糖質制限でこれまでの私にサヨウナラ

第1話 「みんなのパン」・食生活指導士 お父ちゃんが作ったふすまパンの威力で18kg減糖質制限食開始のモチベーション女性が「糖質制限食」を始めるには、おやじたちとは違ったモチベーションが必要だ。「おやじダイエット部」キャプテンのは、そう考えてきた。おやじたちが「糖質制限ダイエット」を開始するのは、糖質制限食の提唱者である医師の名言、「今、そこにある危機」を自分の身体で感じ取った時だった。男という生き物は不思議なもので、それまでは、他の男たちがバタバタと糖尿病や心筋梗塞で倒れていても、なぜか「自分だけは、まだ大丈夫だ」と思っている。ところが、目の前にひどい検査結果を突きつけられたり、自分の身体に変調が起こった時に初めて「あ、俺もヤバイかも」と後悔しつつ、ようやく重い腰を上げるのだ。そして、それまでの乱れた生活とは、きっぱりとおサラバして、次の言葉を残しながら、糖質制限食を始める。「俺だって、やる時はやるんだ」は、そうしたおやじたちを山のように見てきた。その意味で、男というものは皆、パターンに嵌まっている。たとえていえば、白か黒だ。は「よし、俺はやる」と言って本当に糖質制限食を始める男と、「それでも、やりたくない」と過去のタダれた生活から抜け出そうとしない男のどちらかである。後者は「今、そこにある危機」を危機として感じていないのだから、これはもう仕方がない。「クライシス」を「クライシス」と感じておらず、どうせやっても俺はダメなんだとウジウジしている暗い方々は、かわいそうだが平均寿命より早く亡くなるしかない。
やらない人は、いくら言ってもやらない。やる人は、やって結果を出している。男の場合、「今、そこにある危機」を実感すると、恐ろしさのためにそこから逃げ出そうとする。それが「糖質制限食」を始めようとする「真のモチベーション」なのだ。取り返しのつかない糖尿病の合併症が密かに進行していく前までは、糖質制限食を徹底すれば、まだ引き返せる。自分なんかダメだと思っている「メタボおやじ」ほど、実は糖質制限は効果があるのだ。これは、筆者の本や糖質制限の提唱者である医師の書籍を読んでいただければよくわかる。ところが、糖尿病患者なら当然、糖質制限食実践へのモチベーションは持っているが、そうではない女性たちはいざ実践となると、なかなか一筋縄ではいかない複雑さとデリケートさを持っている。なぜなら糖質制限食を始めようというモチベーションは千差万別、百花繚乱……、女性ひとりひとりによって全く異なるから。それでも、モチベーションを見出した「なでしこ」たちは、そこらのおやじたち以上に糖質制限食を実践し、かつ、これを自分なりに愉しんでいる。そして結果もきちんと出しているのである。当初、糖質制限食に目をつけて密かに実践し始めたのは、「経済新聞」を読むタイプのビジネス管理職の部長やオーナー企業の社長さんたちだった。その後、彼らが職場で痩せていくのを見て、糖質制限食に注目し、これを実践したのが「なでしこ」たちだった。社長夫人、あるいは女性経営者たち、そして日々厳しくなる職場環境の中で、美しさを取り戻しつつ、かつ健康を保ちたい30~50代の現役ビジネスウーマンなどだ。その実践年齢は、近年の外食環境の凄まじい悪化によって、日を追うごとに低下し、とうとう10代、20代の「なでしこ糖質制限嬢」まで現れてきている。は、以前からこの事実に注目し「糖質制限ダイエットに性別は関係ない」と唱えてきた。つまり、女性にもおやじたちと同じような社会生活を送り、その結果、メタボや糖尿病で悩んでいる女性たちはたくさんいる。一方で、男性と同じような理詰めの思考回路で、糖質制限理論を理解し、実践できる人たちも少なくない。これらを称して「おやじダイエット部」として組織した。ところが、そのおやじたちをはるかに超える実践者グループが現れた。その主役となるのが「なでしこダイエット部」の面々である。その部員第1号をご紹介しよう。障子のフスマでパンを作ったのかい?都営新宿線を菊川駅で降り、地下から地上へと階段を上ると新大橋通りと三ツ目通りが交差する、東京・墨田区菊川の交差点に出る。隅田川に架かる新大橋にもほど近く、三ツ目通りを行けば東京スカイツリーのそびえる押 おし上も間近である。 あげこの菊川の交差点からほど近いビルの1階に「Cafe&Bakery みんなのパン」という看板を掲げた街のパン屋さんがある。店長の博之さんと奥さんで食生活指導士のさんが数年前に始めた。店の前には「ふすまパン」と大書されたノボリが風にはためいて立っている。この「ふすまパン」という文字を見て「障子のフスマでパンを作ったのかい?」と言って、店に飛び込んできたのが、近くに住む印刷会社会長のM氏だった。「小麦の『表皮』を粉にしたものを『ふすま』といいます。『ふすま』は、低糖質、高食物繊維、高タンパク質で、『みんなのパン』では、ふすまパンを作るのにオリジナルの配合で焼き上げました。当店のバターロールと比べると糖質80%オフ、食物繊維は6・6倍、タンパク質も2・1倍にもなります。小麦粉のパンでは摂取しにくい穀物由来の食物繊維を多く摂れ、糖質も80%オフですからプレーンの『ふすまのコッペ』を食べても血糖値は上がりにくくなっています。高血糖、メタボリックシンドローム、成人病などが気になる方、またダイエット中の方にもお勧めしたい健康パンです」と、店長の奥さんのさんが「糖質制限食」を説明しながら、ソフトでしっとり、ふわっと軽く、しかも噛めば〝もちもち〟の「糖質オフ・ふすまパン」を勧めた。そしての糖質制限に関する最初の本、『糖質制限ダイエットで何の苦もなく糖尿病に勝った!』(扶桑社新書)をM氏に渡したのである。その日から、M氏の「糖質制限ライフ」が始まった。の本を熟読し、すぐさま糖質制限食を実行し始めた。その結果、悪かった検査結果が見る見る良くなっていった。こうして、M氏の糖質制限ライフに、さん夫妻の「みんなのパン」通いが欠かせなくなった。近くの墨田区千歳に会社事務所があり、自宅からもほど近い「みんなのパン」に、M氏はなんと毎日通ってふすまパンを買い、見事に健康を取り戻したのである。そのM氏が、ある人の紹介でのもとを訪ねて来た。「パンdeスマート」という、自宅で作れる糖質制限食用のふすまパンのミックス粉を販売している九州・福岡の鳥越製粉株式会社。その代表取締役社長の高峰和宏さんが「あなたの本の読者で、是非お会いしてお礼が言いたいという方がいる」と紹介してくれたのだ。は、東京での常宿にしている日本橋町の「ロイヤルパークホテル」の和食レストラン「源氏香」で二人と会った。開口一番、M氏は「『みんなのパン』を見つけて、あなたの本を読み、私は本当に救われた」と礼を言った。そして「私は、以来『みんなのパン』の広報宣伝部隊を自認しております。さんも是非、一度、『みんなのパン』に行ってみてください」と力を込めておっしゃった。聞けばその「みんなのパン」には、の著書も飾ってあるという。「こんな読者がいるなら、一度、近いうちにお邪魔しなければいけないな」とは思った。大好きなお父さんのパン、みんなに食べてもらいたいねだが、下町の地理に不案内なは、墨田区菊川と言われても、なかなかその場所が思い浮かばなかった。そうこうしているうちに、半年あまりが過ぎたある日、さらに不思議な出会いがあった。都内唯一の糖質制限中華料理店・新橋「梅 メイ花」で行われた糖質制限食のセミナーで、講師として招かれたがファしゃべり終えると、一人の女性が挨拶に来た。名刺を見ると「みんなのパン」のさんとあるではないか。「え! あの『みんなのパン』ですか。M氏からお店のことを伺っていました」「そうなんです。私も今日の会に先生がいらっしゃると知って、是非参加したいと思って仕事を休んで出かけてきたんです」「私も一度、『みんなのパン』に行ってみたいと思っていました。今度、是非お店にお邪魔させてください」その時は、そんな立ち話をしたまま別れた。それまでのなら、そこで実際に訪れる機会もなく、また時間ばかりが過ぎていくことになるのだが、そうはならなかった。なぜなら、糖質制限を始めてからというもの、はその性格も変わり始めていた。つまり、有言実行。一度口に出したことは即やらないと気が済まなくなっていたのである。それから1か月ほど経ったある週末。はふと約束していた「みんなのパン」に出かけてみようと思った。日本橋蛎殻町にある常宿から上野駅へと向かう途中、タクシーの運転手に尋ねてみた。「すみません。墨田区の菊川なんですが、ここからどのぐらいかかります?」「えー、そんなに遠くはないですよ」と、小太りのタクシー運転手が答えた。「近いのなら、行ってください」「ハイ。わかりました」車は、そのまま水天宮の交差点から新大橋通りに入り、隅田川に架かる新大橋を越えていった。降りたことのある都営新宿線の森下駅を過ぎ、やがて菊川と書かれた交差点に入った。ホテルからタクシーで10分弱の距離だった。「へえ、こんなに近いんだ。これならいつでも来られる場所だな」とは思った。交差点近くには、焼き牛丼店、24時間営業のそば・うどん店、ハンバーガー・チェーン、カレー店が並ぶ。やがて「アドン菊川ビル」というビルの1階に、カフェ風の店が見えてきた。ここが、噂の「みんなのパン」だった。入ると、できたてのパンが並べられた陳列棚があり、奥に向かって左側が糖質制限パンのコーナーになっている。「ふすまのえだ豆チーズ」(180円)。「ふすまパンの触カリベーコンチーズ」(180円)。「ふすまパンの15種ヘルシーサンド」(180円)は、ゴボウ、ジャガイモ、くわい、にんじん、大豆、ゴマ、わらび、ぜんまい、たけのこ、れんこん、ヒラタケ、シイタケ、ヒジキなど15種のヘルシー具材をパンに挟んである。「ふすまのコッペ(プレーン)」は1個100円、5個入りで500円。このほか「五穀コッペ」「ふすまのあんぱん」「ふすまのショコラ」「ふすまのチョリソードック」「ふすま食パン」「ふすまのクッキー」まである。プレーンの「ふすまのコッペ」の糖質は1個あたり3・4g。ふすまのクッキーは、1枚0・9gなど、糖質量も表示されていた。手前がテーブル席の並ぶカフェとなっており、棚の奥がご夫妻のパン焼きコーナーだ。店内を一巡した後、奥の厨房に「すみません」と声をかけると、エプロン姿の隆子さんが「うわぁ、先生。本当に来てくれたんですか。嬉しい! ちょっと、パパ、パパ」と言って、奥から店長であるご主人の博之さんを呼んで来た。出て来たさんは、いかにも職人といった風貌の優しそうな方である。さん夫妻が「みんなのパン」を開業したのは、6年前のことだった。「それまで、アパレル関連の物流会社で社員として働いていたんです。洋服店で売る洋服をサイズごとに並べておいて、1枚出荷するごとに100円という仕事でメーカーさんから預かった商品を管理していました。そのうち、会社の社長さんが事業を拡大して、現在入っているビルを倉庫からオフィスビルに改装することになったんです。その時、1階のスペースが空いたので、カフェのようなものをやりたいということになりました」こうして隆子さんはご主人の博之さんと、会社で経営するカフェ&ベーカリーで働いた。ところがなかなか採算が取れない。「カフェの経営者でお世話になった株式会社MARUWAの土田社長さんからも『このままの状態ではやっていけないよ』と言われ、どうしようか、話し合っていたんです」と、隆子さんは、当時を振り返る。もう店を閉めるかと覚悟していた時のことだ。「隣のスペースを使うことになった美容室『ラバーズ』の福田社長が、我々の店が閉まるかもしれないという話をお客さんから聞き、美容室として全部を使うには広すぎるので、一部を貸すからパン屋さんを続けては、と言ってくださった。本当にありがたい話で、そこで私も主人を手伝ってパン屋さんを始めることにしたんです」こうして新たに「みんなのパン」として、開業することになったのだ。店名の「みんなのパン」は、新しく店を始める時にご夫妻の子どもたちが言った次の言葉がきっかけだった。「大好きなお父さんのパン、みんなに食べてもらいたいね」小麦粉を使わないパンを作るもう前回のような失敗を繰り返すわけにはいかない。そこで二人が取り組んだのが〝ほかにはない〟パン作りへの挑戦だった。そのきっかけとなったのは、小麦粉アレルギーの子どもを持つ母親が言った言葉である。「小麦粉を使わないパンって、焼いてくださらないのかしら?」応対に出た隆子さんは、最初何を言われているのかよくわからなかった。「そのお母さんの話を聞いてみると、ご飯を炊く時間がかかるため、先にパンでも食べていなさい、と軽い気持ちでパンを食べさせていたそうです。もちろん、自分の子どもが小麦粉アレルギーだと知らなかったからですが。ところが、子どもにアレルギーがバーンと出てしまった」隆子さんも主婦として子育てをしていたから、母親の気持ちが痛いほどよくわかった。「でも、小麦粉を使わないで、どうやってパンを焼けばいいのかわからなかった。小麦粉だけではなく、卵やバターにもアレルギー体質の子どもさんがいるかもしれない。ほかの子どもたちがアンパンマンやキティちゃんをかたどったあんパンや菓子パンを食べているのに、アレルギー体質のために食べられないのは、とてもかわいそう」小麦粉を使わないパンとして、最初に見つけたのが米粉で作った小さな薄いパンだった。「こんなのを作ってもなぁ」と隆子さんは思った。そんな頃、テレビで偶然目にしたのが、九州の福岡県に本社を持つ鳥越製粉という会社が小麦粉を使わずにパンができるという、「パンdeスマート」というふすま粉を使ったパン焼き用の粉を開発したというニュースだった。鳥越製粉は、も糖質制限食を始めてから知ったメーカーで、現・代表取締役社長の高峰和宏氏が、研究開発本部長時代から長年、美味しいふすまパンの研究開発に取り組んできた。が冷凍宅配で、時々取り寄せているふすまパンは、糖質が80%オフで市販品の5分の1あまり。食物繊維は逆に市販品の6・5倍。タンパク質は2倍。小麦粉、でんぷんゼロで糖質オフの究極のダイエット&健康パンだった。ロールパンのほかに、カップケーキ、ベルギーワッフルがある。「鳥越製粉さんといえば、バゲットパンの粉で以前からお付き合いがありました。そこで粉の展示会に見学に行き、当時はまだ同社製品の隅っこに置かれていた『パンdeスマート』をようやく探し出したんです」隆子さんは、係の人に「パンdeスマート」はないですか、ふすまパンはないですか、と尋ね、開発者の高峰さんに説明してもらい、試食したのだという。家に帰ってから隆子さんは夫の博之さんに言った。「お父さん、美味しかったよ。これはいけるね」それが2007年のことだった。だが、せっかくふすまパンを作って店頭に置いても、一個も売れない時もあった。博之さんが焼き上げたふすまパンを、もったいないと思いつつ、泣く泣く捨てる日も続いた。そこで、千葉県にある鳥越製粉の研究所を高峰さんに紹介してもらって、たびたび足を運び、研究者から美味しいふすまパンの焼き方のアドバイスを受けた。その時、高峰氏から「こんな本があるよ。読んでみなさい」と渡されたのが、が糖質制限食の経験について最初に書いた本だった。それまで隆子さんは、本を読むのがどちらかというと苦手だった。「本を読んでいると、いつも頭が痛くなってくるんですが、この本だけは別。必死に読みました」というのも、当時の隆子さんは、身長157cmで、体重は63・9kg。BMIは25・9あり、ウエストも88・5cm。中性脂肪も192。糖尿病の診断基準となるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)も5・6で「糖尿病予備軍」と病院の検査で判定されていたのである。「主婦になって、2人目の子どもを産んだ後から太りだしたんです。子どもの頃からポッチャリ型。少し太っていたほうが健康そうでいいかな、と思ってはいましたが、まさか自分が糖尿病予備軍でメタボリックシンドロームと判定されるとは。ショックでした」リスクがゼロという3割の人々に仲間入り以前の体重は45kg。増えても48kg程度だったが、50kgを超えた頃から加速がつき、54kgになった時、あわてて人生初めてのダイエットを試みた。だが、あえなく失敗。気がつくとリバウンドで60kgの大台を突破していた。「そうなると、着る服がなくなり『どうせ私は何を着ても似合わないから』と、着るものにも興味がなくなる。夜、お風呂に入って下腹が突き出ているのを見て『また一人、子どもが入っているみたい』と思いましたもの」はその頃、息子さんと撮ったという隆子さんのスナップ写真を見せてもらった。そこにいるのは、まぎれもなくよく見かける下町のおばちゃんであった。だが、40代に入った隆子さんは、が書いた本を熟読して、そこから見事に引き返した。「太っている自分の身体が嫌だったことももちろんですが、糖尿病予備軍から糖尿病になってしまったら、さまざまな合併症やアルツハイマー病の危険もあるし、うつ病にもなりやすくなる。アンチエイジングの観点からも、さまざまな病気のリスクを軽減しておかねば、と思ったんです」もう一つの理由は、自分たちが毎日焼いているふすまパンが、糖尿病の改善やダイエットに役立つということ。それを自分の身体で試してみなければ、お客さんに売っている以上、申し訳ないと思ったそうだ。そこで、最も効果が出る「スーパー糖質制限」を始めることにしたのだ。「スーパー糖質制限」は一日三食、糖質を制限し一回20g、三食で60gに抑える食事の摂り方で、の師である京都・高雄病院理事長の医師が提唱している方法である。「それまでご飯とアイスクリーム、ケーキが大好きで、お腹が空いたらご飯を食べるという生活を続けていました。でも、さんの本を読んで、ご飯もアイスクリームもケーキも摂らないことに決めたんです。自分が痩せることで、この店を背負っていかなければ――そんな気持ちでしたね」ご主人の博之さんも、美味しいふすまパンを作るため、試行錯誤を繰り返した。わざわざパンを作りにくい粉を選んだり、値段の高い粉を仕入れて、こだわりのふすまパンを焼き続けた。「朝と昼は、お店で食べますから、食事らしい食事は夜だけ。それも、留守番をしてくれているおばあちゃんが子どものために、お鍋とかおでんといった食事を作っておいてくれますから、そこから糖質の多いものを避け、後はお豆腐と野菜サラダだけ。糖質制限食の本を読んで、甘いものもダメだとわかりましたから、お砂糖も血糖値を急激に上げるのを抑えるものに変えました」効果はスーパー糖質制限を始めてから5か月後に表れた。2011年7月の健康診断では、体重は約9kg減。ウエストは9cm減の79・5cmに。最も嬉しかったのは、104あった空腹時血糖値が83に。HbA1cも5・1と、糖尿病予備軍を見事に脱したのである。その結果、BMIも21・9に。中性脂肪は192から62へと、急激に降下していた。痩せにくいといわれる女性でも、ここまで落とせるのだ。「太っていた頃には、どうせ私が着ることができる服なんか普通の店にはない、と太った人専門の店にしか入れなかったのに、今ではどの店に入っても自由に服を選べるようになりました。また、お風呂に入って鏡を見ると、くびれがくっきりとわかるようになったんです」糖質制限食の効果は、本当だった。それを夫の博之さんと喜び合っていた頃、当のと会合で出会うことができたのだ。隆子さんが凄いのは、さらにそこから1年、スーパー糖質制限とスタンダード糖質制限とプチ糖質制限とを使い分け続け、一層痩せたことだ。2年目の2012年7月の健康診断の結果では、63・9kgあった体重が18キロ減の45・7kgに。88・5cmあったウエストは、19cm減の69・5cmに。中性脂肪も192から53に。空腹時血糖値は104から78に降下していた。健康診断の結果は「あなたはメタボリックシンドロームではありません」というものだった。BMIをはじめ腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、中性脂肪、HDL(善玉コレステロール)、LDL(悪玉コレステロール)、空腹時血糖値、HbA1c、AST、ALT、γ‐GTP――といった検診結果が、すべて基準値の枠内に見事に収まっていた。「まずは、あなたにおめでとうございますと言わせてください」健康診断票に付けられた解説書は、こんな嬉しい書き出しで始まっていた。そして、現在、40歳から64歳までの人を対象とした生活習慣病予防のための「特定健診」が実施されているが「あなたのようにリスクがゼロという人は、わずかに3割でした。あなたはとても良い結果をのこしているといえます」とあった。前回まで収縮期血圧と拡張期血圧がわずかにイエローゾーンに飛び出していたのだが、今回は見事、すべてが安全ゾーン入りしたのである。この素晴らしい結果に、隆子さんはますます糖質制限食に対する自信を深めた。そして、もっともっとこの糖質制限食の考え方をパン作りを通して伝えていきたいと考え始めた。隆子さんの夢は、ふすまパンとともに大きく膨らんでいる。「私がさんの本を読んで糖質制限食を始めてすぐの、2011年3月11日に東日本大震災が起こり、多くの東北の方々が亡くなったり避難を余儀なくされました。その映像をテレビの画面で見ながら思ったんです。皆さん、救援物資のおにぎりやパンを食べていらっしゃるけど、糖尿病にかかっていらっしゃる方は糖質が高い食事で困っているだろうな、と。そこで、たとえばふすまパンを缶詰にして保存食糧にして備蓄しておき、災害時にも糖質制限食を提供できればと思っています。でも、資金も経験もない私たちに、何ができるのか。とにかくできることから始めようと」「みんなのパン」の店頭で、そんなことを話していると、その日は仕込みで臨時休業にもかかわらず、次々とお客さんがパンを買い求めにやって来る。「すみません。今日、お休みなんです」隆子さんが申しわけなさそうにそう答えると、買い物帰りらしい主婦が「あら、残念ね」と言って帰っていく。隆子さんが語ってくれる間に、何度もそうしたことがあり客足が絶えない。それだけでも、いかに「みんなのパン」が地域の方々に愛されているのがわかった。「みんなのパン」から広がる糖質制限仲間が「なでしこダイエット部」部員第1号に認定した「みんなのパン」のさんは「お父ちゃんの作ったパンを皆に食べてもらいたい」「アレルギーのある子どもにもパンを食べさせたい」という思いで、ふすまパン作りに挑戦した。そして、その「ふすまパン」の効果を皆にわかってもらいたいために、糖質制限食を始め、自分でも驚くほどのスタイルと若さを取り戻した。まさに「なでしこダイエット部の大逆転」。徹底して「スーパー糖質制限」を貫いた結果、まさに「別人」になってしまったのだ。「スリムなジーンズを見て、これを穿きたいと思えば穿ける。それまでは、どうせ私には似合わないだろうなと思って、オシャレも諦めていたんです」と、隆子さんは嬉しそうに笑う。糖質制限した人だけが持つ、心から輝く明るい生命のオーラのようなものが隆子さんから出ている。これは本物だと、は思った。3年目を迎えた隆子さんの糖質制限食。今ではこんな脱線をする余裕も出てきた。「お店のある菊川から、自宅のある江戸川区に帰る途中、ショッピングセンターにあるアボカド入りの佐世保バーガーを食べるんです。今日は食べちゃったなと思って、家に帰って体重計に乗っても、私の場合はどういうわけかセーフ。仕事で疲れた時など、オーダーストップの時間ギリギリに『1個ください』と注文して、家に帰る前に食べるのがまさに至福の時。反対に家に戻って糖質制限しても太る時もありますし、お水を飲んでも太ることもある。でも、食事の基本を糖質制限食にしていると、太りにくくなりますね」そんな母親の変身ぶりを目の当たりにして、息子さんが「管理栄養士」になりたいと言い出した。毎日の食事がいかに人々の健康に影響を与えるかを研究したいのだそうだ。「みんなのパン」は、決してふすまパンの専門店ではなく「自家製天然酵母の食パン」や最上級の粉に卵、バター、グラニュー糖を使用した「キングブレッド」、卵不使用の「食パン」、香ばしくふんわりとやわらかな「胚芽ブレッド」など糖質制限パン以外のこだわりパンも充実している。しかし、今では「ふすまパン」の売り上げのほうが他のパンより増えているそうだ。店頭のカフェで、隆子さんの体験談を聞いていると、予約をして来たという、小太りなジャンパー姿の男性とネクタイを締めた紳士が、相次いでふすまパンを買いに現れた。「ジャンパー姿の男性は北海道から来た梅田さんというビジネスマンで、現在、10年目の単身赴任中。会社の健康診断で糖尿病と判定され、さんの本を読んで糖質制限食を始めたばかり。そこに『みんなのパン』のことが書かれているのを読み、わざわざ電車を乗り継いで買いに来てくださったんです」と隆子さん。「もう少しで焼き上がりますから、焼きたてを持っていってください」奥からご主人が声をかける。少しでも美味しいパンを食べてほしいというこだわりである。糖質制限食を始めたばかりで、まだ不安そうな梅田氏を見て、も励ましつつ「あと15kgは痩せられますよ」とハッパをかける。10kg近く痩せたという梅田氏だが、まだまだ「今、そこにある危機」の真っ只中。一刻も早く、そこから脱出しなければならない。偶然とはいえ、お目にかかったことでより多くの人たちの手助けができればいい、桐山はそう思った。もう一人のネクタイを締めたスーツ姿の紳士は、なんとカバンの中にの著書を抱えていてくれた。「常連客の平田さんです」と隆子さん。他にもフレンチレストランでのふすまパン導入を考えているビジネスマンもよく来るそうだ。さん夫妻は将来的には、ふすまパンのレストランへの提供も考えているのだそうだ。「みんなのパン」を通じて、「糖質制限食」の輪が広がっていくのを、は実感するのだった。” ” ” ཟཟ ཟ ཟླ། །この「物語」で 。裴苞摩世宏 Ol氏名/ 職業/ベーカリー経営・食生活指導士 年齡/44歲- 157 cmダイエット実践結果 2年間で639kgから457kgへ18kg減。 ウエストも88.5cmから19cm減の69.5cmに。目的 夫でベーカリー店長の博之さんが焼いたふすまパンの 効果を皆に知ってもらうために、糖質制限食を始める。 糖尿病予備軍から脱出。健康診断でも、すべての検査項目が 基準値内に入り、見た目も「パン屋のおばちやん」から 「ベーカリーのお姉さん」へと大変身。

