上昇は体にとって負担のかかる状態となります。(血糖値の高い状態が続くことにより、血管が傷つく、血栓や腫瘍の原因となります。)そのため、体は上がった血糖値を下げようとします。

上昇した血糖値はすい臓から出るホルモンの一種「インスリン」の働きにより、中性脂肪として貯蔵を促され、臓器や筋肉で使用されるグリコーゲンの合成が促されます。急激に上昇した血糖値は体にとって害があるため、下げようとインスリンがより多く分泌されます。その結果、体にエネルギーが溜めこまれやすくなります。筋肉や肝臓を始めとした臓器で貯蔵できるグリコーゲンの量には限界があるため、余分なエネルギーは中性脂肪へと変化し、やがて脂肪細胞に蓄えられます。これが体脂肪が増えることと血糖値の上昇の関係です。もちろん、タンパク質や脂質の摂取でも血糖値は多少上昇しますが、炭水化物の方が血糖値の上昇に影響を及ぼす影響が大きいと言えます。少しお話がそれてしまいますがGI値(グリセミック指数)という数値があり、食品別で血糖値の上昇にどの程度影響をおよぼすかを示す値などもあります。(GI値は直接的にダイエットに活用することは難しいため、割愛いたします。)

体内の糖質が不足することで、体脂肪などから脂肪を分解し、体に必要な糖質を作り出します。これを糖新生といいいます。血糖値の上下が穏やかな食事にすることで、インスリンの過剰分泌を防ぎ、糖新生により体脂肪として蓄えられている脂肪を優先的に燃焼させやすい状態にするというのが、糖質制限ダイエットの基本的な考え方です。逆に糖質の多い食生活を続けることで、血糖値を下げるために、蓄えようとする働きが優位になるため、いつまでも脂肪が減らないということになります。

<糖質制限ダイエットのメリット・流行の理由>

提唱者によって程度の差はあれ、糖質・炭水化物の摂取量を減らす点は共通しており、タンパク質や脂質主体の食事にすることで血糖値の上昇を穏やかにすることで、ダイエットに繋がるというのが糖質制限ダイエットの基本的な考え方です。これだけの一大ブームになる理由は、発想がシンプルかつ食べることを我慢しなくて良いところかと思います。「お米やパンを止めて、お肉主体の食事にすれば痩せる!」非常にキャッチーで魅力的に感じる方も多いのではないでしょうか?よほど糖質に執着がある人を除けば、炭水化物を減らしつつ、その他は好きなだけ食べて、我慢しなくて良いのであれば、続けやすいと思います。

そして、現に減量の効果も高いことから、見よう見真似で始めても一定の結果が出やすくメディアや口コミでも「糖質制限したら痩せた!」という結果が広まっていったものと考えられます。

<糖質制限ダイエットの落とし穴>

糖質制限ダイエットのブームにより嫌われがちな糖質・炭水化物ではありますが、別の見方をするとタンパク質や脂質と比較し、効率的にエネルギーに変換できる栄養素であり、特に脳はブドウ糖を唯一の栄養源としており、糖質自体が体に必要な栄養素であることは間違いありません。先ほどの項目でも解説した体内の糖質が不足した際に、タンパク質を分解し糖質(グルコース)を作り出す糖新生という代謝経路があり、体に必要な糖質を補うことが可能です。

糖質制限ダイエットについて詳しく調べたことのある方や実践中の方であればご存じの方も多いかと思いますが、糖質制限ダイエットの是非については専門家や研究者の間でも賛否両論あります。本章では糖質制限ダイエットにより起こりうるリスクについてまず列挙してみたいと思います。

・低血糖による影響(めまい・吐き気など)

・筋肉量が減る可能性

・脂質過多な食生活になりがち

・元の食生活に戻した時にリバウンドしやすい

・中長期では糖質を制限し、タンパク質主体の食事でも体重に差が出ないというデータもある

※これらは糖質制限により必ず起こるというわけではなく、可能性が高まるという記載です。

糖質制限ダイエットを是とする研究者や医師、真逆で危険だとする専門家や医師様々います。実際、糖質制限ダイエットについては原理主義者のように、反対論を唱える人を親の敵のように扱う人も見受けます。もちろん、その人の努力の結果、痩せなたなどの事実があり、人にもオススメできると実感しているからこそ、そうなるのかもしれません。ダイエットを論を基に、出来る限りフラットな情報を取捨選択すべきという内容で構成しています。現実的には糖質制限ダイエットで健康のリスクが高まるという論文もいくつも挙げられますし、逆に問題ないとする研究論文もいくつも挙げることが可能です。

<ではどうしたら良いのか?糖質制限との付き合い方>

このように賛否両論が分かれてしまっている手法についてはどのように扱うべきでしょう?

軽めの糖質制限に留める事をオススメしています。誰しもに当てはまる糖質制限量というのは見極めづらいですし、一定のリスクを伴います。医師が管理の元、血糖値を定期的にモニターして行うのであれば、健康的かつ、最も効率的な糖質の削減量を判断できるかもしれません。しかしながら、糖質制限ダイエットが流行った理由にも記載しましたが、その流行の一因として「手軽さ」があり、医師などに厳密に管理してもらう手法では本末転倒だといえます。人は目的意識を持ち、その目的に沿って結果が出始めると「も

っと!」となりがちとなり、更にリスクを高めたダイエットにつながってしまう可能性もあります。また、前項の起こりうるリスクでも記載した通り、元の食生活に戻した時にリバウンドしやすい点はありますので、極端な糖質制限を行い、体調不良などから続けられなくなってしまうことも視野に入れて考えると、軽めに継続できる範囲で行うことを推奨します。糖尿病など特別な状況があれば話は別ですが、リスクを高めてまでダイエットを行うことは本末転倒だといえます。そして継続できなくなったダイエットはリバウンドに直結します。

糖質制限をご自身で行う際には、例えば今まで毎日食べていたオヤツを糖質の少ないものに切り替え、夜ご飯だけお米の量を30%ほど減らすなど程度であれば悪影響が出る可能性は低いと思われます。

もちろん、減量幅は少なくなりますし、お肉などの脂質の高い食品もたくさん食べられることにはなりません。

 

冷ご飯でお米のカロリーが減る??

前項目でご紹介した炭水化物ダイエットは、軽めであればダイエットにプラスになりそうだという結論でした。日本人が長らく主食としてきたお米は美味しいですし、減らすにしても大変と感じる方も多いかと思います。お茶碗1膳分で約200kcalを超えるお米は、みなさんの日々の食事のカロリーでも大きな比率を占めると思います。

お米が好きでできればダイエット中も減らしたくない、という方も多いのではないでしょうか?そんな時に今までと同じ量のお米でもカロリーを減らすことができるとしたら飛びつきませんか?

「冷ご飯 お米」でGoogleなどで検索をしますと、「ちょっとした工夫で痩せることが出来る!」と表現されたサイトを多数見かけます。冷ご飯と難消化性でんぷん、そしてそのカロリーについて理解を深めるため、本題に入る前に難消化性でんぷん(レジスタントスターチ/Resistant Starch、RS、耐性でんぷんとも呼ばれます)とデンプンについて解説します。

<澱粉(でんぷん)とは?>

レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)について解説する前に、でんぷん(starch)についてご紹介します。

生活に身近な食材としては「片栗粉」と言うと伝わりやすいかと思います。

昔はユリ科の植物「かたくり」の根っこから作られ、現在一般的に流通している片栗粉はじゃがいもから作られており、唐揚げなどの揚げ物から料理のとろみ付けのために使うことでお馴染みです。

じゃがいもの他、トウモロコシから作られたコーンスターチ、小麦から作られた小麦澱粉、米は米澱粉、キャッサバから作られたタピオカ、葛(クズ)など直接食べる食材としても活用されます。