第2話 水天宮事務局長・権禰宜 1か月で夫10kg、妻も10kg減友人が教えてくれたメタボ脱出大作戦粗相をいたしました糖質制限ダイエットは、それを始めた仲間同士を不思議なパワーで引きつけ合う。「おやじダイエット部」キャプテンのが、このミラクルを実感したのは、常宿としている日本橋蛎殻町の「ロイヤルパークホテル」の広報担当者から次のような申し出を受けた時だった。ホテルのほど近くに、安産祈願、子授けなどで知られる水 すい天 てん宮がある。この神社のぐう宮 ぐう司である頼じ央、真理江夫妻が、の著書を読み、わずか1か月で宮司は10kg、奥様も10kg痩せたため、ぜひ会ってお礼を申し上げたい、というのだ。水天宮は、自身、同ホテルに滞在の折、その境内にある宝 ほう生 しょう辨 べん財 ざい天、そしてホテルから5分ほどの てん日本橋小 こ網 あみちょう 町にある小網神社とともに、散歩がてら必ず参拝している神社である。これも何かのご縁かもしれないと思い、は早速、ホテル側の紹介で宮司夫妻にお目にかかることになった。宮司の頼央さんは、九州・久留米の名家、家の第17代。父の頼義氏は直木賞作家として知られる小説家。祖父の頼寧氏は戦前、産業組合中央金庫(現・農中央金庫)理事長、農大臣を務め、戦後には中央競馬会理事長などを歴任。中央競馬会在職当時に千葉の中山競馬場を開き、年末のメインレースを発案した。その名を顕彰して「記念」と呼ばれている。家は足利将軍家の守護大名として知られる赤松家の流れを汲む名家。かの豊臣秀吉に仕えた則頼はその家系に列し、その子豊氏は横須賀城主となった。その後、関ケ原の戦いに際して父子は徳川家康方につき、父は三 さん田、子はだ福 ふく知 ち山を拝領。豊氏は父の死後、その遺領も治め、大坂の陣 やまにおける活躍により九州・久留米21万石を拝領した。水天宮は豊氏の時代に、久留米の城下町に70ぶん 00坪の敷地が寄贈されて社殿を改築、水天宮本宮としてお祀りされるようになった。そのご分祀が江戸しは芝・赤羽の久留米藩家上屋敷に祀られ、その後、青山から日本橋蛎殻町に移った。水天宮は、家上屋敷にあった時代から、江戸っ子たちの間で篤い信仰を集めた。武家屋敷のため、塀越しにお賽銭を投げ入れる人が後を絶たず、毎月五の日に限って、参拝を願う江戸の市井の人々のために門戸を開放した。それが江戸っ子たちの間で評判となり「もうでありまの水天宮」あるいは神前での願いを叶えてくれるため「情けありまの水天宮」と洒落た言い慣わしが広まり「恐れ母 ぼ神」とともに、江戸の二大流行語となったのである。 じん御祭神は、入 いり谷のや鬼 き子 し高 たか天 まが原と呼ばれる天の最も高いところにおられた神様、 はらあめの 天御 み中 なかぬしの 主大 おお神と、壇ノ浦の合戦 かみで源氏の軍船に取り囲まれ、祖母の二位の尼に抱かれて、母の院とともに波間に身を躍らせた いん安 あん建 けん礼 れい門 もん徳天皇。源氏方に海中から引き揚げられた建礼門院は、京の長楽寺で剃髪した後、余生を大原のとく寂光院で過ごされ、ひたすら平家一門の菩提を弔った。今日、東京屈指の人気の社として参拝する人々が引きもきらない水天宮には、こんな秘められた歴史のドラマがある。その家の直系17代当主である頼央宮司から、まずはこんな話を伺った。頼央さんは、昭和34年生まれ。成蹊大学法学部を出て、国内旅行の旅行会社に入社。主に老人クラブの旅行を引率するツアーコンダクターの仕事をしていたが、前宮司から水天宮のいわばオーナーである家に神職を継いでもらいたい、という申し出があり、平成3年に國學院大学で神職の資格を取得。その年の11月から神田明神で経験を積み、平成8年から水天宮に奉職。平成21年に宮司を拝命した。「以来、1月5日の初天宮をはじめ、2月の節分祭など、毎日午前6時から始まるご神事を勤めて参りました。神社のお勤めは、夕刻には終わるのですが、神職同士のお付き合いなどがあり、どうしても飲み食いしてしまう。気がつくと、牛丼を2杯食べたり、缶ビールを何本もあけたりしておりました。そのうち、元来ふくよかな身体が、さらにふくよかになって参りまして、ご神事の最中に足がしびれて立ち上がりにくくなってきたのです」「なるほど。それはお辛いですね」と、は頷いた。宮司と談笑する機会を持ったのは、ロイヤルパークホテル5階の和食処「源氏香」の日本庭園内のお茶室だった。その畳の上で、足がしびれた時の様子を宮司が実演される。「足の感覚がだんだんなくなってきました。宮司というものは、周囲の方々が皆、しびれを切らして立てなくなった頃に、先頭を切って何事もなかったように立ち上がり、退室しなければならないのです。それが次第に辛くなり、ある日なかなか立ち上がれず、粗相をいたしました」すみません。同じものを食べさせてくださいこの様子を間近で見ていて心配されたのが、奥様で水天宮権禰宜責任役員・事務局長を務める真理江さんである。頼央さんは一時、中国の鍼 しんきゅう 灸と野菜スープで8kg痩せたが、リバウンドしてしまっていた。「このままでは、本当にマズいわ」かつて舞台女優として活躍された真理江さんは、本気で夫を心配していた。そして実は、当の真理江さんも同じ悩みを抱えていたのである。「娘を産む時に、臨月に至るまで16kg増えたのをきっかけに、体重が次第に増えていき、太地喜和子さんに付いて新劇の女優をしていた頃から比べると、約20kg太っていました。デザイナーのコシノヒロコさんに作っていただいた外出用のドレスも、特にお腹の周りがパンパンになって、縫い目が見えてしまう状態になってしまったんです」そのショックに追い打ちをかけたのが、宮司の大伯父で高僧として知られる相 しょう国 こく寺管長・頼じ底師が主催されるお茶会に招かれた時に撮られた写真だった。「猊 げい下は、80kgを超す堂々とした体格の方なんですが、なんとその方より隣に座っている和服姿の私のほかうが大きく写っているんです。それまで、自分では太っているとは思っていても、まさかここまでとは思っていませんでした。しかも、そのお写真が記念アルバムとなって全国に配られてしまったんです。もう恥ずかしくて恥ずかしくて」真理江さんも水天宮の権禰宜として毎朝6時から始まるご神事に参列し、夫である宮司の先導で境内を歩かれる。その時、夫婦揃って太っていては、神職として見映えもよくない。何とかして二人揃って痩せなければならないということになった。2012年夏のことだった。夫妻は、北海道のどまん中に位置する新 しん得 とくちょう 町でスキーと乗馬教室を開いている吉原夫妻のもとを訪ね、ひと月ほど滞在するのを常としていた。ご主人が神職を継いだ後は、そうした時間を家族全員で取ることができなくなっていたが、13歳になる娘さんを毎夏、乗馬学校に通わせ、奥さまが迎えに北海道を訪れるのが慣わしとなっていた。「今年も7月末に馬を見に行きましたが、オーナー夫人の敦子さんがなんと十数kg痩せて、別人のように美しく、スマートになっていたのです。あら、やだ、どうしてそうなったの、と聞くと、先生の本を出して『糖質制限ダイエット、始めたのよ』と教えてくれたんです」真理江さんの素晴らしいところは、その話を聞いて、すぐに糖質制限ダイエットを始めたことだ。「乗馬学校は、占 しむかっぷ 冠村の星野リゾート・トマムと新得町のサホロリゾートの中間の山の中にあり、道の むら中を入っていくと、野生のキツネどころかクマも出るようなところにあります。その乗馬クラブの中のコテージを1棟貸してくださいます。ここにいる間が痩せるチャンスだと思い『すみません、私も痩せてみたいので、ここにいる間、同じものを食べさせてください』と敦子さんに頼んだんです」食事をともにした真理江さんは、すぐにショックを受けることとなる。乗馬学校の先生をしている敦子さんのご主人は、毎日ステーキを食べ、カマンベール・チーズなどもムシャムシャ。さらにサラダや豆腐入りのグラタンなどもたっぷり召し上がる。「え、ウソ、こんなに食べていいの、という感じでダイエットをしている時の飢餓感は全くありませんでしたね。夜、ちょっぴりお腹が空いて何か食べに行こうかなと思ったのは、最初の夜だけ。その後、4日間、ご夫妻と同じ食事を食べていましたが、全然平気で。これならやれる、と確信しました。そこで、我が家でも実践することにしたんです」真理江さんは、舞台に立つ女優だったこともあり、過去に何度かダイエットを試みていた。「ミス日本を輩出した和田式の9品目ダイエットも試み、両手に山盛りの野菜500gを三日に一回食べていた時は、ウエストが50cmを切ったこともあります。ところが、痩せ過ぎてバストも70cmぐらいに落ちてしまいました」それを止めると、今度はダルマのようになってしまった、と真理江さんは言う。2010年、乳ガンの手術をして、術後の経過が良好なため、翌年の東日本大震災の1か月前から、ホルモン剤投与となり、今度は太る一方になってしまったという。「薬のせいだからしようがないわ、と諦めていました。服を買いたくても着られるものがない。『この私に着られる服があったら、出してごらんなさい』とお店の人にすごんでみたいくらい、情けない日々だったんです」マリエ・デラックスからの脱出乗馬学校の吉原敦子さんとは、娘さんが5歳ぐらいからのお付き合いで、もう8、9年になる。それだけに、夏に会った時の糖質制限ダイエットの衝撃は大きかった。吉原さんは、冬になると寒い北海道から東京に戻るが、最近来たメールでは、遂に20kg減を達成したそうだ。「午後になって、ちょっとお腹が空いても、赤ワインとチーズのおつまみとか、納豆にタマネギを和えたものでお酒を飲んで楽しく過ごして、しかも飢餓感もない。北海道で4日間を過ごすうちに、私にもやれるわ、と思い始めたんです」という真理江さん。彼女によれば、女性は男性と違って、理性ではなく感性で行動するという。「糖質はダメよ、と言われても、女の人は『明日からダメでも、今日は摂っても大丈夫』と思ってしまう。女性は子どもを産み、育てますから、飢餓感に弱く神経も繊細で、理性より満足感と本能で動こうとするんです」しかし、その結果、真理江さんは自らを〝マリエ・デラックス〟と呼ぶほど太ってしまった。「歩く姿も威風堂々。毎朝のご神事で社から出てくる時も、黒羽織を着て歩く姿が迫力あり過ぎて、神々しいものを見ている雰囲気ではとてもなかったと思います。むしろ、どこの組の方ですか? というような感じだったのでは」と真理江さんは、笑わせる。長い黒髪に、身長も高い真理江さん。元女優で、太地喜和子さんを師と仰いでいただけに、見た目にも非常に目立つ。しかし、その一方で、自分の変わりゆく体形に、人知れず心を痛めていたのだった。痩せるために利尿剤を飲み、プールで一日5000メートルぐらい泳いで痩せたこともあったが、結局長続きしなかった。真理江さんは言う。「もし、私が糖質制限ダイエットで、痩せることができたら、ほかの女性たちは全員が成功すると思います。私は一つのことにのめり込むんですが、長続きしない。でも、この糖質制限ダイエットは、何かできそうな気がしたんです。今年の冬に、乗馬学校の敦子さんが東京に戻っていらっしゃる。その時に成果を自慢し合いましょう、と約束しているんです。太ってしまったり、自己管理できないことって、他人からも『あの人はだらしないんじゃないか』と思われるじゃないですか。そして、自分でもそう思ってしまいますからね」北海道に4日間滞在している間、実際にご飯や麺を食べなくとも大丈夫なことを、自分の身体で確かめた真理江さん。北海道から戻ってくると、早速ご主人の宮司にも糖質制限食を勧め、夫婦で始めた。その結果は10月初めにすぐに出た。頼央氏が10kg、真理江さんも10kgの減量だった。「先生の本を全ページ隈なく読んでその通り実践いたしました。最初は72~73kg台をウロウロしていたのですが、糖質制限を続けていくうちに、ストン、ストンと痩せていきました。最近では代謝も良くなってきたのか、汗をかいた時にガッと減りますね。お風呂に入る時は本を読みながら入るのですが、一日で500g痩せたこともあります」そう言いながら、真理江さんは「フッフッフッ」と笑う。いかにも愉しそうだ。「感覚としては、20代半ばから30代に戻った感じです。以前は、汗といったら冷や汗しか出ませんでしたけど(笑)、今は身体の中からちゃんと汗が出ている感じで、先生が書いておられたインスリン・モードから脂肪燃焼モードに、身体のメイン・スイッチが入ったのがわかりました」そう。糖質制限ダイエットは、やるとすぐ結果が出るため、本当は実に愉しいのだ。糖質制限が難しいとか厳し過ぎるという声をよく耳にするが、それは本当に糖質をキチンとカットする生活を、ごく短期間でも続けないからだ。あるいは、やりもしないで、想像だけでご飯を食べない生活なんて考えられないと思っているだけである。数多くの読者から相談を受けるであるが、糖質制限をやらない人というのは、その必要性を本当に感じていないか、あるいは感じていても従来の生活を変えたくない人たちだ。こういう方々には正直なところ、言っても無駄である。本当にその必要性を感じる、切羽詰まるまでは、無理強いしても絶対に実行しない。それでも、の書く本を読んだり、糖質制限ダイエットの提唱者である医師の著作を手にとったり、周囲で糖質制限ダイエットを始めた友人に出会うなど、さまざまな糖質制限との出会いのチャンスはある。その出会いを大切なものとし、新たな生活に踏み出そうという人たちが、この愉しみを知り、実践することができるのだ。頼央・真理江夫妻の場合、北海道の乗馬学校経営の友人によるコーチで、最初の4日間をともに過ごすことができたのが大きかった。「最初の夜は、お食事の後、ラーメンかお茶漬けでも食べないと、お腹が空いて寝られなくなるんじゃないかと思っていました。でも、せっかく始めたのだから、今日ぐらいは我慢しようかな、と1日目を乗り切ったら、次の日から食べなくても自分は平気なんだ、と気持ちが楽になった。あ、これで大丈夫なのね。ご飯を食べなくっても、人間死なないのね、と思ったんです」女性の場合、痩せることによって余った肉がダボダボになるのでは、という恐怖も糖質制限食への切り替えを躊躇させる。しかし、従来の生活で立ち止まっていても、年齢を重ねるにつれ、明日はなくなるのだ。「私が成功するなら、他の女性はみんな成功します」という真理江さんも、本人曰く「清水の舞台から3回ぐらい飛び降りるつもりで糖質制限を始めた」のである。しかし、心配は全く無用だった。バストやヒップなど女性にとって気になる部分は痩せずにキープ、贅肉のついていたお腹周りだけが見事にすっきりとした。「最近、コシノヒロコさんの服を着ても、デザイナーの意図したラインがようやく自分の身体で表現できるようになりました。ウエストのくびれを活かすために、このデザインなのね。以前は、そうした意図を全く感じることができず、パンパンにはじけそうな身体を服に押し込んでいたんです」宮司も、体重が減ったため、祝詞を奏上した後もスーッと立てるようになった。参拝者が二礼二拍手して参拝する間、神職は額が床につくまで平伏しなくてはならない。太って、お腹が出ているとこれも非常に辛い所作だが、贅肉がきれいに取れたため、とても楽になったという。しかし、奥様の真理江さんと比べて、宮司はあまり嬉しそうな顔をしていない。なぜなのかはすぐにその理由がわかった。ご夫妻とも痩せたいあまり、かなり急激に食事を減らして無理をなさっているようなのだ。糖質制限食を作りたくとも作れない悩み無理は絶対に長続きしない。あくまで、糖質制限を愉しみながら、楽に体重を落としていかねばならない。奥様の真理江さんに聞くと、夫妻は一日二食。朝は、以前にが勧めたカスピ海ヨーグルトと無調整豆乳をかき混ぜ、それにアマニ油をひと匙。それだけを宮司が自分で用意して召し上がるのだという。昼はご神事で摂れず。ある日の夕食は豚肉のヒレ肉のシチュー。市販のルーは糖質が多いので生クリームを入れて具と煮込む。そしてたっぷりの野菜サラダ。はこれを聞いて「もっと召し上がってもいいし、召し上がったほうが代謝が上がって痩せますよ」とアドバイスした。実に真面目なお二人は、糖質制限一直線。かなり突きつめておられる様子だった。そこで、水天宮から車で10分ほどの場所にある「みんなのパン」を真理江さんにご紹介した。さらに、新橋にある糖質制限中国料理店の「梅花」で、毎月第3火曜日に開いている「おやじダイエット部」の部会にもお声がけし、実際に糖質制限メニューのフルコースを召し上がっていただいた。この日のメニューは、冷菜4種(糖質0・19g)に、ずわいがにとえのき茸の卵白ふわふわスープ(同1・4g)、海老の辛味山椒炒め(同3・1g)、中国野菜の牛挽肉あんかけ(同1・0g)、阿部鶏とカブの白ゴマソース・ふすまパン添え(同1・7gと3・4g)、菊花となめこの豆腐麺(同0・6g)、それにデザートとして杏仁豆腐(同1・5g)が付いて、総糖質量12・9g。総カロリーは1027kcalであった。夫妻の悩みは、毎朝6時に始まるご神事のため早朝に芝の家を出て、夕刻5時の閉門まで夫妻でご神事に奉職されるので、糖質制限食を作りたくとも、自宅でゆっくりと食事を作る時間がないことだ。東京では、こうした共働きのご夫婦は非常に大勢いる。だからこそ、糖質制限食を気軽に摂れる店がもっともっと増えなくてはならない。せっかく糖質制限ダイエットの魅力を発見し始めたご夫妻に、後戻りだけはしてほしくない、とは思った。その心配は杞憂に終わった。宮司と真理江夫妻は、着実に痩せていった。特に目覚ましくスリムな体形となったのが真理江さんだった。糖質制限ダイエットの効果は、ご本人は気がつかないが、実は「後ろ姿」に出る。正面から見た時には、それほど痩せていないように思えても、後ろから見るとスッキリと痩せて身のこなしも実に軽やかである。以前、同じホテルのロビーで何度かお見かけした時は、いつも黒の洋服を着て、ご本人曰く、「ティラノザウルス」と表現されるように、迫力満点の後ろ姿だった。それが、現在では、コシノヒロコの白地に黒のスーツがピッタリとフィットし、母校の雙葉学園時代を彷彿させる華麗さである。「ホテルの4階にある美容室の着付けの方が『奥様、着物のヒモにずいぶんゆとりが』と驚いたぐらいで、その担当の方も私が急に痩せるのを見て、糖質制限ダイエットを始め、今ではお互いにスリムになったのを比べ合っているんですよ。まさに、私にとっては『第二の春』ですね」と真理江さんは喜ぶ。年の瀬も押し詰まった12月。所用で東京に出たは、再びロイヤルパークホテルに宿泊し、知人の建築デザイナーを連れて水天宮に参拝した。ちょうど宮司が本殿から出ていらっしゃるところだったので、「宮司様」とお声がけした。嬉しいことに宮司は、また一段とスリムになっていらっしゃった。「その後、いかがですか」とが尋ねると、「もう慣れましたので、ことさら糖質を制限しているというより、制限が当たり前の食事だと思うようになりましたね」と、嬉しいことをおっしゃる。顔色もよく、ツヤツヤしておられる。その姿を見て、健康になられて本当によかったと思った。そこに、社務所の関係者や巫女さんも通りかかり、宮司がを紹介される。見るからに体格の良いその男性に、が自身の糖質制限体験について語ると、宮司がサッと駆け出し、社務所からの書いた本を1冊持ってきてくださる。その行動の素早さと軽い身のこなしに、は感心した。なんと今や10kg減という。そこに、事務局長を務める真理江さんもスラリとした姿で現れた。真理江さんによると、ご夫妻に糖質制限食を教えた乗馬学校の奥様が、2日後に北海道から東京に一時帰省されるという。真理江さんのお誘いで、早速、東京・赤坂にある「ザ・キャピトルホテル東急」のコーヒーハウス「ORIGAMI」で昼食を共にすることになった。「先生、お待たせいたしました」の声とともに、奥様の真理江さんが、乗馬学校の奥様、吉原敦子さんを伴って現れた。実家への里帰りで、糖質制限の休日吉原さんは、50代に入ったばかりの3児の母。失礼ながらそれより10歳は若く見える。「吉原さんがダイエットを始められてから最初にお目にかかったのが、2012年の7月末。娘と新しく入った馬を見に行ったのですが、その時はまだそれほど痩せてはいらっしゃいませんでした。それが1か月後の8月末に再び、娘を迎えに行くと『アラ、どうしたの?』というぐらい痩せていらっしゃったんです」と真理江さんは、当時の状況を説明する。「糖質制限を始められたきっかけは、何だったんですか」とは訪ねた。「最初に糖質制限食を始めたのは、主人のほうだったんです。ネットで先生の『おやじダイエット部の奇跡』を注文し、毎日やり始めたんです。主人は、162cmで59kgとそんなに太っていなかったんですが、そばでチラチラ見ていると、見る見る痩せてきましてね。私は目で見たものしか信じないほうですから、実際の効果を主人で実感して、早速始めました」そう語る吉原さんには、一つの「目標」があった。それは、結婚した当時のスカートをもう一度、穿けるようになることだった。「太っていた時は、片足の太ももを入れるだけで精一杯。