でんぷんは食品を安定化したり、発酵時の原料とされるなど、色々な場面でも使われています。

人がでんぷんを食べた時に体で起こる消化や吸収は、簡単にまとめると以下の様な流れになります。

・食べる

・唾液の働きでデキストリンやマルトース(麦芽糖)に分解

・最終的に小腸でブドウ糖に分解され、吸収される

次の項目では、でんぷんと難消化性でんぷんの差についてご紹介します。

ここまでは『でんぷんは最終的に糖分として体内に吸収され、血糖値の上昇や脂肪として蓄積される』とざっくり理解して頂ければと思います。

<レジスタントスターチとは?>

レジスタントスターチ(Resistant Starch)は日本語で『難消化性でんぷん』となります。

現在、広く受け入れられているレジスタントスターチの定義は、「健康なヒトの小腸内での酵素消化作用を逃れる澱粉および澱粉分解産物の総称」(引用元:日本食品科学工学会誌 Vol. 57 (2010)No. 5 P 224 難消化性澱粉)https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/57/5/57_5_224/_pdf

前項目でご紹介した、でんぷんに「難消化性」が付いた言葉で、「消化されにくい・されない=吸収されにくい≒摂取カロリー量が抑えられる」となります。

簡単にまとめると、「お米やパン中のでんぷん(炭水化物)から、難消化性でんぷんの比率が高まれば、摂取カロリー量が抑えられる。」となります。

レジスタントスターチにはいくつかの分類があります。

RS1 細胞壁などで物理的に消化されない:全粒粉,豆類,粗粉砕穀類,パスタ

RS2 澱粉粒自体に耐消化性がある:未熟バナナ澱粉,高アミロース澱粉,未加熱の馬鈴薯澱粉

RS3 老化澱粉:ポテトサラダ,コーンフレーク,冷ご飯

RS4 化工澱粉:架橋澱粉,エーテル澱粉

最初にご紹介した、冷ご飯など、でんぷんを含む食材を冷やしたりすることでカロリーが下がるとしている言説はこの「RS3の老化でんぷん」から来ています。

<レジスタントスターチの効果>

・整腸作用

・血糖値の上昇を穏やかにする

・摂取カロリー量を抑える

・満腹感が持続しやすくなる

レジスタントスターチの効果としては上記が挙げられます。

引用:日本家政学会誌 レジスタントスターチの開発

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/65/4/65_197/_pdf

では実際に実生活での工夫で、レジスタントスターチを摂る量を増やし、摂取カロリー量を事は可能な

のでしょうか?

<レジスタントスターチを調理方法などで増やすことは可能?>

調理方法などでレジスタントスターチ量を増やすこと自体は可能だとする研究論文があります。

図表引用:昭和女子大学 異なる炊飯器を用いた米飯レジスタントスターチ含量の定量

引用元 :http://ci.nii.ac.jp/naid/110004999295

※RSはレジスタントスターチ量、TSは総でんぷん量

※本実験は炊飯法の差により、レジスタントスターチの量が増加するかを確認する目的で行われた試験です。

※使用されたお米は国産のコシヒカリです。

こちらの研究を元にすると24時間の冷蔵後のレジスタントスターチ量が増えていることが見て取れます。

(差は僅かですが…)

では冷ご飯を食べることで摂取カロリー量を押さえたり、整腸作用から便秘解消に役立てることは可能なのでしょうか?

以上をまとめると冷ご飯や作り置きしたおにぎりで摂取カロリー量を減らしたりすることは、可能ではあるが、差は微量だと言えます。

その他の論文なども探しましたが、日本米で冷ご飯を作り、日常生活において有意な差が出るほど、レジスタントスターチ量が増えたという結果は見当たりませんでした。

<レジスタントスターチの比率を高める努力をするよりも>

冷ご飯を作ったところで、レジスタントスターチ量にそこまで有意な差があるとは言えません。

先ほどの日本家政学会誌にも記載がありますが、無理にレジスタントスターチ量を増やした食事メニューを考えたり、調理方法を考えることで、逆効果の可能性もあります。

前述の通り一般食品に含まれているレジスタントスターチは僅かであり,日常の食事でこれを十分に摂取しようとすれば多量の澱粉質を取ることになり,かえってカロリー過多になりかねない.(引用:日本家政学会誌 レジスタントスターチの開発)

冷ご飯を食べるなどの工夫でカロリーを減らせたとしても、その量は少なく、食べる量を少し増やしただけで帳消しとなってしまうレベルだと言えます。

<レジスタントスターチを含む食品>

含量の区分/乾燥物中の重量%/食品の例

含量がかなり低いもの/<<1/ゆでたじゃがいも(調理直後),炊飯米(炊きたて),パスタ,ふすま含量の高い朝食シリアル,小麦粉

含量が低いもの/1~2.5/朝食シリアル,ビスケット,パン,パスタ(冷めたもの),炊飯米(冷めたもの)

含量が中程度のもの/2.5~5.0/朝食シリアル(コーンフレーク,ライスクリスプ),フライドポテト,エクストルーダー処理した豆類

含量が高いもの/5~15/えんどう,生米,オートクレーブ後冷ましたデンプン類(小麦,じゃがいも,とうもろこし),調理し冷凍したデンプン含有食品

含量が非常に高いもの/>15/生のじゃがいも,生の豆類,アミロース含量の高いトウモロコシ,未完熟のバナナ,老化したデンプン

引用:食物繊維−基礎と応用−(第3版) P52 種々の食品に含まれるRS含量 表4-7

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4804111913/alpca-22/ref=nosim/

含量の高い食品例として以下は、食べることができない、もしくは食べると体に不調をもたらす食品です。

・生米・生のじゃがいも・豆類、未完熟のバナナなど

その他の一般的な食材に含まれるレジスタントスターチの量は、多くとも数%とカロリー摂取量を減らすという目的では有用とまで言える含有量ではありません。

冷ご飯と炊きたてのご飯における、レジスタントスターチ量はさしたる差があるとは言えません。(多くとも2.5%程度の差)

以上を総合的に考えると、レジスタントスターチ量を増やす事を意識するあまり、冷ご飯を意識的に食べる事はあまり効果的でないばかりか、食事の満足感や楽しさを失ってしまいます。また、安心感から食べ過ぎてしまう可能性もありえます。これらを総合的に考えると、食事全体の炭水化物の量を抑える努力をした方が建設的だといえます。

 

ココナッツオイルでお米を炊くとカロリーが半分になる??

前項では冷ご飯にすることで、カロリーが抑えられる可能性について記載しましたが、少し抑えられる程度ではなく、カロリーが半分になったらどうでしょう?大好きなお米に少し手を加えるとカロリーが半分になる……、そんなことが可能なら夢のようですよね!私はこれを聞いた時に「いつもの2倍お米が食べられるのか!」と思いましたが、「そんなバカな…!」という気持ちも半分ありました。ココナッツオイルでお米を炊くとカロリーが半分にする手法と本当か否かの検証を進めてみましょう。

2015年の4月頃に「ココナッツオイルを加えてお米を炊くことでカロリーが半分以下になる」という記事が出ました。ここ2~3年でココナッツオイルが美容や健康に有益だと話題になっていることに合わせて、一つの研究発表をきっかけにソーシャルメディアやキュレーションメディアを介し、この「ココナッツオイルを加えてお米を炊くことでカロリーが半分以下になる」という話題が米国発で日本でも話題になりました。その後テレビでも特集されたのでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。(余談ですが、最近はインターネット発、テレビなどのマスメディアが後追いの話題も増えましたね……!)

「ココナッツオイルを加えてお米を炊くことでカロリーが半分以下になる」という話題の大元は、スリランカの研究者がアメリカの化学会( American Chemical Society )での報告が元となり、TIMEやワシントン・ポストなどのニュースメディアが取り上げ、それを引用した形となっています。複数のメディアを経ることで、拡大解釈が進んでおり、実践したところでカロリーを抑える事は難しいのではないかという結論に至っています。

<ココナッツオイルでお米のカロリーを減らす方法>

1:炊飯前の研いだお米にココナッツオイルを少し足し(お米の3%程度)、炊きます。

2:その後、冷蔵庫で12時間以上冷やします。

ココナッツオイルを足すことと、炊飯後のご飯を冷やすことで、お米に含まれるデンプンのうち難消化性デンプンの比率が10倍に増え、体内に吸収されるエネルギー量が減る(体内に取り込まれるカロリーが減る)という研究結果です。