今、ようやくお腹の下まで入るようになりました」と吉原さんは笑う。なんと14kg減である。吉原さんが糖質制限食を始めたのは、2012年の6月初旬。ちょうど、真理江さんが北海道を訪れる1か月前のことだった。そして、二人が出会った時には1か月間で5kg減。その変化に、真理江さんは最初、「アラッ?」と思ったが、再び1か月後の7月末に計14kg痩せた吉原さんの姿を見て、「どうしたの?」と絶叫したのだった。吉原さんが旦那さんと経営する乗馬学校は北海道の中央部・新得町郊外にあり、近くの高級リゾート、サホロリゾートの滞在客も多く訪れる人気スポットだ。敷地内には、レストランも併設しており、その調理や盛り付けも吉原さんが行う。「ですから、毎日山盛りのご飯をお皿に盛り付けながら、カレー、シチューの味見もする。でも、ちっとも辛いとは思いませんでした」と吉原さんは笑う。糖質制限食を始めてみて、何より驚いたのは、食欲を抑えられることだった。朝はヨーグルトとコーヒーだけ、昼も食べずに夕方お腹が空いてくると、ラカントSをタップリと入れたコーヒーをチビチビと飲む。それだけでよく、身体を動かすだけのエネルギーを摂れば、沢山食べなくとも全く問題ないという、糖質制限の奥義に気付いたのだった。その代わり、夜はタップリと食べる。真理江さんが、吉原さん宅に4日間滞在して、最初驚いたのは、夜の食事の量だった。「大皿に盛られた大きなステーキ、盛り付けたレタスよりも多いチーズのスライス。それを見た時、『これ、全部食べてもいいの?』と思わず叫んでしまったんです。私も辛かったのは、最初の1日だけ。乗馬学校で食事をしてから、泊まっているサホロリゾートに戻ってきた時、夜の食事のラストオーダーがギリギリ。あの時……ちょっとお腹が空いたな、ここでラーメンとかスパゲティを食べなくてもいいのかしらと一瞬、迷いましたが、とにかく今日は止めようと思って考えているうちに、ラストオーダーの時間が終わってしまったんです。あの夜が、私にとっての分水嶺というか、糖質制限ダイエットを成功させるか否かの大切な一日でしたね」と、さんも当時を振り返る。そこから真理江さんも、糖質制限食を始め、見事10kg減に成功したのだった。先輩格の吉原さんは、東京に帰省中はゆるゆるに「糖質制限ダイエット」をゆるめている。「実家に戻って、ご飯やケーキも美味しい、美味しいと食べてます。それでてきめんに体重が2kgぐらい戻っていますが、また、北海道に戻ったら、ガチッと再開します。一時、糖質制限に身体が慣れてしまって、体重も同じ所を行ったり来たり。ですから、一度ゆるめてまた始める、と身体が糖質制限に反応するような気がするんです」「そうです。僕ら糖尿病患者の場合は、スーパー糖質制限でキープしなければなりませんが、ダイエット目的の場合なら、一度思い切りゆるめてから再開すると、以前の体重より、更に減ることがあるようで、体験者の間では『キックバック』と呼んでいます」もちろん、急激な体重の乱高下は避けるべきだが、こうした「里帰り」による「糖質制限の休日」も、あってしかるべきだ。吉原さんは言う。「糖質制限食を始めてみてわかったのは、自分の身体が自分のものではなく、自然と一体になったものだということ。それを過度の食欲でむやみに痛めつけてはいけないとわかりました。沢山食べることは、内臓を疲れさせ、精神も疲れさせます。糖質制限食を始めてから、身体の内側から語りかけてくる自分の声を、極めて敏感に感じ取れるようになり、身体の健康を決める主人公は自分だということを納得できるようになったんです」この言葉にもまさに同感だった。糖質制限食をキチッと実行した人だけがわかる、「至福の境地」である。吉原さんが再び北海道に戻ったら、更に糖質制限を徹底すれば見事、新婚当初のスリムな体型に戻れるはずとは確信した。それを見て、真理江さんも、ますます糖質制限食にファイトを燃やすことだろう。” ” ” . . . .この「物語」で ”’. * 実際に護せた氏名/ 聪棠/水天宫事移局畏·椎翻宜 年龄/54歳A 165cmダイエット実践結果 1か月で72kgから62kgへ10kg減。3か月で11kg減。EA 最初は、水天宮宮司を務める夫の頼央氏のダイエットが目的。 最も効果の挙がる方法を探していたら、 夏休みに娘が通っている乗馬学校の オーナー夫人が14kg減を達成した姿を見て驚き、 の著書を勧められて読むことに。 すぐに夫ともども実践し、ともに10kg減を達成する。 第3話 糖尿病療養指導士・透析技術認定士 クリスマス・パーティで知り合った男性に「糖質制限食」を誘われて敵地に乗り込んだ医師をみんなで応援ダイエット目的で糖質制限を始める女性たちの間では、フェイスブックで知り合いになり、お互いの糖質制限レシピを写真付きで交換したり、糖質制限メニューを始めた店などの情報を教え合っている。若い糖質制限仲間が集まって新たに「糖質オフ会」をやるというので、もさっそく参加することにした。場所は、東京のJR駒込駅近くにあるフレンチレストラン。土曜日の夕方、みぞれ混じりの冷たい雨の降る中を、総勢20名ほどのメンバーが続々と集まってくる。駒込を会場に選んだのは、この日同地で重要な講演会が開かれたからだ。女子栄養大学の駒込校舎小講堂で行われた「第22回女子栄養大学栄養科学研究所講演会」である。「糖尿病治療最前線栄養食事療法を巡って」と題した講演と討論会が行われ、糖質制限食を提唱する医師が「低炭水化物食(糖質制限食)の有効性と安全性」について語り、討論会が行われた。女子栄養大学といえば、わが国の栄養指導をリードしてきた伝統的な栄養学の大本山である。そこに医師が単身乗り込み、糖質制限食について語るとあって、糖質制限食を実践しているメンバーが集まることにしたのだ。そこで行われた医師の論点については第2章で詳しく整理しておいたが、白熱した討論会では『糖質制限ダイエットで何の苦もなく糖尿病に勝った!』というの最初に書いた新書の内容が壇上で紹介され、「この方は血糖降下剤を飲みながら糖質制限を行ったため、低血糖症状を起こした」「糖質制限食は、普通の食費の1・5倍かかる」ことが糖質制限食の欠点として批判する側から紹介された。これには、傍聴していたも苦笑せざるを得なかった。最初の本を書いた当時は、まだ医師にもお目にかかっておらず、半ば無我夢中で糖質制限食を行っていた頃である。その後、東京・赤坂における糖質制限食の集まりで医師に会い、血糖降下剤を飲むのをストップしたら、たちまち低血糖は治まった。また、食費が1・5倍かかるというのも、周囲に糖質制限食が全くなかった3年前の話で、今は糖質制限食に慣れてきたため、普通の食費より若干高めとはいえ、それは毎日摂る食事に気を配っているまでのことだ。熱心に聞き入っているが、周囲の糖質制限仲間を見渡すと、皆、スマートフォンに何やら打ち込みながら傍聴している。あとで聞いたら、ツイッターで参加できなかった仲間に向けて、こんなことを批判していると情報を配信していたとのこと。討論会が終わり帰途につこうとするに「おやじダイエット部」の最も若いメンバーの一人で、体重17kg減を実践した神楽坂のデザイン会社勤務の小将之さんが声をかけてきた。「先生、今回はもうお戻りになるんですよね」「うん。そのつもりだけど、何かあるんですか」「実は、この後、参加できなかった若いメンバーで集まろうと思っているんですが」「あ、そう。で、何人ぐらい来るの?」「20人ぐらいですかね」「そんなに。じゃあ、少し参加しようかな」「え、本当ですか。嬉しいです。おーい、みんな、先生も参加するって」聞くと、六 りく義 ぎ園の近くにあるレストランに会場を移して会合が行われるという。 えんその間、少し時間があるので、JR駒込駅近くのフライドチキン・チェーンでお茶をすることにした。午後から講演会と討論会が開かれたので、住んでいる軽井沢から東京に出てきたは、会場にあったコーヒーだけしか口にしていなかった。それでも「これ、食べませんか」と、前の席にいた小さんが、無塩アーモンドを分けてくれたのは助かった。さすがは糖質制限仲間だ。「フライドチキンは、皆さんよく食べるんですか?」と、集まった数人のメンバーに聞いた。「ハイ、私、しょっちゅう食べてます」明るく答えたのが、糖尿病療養指導士で透析技術認定士、健康コンサルタントの肩書を持つ理香さんだった。おかっぱヘアーに、クリクリッとした可愛らしい眼の女性である。まさしく「なでしこダイエット部員」にピッタリのイメージだ。がそう言うと、「なでしこって、なんかブームが過ぎると忘れ去られるみたいじゃないですか。〝ダイエット女子部〟とか〝乙女ダイエット部〟とか、そういう長続きする感じがいいですねぇ」と、なかなかハッキリとした意見を持っている。「なるほどね。ちょっと考えてみましょう」「私も考えてみます」そう言いながら、さんはフライドチキン1ピースをパクつき、熱いコーヒーを飲んだ。も、持参してきた人工甘味料のパルスイートを取り出し、ブラックコーヒーに入れた。これか、ラカントSの粉末が糖質制限者の「お約束」だ。後で調べたら、このフライドチキン・チェーンのチキン1ピースは、同社調べで糖質7・6gである。そのうち待ち合わせの時間となったので、指定のレストランに移動した。女性の情報交換能力は凄い会場に着くと、用意された長テーブルでは席が足りず、詰め詰めで座席を用意してもらい、そこで20人近くで座ることになった。男性は5、6人。そのほかは皆、30代前後から40代の女性たちだ。「ワァー、本当に軽い」振り返ってみると、女性メンバーのうちの一人が、発売されたばかりのアップルの最新タブレット端末を取り出して歓声をあげている。「先生、私、こんな糖質制限メニューを作っているんです。見てください」隣の席に座った家庭の主婦という女性も、タブレット端末に保存しておいたオリジナルの糖質制限料理の画像データを、次から次へと見せてくれる。かと思うと、「これ、私が自分で作った糖質制限の抹茶味のふすまパンなんです。ちょっと食べてみてください」そう言って、料理が出てくるまで、お店側に内緒で大きな容器から抹茶色のふすまパンを切り分けて出してくれる主婦もいる。もさっそく、ひと口いただいたが、実に旨い。「これは、どこかで糖質制限パンのお店でも開いたほうがいいんじゃないの?」と、思わずそう答えてしまった。やがて、の音頭でみんなで乾杯。この会に出席するのが初めてのは、自分以外の参加者全員がすでに顔見知りだと思い込んでいた。が、やがて次々と自己紹介が始まった。皆、フェイスブックなどで繋がった知り合いで、一堂に会するのは今回が初めてだったのだ。名刺を交換しても、いわゆるハンドルネームとウェブの連絡先しか書いていない女性も多い。しかし、毎月新橋の「梅花」で行われている「おやじダイエット部」の例会でもそうなのだが、集まるメンバーは皆、とても仲が良い。糖質制限ダイエットという「同じ愉しみ」を共有しているからなのか、会合は異様なまでに盛り上がる。時々、店内のほかのお客様を意識して「シーッ」と皆を制しなければならないほどだった。細かな自己紹介に飽きたのか、グループのリーダー格で、コーラス・ボーカルの安西康高さんが「自己紹介の冒頭に、HbA1cの数字と体重減を言ってくれる? それでもういいから」と笑わせる。安西さんは「梅花」での例会にも必ず出席してくれる鉄板の糖質制限人。糖尿病が悪化したため、すでに眼のレーザー治療を何回も受けてきた。それだけに、糖質制限食治療を認めない、日本の医療制度には我慢がならない、という。「さん、もっと糖尿病治療の実態を暴く本、書いてよ」「わかりました。実は今、準備しているところです」女性たちの歓声の中で、そんな男同士の熱い話も盛り上がる。「皆さん、聞いてください。ネットで面白い情報を見つけました。香港亭というラーメン・チェーンでは、頼むと麺を豆腐に替えてくれるんですよー」「エーッ、本当!? どこどこ」そう言いながら、自分のスマートフォンでも香港亭を検索する。「千葉の市原にも頼むと麺を大豆麺に替えてくれるラーメン屋さんがあるみたいです」糖質制限人の世界にも流行があり、すでに豆腐干 かん糸より大豆麺に注目が集まっているようだ。す「よし、それじゃ皆でバスをチャーターして行こう。千葉にはふすまパンの製造メーカーでもある鳥越製粉の研究所もある。そこで、ふすま粉で作ったミックス粉『パンdeスマート』を使った、パン作りとお菓子作りの講習会をやろう」と、も乗る。すぐ実行するのが、糖質制限人たるゆえんである。(千葉といえば、近くの浦安ブライトンホテルでは、最近、糖質制限食メニューを始めた、と広報から連絡があった。千葉が何か熱いな)とは考えた。「やるときゃ、糖質制限やります、私」スピーチの中で、参加者の一人がそう言って、大きな拍手を浴びた。(これは、女性のほうが一度心に決めたなら、甘いものが食べたいとか、ご飯を食べないと生きていけないという繰り言を言う男より、よほどマシかもしれない)とは思った。その証拠に、自己紹介する女性は、皆10kgから15kg痩せ、大阪からわざわざこの集まりのために上京してきたという女性は、なんと20kgの減量に成功したそうである。皆さん一様に常識があり、しかも落ち着きがあり、礼儀正しく、楚々としている。しかも知的でクールだ。「糖質制限食って、ケーキとか甘いものは食べられないんですよね。私、絶対にできません」などと泣き言を言う人もいない。美しく、健康に、しかもスタイルがよくなるためなら、皆平気で糖質制限食を実践でき、結果も出せる行動力と持続力のある面々なのだ。「これは頼もしい」と思った。糖質制限食を始めた主婦の中には、ご主人や大きくなった娘さんも参加して、家族全員で健康になったという人もいる。こういう理解のある主婦がいる家庭は、幸福だ。たとえ日本の政治が停滞して、どんなひどい状況が到来しても、糖質制限食を続けている限り、その一家には笑い声が絶えないはずだ。糖質制限食には、それぐらいの力がある。「でも、私、最近、糖質制限を少しサボっちゃっているんです」と、ある主婦が相談するので、「私みたいな糖尿病だったら、糖質制限食がマストですが、ダイエット目的なら目標体重に達したら、少し休んでまた始めるのもいいじゃないですか。むしろ、無理しないほうがいいですよ」と、アドバイスした。そのほか「ふすまでパンを作るのはちょっと難易度が高いけど、ナンなら簡単」とか「カレーでもルーに小麦粉を入れないタイのカレーなら食べても大丈夫」という裏技情報も女性たちの間で交換されていた。こと、食べものに関する限り、やはり家庭を預かる主婦たちのほうがはるかに詳しく、かつ実践的で、情報を得たらすぐ自宅で試すことができる。こうして、初会合の夜は、あっという間に更けていった。最終の長野新幹線で住んでいる軽井沢に戻らなければならないは、まさに後ろ髪ひかれる思いで、会場のフレンチレストランを後にしたのだった。最初は、右から左へ素通りでしたもうひとつの心残りは、糖尿病療養指導士で、透析技術認定士でもあるさんと、ゆっくり糖尿病の治療実態について、話ができなかったことだった。思い立ったら、すぐ行動。は翌週、さんと彼女を紹介してくれた「おやじダイエット部」の小将之さんに電話をかけ、日本橋蛎殻町のロイヤルパークホテルで食事することにした。週末の土曜日、勤務を終えた二人がホテルのロビーまでやってきてくれた。ロビーには、クリスマスの飾りつけが華やかになされ、ロビー奥のコーヒーハウス「シンフォニー」から眺めると、噴水をあしらった池には、大きなサンタクロース像が飾られている。「もうクリスマスか。一年経つのは早いな」とは思った。自身が糖尿病から立ち直ったのが、3年前。そこから、一年また一年とスーパー糖質制限を続けてきた。その間、体重を当初の20kg減のままキープし、体調もよく、東京、京都、名古屋、大阪、横浜と糖質制限のメンバーを拡大し「みんなで集まって続ける糖質制限」をまさにボランティアで続けてきた。医師のお膝元で糖質制限食に最も熱心な先進地域の京都へは、毎月のように出かけるようになり、顔なじみのレストランや小料理店もできた。ようやく、東京でも糖質制限食の灯が点きつつあることを最近になって実感する。これも新橋の糖質制限中国料理店「梅花」で、毎月第3火曜日に「おやじダイエット部新橋支部」として、定期的に集まっているためである。まだ30代と若い小将之さんも、初回から必ず参加してくれているメンバーの一人だった。食事しながら二人に話を聞くと、さんに糖質制限食を教えたのは、なんと小さんだったのだ。「私も医療従事者ですから、友達とフェイスブックを開いていたら、たまたまクリスマスの日に飲み会をやることになり、友達と出かけたら、偶然、小さんとお目にかかったんです。で、2回目に糖質制限の集まりに誘われて、興味があったのでついていきました」それが、が講師として招かれた食と医療を考える会のセミナーだった。さんとはどこかで会ったと思っていたら、その時、小さんが連れてきたメンバーの一人だったのである。小さん自身も、ダイエット目的で糖質制限食を始め、すでに17kg痩せた猛者。「これ、以前の私です」と、いつも名刺代わりに出す太っていた頃の免許証は、まさに別人である。当然、小さんはさんに糖質制限食を勧めた。だが、当初、さんはそれまでの常識を覆す糖質制限食には、全く興味を示さなかったという。「やってみれば、と何回言われても、いつも右から左。自分自身『健康コンサルタント』という肩書を名刺に書いていましたし、糖尿病療養指導士と透析技術認定士という資格を両方持っていましたから、自分でも健康理論には確固とした自信があったんです。でも、この人があんまりしつこく糖質制限食のことを言うから、それなら一回集まりに顔を出してみようかな、ということになったんです」一方の小さんにも、さんを熱心に誘う理由があった。それは、さんがいわゆるI型糖尿病だったからだ。幼い時に高熱を発し、その結果、膵臓の機能が自己免疫疾患で完全に失われてしまったのである。そのため、さんは幼い頃からインスリンを打ち続けねばならなかった。「I型糖尿病ですか。それは、大変だな」その実態を何度も見聞きしてきたは、思わぬ展開に言葉が詰まった。しかし、さんはケラケラと笑って、実に明るい。「インスリンは4歳の頃から自分で量を調節して打っていますから、もう慣れて何とも思わないですね」という。II型糖尿病とは異なり、膵臓の機能がすべて失われているために、インスリン注射を止めることはできない。だが、糖質制限食によって、その量を減らすことはできるだろうとは思った。さんにそう告げると、まさに同じ答えが返ってきた。悩みは、インスリンを外から打ち続けると、どうしても太ってしまうということ。健康コンサルタントとしては、どうしてもこの点をなんとかしたかった。「ですから、ダイエット目的で、ヨガ、ピラティス、カーヴィーダンス、モムチャン・ダイエットのDVD付き本を買って、何でもやりました。20代前半は42kgでベスト体重だったのですが、少しずつ太ってきて30代に入ると、43、44、45kgと増えてきて、38歳で糖質制限を始める直前は、48・5kgまで体重が増えていました。BMI値も18・4から21・2まで増えてきて、下腹もどんどん出てきてお腹周りばかり脂肪がついてしまい、自分ながらみにくい身体だなと思うようになったんです」一度覚えれば、後は自由自在さんは、健康コンサルタントを自負するだけに、自分でもなぜこんな身体になるのか悩み、ダイエットのDVDを見ながら、自宅で毎夜30分のトレーニングを続けたが、体重は一向に減らなかった。お腹周りの贅肉をとろうと、エジプト由来のベリーダンスも試してみたが、一時的に痩せてもまた太ってしまう。「これは、もしかしたら食事に原因があるのではないか、と気づいたんです。自分が学んだ栄養理論も完璧なはず。だったら何が原因だろうと思い始めたんです」その頃、再会したのが、クリスマス・パーティで会った小さんだった。さんは、糖質制限食によって10kg以上激痩せしたという小さんの姿を見て、驚いた。だが、いくら誘われても、最初は糖質制限なんて!と全く実行する気はなかった。しかし、小さんも負けていない。の『おやじダイエット部の奇跡』を手にとらせ、がゲストとして出るセミナーにも誘った。あまり、しつこく言うので、だったら一度、糖質制限食を実践してみよう、とさんは思うようになったという。「小さん、なかなかいいところある」と、は感心した。そう。糖質制限者は自分が手にした「小さな幸福」をほかの人にも教えてあげたくなるのだ。さんは、医療従事者だけに、一度学びだすと糖質制限食の理論を、の著書や医師のブログなどから即座に理解した。「だったら、毎日のインスリンを打つ量を減らせるかもしれない。そう思ってやってみることにしたんです。最初1か月ぐらい続けましたが、あまりガクン、ガクンと減る感じではなかった。1・5kgから2kgまでの間で少しずつ落ちていく感じでした。でも、いくら食べても太りにくくなったのは、よかったなと思ったんです。それがずっと続いて約3週間後には、5kgから6kg痩せていました」さん自身は「身体がちょっと引き締まったかな」というぐらいに思ったというが、その急激な変化に驚いたのは、職場である病院の患者や研究室の助手さんだった。「ちょっと、あなた痩せたんじゃない? どうやって? 教えなさいよ」さんはそう言われて、今度は指導する側に回った。「その人は私と違ってかたちから入るタイプで、カレンダーに印をつけ、2週間後に決心したようで〝そろそろ、やってみる〟と宣言しました。そして魔法ビンにスープを入れ、自分で糖質制限のお弁当を持ってきたり、オカラの蒸しパンを自宅で焼いて持ってきたんです。〝これはどうかしら〟〝これは大丈夫?〟と聞いてくるので、ありとあらゆる情報を教えてあげました」とさん。さん本人は、結局、3週間で約6kg落とし、現在はスーパー糖質制限を少し緩めて4kg減に戻している。「糖質制限自体は、そんなに辛くなかったです」とさん。一度わかれば自由自在だ。一方の小さん、今度は同居している母親を糖質制限食の道へと進ませるべく、奮闘中だ。糖質制限「なでしこダイエット部」の発足その小さんから、に提案があった。「おやじもいいんですが、女子会とか若い人の集まりを作ってもいいですか」どうやら、糖質制限を通じて知り合った若い仲間でワイワイと楽しく盛り上がりたいようだ。「おやじと一緒に酒飲むのは嫌なのね」と、は苦笑したが、確かに若い世代で集まって楽しくハシャぐのもいい。そこで、取りまとめ役をさんにお願いした。場所選びは、ホテルに精通したのお手のものである。は「シンフォニー」で朝食を摂っている時に目にした「女子会プラン」と銘打ったパンフレットをふと思い出した。折から、ホテルは年末のクリスマスの飾り付けでキラキラと輝いている。は、食事しながら、「ここで糖質制限の女子会、名付けて『なでしこダイエット部』を開きましょうか」と持ちかけた。病院での仕事帰りというさんは、ロイヤルパークホテルに来るのは初めてで、ホテルロビーに飾られた大きなクリスマスツリーや、コーヒーハウスの奥に広がる噴水池のサンタやクリスマスの電飾にすっかり魅了されているようだった。「糖質制限食メニューを出しているレストランで女子会をやるという手もあるんですが、価格が高いし、それより皆で好きなものをブッフェで選んで、お互いの糖質制限技を競い合うのはどうでしょう。試しに、今日はここのブッフェを食べてみてください」そう言って、は小さんとさんにロイヤルパークホテルのブッフェ料理を体験してもらった。「ここいいですね。糖質制限的に全然問題ないです」と、大きなお皿2、3枚に山盛りのサラダ、ローストビーフ、生ハムといった肉類をパクつきながらさんは大喜びだ。