※補足

難消化性デンプンとは、レジスタントスターチとも呼ばれ、加熱調理後に冷えることで糊化し、再結晶化されることで体に吸収されにくい構造になったものを指します。

単に冷ご飯にするだけでも難消化性デンプン(レジスタントスターチ)は増えるという研究結果もあります。

炊飯器によるレジスタントスターチの量の差

図表引用:昭和女子大学 異なる炊飯器を用いた米飯レジスタントスターチ含量の定量

引用元 :http://ci.nii.ac.jp/naid/110004999295

※RSはレジスタントスターチ量、TSは総でんぷん量

※本実験は炊飯法の差により、レジスタントスターチの量が増加するかを確認する目的で行われた試験です。

※兵庫県産のこしひかりを使用。

こちらの研究を元にすると24時間の冷蔵後のレジスタントスターチ量が増えていることが見て取れますが、差は僅かです。

<ココナッツオイルでお米を炊くとカロリーは減るのか?>

原文に近いメディア、もしくは原文につきましては本章の最後に参考元を記載します。

簡単に実験の概要をまとめると、以下のようになります。

1:研究時に38種類のお米で試験している

2:それらの種類で10~12%のカロリー減少が確認された

3:試験したお米はスリランカ産(タイ米のようなインディカ米の可能性が高い?)

4:まだ論文にはなっていない?

1と2に関しては38種類のお米の種類に対し、8つの調理法を行い、最も良い結果が出た種類のお米と調理法で50~60%のカロリー減少が見られたと記載があります。

2に関してはThe Wasington Post とAmerican Chemical Societyの動画のみで確認できます。

3:試験したお米はスリランカ産

インディカ米か否か、使用した米の種類の確認はできませんでしたが、スリランカのお米と記載があります

ので、インディカ米の可能性があります。

元々日本で食されている短粒種よりもタイ米などのインディカ米はレジスタントスターチの比率が高いとされています。

日本で一般的に食べられているジャポニカ米(いわゆる日本米)を使用した場合に同様の結果とならない可能性があります。(世界の米生産量のうちジャポニカ米の生産量は15%未満とのことです。参考:

wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%9D%E3%83%8B%E3%82%AB%E7%B1%B3)

・お米の種類によるレジスタントスターチ量の差

図表引用:日本食品科学工学会誌 米および米加工品における難消化性澱粉含量の測定

引用元 :https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/55/1/55_1_18/_pdf

上記論文では国産のお米のレジスタントスターチ量を比較しています。

この様に品種によっても差が確認できます。

4:まだ論文にはなっていない?

引用元をたどると、American Chemical Society(米国化学会)というアメリカの化学分野の学術団体のリリースと研究者のインタビュー動画にたどり着きます。(https://www.youtube.com/watch?

list=PLLG7h7fPoH8LtUyqg-vxxZO3GlujdfXh6&v=rzH-ahH6QD0)

確認した限りではまだ論文になっておらず、「使ったお米の品種」、「それぞれでどの程度カロリー減少が確認できたのか」が不明でした。2016年2月現在では論文は確認できていません。また、先程のレジスタンススターチ量の差と品種の差を見る限り、日本のお米を使って、ココナッツオイルを足したところで大したカロリー減少は期待できないのではないかと感じています。

一番気になる点としては大元の発表でも「最もカロリー減少が確認できた場合で50~60%、その他でも10~12%のカロリー減少が確認できた」とあり、38種の米×8つの調理法を試し、ほとんどが10~12%のカロリー減少で、1~2例で50~60%のカロリー減少が確認できたレベルなのでは?と見て取れます。

要するに「ココナッツオイルでご飯のカロリー半分!」と言い切るには現時点での研究結果からでは早計ですし、記事を見た日本人がジャポニカ米を使い実践するには不向きな可能性が高いと言えます。

引用、及び参考とした原典

TIME

(http://time.com/3754097/rice-calories-starch/)

mail online

(http://www.dailymail.co.uk/health/article-3009374/Want-rice-HALF-calories-Just-cook-coconut-oil-refrigerate-overnight-eating.html)

The Wasington Post

(http://www.washingtonpost.com/blogs/wonkblog/wp/2015/03/25/scientists-have-figured-out-a-simple-way-to-cook-rice-that-dramatically-cuts-the-calories/)

American Chemical Society

(http://www.acs.org/content/acs/en/pressroom/newsreleases/2015/march/new-low-calorie-rice-could-help-cut-rising-obesity-rates.html)

 

トランス脂肪酸の危険性と食品について

ここまでは◯◯ダイエットって本当は効果的では無い!といった内容でした。これまでの流れとは反対に、世間で非常に危険!と言われている食材などでも、実際はそこまででは無い、もしくは過大に危険性を取り上げられている食材などもあります。

代表的な例としてトランス脂肪酸があります。マーガリンやショートニング(揚げ物や菓子パンなどに使われる)に多く含まれ、アメリカでは、2013年に米食品医薬品局(FDA)が段階的に使用を禁止する流れとなり、2018年6月より食品への添加が使用禁止となる決定を下しました。今回はトランス脂肪酸そのものの解説と危険性、各国の対応などについてご紹介します。また、本性のタイトルにも記載しましたが「マーガリンはプラスチック」という定義をするサイトや専門家を名乗る方を見受けます。まずはその定義への結論から。「マーガリン=プラスチック」とするのは強引だと考えられます。

<トランス脂肪酸とは?>

トランス脂肪酸は天然の素材にも存在し、牛乳や加工品のバターなどにも少量含まれています。

表示義務のある国でも天然のトランス脂肪酸については規制の対象外とされています。

トランス脂肪酸を含む油脂は常温でも液化しづらく、酸化による劣化が少ないため、食品を長持ちさせるために利用されてきました。また、揚げ物(フライドポテトなど)をサクッと仕上げる目的や洋菓子の食感をよくする目的でも使われています。元来酸化しやすい不飽和脂肪酸に水素添加を行うことで飽和脂肪酸と同じような構造にします。この過程で二重結合の一部がシス型からトランス型へと立体構造に変化が出ます

<トランス脂肪酸の危険性>

トランス脂肪酸を一定量摂取することで悪玉コレステロール(LDL)を増やし、善玉コレステロール(HDL)を減らす事が分かっています。

その他に、トランス脂肪酸の過剰摂取が引き起こす可能性が高いとされているのが以下の症状です。

・糖尿病

・心疾患

・肥満

・高血圧

・高血糖

同様の症状はその他の脂肪酸の摂取でも起こります。

ではどの程度トランス脂肪酸の体への影響があるのでしょうか?

1994年の論文を解説しているサイトから引用させていただきます。

飽和脂肪酸と同量のトランス脂肪酸を摂った場合にはLDL/HDL比の上昇させる程度は飽和脂肪酸に比べると2倍程度高いという結果がでたのです。LDLは全身の必要な場所にコレステロールを運ぶ役割を、HDLには全身から余分なコレステロールを引き抜き肝臓に戻す役割がある、と簡単におぼえておくと良いでしょう。

引用:トランス脂肪酸ってどれぐらい危険なの(データ検証編)

引用元:http://d.hatena.ne.jp/doramao/20140210/1392010030

引用元記事の参照論文:rans fatty acids and coronary heart disease. Ascherio A, Katan MB, Zock

PL, Stampfer MJ, Willett WC. N Engl J Med. 1999 Jun 24;340(25):1994-8.

簡単にまとめるとトランス脂肪酸は同じ量の飽和脂肪酸を摂取した際と比較して、善玉コレステロールの働きを抑え、悪玉コレステロールの働きを2倍活発にする可能性が示唆されています。