飲み物もホテルのグラスワインがあるが3人なら一人2杯ずつなので、とっておきの赤ワインをボトルで開けてくれるとサービスを担当してくれるソムリエ氏が言う。「いやあ、嬉しいなぁ」とは、今更ながら常宿にしているホテルの好意に感謝した。3人で食事した翌日、さんからお礼のメールが届いた。「昨日は大変ありがとうございました。女の子は、ああいうキレイな場所が大好きなので、集まる と皆、喜ぶと思いますよ」「では、糖質制限仲間で何人か集められますか」と。どんなに忙しくとも、糖質制限に関しては、やることは即やるのがの最近のモットーである。「では、仲間に声をかけましょう」「集まる日にちと時間に関しては、皆さんにおまかせします」「わかりました」さんも言い出したら行動が早い。早速、2、3日後にメールが届いた。「先生、私を入れて5人は集まります」「わかりました。ホテル側と交渉してみましょう」が懇意にしているホテルの広報担当者に聞くと、「10人は集めてもらったほうがホテルとしては嬉しい」と言う。そこで、「みんなのパン」のさんと、糖質制限に関心を持つ女性編集者に声をかけることにした。嬉しいことに、さんは即OK。女性編集者も2人が、それぞれ女性の同僚を連れて集まってくれるという。これで5人。を入れると11人だ。クリスマス・イブを2週間後に控えた12月初旬、こうして「なでしこダイエット部」第1回女子会がスタートした。午後7時。ロイヤルパークホテルのロビーに、仕事の終わったメンバーが次々と集まってくる。「みんなのパン」のさんは、大きな紙包みを持ってきた。「先生、これ。今日焼いたふすまパンです。後で皆さんにお土産として持って帰ってもらおうと思って」「おお、素晴らしい。ありがとうございます。皆、喜びますよ」との顔も思わずほころんだ。つくづく感じることだが、糖質制限食を始めた人、現在も続けている人に悪い人はいない。皆さん、本当に素直で、親切、人の心を思いやる常識人ばかりなのだ。こうした人の集まりによくありがちな「何、あの人」と言われるような出しゃ張りや、他人に嫌味を言うような人は一人もいない。皆さん、落ち着きがある。「今日は、集まっていただいてありがとうございます」がそう話し始めると、ホテルのなじみのソムリエ氏がすかさず、「皆さん、最初はシャンパンになさいますか」と尋ねてくれる。「シャンパンは本来、糖質が高いのだが」という気持ちがふと、心をよぎったが、今日は「なでしこダイエット部」設立の夜だ。やはり、お祝いにはシャンパンがつきものである。全員でシャンパンで乾杯。この日はブッフェ料理を前菜として、メインを4品から選べるプリフィックス・ディナーコースである。「私、全部食べたい」とさん。「ここはね、海老フライも美味しいですよ」とキャプテンの。「じゃあ、私、それいただこうかな」と、以前もパーティでお目にかかったMさんが、つき合ってくれる。「えー、前菜類は何度、おかわりしても大丈夫です」と。我ながら、ホテル・ブッフェでの糖質制限女子会のアイデアはバッチリだと思った。色とりどりの野菜が並ぶ、サラダ・コーナーに始まり、サーモン・マリネなどの前菜、肉料理、魚料理から2、3種好きなものを選べる。この日集まった女性たちは、糖質制限食を続けている経験者に加え、さんの友人で、「糖質制限食に興味があって」というビギナーも2人いる。その彼女たちにも、「こんなに食べても糖質さえ摂らなければ痩せられる」ということを目の前で証明することもできるのだ。これが「食べ放題」のホテル・ブッフェの良い所である。思い思いに選んできたお皿を見ると、糖質制限経験者は皆、山盛りのサラダと前菜類である。「これがいいんだよね」と言いながら、がサラダに別盛りのチーズを加えた皿を見せる。「なるほど、いいアイデアですね」とゲストとして来てもらったさんも感心する。目の前に座ったさんは、3皿をテーブルに並べて大満足だ。「さん、凄いですね」とが声をかけると、「実は今、私、本当に糖質制限ゆるめにゆるめて、不良になってグレてるんです。会をきっかけにまた、キッチリ始めようと思って」と思わず本音が出た。「糖質制限をグレるっていうのが、いいですね。私みたいな糖尿病でなく、ダイエット目的なら、時には不良になったり、グレてもいいかもしれない。でも、あんまりゆるめると帰ってこられなくなるから、プチ家出ぐらいに留めておいたら」とがフォローする。糖質制限食は、長く続けて欲しいだけに、こうした「本音トーク」は、むしろ大歓迎である。「ビフォア・アフター写真」も「お約束」「結局、糖質制限を楽しめる人って、料理が好きで、健康を気にしているから血糖値を上げたくない。それでいて、お酒も飲みたいし、お腹いっぱい食べたいという欲深人間なんです」と、さんの糖質制限仲間のMさん。IT関連の専門家だが、趣味は南米の楽器演奏、そして大の酒好きで、医学関係の大学を出たため、血管の仕組みに詳しいという面白い人である。「昔、フォークのグループに赤い鳥というのがいたんですが、Mさん、赤い鳥みたいですね」とキャプテンの。「あなた、赤い鳥ってわかる? 私、わかるけど」とMさんは笑いながら隣の女性に聞く。「わかりません」と若い女性が笑うので、「私、先生と同世代」とMさんは、指で丸印を示す。嬉しかったのは、人見知りするというさんを、「この人は、糖質制限で18kg減ですよ」とが紹介すると、これから糖質制限を始めたいという女性たちが目を輝かせたことだ。さんは、自分がご主人と開発した「糖質制限ふすまパン」の話に熱弁を振るう。「え、ふすまパンを売っているパン屋さん、東京にあるんですか」と参加者の一人も声をあげる。「さん、僕ら糖質制限仲間の間では『みんなのパン』はよく知られているけど、一般にはまだまだ知名度がないですね。もっとPRしなけりゃ」とは、ワイングラス片手に言う。「そうなんです。私もふすまパンを売って『ふすまパン御殿』を建てられるように頑張ります」とさん。「後で皆さん、食べてみてください」とさんが焼きたてのふすまパンを配ると、皆、大喜びだった。「私、今日から糖質制限やってみます」がブッフェのおかわりに立つと、隣の席の女性が声をかけた。「おおっ、楽しみですね。あなたなら、きっと凄く痩せますよ」自身、3週間で20kg痩せてから不思議な能力が身についた。それは今、どんなに太っている人でも、その人の痩せた姿が想像できるのだ。「この方、今日から糖質制限食を始めるそうですよ」と、が女性編集者に紹介すると、「では、早速、ビフォアの証拠写真を」と、立ち姿を携帯カメラで撮影し始めた。実は、せっかく糖質制限し始めても、ビフォアの太っていた時の写真を持っている人は意外に少ない。「私、太っている頃は、皆でカメラを撮る時、無意識にその場を離れて、写らないようにしていたんです。だから、せっかく糖質制限で痩せたのに、それを証明するビフォアの写真がなくて」と残念がる女性も多いのである。皆で集まるこうした機会を利用すれば、誰でもビフォア、アフターの写真を撮ってもらえる。これも「糖質制限食」を始めるモチベーションのひとつになるだろう。1か月に1回、こうした会合を開けば、極めて短期で効果が出る「糖質制限ダイエット」の場合、次の回
に出てくる頃には、明らかに効果が上がり、2回目に参加する2か月後ぐらいには、本人も周囲もビックリするぐらいの効果が出ていることだろう。が「楽しみですね」と声をかけたのは、次の回にも出てもらい、糖質制限食を続けた結果を、仲間の前で披露してもらいたかったからにほかならない。糖質制限食は、キチッと実行すれば、間違いなく、その人の体形のみならず、全体の表情も締まり、素敵な笑顔に変わる。自分自身も3年前にそれを経験したは、一人でも多くの人に、その「明るい笑顔」を取り戻して欲しいのだ。「先生、今度はここで合コンをやりたいです」さんは、すっかり満足げだ。「おお、ではテーブルに向かい合って、反対側に痩せたい男を並べましょうか。男性の参加資格は、皆、一生懸命に仕事をし、その結果、太ってしまい、しかも仕事が忙しくて女性と交際する時間がない人。その人たちを励ましながら、二人で糖質制限するんです」と。「いいですね。私、絶対に参加します」さんは大ハシャギである。食事会が終わった後は、希望者とホテル地下のシックなバーで二次会。そこに、ようやく仕事が終わったという小さんも駆けつけてきた。「この人は、おやじダイエット部で一番若いメンバー。さんに糖質制限を無理矢理教えたのは、この人です」が紹介すると、さんが、「そうなんです。糖質制限しろしろとしつこく誘うので、この人いったい何だろう? と不思議に思ってました」とさんは笑う。その日はホテルに宿泊したに、翌日、さんから次のようなメールが届いた。「先生、昨日のパーティは雰囲気もよく、皆とても楽しかったと喜んでいます。2回目、3回目も人を集めますので、是非やりましょう」その後もさんは、糖質制限ダイエットを一進一退で続けているようで、年末にきたメールには、「クリスマスは予約してあった糖質制限ケーキを食べたのですが、美味し過ぎてホールケーキの半分以上を食べてしまいました」と書いてあった。術認定士 年龄/38歳Jä:5/ 1 51 Cmダイエット実践結果 3週間で48.8kgから42.5kgへ約6kg減。EA フェイスブックで知り合った友人の男性会社員 と再会した折、17kg減した姿を見て驚く。 その男性から熱心に糖質制限を勧められて実践。 時々、制限をゆるめ過ぎて「糖質制限の不良」に なったり、グレたりもするが、情論しく継続中。
第4話 株式会社きたやま南山 代表取締役 1年で12kg減。子だくさん社長の「糖質制限焼肉」で大逆転糖質制限食の最先端地域、京都のサポーター日本で最も糖質制限食が進んでいる「糖質制限最先端地域」は、どこか。それは間違いなく、京都である。京都は、糖質制限食の提唱者である財団法人・高雄病院理事長の医師の文字通り「お膝元」であり、すでに10年以上、スーパー糖質制限食を続けておられる医師が昼夜を問わず通う、糖質制限に対応するメニューのあるフランス料理店、スペイン料理店、焼肉店、カフェ、居酒屋が点在し、先生自身もその開拓に日々、努めておられるからだ。第2話で登場した水天宮宮司夫人のさんが、京都市内の有名イタリアンレストランで会食した際、食事が終わって「これで糖質制限メニューがあるともっといいんだけど」と言ったら、「あらかじめ、ご予約いただければご用意できますよ。京都では、糖質制限にも細かく対応しないと生き残っていけませんから」と店の人。「そこまで進んでいるの!?」と夫人も驚かれたそうだ。そうした京都における「糖質制限食ブーム」の強力なサポート役となったのが、左京区下鴨の北山通沿いにある和牛焼肉の店「きたやま南山」の代表取締役だ。6人の子持ちで「子だくさん社長」として知られるさんが、糖質制限食を始めたのは3年前の夏のことである。さんは56歳。太っていた当時は、身長151cmで体重は60kgあった。それが1年間で12kg痩せ、現在48kg。以来、医師の勧める「スーパー糖質制限食」を「ほぼ」(本人談)続けてきた。その結果は――「始めて半年ぐらいで52kgまで痩せ、しばらく止まっていて、また減り出して結局12kg減です。それまで、痩せたい一心で脂肪もみ出しエステに通って、20万円払ったのに、全然効果がなかった。あのお金返してくれ、と言いたいですよね」と明るく笑う。その間、さんがやったことといえば、自分のお店で出す牛肉を試食代わりに食べることだった。「先生の本を読んでいたら、なんだ、糖質制限食って、ごはん抜きでうちの牛肉を毎日食べることでいいのかと思い、仕事をしながらバンバン牛肉を食べてたんです。そしたら、本当に痩せましたね」気をよくしたさんは、2年前の1月に「一週間焼肉ダイエットプログラム」と名づけたダイエットイベントを開催し、それに向けて医師の指導で、焼肉のタレや野菜サラダのドレッシングなどにも糖質制限した特製のものを開発した。同年3月にこれを一般メニューにも加えている。例えば「糖質オフ和牛焼肉セット」(3000円・税込)の場合、京たんくろ和牛やいわて短角和牛の焼肉、ローストビーフまたは炙り刺身牛のオードブルサラダ、九条ねぎと肉味噌チーズの焼きいなり、さらに3種類の糖質オフスイーツから1品が選べる。単品メニューの豆腐の肉味噌麺、こんにゃく米のクッパも美味しい。「焼きいなりの場合、糖質量は2・4g、こんにゃく米クッパ5・5g、豆腐干糸の肉味噌麺でも6・5gと、先生が指導される一食20gの糖質量には至らず、かなり低めに抑えています」とさん。現在、同店の糖質オフ・セットメニューは3種類に増えたが、当初はこれらをさん自身、毎日試食してその効果を確かめたという。だが、当初はPR不足もあり「焼肉ダイエットメニュー」は、なかなか一般に浸透しなかった。しかし、さんは諦めない。「一週間焼肉ダイエットプログラム」をいきなり実践するのは、まだ時期尚早と見て、代わりに糖質制限焼肉メニューの試食と専門家のセミナーを兼ねた「南山の美食ダイエットイベント」と題する集まりを毎月開くことにしたのである。このあたりの行動力が並ではない。「おやじダイエット部」キャプテンのもさんと出会ってからは、ほぼ毎回出席してきた。会場は、北山通に面した合掌造りの佇まいをした「南山」の敷地内にある「南山はなれ」というビル内の会議室と広いお座敷である。ここに毎回、30~40人が参加。京都市内はもちろん、大阪や尼崎、西は北九州、東は名古屋や東京などから、糖質制限食に関心を持つ人々が集まる。「最初の頃は勝手がわからず、社内外の理解も得にくく本当に手探りでした。それでも何とか続けてこられてよかったなと思っています」とさんは語る。夏には、京都の風物詩、五山送り火のうちの「妙法」を真正面に眺める南山はなれの屋上で五山送り火観賞と音楽の夕べというイベントも行った。イベントの翌日、希望者を募り医師が毎月第3金曜日、京都・太秦天神川の「憧夢」というライブハウスで行っている生バンド演奏、通称〝ライブ〟に合流。先生がバンド「ターニング・ポイント」をバックに歌う、イーグルスやビートルズなどの歌と、演奏の合間に行う絶妙の糖質制限食に関する語りなども愉しんだ。こうした努力の甲斐あって、南山の糖質制限メニューを食べに、全国からファンが訪れるようになった。「糖尿病を患った年配の方が、ご家族で毎月来られて『こんなに食べていいのね』とか『もっと他のお肉も食べたいわ』とセットメニューに追加でお肉を注文される方もいて、糖質制限焼肉のベテランになっている方もいらっしゃいますよ」とさんは目を細める。牛も人も「霜降り」ではあきまへんさんとが、糖質制限食を始めたのは、ほぼ同時期だ。ともに約3年が経過した。糖尿病治療が目的のと違い、さんはダイエットだけで、ずっと継続しているところが凄い。糖質制限食を3年間続けてきた感想は、「お腹がそんなに空かなくなりました。それが一番ですね。食事は一日二食。家以外では外食とお店で食べる試食がほぼ半々です。以前は食欲をコントロールできず、お腹が空いたら常に何かを食べていた状態でしたが、今は一食や二食摂らなくても全然平気になりました」と語る。研究熱心なさんは、南山で提供している糖質制限メニューにも、絶えず手を加え、進化させようとしている。現在、取り組んでいるのは牛肉よりさらに安い、健康に育てられた豚肉を使った「糖質制限焼肉セット」だ。もともと、南山は健康な牛肉を食べさせることをビジネスの基本としている。「南山で出す牛肉は、社長の私ばかりではなく、牛自体も糖質オフで、従来の霜降り和牛のように、穀物類を無理やり食べさせて、筋肉の間にサシと呼ばれる脂肪分を入れるような育て方はしません。穀物を無理やり食べさせ、老化を促進させた牛は、牛自体が出荷前に糖尿病のようになって失明してしまっていることも多いんです。そんな不健康な肉を人間が食べて、健康にいいはずはないでしょう」自らの糖質制限食の実践を機に、本業の牛肉料理のあり方にも目覚めたさんは、そう憤る。それに比べて、南山の牛肉は恵まれた自然環境の中で、放牧や自給の牧草を食べて育ったアミノ酸がたっぷりの赤身肉だ。「これをレアステーキにし、焼き加減も調節して食べていただくと、本当に良質なタンパク質が食事からいただけます。霜降り牛肉というのは、牛肉を甘辛く料理して食べていた時の発想で日本独特のものです。でも本当は脂だらけの牛のお肉ではなく、イキのいい魚やみずみずしい野菜同様、健康に若々しく育った牛肉を美味しく食べてこそ、牛肉をいただく意味があると思うんです」熱っぽくそう語るさんの話を聞いていて、は思った。(糖質制限に反対する声の中には、肉類を多く食べる結果、脂質の摂り過ぎを懸念する意見が強い。なのになぜ、日本人は牛肉といえば脂身のぎっしり詰まった霜降り牛肉を高いお金を出して食べ、かつ砂糖や醤油をたっぷりと加えた甘辛いタレで食べようとするのか。あれでは、本来の牛肉の旨みが全く失われてしまう)健康に育った赤身の牛肉をたっぷりと食べることで、むしろ身体の脂肪は燃焼し、その結果、痩せていくのだ。「赤身の健康な牛肉には、L-カルニチンというアミノ酸の一種が豊富に含まれており、これが共役リノール酸と一緒に、身体の中の脂肪を燃焼させていくんです。だから、南山の牛肉を食べた方々は、皆痩せていく。『一週間焼肉ダイエットプログラム』で、チャンピオンに輝いたのは、1週間で5kg痩せた80代のおばあちゃんでした」理路整然とそう語るさん。その経歴を聞くとも「なるほど」とうなずける凄みがあった。和牛焼肉の店「南山」は、哲学を学んだ父親が有機農産物や健康な牛肉を世に広めるという「食の革命」を目的に興した焼肉店である。時代を先取りした食への追求が人気を集め、チェーン店として拡大に拡大を重ね「最盛期には全国に30店舗ほど展開していました」とさんは言う。その急激な拡大策が裏目に出て事業は失敗。2001年に長女のさんが経営を引き継いだ時は、18億円もの借金が残された状態だった。追い打ちをかけるように、牛のBSE騒動が持ち上がり、焼肉店は逆風に立たされた。だが、さんはめげない。騒動に際しては不採算店舗を次々と閉じ、本店の「南山」に絞って、さん自らの陣頭指揮で再建していった。実家の焼肉店を継ぐ前は、京都で学術出版社を経営する夫と二人で、編集者として良質だけどあまり売れない本を作っていた。「とにかくいい本を出そう。そう思って本を次々と編集していました。儲からないので、パートや派遣社員もしながら当時は夢中で仕事をしていました」とさん。そんな時に舞い込んだ実家の焼肉チェーンを継ぐ話。さんは、編集者から「焼肉店のおばさん社長」となった。そして、10年がかりで再建を果たしたのだ。まさに「人生大逆転」である。しかし、その代償は大きかった。働きづめでストレスが溜まり、いつしかそのはけ口を食欲に求めるようになり、結果として太ってしまったのである。サービスも糖質制限者の身になってだが、さんは糖質制限食で引き返し、若い頃のスリムな身体を手に入れた。「これも、糖質制限食と本当に身体にいい南山の牛肉のおかげ」さんは、そう思って焼肉店を経営しながら「南山の美食ダイエットイベント」と題するセミナーと試食会をたゆまず続けている。こうした地道な糖質制限食の普及活動の中で、南山で昼食会を開いた後、京都好きのと糖質制限仲間が近くの下鴨神社までウォーキングする「糖質制限プラスウォーキング」の試みも行われるようになった。紅葉の時季に、このイベントに参加したには嬉しいことがあった。それは、京都を訪れると時折参拝に行っていた晴 せい明 めい神 じん社の山口琢也宮司もの『おやじダイエット じゃ部の奇跡』を読み、「私も糖質制限食で10kg以上痩せました」と昼食会に参加してくれたことである。京都市北部、堀川今出川の交差点から西側を南へ下った地にある晴明神社は、その名の通り、陰陽師・安倍晴明(921~1005年)を祀る神社である。かつてブームを巻き起こした映画『陰陽師』。野村萬斎が扮したハンサムな青年主人公・安倍晴明は、若い女性を中心に人気を呼んだ。その晴明の屋敷跡に寛 かん弘4年(1007)、一条天皇の勅命で創建されたのが、晴明神社である。の案内で、希望こう者はこの神社にも参拝することになった。糖質制限は古都・京都において、新たに人と人を結びつけている。「南山」でのセミナーの参加者の中には、観世流の能楽師で、河村能舞台で定期能を演ずる京都造形芸術大学客員教授の河村博重さんも参加されている。河村さんも2011年3月に具合が悪くなり、大嫌いな病院で診てもらうと糖尿病と判明した。身長が158cm、体重66kgで空腹時血糖値154、HbA1c9・9。その時、雑誌記事やの本を読み、糖質制限食を始めた。以来、体重は15kg減。血糖値コントロールも良好で、「南山」で行われる糖質制限関連のセミナーには、ほとんど出席されている。さんが定期的にセミナーと食事会を開催するおかげで、こうした「糖質制限人」同士の交流も行われているわけである。そのさんは、6人の子持ち。忙しい仕事の合間をぬって子育てに励んできたという。「長男は音楽の道に進みましたが、次男は調理師学校を中退して牛肉の勉強をしてくれました。長女はこの前、牛や馬を周年放牧して育てている岩手県の『田野畑山地酪農・志ろがねの牧(吉塚牧場)』に嫁入りし、次女は日本一の学校給食で知られる埼玉県の自由の森学園の寮に入りました。三男も有機農業を教える三重県伊賀市の愛農学園農業高校に寄宿舎から通っていて、今、私のそばにいるのは中学生の三女だけになりました」さんは、糖質制限関連の食事会やセミナーのみならず「人と牛とふる里を育てる放牧畜産研究会」という産学連携事業も主催。京都大学、九州大学をはじめとする大学の専門家や生産者、食のプロたちとともに、畜産と農業の新しい関わり方も研究している。「今、日本の農地は減反政策で多くの田畑が空いている。そうした田畑に飼料米という家畜専用のお米を作ってもらい、牛の放牧地としても活用する。そうすると、山間地や耕作放棄地の有効利用ができる。そこで飼われている牛たちが草を食べますから、農家は草刈りしたり、山間地の手入れをする必要がなくなる。そうした放牧で、ふるさとの景観をつくりながら、良質なタンパク質を持つ牛を育てる。このことは、牛肉にタンパク質を依存している我々、牛肉好きな人間にとって非常に大切なことだと思うんです」とさんの夢は、限りなく広がる。もうひとつ記しておかねばならないのが、若いスタッフたちの行き届いたサービスである。「ビールは、サントリーのオールフリーもあります」「肉は通常メニューで、焼肉のタレだけ糖質制限にすることもできます」糖質制限人がこだわるこうしたポイントにも「南山」の若いスタッフは、よく対応してくれる。ホテルやレストラン、旅館のサービスに詳しいが最初に注目したのは、ここだった。糖質制限食メニューはもとより、その臨機応変なサービスがは気に入り、これだけの社員教育をする社長とは、はたしてどんな人物か会ってみたくなったのである。さんに聞いてみて驚いた。若くて、きびきびと働く若者たちは、男女を問わずほぼ全員現役の大学生で、皆親元を離れ、下宿して大学に行く学生を採用しているのだそうだ。アルバイトといっても、厳しく接客の教育をする。毎朝、午前10時半から始まる朝礼では、いかにお客さまの側に立ってサービスするかが教育され、先輩、後輩の結束も固い。この焼肉店で大学の4年間を働き、就職活動では面接時に「南山」で学んだことを滔 とう々と語って内定をもらう学生は大勢いる。とう「東のボタニカ、西の南山」と呼ばれ、糖質制限人たちが日々通い続ける〝糖質制限食のメッカ〟には、こんな隠された社長のドラマがあった。. . . . . .” ” . . . . .この「物語」で a O 4.氏名/ 職業/和牛燒肉店經當 年龄/56歳 Jä:5/ 1 51 Cmダイエット実践結果 60kgから48kgへ。1年間で12kg減。目的 父親が失敗した焼肉店チェーン事業を継ぎ、10年間で18億円の 借金を返済。そのストレスで太り始め、脂肪もみ出しダイエットに 20万円を払うも失敗。医師の本と出合い、お店で提供している 牛肉を試食を兼ねて食べながらスーパー糖質制限を続け、1年間で 12kg減を達成。「糖質制限焼肉セット」を開発し、毎月1回、京都で 「南山の美食ダイエットイベント」を開く。6人の子だくさん社長。 第5話 京都市立小学校養護教諭 同居している母は、お米屋さん。けれども糖質制限食で、3か月で15kg減従来の治療常識を打ち砕くは京都・北山通の「南山」で毎月開かれている「南山の美食ダイエットイベント」にゲストとして欠かさず参加してきた。そこで出会った女性には、様々な「壁」を乗り越えてきた糖質制限実践者が沢山いる。3回ほどお目にかかったのが、地元・京都市の小学校養護教諭のさんだ。さんは、現在50歳。身長153cmで、体重は最も多い時、60kg以上もあった。「体重もさることながら、多かったのは中性脂肪で、基準値を遥かに超え、200以上ありました。また総コレステロールも若い時から高かった。それが忘れもしません。2012年2月12日に、糖質制限食を始めたら、わずか3か月で体重は15kgも減。中性脂肪も40ぐらいに下がってしまったんですよ」とさんは、目を細める。糖質制限食を始めたきっかけは、子どもがケガをした際、傷口を水で洗うのみで、被覆材で覆い、消毒はせず、乾かさないという画期的な「湿潤療法」で知られる東京・練馬光が丘病院の夏井睦医師のホームページを見たことに始まる。「そこに、先生が京都・高雄病院の院内講演会に夏井先生をお招きし、湿潤療法と糖質制限について講演してもらうこと。そして夏井先生も先生から糖質制限についての話を聞かれたということが案内に載っていました」とさん。夏井医師が実践する「湿潤療法」とは、負傷したら傷口を消毒するという従来の治療法は、むしろ皮膚の細胞自体を破壊する結果となり、傷口を水で洗い、ワセリンをつけ、適切な被覆材で覆い、傷口を乾かさないほうが早く治るという画期的なものだった。夏井医師は、従来の治療常識を打ち砕く、この「湿潤療法」を提唱したため、学会から猛反発を受けたが、それでも自説を貫き、数々の治療実績を挙げている。「夏井先生の湿潤療法については以前から納得して実践していたので、世の中というものは、必ずしも常識が正しいのではないと思っていました。それなら、先生の糖質制限食も本当に効果があるかもしれないと思い、先生の本と先生の本を書店で買って、一晩で読み、早速次の日から『スーパー糖質制限』を始めてみたんです。そしたら、本当に3か月で凄い効果が出て、なんでこんなになるの?とビックリしました」さんは、が「糖質制限食で成功するタイプ」に挙げた「すぐ、やってみる」タイプの女性だった。「以前は、甘いものが大好きでしたし、ご飯を食べるのも好きでしたが、それを止めて辛かったというより、やってみると体重が毎日減っていくほうが面白かったんです」小学校の養護教諭として勤務するさんは、いつも育ち盛りの子どもと同じ給食を職員室で食べていた。「小学校の給食は、たいていおかず2品とご飯かパンなんですが、おかずだけ食べて、ご飯とパンはそのまま残しました。それで、お腹が空くというより、むしろ午後に眠くならないのがよかった。ご飯やパンを給食で食べていた時には、帰宅する車の中で必ず眠くなり、車が信号で止まっている時に、つい、ウトウトしてしまうほどだったんです」しかし、甘いものは、最初の3か月間、糖質制限理論通り、一切摂らなかった。この「割り切り方」が実に理論的だ。「その結果、体重が15kg減って、BMIが22を切れた時、もう、甘いものはちょっとだけ食べてもいいかなと、4か月目から少しゆるめることにしました。でも、ご飯だけは、もう食べることが怖くなって未だに食べていません」こうしてさんは、の本を熟読したというだけあって、最初の3か月間という短い期間で「スーパー糖質制限」をキッチリと行って、体重15kg減を実現。それから、甘いものだけ、少しずつゆるめたという。昼食は勤務先の学校でご飯抜きの給食を食べ、夜も家庭の主婦でありながら糖質制限食を実践した。短期間で15kg痩せたさんを見て、職場の同僚や女性の友人たちが、次々とアドバイスを求めてきた。「その都度、糖質制限食の理論を説明し、先生と先生の本を紹介すると『本を貸してほしい』と言われる。でも、そういう方ほど残念ながら、『私は、やっぱりご飯を食べたいから』と言って本を返しにいらっしゃることが多くて。やはり、自分で本を買うぐらいの興味を示す方でないと糖質制限は始められないかもしれませんね」には、そう語るさんが、3か月で15kg減の実績を誇らしげに語るのではなく、むしろ控えめに人知れず黙々と実行しているのが微笑ましかった。「南山」でも、会合の席上、がさんにそう語りかけると「私、実は、糖質制限をしているとあまり大きな声では言えない理由があるんです」とさんは言う。「えっ。どうしてですか」とが尋ねるとさんは、少し恥ずかしそうに答えた。「実は、同居している母がお米屋さんをやっておりまして、その娘がお米を食べなくなったというのも世間体が悪いかと思いましてね」しかし、その「家の壁」を乗り越えてでも糖質制限食を実践して、見事結果を出したさんの「勇気」が、はますます気に入った。がこれまで、糖質制限食についての様々な集まりの中で聞いた話でも「家での食事中、夫が『なぜ、皆と同じものを食べないんだ』と妻を叱ったり、子どもまでもが『ママだけご飯を残すのはズルい』」と手厳しく反発してくる家庭もあり、この女性の場合は、その結果、糖質制限食の実践を諦めてしまったという。しかし、一家の主婦である奥さんが、痩せてスタイルが良くなれば、喜ぶのはむしろ旦那さんのはずだ。そしてママが健康的になれば何より子どもも嬉しいはず。この女性の場合は、むしろ家族の反対を理由にして、本音では自分がやりたくなかったのではないかな、とは思った。「糖質制限ダイエット」は、ご飯やパン、パスタなどを徹底して食べないという「小さな変化」から始まる。そして精神的に自立することで、その人の生き方や人生をも変えてしまう「大きな力」を実は持っている。実践継続するためには「過去を捨て、未来に生きる」、ちょっとした「勇気」が必要なのだ。糖質制限をゆるめつつも、主食抜きだけはキープ一家の主婦であり、未来の日本を担う子どもたちを育てるさんが、糖質制限食の提唱者である先生や、その実践者であるの本から、「人生と健康を変える小さな、それでいて大切な勇気」を正しく読み取り、自ら即座に実践して、見事に理論通りの結果を出してくれたのがには何よりも嬉しかった。しかも、糖質制限食を開始するときには、あれこれと理屈を並べず、本を読んだ翌日からすぐさま実行している。「糖質制限食を始めた日は、今でも忘れもしません。2012年2月12日の朝です。その前日の土曜日に書店で本を買って、12日の日曜日の朝から始めました」自身も、2010年の5月末、糖質制限食を始めた日の朝のことを、ハッキリと覚えている。(もう、二度とご飯やパンを口にすることはないだろう)と、この日、は思った。はそう思って、不退転の決意で糖質制限食を始めたのだ。それが新しいスタートだった。さんはそれから、痩せにくい女性にもかかわらず、糖質制限を始めて3か月間で、キッチリと15kg減を記録。目標のBMI値20を実現してから、好きだった甘いものを中心に、少しずつ糖質制限をゆるめているという。『おやじ必読! 愉しく続ける糖質制限ダイエット』でも書いたが、成果を出す人は読んですぐ実行する人だ。目標を達成すればこそ、制限もゆるめることができる。「本当は、甘いものもすべて制限しなければいけないんでしょうけど、おかげで2kgほど戻ってしまいました」とさん。「でも、さんは私みたいに糖尿病ではないですから、体重が目標値に達したら、ある程度ゆるくしても全然問題ないと思いますよ。先生がいつもおっしゃるように、あんまりパッチンパッチンに糖質制限しすぎると、長続きしませんから」「そうですね。主食抜きだけは何とか続けています」「だから、体重をキープできているんですね。エラい。糖質制限はいわば〝自分探しの旅〟のようなものです。甘いものすべてダメと考えるのではなく、自分は何を一番よく食べていて、それをカットする覚悟をしたとき、本当に我慢できるかどうかを考えてみると、いいですよ。例えば、おやじダイエット部のメンバーの一人は、同じ甘いものでも、自分はいったい何が好きなんだろうと考えてみた結果、アンコとか饅頭なら我慢できる。シュークリームだけは我慢できないと気づきました。ダイエット目的ならば、これも立派な糖質制限です」「そうですね。おっしゃる通りですね。でも、体重は減ったんですが、まだコレステロール値が高いのが気になります」「僕の場合も、一番最初に体重が減り、次に血糖値が下がって、中性脂肪が落ち、最後にコレステロール値が下がりました。それも、コレステロール値については、医学会でも議論があって、総コレステロール量は、既に治療のガイドラインからはずれています。残るは、いわゆる悪玉コレステロール値ですが、これもスタチン系の薬を服用して下げると、むしろ薬の副作用などで、筋肉の融解などの副作用が起こることがわかっています。ですから食事療法と運動とその方のやりやすい形で組み合わせていくのがいいですね。私も約3年間続けているスーパー糖質制限食を中心に、ウォーキングなどの運動療法を組み合わせ、動物性タンパク質を中心に摂っています。ベストな組み合わせは、高タンパク・高脂質・低糖質で、厚生労働省のいう標準的なエネルギー摂取。これで、低エネルギーになり過ぎて生体に障害が起こるのを防ぎ、体脂肪のみを効果的に減少させ、なおかつリバウンドを起こさないで済みます。それには、食事療法と運動療法、そして、いつも好奇心を持って、健康に留意するモチベーションを維持する行動療法の組み合わせが大切です。でも、その組み合わせは、自分にとって最もやりやすい方法でやればいいんですよ」は、こんな会話を「南山」での集まりの中で、さんをはじめとする参加者と交わしている。糖質制限食関連では、提唱者の医師のブログ「ドクターの糖尿病徒然日記」が人気で、糖質制限食ファンの中では、欠かすことのできない人気ページとなっている。さんが糖質制限ダイエットと出合うきっかけとなった夏井睦医師の「湿潤療法」に関するホームページも、現在では「糖質制限」に関する最新の話題が豊富で、現役医師なども意見を掲げる人気のホームページとなっている。祇園の夜にも、糖質制限「南山」が毎月、定期イベントを開催する京都では、大企業に属さず、自分自身の技術や資格を活かして、独立して働く女性たちが目につく。いわゆる「京女」だ。「今、会に来る女性たちの中では一番頑張って糖質制限をやってはりますよ」が、「南山」のさんにそう言われて紹介されたのが、今泉玲さんだ。京都・東山区花見小路の花見会館汀館2階に〝オーセンティック・スタイル・バー〟と銘打った「アンドレイ」がある。同店は、女性バーテンダーの今泉さんが蝶ネクタイ姿でシェイカーを振る、渋い本格バーである。開店は2012年6月。が初めて訪れた時、並んでいるボトルの銘柄が、どこかなじみがあると思っていたら、が以前通っていた銀座6丁目にあったバー「ル・ヴェール」の名バーテンダー、佐藤謙一さんや「MORI・BAR」の毛利隆雄さんら、錚々たる名バーテンダーたちに教えを乞うたのだという。「私の名前が玲ですから、アンド・レイということで、店の名前をつけました」と今泉さん。バーテンダー界で「マティーニの名人」としてその名を知られる両人に、以前取材したことのあるは、今泉さんもさぞかし厳しい修業時代を経てきただろうと想像した。「今のお店もそうですが、仕事が終わるのが深夜の3時。それから自宅に帰る前にどうしてもワンクッション置いて、朝まで営業している知り合いの店に入り、ビールとお腹を満たす炭水化物系の食事を食べていました。その結果、動脈硬化と高血圧になり、35歳の時、脳の血管が詰まって中大脳脈きょう 狭窄症を起こし、さく倒れて開頭手術まで受けたんです。それ以来、人一倍健康については考えるようになりました」と今泉さんは、バーカウンターの向こうで言う。今泉さんはいわゆる京都風のポッチャリした柔らかな女性バーテンダーだが、「以前はポッチャリというより、ボテッと肥えていました」それが今では常連のお客さんから「ちょっと締まりはった感じがしますね。運動か何かやってらっしゃるんですか」と聞かれるようになった。それが始めて1年半になる「糖質制限ダイエット」の効果だった。やはり、痩せた本人より、周囲がその変化に気づくのである。「体重は3kg減りましたが、リバウンドもなく、わずかずつですが確実に痩せていく感じがします。それと身体が軽くなりました。特に以前は、生理前になるとお腹が一回りぐらい膨れて、バーで着る制服のズボンがパンパンになっていました。私は制服姿が一番好きなので、少し小さめのズボンを穿いてカウンターに立っていたんですが、これではいけないと糖質制限することにしたんです」だが、仕事柄、飲食の機会も多く「スーパー糖質制限」のような厳しい糖質制限はできない。今泉さんが実践するのは、一日一食は糖質を食事から抜く「プチ糖質制限」だ。「プチ」の場合は劇的な効果こそないものの、それでも1年余り続けてみたら、3kg痩せていた。何よりリバウンドしないのが素晴らしいと今泉さんは言う。「それまで、世間の女性と同様に私もマクロビオティックをはじめ、一通りのダイエットは挑戦してきました。ところが、どうしても長続きしない。その点、この糖質制限なら、何とか続けられるような気がします」毎日の食事でも、時には糖質を多く含む食材を食べてしまうこともあるが、ご飯や揚げ物は控え、以前なら仕事が済んでよく食べていたお好み焼きも、「豚平焼き」という卵に、豚肉、キャベツを入れて焼いたものに変えているのだそうだ。糖質の高い小麦粉の摂取を極力抑えている、というわけだ。また、発酵食品のキムチやトマトを食べるよう、心がけているという。「そういうちょっとした意識の変化が、実は身体の大きな変化になるんだなと、糖質制限を始めて実感しました。もうひとつの変化は、これまで冬になると乾燥肌がひどくなって身体中カサカサしていたんですが、始めてからは、なんだかモッチリとした肌になったんです。先日、お肌の検査をしてもらった時も『すごくいい状態になりましたね』とほめられました」今泉さんは、常連客と話している時にも、太った男性客の何人かには糖質制限を勧めてきたという。次に挑戦するのは、糖質の少ない酒を使った「糖質制限カクテル」だ。既に、東京のホテルや大阪・豊中のバーなどで、糖質制限カクテルが開発されているが、糖質制限食に対応している店が多い京都で、しかも祇園のバーで糖質制限カクテルを飲めるというのはいい。しかも、今泉さんは、糖質制限食に関する本を何冊も読破しているという理論派だ。「冬の京都は寒いので、寝酒として仕上げに飲めるものがいいですね」とが言うと、「では、ホットバタード・ラムなどいかがでしょう」「ホットバタード・ラム」は、ラムの熱いお湯割りにバターと丁子を加えて飲むカクテルで、寒い冬はこれをハンドル付きのグラスで飲むに限る。「いいですね。〝糖質制限ホットバタード・ラム〟。そのままでも問題ありません」「今度、いらっしゃった時にご用意しておきます」と今泉さん。糖質制限食を始めた人たちは、皆、糖質制限について語り合う機会を欲しがっている。夜の祇園で、糖質制限カクテルを飲みながら、健康について自分自身の体験を語り合う。まさに「はんなりとした」京都の糖質制限。そんな会合が持ててもいいな、とは更けゆく京都の夜に思うのだった。” ” ” . . . .この「物語」でܬܹܐ K 。裴苞摩世宏 05氏名/驚頭美津子 職業/小字校養護教論 年龄/50歳- 153.cmダイエット実践結果 60kg以上あった体重が、3か月で15kg減。EA 子どもがケガをした時に「傷口は水で洗いワセリンを つけたうえで、食品用ラップを巻いて乾かさないのがよい」 とする夏井睦医師の湿潤療法に納得。 その夏井医師のホームページで医師の提唱する 糖質制限食を知り、取り組むこととなった。 3か月で15kg減という見事な成果を出し、自分でも驚く。 第6話 韓国家庭料理・焼肉の店「金泉」店長・フードアドバイザー 他人にアドバイスして教えるのが上手くなり、皆が幸福な気持ちに韓流・糖質制限インストラクターの誕生「糖質制限食」には、それに出合った人の「生き方」を、大きく変えるような不思議な力がある。愛知県名古屋市郊外の瀬戸市南山町で、本場韓国料理・焼肉の店「金泉」を経営するフードアドバイザーのさんもそんな出合いをした一人である。さんは現在43歳。両親が創業した現在の韓国料理店を受け継ぎ、大学生と高校生のお子さんがいる。たまたまネットで見つけた京都・「南山」での糖質制限食イベントに参加。当日、講師を務めた京都・高雄病院の医師の話を聞いた。その後の試食会で偶然、の向かい側に座ったのがさんだった。名古屋は、の故郷。瀬戸という地名にも懐かしい響きがあった。「瀬戸物」と呼ばれる陶器の生産で有名な瀬戸は、名古屋から電車で30分ほどの郊外にあり、子どもの頃から遠足等で何度も訪れているにとっては、極めて親しみのある場所でもある。そんな瀬戸市で、さんの店「金泉」は「飛行機に乗らなくてもいける『韓国』」を目指し、韓国の「おふくろの味」を知ってもらうために、手作り安心野菜をできるだけ使っている。本人曰く、「手間と時間と愛情をこめて料理を作っている」店である。企業や旅行の取材で何度も韓国を訪れているは、料理のみならず、韓国の文化も伝えているという店の経営方針が気に入った。には以前から密かに温めていたアイデアがあった。それが「韓流・糖質制限料理」だった。実は、韓国料理は日本料理などに比べて糖質制限食対応がしやすい。たっぷりのヘルシーな野菜サラダと焼肉、スープ、発酵食品であるキムチやナムル等の組み合わせは、最後にご飯さえ食べなければ、既に立派な糖質制限食となるのだ。日本人が焼肉をする時に好む甘辛いタレも、本場の韓国では使わない。塩とレモンをかけ、サンチュやエゴマの葉に焼肉をくるんで食す。コチュジャンなどの甘味噌には糖質が多く含まれているが、これを何とか糖質制限対応にすれば、簡単に糖質制限料理が楽しめるのである。「南山」で、糖質・アルコール・カロリーがゼロの「サントリー・オールフリー」を飲み、用意された試食用の焼肉をつつきながら、はこう切り出した。「さん、実はまだ、韓国料理で糖質制限しているレストランがないんです。瀬戸で日本初の韓流・糖質制限料理に挑戦してみませんか」さんから返ってきた言葉が、には嬉しかった。「あ、私、それやってみます。面白いかもしれない」「とりあえず、ご飯の多いビビンパをローカーボにするのと、キムチも糖質制限に気をつけて欲しい。それと韓国のお好み焼き・チヂミも糖質が高そうですね」そういうの言葉に、さんはメモを取った。それから約1か月後のことだった。「先生、できましたよ『韓流・糖質制限料理』。やってみたら、意外と簡単でした。一度試食に来てください」そんなメールが届いた。実は、さんならやるだろうとは直感で思っていたのだが、この素早い対応に、も動いた。その頃「おやじダイエット部」で38kg痩せたメンバーのホテルマンが、JR名古屋駅前にある外資系ホテルの総支配人に就任したので、その取材がてら瀬戸まで足を延ばすことにしたのである。名古屋駅前から市営地下鉄に乗り、東の郊外の藤が丘駅で降りると、地元カメラマンが車で迎えに来てくれていた。そこからさんの店「金泉」までは、車で約15分の距離だった。(瀬戸市といっても、ほとんど名古屋市と尾張旭市に近い、郊外のいい所だな)と車窓を過ぎゆく風景を眺めながらは思った。程なく、幹線道路沿いに、広い駐車場を持つ一軒家の可愛いレストランが見えてきた。「ワァー先生、本当に来てくれたんですか。嬉しいです」とさんが店の玄関から飛び出してきた。焼肉店というより、小粋な洋食店のような外観だ。外食事情に詳しいは、一目見て、「これは地元に密着したいい店だな」と直感した。糖質制限の友達は、皆友達玄関を入ると「韓国食材コーナー」があり、手作りのキムチや本場・韓国から直輸入の焼海苔や海産物食材を販売していた。その奥がキッチンで、廊下を進むとテーブル席と小上がりの座敷がある。ソウル中心部のあたりにある韓国家庭料理店と同じ雰囲気だ。は、故郷の名古屋のそれも郊外の瀬戸にこんな本格的な韓国料理店があるのに、驚いてしまった。店は、さんほか、2、3人の女性たちが働いている。皆さん元気で感じもいい。「いい店じゃないですか。いやぁ、来てよかったな」「ありがとうございます」さんは、いつも明るくほがらかだ。早速、さんが開発したというダイエットキムチ、大豆粉を使ったチヂミ、豚肉を用いたサムギョプサルなどの「超満腹ダイエットコース」を試食。ボリュームたっぷりの焼肉だけでも既にお腹いっぱいになったが、最後のシメは、ご飯の代わりに崩した木綿豆腐を下に敷き、上にナムル、ゼンマイ、味付モヤシ、海苔などを散らし、中央に目玉焼きを載せた「ローカーボビビンパ」だ。わずか1か月余りで試作したにしては、上々の出来上がりである。「いやあ、こんなん食べて痩せるなんて信じられないですね」と、同行したカメラマンがローカーボビビンパを美味しそうに頬張った。それから半年後。さんがお母様を連れて再び、名古屋から京都「南山」のイベントに来るという連絡が入った。セミナー終了後、希望者がとともに、近くの下鴨神社まで恒例となったウォーキングと参拝。その後、『陰陽師』で有名な晴明神社にも行き、糖質制限食を始めたという山口琢也宮司に神社の歴史を解説してもらった。その後、京の台所、錦市場を見学し、寺町の人気珈琲店「スマート珈琲」に仲間と入った。さん母娘もずっと一緒である。「その後、さんの店の糖質制限食はどうなりました」と珈琲を飲みながらは聞いた。「おかげさまで話題になり、地元だけでなく、東京や京都からもお客さんがいらっしゃいますよ」とさん。さん自身は、スリムな体型なので糖質制限ダイエットは必要ないが、母親が糖質制限食作りに奮闘するのを見て、地元の名門私立高校に通う娘さんが糖質制限ダイエットに挑戦。既に2kg痩せて大喜びしているという。さん自身も、糖質制限食作りをきっかけに、その理論を頭に入れたため、ダイエットが必要と思われるお客さんや女性、親戚の娘さん達などに折を見ては声をかけ、いまや「糖質制限食インストラクター」を自任しているという。さんによれば、若い女性がダイエットに失敗する理由は、「これまで、さまざまなダイエット情報や運動理論を雑誌やDVD、単行本などで読んでいるため、頭の中が整理されずにゴチャゴチャになってしまっているから」だそうだ。つまり、ダイエットに熱心過ぎるあまり情報過多となり混乱、食生活や運動の現状を素直に変えることができなくなっているのである。「痩せたかったら、糖質制限をやってみればいいじゃないと言っても、それまでに試みたマクロビオティックなどの理論を出してきて、反論するだけで結局やらない。女の人って、結局、知識があり過ぎると、全体として訳がわからなくなっている状態に陥りやすい。で、〝私、ご飯が好きなんです〟と諦めてしまう。そんなの、体重を減らしてからゆるめればいいじゃないと思うんですが、やるようでなかなかやらないんですね」と、さんは言う。「別にあなたが糖質制限をやるからといって、私が得するわけじゃないのよ。でも、痩せて幸福になっている人を『おやじダイエット部』で沢山知ってるから、余計なお世話かもしれないけど、やってみたらと、教えてるんです」「さん、凄いですね。糖質制限の伝道師だ」「そんなんじゃありませんけど、人に教えるのは、意外と上手いですよ。