また研究論文の多くが、欧米人を対象とした調査で日本人におけるリスクの増大については明らかになっていません。

<トランス脂肪酸を多く含む食べ物>

図のようにマーガリン以外にもケーキやビスケットなどの洋菓子もトランス脂肪酸が多く含まれれる食品です。

・ショートニング

ケーキ

アイスクリーム

菓子パン

クッキー

ポテトチップス

チョコレート

フライドポテト

・食用油

マーガリン

サラダ油

コーン油

植物性油脂

・インスタント食品

カップラーメン

カレールウ

・その他

マヨネーズ

オイルドレッシング

揚げ物全般

<日本人は元々トランス脂肪酸の摂取量が少ない??>

トランス脂肪酸のリスクや多く含まれる食品についてご紹介しました。トランス脂肪酸を摂取することは同量のその他の脂肪酸を摂取するよりも生活習慣病のリスクを高めることが示唆されています。本章では日本の対応、次の章で各国の対応の比較をしてみましょう。現状、日本ではトランス脂肪酸の使用禁止、含有量の表示義務などはありません。

 

日本人の平均的なトランス脂肪酸の摂取量

日本人一日当たりのトランス脂肪酸摂取量を推計(積み上げ方式)したところ、平均 0.7g(摂取エネルギー換算では約 0.3%)平成 20 年度の食用加工油脂の国内の生産量から推計した一日当たりのトランス脂肪酸摂取量は、平均 1.4g(同約 0.7%)

引用:食品安全委員会

引用元:http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-trans.pdf

調査結果は日本人が何を食べているかの平均値から計算した結果と流通する食用油の生産量から推計した摂取量です。調査結果には年度によってもばらつきがあるものの総摂取エネルギー量の1%未満という結果がでています。これらの結果はあくまで平均値ですので、1日の摂取量は個人の食生活に応じて差があるはずです。外食中心やスナック菓子などを中心とした食生活ですと、どうしてもトランス脂肪酸の摂取量は増えがちですし、表示義務が無いため、知らぬ間に平均値を大きく超えて摂取している可能性が高いと言えます。

<トランス脂肪酸に対する各国の規制対応>

ではトランス脂肪酸に対する表示義務の有無について各国の対応からご紹介します。

・トランス脂肪酸 栄養成分表示義務のある国

アメリカ

カナダ

韓国

南米

香港

台湾

・トランス脂肪酸 栄養成分表示義務のない国

日本

中国

EU各国

オーストラリア

ニュージーランド

フィリピン

シンガポール

タイ

参考:平成22年 消費者庁食品表示課 栄養成分及びトランス脂肪酸の表示規制をめぐる国際的な動向(PDF)

参考元:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/100910_2.pdf

アメリカでは段階的に使用を禁止する流れ、スイスやデンマーク・オーストリアでは脂質中のトランス脂肪酸を2%以下に制限をしています。ドイツでも摂取する食物エネルギーの1%以下に抑えるべきで、ドイツのほとんどの消費者は1%未満であったとしています。(食物エネルギーの1~2%であった消費者は全体の10%以下だったとのことです)

参考:食品安全委員会ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、ドイツではトランス脂肪酸の摂取による健康影響はないとの意見書を公表

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03910980314

各国の対応もアメリカの例を除くと、表示義務があるところまでで、実際の使用の禁止に至っている国は無さそうです。先ほどの、飽和脂肪酸と同じ量のトランス脂肪酸を取った場合、2倍程度の健康への影響があるとされている研究結果からも、トランス脂肪酸の過剰摂取はその他の油よりもリスクが高いことは間違いありません。ですが各国の対応の中でも一番過剰な反応をしているアメリカであっても、現状は規制に至っていません。その他の国でも具体的な規制にまで至っている国はありませんでした。各国とも身体への影響を認識した上で、流通量や配合量を減らす努力を企業に求めていると言えます。研究や認知が進むにつれ、過度な摂取でなければ健康への影響がそこまで大きくないという判断がされつつあるように感じます。日本は確かにトランス脂肪酸に対する成分表示の義務はありません。日本でも大手の企業はトランス脂肪酸の量を独自に公表している会社もあります。大手企業と政府の陰謀論でトランス脂肪酸の表示義務化が行われていない、というのは少し考え過ぎのようにも感じます。

<マーガリンはプラスチック?>

「マーガリンはプラスチック!」

「だから食べるべき物ではない!」

という扇情的な強い表現をするサイトなども見受けます。先ほどの陰謀論とも近しい印象を受けます。本当にマーガリンはプラスチックなのでしょうか?化学的な知識のある方が、プラスチック(plastic)の単語が意味する定義から分子構造の違いなどを解説しています。その方の記事の一部を引用させていただきます。