私の教えた成功例は、40代のちょっとポッチャリした女性。自分の体形に自信がないというので、糖質制限食を教えたら『やってみる』という人です。じゃあ、とりあえずメールちょうだいと言って、連絡し合い、毎日食べたり、飲んだりするものを全部、送信させました(笑)。凄く真面目な人なので、アドバイスする私も嬉しくなりました」二人でフェイスブックでメールを送り合っている間に3・5kg痩せたという。「実際に会ってみると、本当にきれいになって、私もビックリ。先生に今日会うので、〝糖質制限を始めて良かったこと〟というレポートを書いて送ってもらったんです」「さん、エラいなあ」「いえ、いえ。この人は運動が苦手なんです。でも食べることは楽しみで、あまり体形を気にせず食べていたそうなんです。ところが、糖質制限食を始めてからは、食材を買う時にも成分表を見る癖がつき、数字でものを考えるようになったそうですよ」「その人も素晴らしいですね」「糖質を少なくすると、急な体形の変化もなくなった。そのうち、彼女の友達からも『最近キレイになったんじゃない?』と言われ、嬉しくなったので、彼女も友人に糖質制限食を教えてあげたそうなんです」「そう。糖質制限をやる人は、皆素直ですね」「そして、学歴うんぬんではなくて、お利口さんで、頭のいい人が多い」「私も、そう思いますよ」さんが教えた成功例は、まだまだ沢山あるという。例えば、さんの店によく来る近くの学校の教師は、太っていて血圧が高いというので糖質制限食をさんが教えると、2週間で2・6kg痩せたそうだ。うまくいかなかったのは、さんの店の女性スタッフで、「糖質制限食を出している店で、スタッフが太っていちゃ困るわよ」と注意してきたが、思うように結果が出ない。そこで、一度成功した「フェイスブック作戦」に切り替え、毎日食べたメニューを送るように言ったが、「ハイ、わかりました」と返事は返ってくるものの、実行できたりできなかったりの繰り返し。シビレを切らしたさんが「どうなったの?」と尋ねると、「やはり、ご飯が大好きで、甘いものも大好き。家族にも反対されたそうなんです」「あまり、無理に言わないほうがいいのでは」「でも、やりたくないなら、そう言えばいいのだけど。私は100%親切で、痩せたかったらやってみればとアドバイスしただけなんですよ。でもなんとか2か月で3kg痩せさせました」「エラいなあ、その人も」とは笑った。フェイスブックで共に糖質制限さんによれば、身近な仲間が意外にやらない反面、思ってもみなかった人が彼女のアドバイスで糖質制限を始めて、成功する例もあるという。「私のお店に、キリンビールのサーバーのお掃除に来る女性なんですが、痩せたいというので、糖質制限食を教えてあげたんです。で、半ば冗談で『もし、痩せなかったら、ビールの取引やめるから』と引導を渡したんです(笑)。もちろん、そんなことしませんよ。そしたら、見事に5kg痩せてきて『何だか自分の身体じゃないみたいです』と喜んでいました。『凄いじゃない』って褒めたら、『さんに言われたとおりやっただけです。本当にありがとうございました』と言って帰って行きました。結婚して子どももいる方なんですが、本当に素直ないい人だなと思いました」「それは凄いですね」は感心した。さんは、それから糖質制限食に興味を持つ人を見つけては、フェイスブックでやり取りし、アドバイスしながら、結果を出すのを楽しみにしている。さながら「糖質制限インストラクター」だ。糖質制限食を頭から否定する専門家より、よほど、さんのほうが世間の人々の役に立っていると思った。こういう「なでしこ」インストラクターも増えていけばいい。さんが現在、フェイスブックで交信しながら糖質制限食を勧めているのが、知人の50歳の看護師さんだ。「その方がうちの店に来て言うには『お腹が出てきて、パンツのゴムが自然にクルクル、クルクルめくれて下がっちゃう』のだそうです。それは、太った証拠ですから、『糖質制限やったら』と勧めたんです。で『やるなら2か月くらい毎日メールちょうだい』って言ったら、最初は『エーッ』とか『ウーッ』と迷ってたんですが、『ダイエットしたら、美味しいもの食べさせてあげるから』と言ったら、『じゃあ、やってみようかな』ということになりました」最初のうちは、「これ、どうやって食べたらいい?」と聞いていたそうだが、次第になれてきて、4・5kg減に成功。その旦那さんも6kg痩せたという。「糖質制限インストラクター」と化したさんと実践者とのフェイスブックでのやり取りを毎日見ていた某カメラマン氏も、糖質制限食に興味を持ち、実践して見事ダイエットに成功するのだった。あいにくさんは留守だったが、「金泉」に礼を言いに訪ねて来たという。そんな光景を見て「子ども3人、ビール大好き、明るく健康的」という「金泉」の女性スタッフも、飲んでいたビールを糖質ゼロに替えただけで、2か月で2・5kg減に成功したという。「私の限られた経験ですが、皆、素直に言うことを聞いて痩せてくれたのが嬉しい。そして、その痩せた姿を見て私も嬉しいし、周りの人が糖質制限によって変わっていくのが楽しいですね」「金泉」でも、京都「南山」のような糖質制限セミナーやイベントを計画中だ。その名も「なごや糖質制限」。東京、京都に続き、故郷の名古屋でも「糖質制限食」の明るい輪が広がるのを、は心待ちにしている。” ” ” . . . .この「物語」で ni * 。独登覆世笠 06氏名/ 職業/韓国料理店店長・フードアドバイザー 年龄/42歳A 153.cmダイエット実践結果 自分は痺せているので糖質制限はしていない。 が、周りの人々たちを次々と2〜4kg減量させる。目的友人の女性バーテンダーに誘われて、 京都「南山」の糖質制限セミナーに出席。 糖質制限に興味を持ち、経営する料理店のメニューへ導入を図る。 人に教えるのが上手。周りの人々を次々と2〜4kg減量させ 「糖質制限インストラクター」を自任する。
まとめ「なでしこ糖質制限ダイエット」を実践するための心がまえ「おやじダイエット部」キャプテン・は、糖質制限食を実践したいという、数多くの女性たちに、自ら3週間で20kg痩せたという実体験を基に、さまざまなアドバイスをしてきた。それにもかかわらず、「糖質制限ダイエット」をなかなか実行できない女性たちが、いまだ数多くいる。は、このような女性たちを「残念な人たち」と呼んでいる。つまり、ダイエットしようという意欲は持っていても、次に挙げるような「残念な理由」で、糖質制限を実践するに至らない人たちのことである。その人たちには、ある特徴がある。ダメな例1「私、ご飯が食べられないなら、死んだほうがマシです」残念ながら、こういう方々は、その言葉どおり、好きなものを好きなだけ食べ、結果として太って、醜い姿を人前で晒したまま、早死にするしかない。あるいは、若くして糖尿病になるのを甘受しなければならないだろう。糖尿病といえば、中高年のおやじが罹る病気のように思われているが、日本人の食事そのものが「糖質過多」な現代においては、30代、40代の女性の糖尿病も急増しているのが現実だ。むしろ、20代の若い頃の活発な代謝が落ち始めた30代後半から、40、50代の女性のほうが早く、メタボや生活習慣病になるおそれがあるのだ。年齢を重ね、若い時とは違って代謝の落ちた時に、人はメタボになり、さまざまな病を発症する。糖質制限食は、そこから一目散に引き返すのに、最も適した方法なのだ。その「目的」や「痩せるメカニズム」が理解できずに、ただ「ご飯を死ぬほど食べたい」と言う方々は、その結果として太って、さまざまな病気を発症し、それと闘う「人生」を選んでもらうしかない。ダメな例2「糖質制限って、甘いものは食べられないんでしょう。そんなの無理です」これは糖質を糖分と勘違いしている「残念な人たち」の典型である。糖質が最も多く含まれているのは、精製した炭水化物、すなわち「白いお米」「白いパン」「白い麺類」である。制限すべきはまずこちらで、糖質とは何かを知ることから、糖質制限は始まる。そして、それがわかると、糖質制限食というのは、それほど難しいものでもないことがわかるだろう。ダイエット目的なら、ラカントSやパルスイートなどの糖質制限でもOKの甘味料を使えば、甘いコーヒーや紅茶も飲めるし、自分でふすま粉や大豆粉を使って、ケーキ類も作れるし、ホームベーカリーでパンも焼ける。そうした「糖質制限生活」にいざ慣れてしまえば、逆に無駄な糖質は全く欲しくなくなってしまうのだ。「ご飯がないと死ぬ」「甘いものが大好き」という方々は、自分を醜く太らせた「かつての食習慣」から、抜け出せない。もしくは、「抜け出したくない人々」のことである。そういう人たちは、自分を変えること、それまでの生活を変えたくないのだから、無理して糖質制限などする必要はない。一日三食、もしくは、二食の食事を炭水化物中心に食べ、しかも沢山食べないよう食事の際は制限するものの、それでは満足できないので、間食として、フライドポテトやポテトチップスなどをムシャムシャ食べる。その結果、食事にも満足できないまま、より太るという「愚」を繰り返しているのだ。実に残念であるダメな例3「糖質制限って、長く続けると身体に悪いんでしょう。○○新聞にそう書いてありました。だから私、やらなくてよかったと思ってます」こういう「残念な人たち」も実に多くいる。要するに、世の中の「常識」にのみ、従いたい人たちである。そして、自分で効果を確かめもしないで、他人の意見をうのみにする。糖質制限は、糖尿病患者なら一生続けなければ良好なコントロールは維持できないが、ダイエット目的なら、3~6か月間続ければ充分である。そして、第2章の医師との対談でも明らかにされるが、糖質制限食を長く続けることの危険性については、医学会でも現在、議論が戦わされているが、確たる証拠は何も出ていない。これが現状である。反対派もはっきり認めているのは、短期間の顕著なダイエット効果だ。だったら、さっさと実行して、短期間でダイエット効果を出し、目標体重まで落としたら、後は糖質制限をゆるめ、体重をキープすればよい。こうしても、一度糖質の摂取に気を配るようになると、以前のようにメチャメチャに太らなくなる。「糖質制限」をキチンとやった人は、必ず結果が出る。これが、このダイエットの素晴らしい所である。むしろ「糖質制限をキチンとやらない人」に限って、やってもいないのに不安がり、止める理由をなんとか探そうとする。あるいは、家族の反対を理由にしたりして、止める口実をつくる。は、糖質制限ができる人は人の言うことをよく聞き、自分で実践してみて、その結果を確かめてみる「素直な人」であると思っている。こういう人は、何のお稽古事でも、趣味でも、スポーツでもたいていモノにすることができる。ひとつの「理論」に四の五の言わずに、まずは従ってみて、上手く結果を出していく。ダメな例4「自分で考えず、何でも教えてもらいたい」という安直な人こういう人も「糖質制限」には、残念ながら向かない。本当に糖質制限しようと思ったら、最低、康二医師やの糖質制限食についての著作を、自分で買って読んでみる。繰り返すが、この「自分で買う」というところが大切である。人に聞いて、本を借りたり、本も読まずに実技面だけ教えてもらおうとする人は、糖質制限できない。やはり、自分で本を買うぐらいの投資をして、線を引き引き、読んでみる。そうした素直な心がけが実は重要なのである。糖質制限は、自分の頭で考えることにより、更に多くの効果をあげる。人に言われて、ロボットのように言うことを聞くのではなく、糖質って何だろう、それを抜くとどうなるのか、あるいは、どんな食材にどれほど糖質が含まれているのか。それを知ることで、むしろ毎日の生活や人生が楽しくなる。こういう「素直で知的好奇心の強い人」が実はオススメなのである。「残念な人たち」の例をもう一つ。ダメな例5「やり出しても、最後までやらない人」は、糖質制限には向かない確固とした強い「改革へのモチベーション」がないからだ。モチベーションとなるのは、何でもいい。健康になりたい、でもいいし、スラッとして皆に注目されたい、でもいい。気になるあの人をふり向かせたい、でもいい。あるいは、糖質制限を勧めてくれた人の期待を裏切りたくない、いつもかかっている医師を驚かせたいでもいい。確固たるモチベーションを持って、それを達成するまで、とにかく頑張る。それも決して長期間でなくともよい。2、3か月で充分なのだ。そこで「結果」を出す。それまで糖質は、とにかく摂らない。そう割り切る。制限するのではなく、割り切る。この心意気が、自分自身の身体を変え、驚くほどの変化を手にする原動力となるのだ。そこから、多くの人は「糖質制限食」を当たり前のベースにして、ウォーキングなどさまざまな試みを加え、自分だけの「オーダーメイド・糖質制限ダイエット」を作り上げる。繰り返して言おう。糖質制限食は「すぐ実行でき、すぐ結果の出る健康とスタイル維持のための第一歩」なのだ。その第一歩を踏み出さずして、アレコレと糖質制限に対して論評を加える人には、いくら言っても無駄だと思っている。「糖質制限ダイエット」ほど、簡単ですぐできて、しかも長続きするダイエット法は、ほかにはない。運動も必要なく、ただ、家にいて、黙って糖質だけ食事からカットすればいいのだ。これができないという人は、大変申し訳ないが、おそらく他のどんなダイエットでも絶対に成功しないはずである。逆に「糖質制限ダイエット」に向いている人のポイントもいくつか挙げてみる。向いている例1「お酒が飲める人」糖質制限ダイエットが持つ利点は、ウイスキーをはじめとする蒸留酒、焼酎なども飲んでもよいことだ。また赤ワインや超辛口の白ワインもセーフである。酒飲みにとってまさに福音ともいえるダイエット法である。糖質を一番摂ってはいけないのは夜の食事。日中なら仕事などで知らず知らず体を動かしているが、夜ごはんの後はそうでない人が多いのではないだろうか。であれば、この夜の食事にお酒を飲んでサッサと寝てしまうのが一番よい。特に、脂肪を燃やす「ゴールデンタイム」といわれる、夜の10時から2時まで寝ていることが、糖質制限により大きな効果をもたらす。新たに脂肪の元凶となる糖質を摂らない上に、ゴールデンタイムに古い脂肪をドンドン燃やすから、お酒を飲んで夜寝ているうちに自然に痩せていくのだ。向いている例2「数字」でモノが考えられる人糖質制限は、「感覚」で行うのではなく「どれだけ制限したか」を「数字」で理解することが大切だ。そのために、ダイエット目的なら自宅に体重計を買って、毎日決まった時間に記録。その数値が少しでも減っていくような「食生活」に自分で工夫して変えていく。体重計はデジタル表示のものを用意するとよい。そうして、毎日の食事から「糖質」を徹底的に追放していくと、ある時を境にグングンと体重が減っていくようになる。こうしたチェックをせずに、ただやみくもに糖質を制限したつもりになっていても、なかなか思うような結果は出てこない。同じように、糖尿病の治療目的で糖質制限食を行う場合は、糖質制限食に理解のある医師の指導の下、血液検査で必ず血糖値や2か月間の血糖の平均値であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値を測定。こちらも「食生活」を自分で工夫し「問題点」を見つけて、原因となるようなものを少しでも食べないよう工夫することである。「食生活」というのは、その人にしか細かいことはよくわからないので、医師も管理栄養士も指導を徹底しにくい。やはり、何に糖質が多く含まれているかを自分で本などから学び、それを実際に制限して効果を定期的に確かめることが大切だ。「結果」が出て、医師などから褒めてもらえると、更にヤル気が出る。必要なのは「数字による証明」である。向いている例3「ポジティブ・シンキング」ができる人糖質制限食をキチンと理解していない人に限って、あれも食べられないの、これもダメなのと、制限されているものばかりを不必要に並べ立て、やらない理由にしている人が少なくない。反対に「ポジティブ・シンキング」でモノが考えられる人は、肉も魚も大丈夫なの、チーズもOK、お酒も飲んでもいいのねと、プラス面をまず考える。そして、お腹を満たす際、野菜サラダなどから食べる、「食べる順番ダイエット」法などを組み合わせて、同じ食材でも、より血糖値が上がらないような食生活の工夫を心がける。そうやって、ポジティブに考えていくと、「糖質制限の食事なんて簡単にできる」と気づくはずだ。ダメなものはダメなもの。それをいつまでも未練がましく追い求める人は、「糖質過多」や「糖質依存症」に陥っていると考えるべきだ。だが、こうした「糖質依存症」の方ほどそれを制限できると、劇的な効果が現れる。まずは、四の五の言わず、ポジティブ・シンキングで、前向きに考えて糖質制限食を実践すべきである。向いている例4「糖質制限」をゲーム感覚で楽しめる人糖質制限は、その語感からすると、とんでもなく辛い苦行のように感じる人も少なくないようだが、経験者によると、辛いのは糖質に別れを告げた最初の記念すべき1日目。そして、その生活に慣れるまでのせいぜい1週間である。この期間を無事に過ごすと、次々と結果が出てくるから、続けるのが楽しくなる。そして、一定の結果を出した後も、更なる制限ライフへと挑戦したくなる。まさに、毎日の生活が終わらないゲームのようなもので、結果が出るのを楽しみに続けていくと、更に興味が湧いてくる。向いている例5「理想の自分」に出会いたい人糖質制限は、これを徹底的に実践すると、それまでの太っていた時代はどこへやら。自分が最も輝いていた「青春時代」の身体にも戻ることができる。ユーミンの唄を歌って、青春に別れを告げた人も、また「あの日に帰れる」のだ。もちろん、40代なら40代の、50代なら50代の肉体であることには間違いない。しかし、同じ40代でも、糖質を摂って加速度的に老化を進めていく人に対し、その場所で健康なまま踏みとどまれる。それが糖質制限食だ。本書で第3章を執筆しているパートナーのは、この糖質制限食に、更にアンチエイジングの要素を加えた、独自の「オリジナル糖質制限食」を実践している。糖質制限食を実践するというのは、自分が自分の身体の「主治医」となって、神様から与えられた肉体をコントロールできるようになるということだ。これを実現できると、自分でも驚くほど、「自信」がつく。そして、こんないいことが世の中にあるのかしらと、身近な人に勧めたくなる。こうして「糖質制限で得た幸福」を周囲に少しずつ「お裾分け」していくと、その人もより「幸福」に、より「健康」になり、文字通り光り輝いてくる。は、おやじのみならず、そうした「なでしこ」たちを沢山見てきた。彼(彼女)たちは、糖質制限食の実践によって「人生の大逆転」を果たすことができたのである。

 

糖質制限を奨める理由

恐ろしい糖尿病の合併症が急増 糖質制限食についての先生のさまざまな著書を読ませていただいて、日本人の食事がいかに糖質過多なのか、つくづく痛感させられます。その結果、が罹ったような2型糖尿病患者というのは、右肩上がりでスーッと上昇カーブを描いているんじゃないでしょうか。 そうですね。もの凄く数が多くなりました。2011年のIDF(国際糖尿病連合)の試算でも、日本人の糖尿病患者が約1070万人。これをもとに推計すると、糖尿病予備軍と合わせて、約2500万人ということになります。 まさに日本人の4人に1人が糖尿病患者あるいは予備軍ということになりますね。 そうなんです。前回の2008年に日本の厚生労働省が行った統計では、糖尿病患者が約890万人で、予備軍を入れたら約2210万人。今回のIDFの統計では、890万人が1070万人に増えていますから、そこから推計すると、糖尿病予備軍を入れれば、おそらく2500万人ぐらいいるでしょう。 先生、その糖尿病予備軍というのが、実際はもう糖尿病だと思っていいんじゃないでしょうか。 一応、まあ(笑)。正常型と予備軍と糖尿病型の3つに分かれていますからね。 要するに「グレイゾーン」ということですね。 そういうことです。 さらにメタボリックシンドロームの患者が2300万人ともいわれています。そうなると、結局、糖尿病と肥満の方がもの凄く増えてしまって、国民4人に1人とか、3人に1人ということになりますね。最近、50代後半とか60歳ぐらいで急に亡くなる方がいらっしゃいますが、そういう方々はやはりふだんの健康管理が疎かになっているのではないでしょうか。 なんだか耳が痛いです(笑)。 最近、いきなり救急車で病院に運ばれてくる心筋梗塞とか脳梗塞の患者の過半数が、やっぱり耐糖能異常です。あるいは、本人は気がついていなかったけど、糖尿病患者だという人が結構おるんです。それとか、本人が気づいていない糖尿病予備軍という人もいる。 私もそうでした。 そうでしたね(笑)。 おかげさまで、先生のご著書に出合って糖質制限食を始め、本当によくなりました。ありがとうございました。 さんの作る糖質制限食のおかげやね。さん、今日はいつもより小さくなっているな。 当然です(笑)。 そうした本人の気づかない糖尿病患者や予備軍で、合併症を起こす人が増えているので、私のところにも循環器センターとか脳卒中センターの先生から、糖質制限食について教えてほしいというお呼びがかかるんですよ。 循環器専門の先生方が、糖質制限食の効果に注目されているというお話をよく聞きます。 心筋梗塞や脳梗塞で運ばれてくる人の過半数は、糖尿病や糖尿病予備軍で、しかも糖尿病専門医の治療を受けている。なのに何でこんなことになるのかと、循環器や脳卒中センターの先生方は、糖尿病の先生たちをまったく信用していない場合がある。だから、僕が呼ばれるんです。フッフッフッ(笑)。僕も意外やったのが、人工透析の先生方も高雄病院の見学に来られるんです。 人工透析というと、腎症が悪化して受けるようになる。先生の著書の注意書きを読んでいますと、糖質制限食をやってよいのは、血中クレアチニン値が正常で腎機能が保たれている人に限るとある。しかし、腎症が悪化して人工透析まで行っている人が、糖質制限食を始めてもいいんですか。 人工透析までしている患者は、腎不全ではもう亡くなりません。また腎不全の段階までは低タンパク食が標準ですが、いったん透析になったら、正常人と同等以上にタンパク質を摂取してよい。だから、むしろ糖質制限食をやりやすいと見学に来た先生たちはおっしゃる。確かに、糖質制限食をやっていれば、糖尿病の合併症がそれ以上悪化して心筋梗塞になったり、脳梗塞になるリスクが低くなりますからね。実際、腎不全では亡くならないけど、糖尿病合併症で亡くなることが結構ある。だから、人工透析の専門医まで、高雄病院を訪ねてこられる。そう考えると、糖質制限食を人工透析患者の食事療法として考えていくことに大きな意味がある。そろそろうちの病院でも、本気で治療体制を立ち上げていかねばならないと思っているんです。 それは、素晴らしいお話ですね。 人工透析患者は、現在年間約3万5000人発生していますが、そのうち約1万6000人が糖尿病腎症であり、近年凄い勢いで登録人数が増え、現在では完全に疾患別トップです。また、糖尿病の網膜症で失明する人が、約年間3000人います。 大変な人数ですね。 ですから、従来の糖尿病治療が本当にうまくいっているのなら、どうしてこんなにも数多くの人々が合併症を起こすようなことになってしまうのか。日本では少なくとも、年間1万6000人の患者が新たに人工透析治療に入っている。その中のほとんどが、糖尿病治療も受けている。なのに、ますます悪化して、ついには人工透析にまで追い込まれる。ということは、本来の糖尿病治療がうまくいっていないという証拠でしょうね。だから、人工透析の先生方が糖質制限食について教えてほしいと、私の病院にまで訪ねていらっしゃるわけです。重要なのは「平均血糖変動幅」 糖質制限食がなぜ、糖尿病治療にそれほど有効なのか、読者の方々にもわかりやすく教えていただけますか。 わかりました。1998年にUKPDSという英国で実施された世界最大規模の2型糖尿病の研究が報告されました。この研究により、今まで糖尿病治療効果の指標となっていた空腹時血糖値とHbA1cの数値をコントロールするだけでは、糖尿病合併症を防ぐことはできない。むしろ問題なのは、食後高血糖であるということが、明らかになったんですね。食後に高血糖を生じると、血管が動脈硬化を起こし合併症をも引き起こすこともわかった。その後、2007年にもIDFが治療ガイドラインをわざわざ出して、食後高血糖というのは、HbA1cと同等、あるいはそれ以上に大事な要素であること。そして、食後高血糖は大血管障害(心筋梗塞、脳梗塞など)の独立したリスクになることがわかったのです。 HbA1cだけではなく、食後高血糖が血管障害や動脈硬化などの糖尿病の合併症を引き起こす結果になると。 そうです。さらに最近では「平均血糖変動幅」という、食後に血糖値が上がったり下がったりする幅が大きいほど、血管に障害を起こすこともわかってきた。これが大きい。 「平均血糖変動幅」ですか。 生体内で「酸化ストレス」が高まると動脈硬化のリスクとなります。そして、酸化ストレス最大のリスクは「平均血糖変動幅」増大。2番目が「食後高血糖」、3番目に「空腹時高血糖」。この3つに注目して糖尿病治療効果の新しい指標をつくる動きが出てきました。この3つが達成されれば、HbA1cは当然良好となります。となると、結局、食後の高血糖やその変動幅増大を起こすのは何か。糖質を食べた時だけではないのか。 それで糖質制限食の考え方が生まれてきたんですか。 インスリンを打ったり、薬を飲ませたりして、糖質の多い食事をわざわざ患者に食べさせて、何とか「平均血糖変動幅」増大を縮めようとするのだけど、だったら最初から糖質を摂らなければ、薬はいらないよね(笑)。 実に簡単な話です。糖質を摂らなければ、食後血糖値は上がらず、平均血糖変動幅も変化しないのに、わざわざ糖質を摂らせて薬でそれを下げている。まさにマッチポンプです。 ですから、今思っているのは、ここまで真実が明らかになってきた以上、日本糖尿病学会は、もう糖質制限食を伝統的なカロリー制限食と並ぶ、治療の選択肢のひとつとして認めなさいということです。 反対派は、糖質制限食のどこがいけないというのですか。 短期的には確実な効果は見込めるが、長期的な効果がわからないので懸念される、と(笑)。「懸念される」というのは、それを証明するエビデンスがまだない、ということです。ところが、当のカロリー制限食ですら長期的なエビデンスはないんですよ。 我々、糖尿病患者は、長期的なエビデンスが出るまで待ってはいられません。 そうですよね。ところが、一般の糖尿病専門医は、日本糖尿病学会でまだ認可されていないので、糖質制限食は推奨できません、と言う。そして従来の伝統的なカロリー制限食を勧めているのが現状です。 それを実践するには、大変な負担が患者やその家族にかかるし、長続きしません。カロリー制限とともに糖質制限食も選択肢のひとつに入れるべきです。私は、自分で先生の本を読んで、さっさと選択しましたが。その結果、おかげさまでこんなに元気になりました。 糖尿病専門医といわれる方々は、もうここまできたら、糖質制限食のことは当然知っているはずでしょう。批判してもいいけれども、患者さんに聞かれた時に「カロリー制限という方法がある」し「糖質制限という方法もある」と、選択肢を示すべきです。カロリー制限食の場合、これまで40~50年間やってきた経験もある。しかし、短期的には食後高血糖は防げなくて、平均血糖変動幅も壊滅的に悪いと(笑)。一方で糖質制限食は短期的にはこれ以上ないほど、良好な結果も出ているけれど、長期的な安全性の保障というのは、まだないと。あなたはどちらを選びますか、と患者に聞くべきです。 当然、糖質制限食を選びますよ。先生が患者にとって糖尿病とは「今、そこにある危機」だと、ある講演会でおっしゃっているのを聞きました。我々にとっては、今、そこにある糖尿病とその合併症の危機から逃れたいんです。そのためには、私が糖質制限を10年以上続けて、証明してもいいですよ。 私は、今のように糖尿病専門医が糖質制限食を知らぬフリをしていると、10年後には、糖尿病合併症で透析になったり失明した患者さん達から集団訴訟される可能性もあると思っています。少なくとも、糖尿病専門医ということを標榜している以上は、糖質制限食を知るべきですし、特に2008年にアメリカ糖尿病学会、2011年にイギリス糖尿病学会が選択肢のひとつとして認めている以上は、知っていてしかるべき。知らないならはっきり言って勉強不足です。スウェーデンでも2008年から、社会庁が公的に糖質制限食を糖尿病・肥満の治療食として認めています。開業医の先生ならともかく、糖尿病専門医が知らないというのはおかしい。まあ、職務違反に近いな。例えば、自分の患者さんたちにそれを説明せずに、一方的にカロリー制限食を押しつける。あるいは、患者さんが糖質制限食にトライしたいと言ったのに同意せず、カロリー制限食を押しつける。そういったケースで透析になったり失明したりすれば、訴訟になってもおかしくはない。「エビデンスおたく」の医者は、論理的思考ができない? でも先生、遠からず日本の学界も糖質制限食を認める方向に行くのではありませんか。 今、日本糖尿病学会としては「ゆるやかな糖質制限」、これは山田悟先生(北里研究所病院糖尿病センター長)が提唱されている一日約70~130gぐらいの、ゆるい糖質制限を容認する方向を目指してきていますが、まだかなりもめています。日本糖尿病学会の理事たちの中でも、まだ議論が続いていますが、東京都済生会中央病院の渥美義仁先生が、ゆるやかな糖質制限を認める発言をするなど、一応大きな流れの中では、ゆるやかな糖質制限までは認めて、なんとか「スーパー糖質制限」は阻止したいという流れはできつつあります。だから、さまざまなディベートの場でも「スーパー糖質制限」を提唱する私が登場しないように、一生懸命画策されている方も、いらっしゃるようです(笑)。 日本糖尿病学会が糖質制限食を容認した時、糖尿病学会公認の「ゆるい糖質制限食実践プログラム」などを作って、患者がそれに従うことにはならないでしょうか。 それはありがたくないですね。とにかく私の存在が煙たいんで、もう無視はできなくなっているけど、なんとなく置いておいて〝棲み分け〟を考えているんじゃないですか。 「容認」ではなく「置いておく」ですか(笑)。 NHKの番組でも、ある糖尿病患者さんが糖質制限食を医師に相談せず自分勝手にやって、結果、カロリーをふだんの半分か3分の1しか摂らずに、エネルギー不足で力が入らず家の階段も上れなくなった例が登場しました。番組では、医師の指示を仰がずに勝手にやってしまってこうなりました、ということを、大変強調していたのが印象的でした。これは私を直接批判・刺激しないようにテレビ局側が気を遣っているんだな、と感じましたね。おそらく2013年には、一日130g以上は摂取するゆるやかな糖質制限に対する糖尿病学会のコンセンサスが得られるようになるかもしれません。これは山田悟先生提唱の一日約70~130gよりさらにゆるいですね。まあ、一歩一歩ですね。 糖質制限食が普及すると、糖尿病専門医の先生方はインスリンを打つ機会が減って、減収になるのを恐れているのではないですか(笑)。 それが幸か不幸か、現状では糖尿病患者さんでも、糖質制限食をちゃんとできない人のほうがはるかに多いんです。 そうなんですか。 だから、ちゃんと糖質制限食をやればインスリンは3分の1以下に減量できて、上手くいけばいらなくなる場合さえあるんです。でもなかなか糖質制限食をできない人も多いですよ。 先日も先生とお話ししたのですが、やはり知的な人とか物事を理論的に判断できる方は、確実に糖質制限に成功しますけど、そうではない方の場合は、なかなか実行できないことが多いように感じます。 学歴はどうでもよいのです。仮に学歴がなくとも、叩き上げてきた方は論理的な思考ができる。逆に学歴が高くても論理的思考ができない人が多い。特に医者に多いんですよ(笑)。いわゆる「エビデンスおたく」とでもいいましょうか。 あ、それよくわかります(笑)。 エビデンスに基づく治療ガイドラインがあれば、安心して実行する医師。一方でガイドラインに対して疑問とかは持たないんですね。そしてエビデンスがないと拠りどころがないのでその治療法にはなかなか手を出さない。しかしながら、そもそも新しい治療法にエビデンスがあるはずがない。エビデンスというのは、過去の積み重ねなのだから。 ということは、以前からの固定観念が定着しているのが現状ということですか。 学問はできても、自分の頭で考えることができない医者が残念ながら多いのだと思います。ガイドラインやエビデンスも必要ですが、自分自身で考えることも大切です。 なるほどね。 自分の頭で考えれば、すぐわかることでしょう。確かに理屈っぽい人は糖質制限がうまくいくことが多いけれど、論理的思考ができるか否かは別問題。その人のキャラクターで学歴とか知識とは全然関係のないことです。 個々人の思考力ですね。それとイマジネーションと。 これがとても大事です。そういう人からじゃないと、新しいものは生まれない。アインシュタインは、学歴というより全部自分の頭で考えている。東大系でノーベル賞が出ないのはホンマに新しいことを考える力がないからじゃないのかな。 実は私の父、先生と同じ京都大学の法学部卒業ですけど、現役大学生の時に司法試験に合格してしまったんです。 お、それは優秀ですね。 でも、残念ながら早く亡くなってしまったので、私は先生にお目にかかっていると、父親に会っているような気がします。もちろん先生の方がお若いですが。 ハッハッハ。 私の父も非常に論理的な思考の人で思索的だったということは母から聞いています。先生も尊敬すべきお医者さまでいらっしゃると思います。 糖質制限食というのは、純粋論理の世界が多いんです。それと、人類の進化における過程を考慮する必要がある。また生理学的な事実に基づく論理の展開から生み出されてきたものもある。 といいますと。 人間が進化する過程において、農耕社会以前に穀物はなかった。だから、もともと人間は糖質の多い食物を摂っていなかったんです。これは、論争にもならないでしょう。糖質制限食は人類がもともと穀物を摂らずに生きてきたという歴史的な事実、そういうことの積み重ねでできている。 農耕以前の社会では、我々人間は木の実を食べ、肉や魚を食べてきたわけですからね。だから、糖質を制限しても生きていけるというわけですね。 そうなんです。人類の進化の歴史から見ると、糖質制限食が有効だということがよくわかる。 なるほど。糖質制限食で心の病もよくなる? デンマークのダイアベルグ先生が、1963~1967年にかけてグリーンランドのイヌイットを対象に行った疫学調査が有名です。彼らは脂肪摂取比率が高いのに、心筋梗塞は極めて少ない。糖尿病も少ない。一方で脂肪摂取比率が同じくらいのデンマーク人の心筋梗塞は非常に多く、イヌイットの10倍くらいの罹患率。それで、なぜイヌイットは心筋梗塞や糖尿病が少ないのか、と大騒ぎになったんです。ダイアベルグ先生が出した結論は、いわゆるEPAの血中濃度が高いということ。 青魚に多く含まれている成分ですね。 そうです。イヌイットは生魚を多く食べていたから心筋梗塞が少なかったという結論になったのですが、それだとEPAさえ摂取していれば、何を食べてもいいということになる。これは、要素還元主義といって物事を矮小化し過ぎています。もっと大きなマクロの視野で見ると、イヌイットは4000年間、穀物の摂取はゼロです。そこに眼が行かなかったことが極めて残念なところです。私の眼から見たら、イヌイットの食生活は4000年間、スーパー糖質制限食です。だから、彼らには糖尿病、心筋梗塞はほとんどない。アレルギー疾患もない。現代病もほとんどないし、いわゆる西欧型のガンもない。 うつとか自殺も少ないんですか。 それはね、微妙ですね(笑)。確かに伝統的なライフスタイルを保っていた頃のイヌイットは、うつや自殺は少なかったようです。しかし、西洋人との交流が始まり伝統的なライフスタイルが変化した後、イヌイットは自殺者が結構多いですし、うつ病も多いと思います。うつに関して日本は今、複雑なことになっています。「なんちゃってうつ」などというのも多くなっているぐらいですから(笑)。 ハハア。 「なんちゃってうつ」は、合コンとかテニスには行けるけれど、会社には行けない(笑)。 引きこもりも増えているみたいですね。 これらは現代の社会現象といえるかもしれません。例えばツィッギー全盛期の頃を考えてみます。ツィッギー、非常に痩せたモデルさんでした。 ツィッギー、懐かしいですね。 お互い歳やなぁ(笑)。あの頃、拒食症が増えていたんですが、現在では純然たる拒食症が減って、過食・嘔吐モードが増えている。だから、そのあたりは社会のありようと連動していると思うんです。でも、統合失調症は社会のありようとは関係なく、有史以前から全民族共通にある。人口の1%は必ずいる。だから別の理由だと思います。 ということは、糖質の摂り過ぎと精神的な疾患とは、あまり関係はないんですか。 ところが、そうでもないんです。 エエッ。関係がございますか。 血糖値の上下動にともなう心理的な不安定さというのは、はっきりあると思います。ぼーっとしたり、いらいらしたり、眠たくなったり、集中力がなくなったりなど、です。機能性低血糖症と呼ばれています。このように血糖値が変動する時、心理的に不安定になりやすいというのは正しいのです。しかし、精神疾患の患者さんには統合失調症、双極性障害、大うつ病などの患者さんもいらっしゃる。これらの患者さんは糖質制限食だけで改善することは困難と思います。一方、機能性低血糖症で血糖が乱高下することによる気分変調のことを誤診されて、パニック障害やうつと診断された人が、糖質制限したら劇的に良くなる場合もある。 なるほど。 寄生虫博士で有名な先生も、ご著書で「何よりもうれしかったのは、うつ気分になることも、逆に感情が爆発することもなくなったことである。」と述べておられます。先生の場合は、糖質制限食で見事にうつ気分が改善して心の安定を得ておられます。そういうこともあるんでしょう。うつ病、うつ状態の場合は糖質制限食で改善する場合もあると思いますが、改善の程度には個人差があります。また、気分の安定は糖質制限食で得られやすいのですが、糖質制限食だけでは改善しないうつもあると思います。 なるほど。 ただ、私自身は精神疾患は守備範囲ではないので、一人の人間の力をどこに注ぐかというと、糖尿病、メタボリックシンドローム、アレルギー疾患など生活習慣病を中心に、きっちりやっていこうと思います。あちこち手を出すと、診療能力を超えてしまい、肝腎なことができなくなってしまう。 糖質制限食で、統合失調症や双極性障害などの心の病を治すというのは、効果はあるかもしれないけれど、実際にはとても難しいということですね。 そうですね。糖質制限食に興味を持っている精神科の医師がいれば適任です。 人間が精神的に不安定になるのは、血糖値の乱高下が原因ということもあるわけですね。その場合、問題なのは血糖値が高いからではなく、その変動幅である、と。 例えば、2型糖尿病の中年男性が、糖質制限食を実践して血糖値300mgが当たり前だったのが100ぐらいに下がる。そうするともう正常値。ところが低血糖症状を訴えたりする。あるいは、その人がたまたまラーメンを食べたりすると血糖値が一気に300ぐらいまで上がってぼーっとして、今度はその血糖値が降下する時にグアーッと眠くなったりする。これは、糖質を摂取した時に「もう止めておけ」というサインだと思う。100万年前の人類がこんな食事をして眠くなったら、ライオンに喰われて死んでしまう。それぐらい危険なサイン。現代の日本人は日常的に糖質を摂り続けて鈍くなってしまっていて、そのサインに気がつかなくなっている。 なるほど。 20~30年前によく砂糖を摂り過ぎてキレる子どもというのがありましたね。 シュガーブルースですね。 そう。あれも血糖値の乱高下が原因。キューッと血糖値が上がる時も動悸がしたり、眠たくもなるし、下がる時も同じです。 アメリカなどでは、糖分の多いコーラを販売禁止にしたという話も聞きましたが。 2009年に米国飲料協会が全面停止しました。公立の小中学校において、自動販売機で、カロリーの高い糖質を含んだ飲料は売らないということになりました。アメリカの飲料というのは砂糖の量がハンパじゃないからね。 三食、コーラとともにですからね。 それでも、わかっている人はわかっている。ニューヨーク市長のブルームバーグ氏などは、砂糖入り飲料の危険性をよく理解している。 何かの本で、血糖値が高いとうつになると書いてあったのですが、先生のお話を伺って大変よくわかりました。糖質制限食というのは、痩せている人は太る とにかく糖質を摂ることによって、血糖値が急激に上がったり、下がったりするデコボコが一番よくないですね。これはエビデンスがはっきりとある。 酸化ストレスで血管が損傷するんですね。やはり、人間が本来持っているホメオスタシスを守らないと血液も汚れてくる。 その通りです。さん。昨年より3倍ぐらい賢くなったかな(笑)。 ハッハッハ。糖質制限のおかげです。 だいぶ私の話についてこれるでしょう(笑)。昨年あたりは、話をしていても3分ぐらい経つともう怪しくなっていたけど。明らかに思考回路が速くなっている。リアルタイムでついてきてるでしょう。 最初は、先生のお話を聞いて感心するだけだったようです(笑)。 正直、半分ぐらいしかわからなかったし、メモも満足に取れなかったんです。 やっぱり、糖質制限食が効いてきてるのかな(笑)。 集中力も出てきたみたいです。 そのようですねぇ。リアルタイムで話についてきているから。 それと、は最近すごく勉強しているんです。 すごく勉強ができるようになったということ自体が、集中力が出てきた、ということ。 先生にそうおっしゃっていただけると嬉しいです。 以前は、原稿を書いている以外は疲れて寝てばかりでしたから(笑)。 申し訳ございません(笑)。 先生、糖尿病の方でも太っているのではなく、ひどく痩せていく方がいらっしゃいますね。あれはもう、膵臓が機能しなくなってインスリンを出せなくなったからですか。 インスリン作用が不足しているから糖尿病になるんです。インスリンの分泌が不足しているのが、まず日本人の特徴。それからインスリンの効きが悪い。インスリン抵抗性も少々ある。だから、インスリンの分泌不足とインスリン抵抗性が合わさって、インスリン作用不足となり、そのため糖尿病になります。 はい、はい。 インスリン作用が不足し、高血糖をコントロールできない段階になると、尿糖がどんどん出ます。例えば、一日に100gの尿糖が出れば、それでもう400kcalです。ここまでくると、悪い意味でケトン体が高値となる。糖が利用できずに脂肪分解が亢 こう進して痩せ、ケトン体が出る。コントロールができなくて痩せ しんるというのは非常にまずいですね。 私どもの知人なのですが、ご飯、麺類をたくさん食べているのに痩せていくので、これは絶対に糖尿病だと私は思ったんです。前から検査を勧めていたのですが、近くの内科へ検査に行ったら血糖値が350もあって。思った通り、糖尿病でした。 糖尿病で痩せるというのは、極めてコントロールが悪い証拠です。ふつう、会社の健康診断で糖尿病が見つかる時は、無自覚、無症状で見つかります。だから、糖尿病で痩せるというのは、かなりひどいレベルですな。 太っていて血糖値が高い場合は、まず減量しなければならないですよね。そして血糖値を下げなければいけない。痩せて糖尿病になった人にも、糖質制限食は有効なんでしょうか。 それは問題ないですね。糖質制限食というのは、痩せている人は太る、太っている人は痩せて適正体重となります。 なるほど。それでは、糖尿病になると膵臓の機能が壊れるといわれていますが、糖質制限食にすると、この機能というのは回復するのでしょうか。 一般にいったん糖尿病になると治らないといわれているのは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞がある程度壊れているからですね。本来10あるはずのものが、1か2か3壊れた時点で、糖尿病発症です。日本人の場合、糖尿病発症の要因として、インスリン分泌不足が主でインスリン抵抗性は従です。糖尿病と診断された時点で、その人のβ細胞の1~2割は壊れている。この壊れた部分は絶対に回復しませんが、残りの半分ぐらいが疲弊している。死んではいない。で、残りの2~3割はまだピンピンしている。だから、糖質制限食を「スーパー糖質制限」でバチッとやれば、早ければ2~3週間で膵臓は休養でき、疲弊していたβ細胞が元に戻ってきます。 疲弊した膵臓を休ませることが重要ですね。 今、順天堂大学医学部附属順天堂病院あたりがよくやっている治療法として、初期段階の糖尿病患者を入院させてインスリンを一日3回打つというものがあります。すると、膵臓が自前のインスリンを出さなくてもいいので、β細胞を休ませることができる。するとデータ的には6割ぐらいの患者がインスリンがいったんフリーになります。でも、そんなことをやらなくても、糖質制限食だったら食事療法だけで同等以上の効果が可能ですね。 そうですね。 ところが、インスリンを外部からドカドカ打って、内部の膵臓を休ませてやって幸いインスリンフリーとなって、せっかく元の良い状態に戻った方でも、炭水化物を摂る生活を送ったら、また2年ぐらいで悪い状態に戻ってしまう。 だから、やはり糖質制限食が一番長続きしますね。 そう。本質はそこにあります。もうひとつ言うと、日本人と欧米人の糖尿病は少し違うんです。日本人の2型糖尿病は、初診時の平均BMIが24。欧米人の2型糖尿病は初診時の平均BMIが32です。 つまり、日本人は欧米人のように太る前に糖尿病になってしまっているわけですか。 欧米人の場合は、インスリン抵抗性が糖尿病の主たる要因で、インスリン分泌不足は従。そのため炭水化物を摂取してインスリンが過剰に出ると次第に肥満体になる。で、太ったためにインスリンの効きが悪くなり、さらにインスリンが出る。追加分泌も出る。その結果、100kg超になると、もっとインスリンが出続けていって、150kg、200kgとなり、太り続けた結果、インスリン分泌能力はある程度残ってはいるけれどインスリン抵抗性増大のために糖尿病になる。単純に言えば、このタイプは糖質制限をきっちりやれば、インスリンの分泌能力はかなり残っているわけだから、肥満が解消してインスリン抵抗性が改善すれば糖尿病は治る。まあ、治るという言い方が適切でなければ、100%のところが95%の機能まで戻るということやね。その結果、検査しても全く異常は見当たらない。現に日本人でもそういう人はいます。インスリン分泌量がけっこう多く、糖質制限食で肥満体が治ったら、ご飯を食べても血糖値が上がらない、という人もいます。 そういうことがありますか。 一般的には、日本人の場合は太っていなくとも、インスリン分泌不足が主で糖尿病になる。かつてのさんでさえも、欧米だったら肥満ではない(笑)。だから、太ったといっても知れています。 日本人の場合、肥満体になる前に糖尿病になっちゃうんですね。 