・脂肪酸とプラスチックは大きさが比較にならないし、カルボキシル基の有無という点で全く違う。

・融点の差は分子の大きさと形状の違いによる差。プラスチック類>>飽和脂肪酸>トランス型脂肪酸>(常温固体の壁)>シス型脂肪酸。

・脂肪酸は塑性を持つが熱可塑性は持たない。プラスチックは熱可塑性を持つ。

・マーガリンは不飽和脂肪酸に水素添加して飽和脂肪酸にすることで融点を上げて個体にしている

引用:素人以上専門家未満の管理人が書く科学ブログ。いろいろな内容をつらつらと。日記も少々。質問・突っ込み・コメント大歓迎 トランス脂肪酸はプラスチックに全く似てないよ (マーガリン=プラスチック説の否定)

引用元:http://flatfisher.blog68.fc2.com/blog-entry-302.html

マーガリン=プラスチックと表現するのは誤解を招く、もしくは誤解をさせる事を前提に扇情的な表現をあえて使っているとも言えるのではないでしょうか。また、最近のマーガリンのトランス脂肪酸の分量は減っていることから絶対に口にしてはいけない食品とは言いがたいと考えられます。世界各国の対応、そして健康へのリスク、化学的な視点からプラスチックとの違いなどを加味しますとトランス脂肪酸との付き合い方は次の様な結論となります。

<結論>

1:トランス脂肪酸の過剰摂取は心疾患や肥満などのリスクを上げる可能性が非常に高い

2:マーガリンや食用油などのトランス脂肪酸の含有量は減ってきている

3:トランス脂肪酸を含まない(少ない)脂質でも過剰摂取は禁物

4:可能な範囲でトランス脂肪酸を減らす努力は大切

※過度な拒絶をするほどまでではないと現状判断できるのではないでしょうか。

※そもそもの脂質自体、過剰摂取は動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを高めます。

 

ベーシックなダイエットの考え方

話題のダイエット方法とその効果や不透明な点を中心に記載していますので、痩せるために何をすべきかという記載はあまり言及していません。一貫してお伝えしている「ベーシックなダイエット方法」について記載させていただきます。

<ダイエットにまつわる基本の考え方>

・運動は必須

・食事は運動以上に関わりが深い

・極端なダイエット方法は行わない

・短期間のダイエットもNG

<実践するにあたっての具体案>

先程の基本の考え方は「何を今更当たり前のことを…!」という声が聞こえてきそうですので、美wiseで

お伝えしている「継続しやすい方法」を記載します。

・軽めの糖質制限ダイエット

軽めに夜ご飯のお米を2~3割減らす習慣を試してみましょう。人によって食生活や好み、体質はまちまちですので、一様に半分に減らしましょうとはなかなかお伝えしづらいですが、お米の量は比較的その他の食品よりも調整しやすいかと思います。(今まで大盛りが普通だった人は普通もりに、普通盛りだった人は半分に、など)その減らした分副菜を増やすことで空腹感も感じにくくなります。前の項目でも触れた通り、極端な炭水化物ダイエットは推奨できませんので、あくまで軽めに留めることをおすすめします。

・運動は無理なく続けられるものを「ダイエットあるある」の継続しないパターンとして、いきなりジョギングを始めて1週間で辞めてしまう、もしくは運動した安心感から食べてしまう、があります。

無理なく始めて継続することが最も大切です。

例えば通勤通学時に早歩きで少し遠回りする(理想は1駅分歩く)などは継続しやすく、慣れれば負担に感じることも少ないと思います。美wiseでご紹介しているような室内トレーニングで基礎的な筋力を鍛えることも大切です。

手軽にできる所から習慣化がコツです!

・減量幅は半年目安で体重の5%程度

メタボ診断などを行っている指導でも半年で3~5%の減量幅が無理なく実施できるとしています。(現在の体重が50kgだと仮定した場合、減量幅は半年で1.5~2.5kg程度)

無理な減量は前出の「7日間脂肪燃焼スープダイエット」でもご紹介しましたが、リバウンドの原因となります。

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