私も2型糖尿病ですが、欧米に行ったら「痩せた体型で糖尿病になったのだから、お前は1型糖尿病か」と言われますよ。つまり、欧米では肥満していない糖尿病患者はほとんどいないんです。 なるほど。「糖質制限食」は、想像力の勝負 糖尿病発症予防で注意しなければいけないのが、食後高血糖。空腹時の血糖値を健康診断で調べていて、若いうちはいつも90だった。それが40歳で100ぐらいとなり、45歳で108、50歳で110やら115ぐらいになり「あなた、そろそろギリギリで糖尿病予備軍ですよ」と医者に言われているのに、食パンを2枚とか食べていたら、食後血糖値は200とかまで行っているかもしれません。食後血糖値のピークが180以上となるのを数年間繰り返し、いよいよ早朝空腹時の血糖値が126を超えて糖尿病型となる。つまり、その時点で、食後高血糖により既にβ細胞は1~2割が壊れているわけです。 すでに1~2割が壊れている……。 私がその典型なんです。10年早く気づいていれば、今でも全く普通のものが食えた(笑)。そうした180を超える食後血糖値というものは、β細胞をまず害する。そして180を超える血糖値そのものがインスリンの効きを悪くするんです。血糖値が180を超えることによって、そうした悪循環が起こってくる。これを「糖毒」といいます。だから、糖質制限食でこれを断ち切ってやることで、まずインスリンのβ細胞の疲弊が取れてくる。そして一日を通して、血糖値が180を超えなくなったら同じ量のインスリンしか出なくとも効きが良くなる。 そういうことですか。 でも、180の血糖値なんて、糖質をちょっと摂取したらすぐ上がってしまいますよね。 そう。ただ、その繰り返しがダメ。一回、血糖値が200を超えることをこの世の終わりのように考える必要はないが、そういうことを数年間繰り返し積み重ねるのが一番良くない。 先生のおっしゃるグルコース・スパイク。糖尿病の人が糖質を摂ることによる一日何回もの血糖の乱高下ですね。 そうそう。グルコース・スパイクを繰り返していると血管障害を生じて、一番早い糖尿病の合併症で、3~4年経つと足の神経障害が起こる。目の網膜症に至るのに数年。心臓とかはやはり5年、10年。 合併症は怖いですね。 しかし、さんは蘇っているなあ(笑)。年々、顔色が良くなっているし肌つやもいい。 先生のご著書のおかげです。本当にありがとうございます。私たちのところにもいろんな患者さんから問い合わせが来るのですが、まず先生のご本を読んで、糖質制限の理論を学んでくださるように勧めています。 『おやじダイエット部の奇跡』や『おやじ必読! 愉しく続ける糖質制限ダイエット』を導入として、僕の本を理論編として読む人もいるみたいやね。 私は歴史ものが好きなので、そのうち織田信長の天下統一と糖質制限を重ね合わせて「糖尿病戦国物語」を書いてみたいと思っています。題して「敵は、糖質にあり」。 「歴女」狙いですか?(笑)。 愉しい本になるかもしれませんね(笑)。 でも、スーパー糖質制限でも12%くらいの糖質は野菜から摂りますよね。ビタミンCというのは、人類、霊長類とモルモットは、体内で合成できないんです。だから、野菜も食べないかつてのイヌイットは明らかにビタミンC不足。壊血病予備軍が多いし、赤ちゃんでもビタミンC不足による病気がある。では、そのビタミンCが圧倒的に多い食物というと、ゴーヤとかピーマン、果物でしょう。これらは、私も摂っています。つまりスーパー糖質制限食でも、糖質ゼロではないのです。そういう意味でいえば、私は徹底したプラグマティストで、人類のご先祖が食べていたものを食べるというのが基本スタンスです。果物も絶対に食べないということではありません。 なるほど。 果物などは、農耕以前の700万年間、人類の生活にとって「ラッキー食材」だった。つまり、時々手に入るという意味でラッキー。そうして糖質をたまたまラッキーに摂取した後、糖質が中性脂肪に変わるというのは、神が恵んでくれたシステムですね。農耕以前の人類は穀物を摂らないから、ラッキーで手に入れた果物などから糖質を摂ると、それを中性脂肪として蓄える。インスリンは「肥満ホルモン」といわれるけれども、中性脂肪そのものが、人類の飢餓に対する唯一のセーフティネットだったわけです。 その頃はインスリンが中性脂肪を蓄える役割は重要だったんですね。 そうなんです。中性脂肪というのは人類の生存にとって、非常に大事だった。これが、人間の進化の歴史(飢餓との戦い)を考えれば正しい論理です。その論理がわからない人は「中性脂肪はあかんやろ」ということになる。そうではなくて、体脂肪というものは飢餓に対する唯一のセーフティネットで、インスリンの分泌システムというものは大切な中性脂肪を作るために、極めて有効なものだった。それなのに、本来はラッキー食材の糖質を毎日、朝、昼、晩と食べ、3時のおやつ、夜食のラーメンを食べるからバチが当たる(笑)。肥満、糖尿病、生活習慣病になる。 毎日、ラッキー、ラッキーと食べ過ぎていたんですね。 そう考えるとわかるでしょう。だから、糖質制限食というのは、人類の進化を考えないとわからないのです。 なるほど。よくわかります。 そこで、なるほどと思っていただける方は、論理的思考ができる人。それでも「中性脂肪って悪いんでしょう?」と言う人がいますからね。想像力の勝負やな。人類の歴史を100万年遡って、我々のご先祖様が狩猟で得た肉だけで食いつないでいる姿が浮かんでくるかどうかです(笑)。 今日は大学の講義を受けたみたいで、いろいろなお話をわかりやすくレクチャーしていただき、本当にありがとうございました。 優秀な生徒たちで嬉しいですね(笑)。 ありがとうございます。

 

糖質制限ダイエットを成功させるメソッド

Part 1 ダイエットをする目的を明確にする昨今、「糖質オフダイエット」が大変ブームになっています。新聞・雑誌・テレビ等、各メディアでこのテーマは取り上げられ、確実に痩せる食事方法として大流行といった状況なのです。その契機となったのが、著『おやじダイエット部の奇跡』です。この著書を読まれた多くの方々が、30kg、40kgの減量に成功。また糖尿病をはじめとする生活習慣病の数値が改善されるという成果が出ています。それは、ヤルと決めたら迷わず直ちに実践し、継続するという知的判断力と実行力があったからでしょう。現在、男女ともに糖尿病の患者数は右肩上がりに増え続け、小学生の中にも血糖値の高い生徒が見られるということです。また肥満症の方も2300万人といわれています。ただ太っているだけではなく「肥満は肥満症という病気であり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが30倍も高くなる」と、京都市立病院糖尿病代謝内科部長の吉田俊秀医師は警告しておられます。肥満は生活習慣病になるリスクも高いのです。肥満症になると、高血糖による糖尿病、高脂血症、高い数値の中性脂肪、高血圧といった症状が出てくることになります。血液中に中性脂肪が停滞すると体内に溜め込まれ、ますます肥満が進んでいきます。肥満症の場合、心臓に大きな負担がかかり、心臓肥大、心筋梗塞、心不全、脳梗塞、糖尿病、腎不全といった病気を発症するリスクは高くなるのです。大病を発症し早死にしないためにも、肥満症を軽く考えてはいけない状態だといえるでしょう。生活習慣病の原因となる、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)についての関心も高くなっています。現在メタボリックシンドロームの患者は約2010万人に上り、男性の2人に1人、女性では5人に1人が肥満症、またはそれに近い状態にあるということです。メタボリックシンドロームとは、ウエストの周囲径が男性では85cm以上、女性は90cm以上、空腹時血糖値110mg/以下。最大血圧130、最小血圧85mmHg以上。ウエスト周囲径に加え3項目中2つ以上が該当すれば、メタボリックシンドロームと診断され、中高年の男性、女性は注意して数値を改善しなければなりません。そのために、内臓脂肪、皮下脂肪のムダな脂肪を減らし、適正な体重を維持することをお勧めします。肥満を解消することは、現在の健康のみならず、20年後、30年後、40年後を健康に生きるための、重要な備えなのです。以上。中性脂肪150mg/以上。善玉コレステロールHDLが40mg/日本は世界一の長寿国であり、平均寿命はさらに延びていくと考えられます。しかし、認知症になったり、寝たきりの病人になってしまっては、友人や家族と食事やティータイムを楽しむこともできませんし、コンサートや美術館を訪れることもできなくなります。そして一人の人間として社会に参与し、貢献するといった生き方もすべて不可能となります。誰しも中高年になって大病を発症したくはありませんし、健康長寿でありたいと願うのは当然でしょう。健康な身体を取り戻すために、生活習慣病の原因となるメタボリック症候群、肥満症からのすみやかな脱却こそ、「糖質制限ダイエット」の重要な目的なのです。過食は肥満症、メタボリックシンドロームに直結する肥満およびメタボリックシンドロームも、飽食の結果であると、ナグモクリニックの総院長である南雲吉則医師は指摘しておられます。「高血糖、高血圧、高脂血症」といった3高のうち2つ、そして前述したように男性ならウエストサイズ85cm以上、女性は90cm以上であれば、メタボリックシンドロームですが、これは「糖、塩、脂の摂り過ぎ、そして食べ過ぎ」を意味するといわれます。人類は約700万年もの間、飢餓の時代でした。農耕生活が始まる1万年前までは、狩猟(動物、魚介類)と採集(木の実、植物)の生活であり、何時でも食物を獲得できたわけではありません。そのため食物を脂肪として体内で蓄積する機能を持つことによって、狩猟で獲物を得られない場合でも、生き延びることができたのです。長い飢餓時代から、現代の飽食時代へと変化してきましたが、食物を脂肪として蓄える「倹約遺伝子」の働きが、「食べ過ぎ」を肥満に直結させているのです。先生は「私たちの身体は、大量の糖質を受け入れるようにできていない」と言っておられます。肥満症の方は、これまでの食習慣を立て直していけば、肥満を解消することが可能になります。これまでに、さまざまなダイエット方法にチャレンジし、続けられずに失敗したという経験を、多くの肥満症の方々はお持ちです。ゆで卵ダイエット、リンゴダイエット、寒天ダイエット、昆布ダイエットといった単品ダイエットは、偏った食事になるため、ビタミン、ミネラル、タンパク質等が不足してしまいます。また最近までダイエットの主流であったカロリー制限ダイエットは、一日に摂取するカロリーを抑えるために、食事の量を減らし、面倒なカロリー計算をしなければならず、挫折してしまうことになります。カロリー制限ダイエットは、確かに一時的に体重は減るのですが、これは脂肪だけでなく筋肉も減る不健康な状態ですから、栄養不足になり、長続きせず、必ずリバウンドが起こります。太ったり痩せたり、またリバウンドで太るという状態を繰り返すのは、食生活が乱れている証拠であり、けっして健康的な身体とはいえません。数か月から数年の間に、ウエストが10cm以上太くなったり、また細くなるといった状態は、絶えず身に合ったサイズの衣服に買い替えなくてはならないといった、経済的な負担も大きくなります。体重は標準体重をキープし、体形も大きく変動しない、上半身と下半身のバランスの良い状態を心がけることが望ましいといえるでしょう。近年、痩せるサプリメントの広告を雑誌等でよく目にしますが、これを6か月飲み続けたというOLのAさんは、一時は2~3kgほど痩せたものの、また元の体重に戻ってしまい、広告に掲載されている10kg、20kg痩せられるというのは誇大広告ではないかと話しています。こうしたサプリメントや、痩せ薬というのは1年間続ければ、かなりの高額になってしまいます。ダイエットというのは、サプリメントや薬品に頼ることなく、また低カロリー食で栄養不足にもならず、美しく健康的な身体になる食事法でなければなりません。そして一日に消費するエネルギー以上の食べ過ぎ、飲み過ぎをしないことが原則です。一日の摂取エネルギー=一日の消費エネルギーを強く意識しましょう。一日の摂取エネルギーと消費エネルギーが同じであれば、太ることはありません。摂取エネルギーが多いと、体内に脂肪として蓄積され、体重は増えていきます。食べ過ぎているために太るのです。最近、ダイエットの相談をされた前述したOLのAさん、「食事の量を減らしているのですが、体重は全く減りません」とのこと。間食に糖質の高いものを摂っておられるはずと、私はお答えしました。まさにその通りで、食事を減らした分、空腹になって菓子パンかドーナツを食べ、ペットボトル入りの果物ジュースを毎日飲んでいるということでした。菓子パンやドーナツには、たっぷりと砂糖が入っていますし、市販のジュースや清涼飲料水は、砂糖水のようなものです。糖質の高い食品や飲料を控える、そしてバランスの良い食事を食べ過ぎない程度に、キチンと摂っていただくことをアドバイスしました。食事量を減らしても、間食を多く摂っていれば摂取エネルギーは増えてしまいますし、糖質過多となり、減量は不可能、ますます肥えていくことになるのです。「脂肪燃焼体質」になることの重要性「20kgの減量に成功、さらに5kg減らしたいのですが、なかなか体重が落ちません」など、さらなる減量の進まない方が、時々おられます。それは左記の状態が原因になっているからでしょう。1代謝力が低下している。2運動不足である。3外食で知らず知らずのうちに、糖質を含む料理を食べている。4塩分、脂肪の摂り過ぎである。以上、4つのうち、2つでも該当すれば、さらなる減量はできません。代謝力をアップさせ、脂肪の燃えやすい身体、脂肪燃焼体質になる努力が大切なのです。糖質、塩分、脂肪を制限し、必要な栄養はしっかり摂る。新陳代謝を高める筋肉を減らさず、体脂肪を燃えさせるダイエットが理想なのです。日常生活の中では、身体をよく動かし、歩くように心がけましょう。そして毎晩ストレッチ体操か腹筋をして筋肉を減らさないようにすれば、消費エネルギーを増やすことができます。毎日ジョギングをするような運動は、長く続けることはむずかしく、雨風の日や、降雪のある季節ともなると断念してしまいがち。それよりも、仕事および通勤の往復で、無理をせず続けられるウォーキングがお勧めです。2~3分スピードアップして早足で歩き、2~3分普通に歩く、これを繰り返しましょう。2~3分早足で歩く再びスピードアップ ※これを繰り返す生命を維持するために必要なエネルギーが基礎代謝です。これは体内で24時間消費され続け、一日の消費エネルギーの70%を占めています。基礎代謝が減ると消費カロリーは増えず、脂肪は燃えにくくなります。最も脂肪を燃焼させているのが筋肉細胞であり、毎日筋肉は少しずつ作り替えられているため、タンパク質が不足すると筋肉は減り、脂肪の燃焼効率も低下します。タンパク質には豆腐、おから、納豆といったものに含まれる植物性タンパク質、肉類、魚、卵などの食品に含まれる動物性タンパク質があります。脂肪は燃焼と代謝の促進に必要な栄養成分で肉、魚介類、卵、大豆食品にチーズ等の乳製品に含まれます。これらの食品は1種類に偏らず、5種類を2~3日でこまめに摂りましょう。焼肉やステーキ、またはトンカツを好物だからといって毎日摂るのは感心しません。毎日摂っていいのは豆腐です。タンパク質の必要量は、体重1kgに対して1gですが、一食品でおよそ自分の手のひらに載るくらいが目安です。これを他の食品と組み合わせましょう。動物性タンパク質の摂り過ぎは脂質過多になりかねませんから、植物性タンパク質を組み合わせるのがいいでしょう。そしてタンパク質の再合成に必要なビタミン2~3分普通に歩くを含むニンニク、シシトウ、葉酸の多い葉物野菜、枝豆、ブロッコリー。大豆食品やカツオ、わかめ、昆布などはマグネシウムが豊富です。また、代謝に欠かせないビタミンとしてウナギ、卵、豚肉、サケ、納豆、枝豆。代謝をアップさせ、疲労回復に効果的なクエン酸としてトマト、レモン、酢。血行を促進するショウガ、玉ネギ、カレー粉、黒コショウなど、タンパク質の料理に適宜加えていただくとより効果的です。10代、20代の頃は代謝も活発ですが、年齢が上がるにつれて、代謝力は低下してきます。体内の脂肪を燃えやすくし、代謝力をアップさせる食材をこまめに摂ることによって、「脂肪燃焼体質」に改善することができるのです。毎日のメニューをお考えになる時に、脂肪燃焼と代謝を上げる食材について、よく記憶しておいていただきたいと思います。なお脂肪を燃焼させる成分は多く、ナイアシンを含むマイタケ、エリンギ、マッシュルーム。タウリンを含むイカ、タコ、エビ、貝類といった食材も料理作りに、大いに利用することができるでしょう。ダイエットを進めていくためには、毎日たっぷりの野菜、そしてタンパク質を適量摂って、栄養不足にならないようにするのが肝要です。毎朝体重を計測し、夜その日の食事内容を記録する毎朝、体重を量ることを習慣にしましょう。これがダイエットを続けていくための、基本的な方法の一つです。1990年代から医療機関では、体重を測定することで痩せるという方法が、肥満治療として行われてきました。「量るだけダイエット」ともいわれるものです。肥満症の方の中には、ずいぶん以前から体重を量っていない、現在の自分の体重が何kgであるのかわからない、とおっしゃる方がかなりおられます。自分の体重を知ることが怖い、量りたくないという心理が先立つのでしょうね。しかし、現実に目を向けて、今の自分自身を知らなくては、問題は解決しません。毎朝体重を量ることから、ダイエットをスタートさせましょう。体重はデジタル表示のものを購入なさってください。目盛りタイプのものは100g単位までの正確なグラム数が量れないからです。体重計はフローリングの床に置きましょう。カーペットの上よりも、より正確に表示されます。毎朝、起床してトイレを済ませたら、パジャマのまま、素足で体重計に乗りましょう。洋服に着替えた後では、衣類の重さが加わります。計測した朝の体重を、必ずノートか日記帳、家計簿などに記録しましょう。記録することで、自分の体重の変化、推移がよく把握できます。そして夜、夕食の後でもう一度体重を量り、記入します。朝食前の体重よりも夕食後の体重は増えて、います。その日一日で摂った食事内容、朝、昼、夕の食事と間食も含めて同じノートに記録してください。これを続けていると、何を摂った日に体重が大幅に増えたか、またはそれほど増えていないことがわかるようになります。さらによく身体を動かす、歩くといった自分の行動パターンも含めて、太りやすい食習慣および生活習慣について自己分析できるでしょう。その結果、太る食品を控え、太らない食事法に切り替えていく、朝の体重が前日の朝の体重よりも減少していれば、減量が成功しつつある証左です。体重は自分の摂生によって、コントロールできるものです。太る原因となる糖質を制限することで、美しく健康的な身体を取り戻し、適正体重になるように心がけましょう。肥満症は、不健康な状態であることを、お忘れにならないでください。朝 起床ノートに記録夜 一日の食事・間食をノートに記録就寝前10分間のストレッチ体操BMIの数値を知るご自分のBMI数値をご存じでしょうか? BMIはボディ・マス・インデックスの略称であり、体重(kg)を身長(m)で2回割って算出する、世界共通の体格指数の基準です。例えば身長160cm、体重67kgのB子さんの場合、67÷1・6÷1・6=26・172となります。WHOでは24を理想値、30以上を肥満としていますが、日本肥満学会は22~23を理想値、25以上を肥満とします。アメリカではBMI24前後の人が最も死亡率が低く、長生きであるという調査結果が報告されています。日本のBMI基準値で見ると、B子さんの26・172は肥満の部類に入ります。たしかに身長160cmで体重67kgは、見た目にも太っています。20代の頃のB子さんの体重は55kg、BMIは21・4844ですから標準的な体形だったといえるでしょう。女性の場合、学生時代から以降、5kg太る方が多いといわれますが、まず第1の節目は30代の半ば、第2の節目は50代、この年齢から肥満が進行するといいます。高等学校の同窓会、大学の同期会に出席し、「○○です」とお名前を伺っても、ほっそりしていらっしゃった以前の体形がすっかり変わってしまっていて、驚くことがあります。5kgくらいの体重の増加は、大多数の男女にあることですが、20kg、30kgと肥えてしまうのは、メタボリックシンドロームになり、大病を発症するリスクが高くなります。身長182cm、体重110kgだったサラリーマンの男性Cさん、BMI33・209で超肥満でしたが、糖質制トイレ体重チェック限ダイエットを続けていくうちに、体重は78kgに減り、32kgの減量に成功。BMIは23・5479となり、超肥満、メタボリックシンドロームからも完全に脱却しています。高血糖、高脂血症であった数値も改善され、極めて健康的な身体を取り戻しました。超肥満であった頃の写真を見ると、「われながらゾッとします」とCさんはおっしゃいます。わずか8か月で32kgの減量は素晴らしい結果ですし、糖質制限の食事方法を続行されているCさんが、健康長寿でありますようにと願っています。この原稿を執筆している私の身長は160cm、現在の体重49kg。大学時代の体重が47~48kgでしたから、ほぼ当時の体重に近くなっています。BMIは49÷1・6÷1・6=19・1406。標準値よりやや低いのですが、これが私自身にとって最も体調の良い状態、すなわち生涯体重と思っています。時折、1kg前後の増減はありますが、すぐに元の体重に戻ります。私の場合、肥満症ではなく、中性脂肪は40mgと低く、ダイエットをする必要は全くないのですが、身体に有害な糖質の高い料理、食品を控えるだけで、体重が増えることはありません。体調の良い生涯体重をキープし、体形を20代の頃と同じ状態に維持することを、モチベーションにしているのです。糖質制限ダイエットを実践する場合、目標とする体重を決めましょう。その目標に向かって、けっして無理をせず、自分に合ったやり方で継続していくことが肝要だと思います。「早食い」「暴飲暴食」「食べ過ぎ」は肥満の原因となる食事のスピードが早い人ほど太りやすいといわれています。「早食い」の人ほど、肥満度の指標となるBMIの数値が高く、太りやすい傾向がみられます。食事はゆっくりと、よく噛んでいただきましょう。食事を始めて約20分が経過すると、満腹中枢が刺激され、お腹がいっぱいになってきたことを感じます。「早食い」をしていると、満腹中枢がONにならないうちに、多量の食事を摂ってしまいます。特に外食のランチタイムは、仕事が忙しいためか、5分でピラフやカレーライス、ラーメン、ギョーザ定食などを完食している方をよく見かけます。レストランに入って、料理がテーブルに置かれるやいなや、大変なスピードでかき込むように食事をすませて、お店を出て行かれます。そしてご飯や麺類といった糖質の多い、単品の食事は良くありません。単に空腹を満たすだけのものであり、栄養のバランスが悪いのです。ビタミン、ミネラル、タンパク質といった大切な栄養素が不足しています。野菜サラダなどを注文できるお店を選びましょう。昼食にざるそばだけ、コンビニのおにぎり2個というのも最悪です。近隣にお住まいだった男性で、非常に偏食の方がおられました。野菜嫌いで、ほとんど食べず、昼食はおそばか、カップ麺。夕食も大変不規則で、夜中にご飯とお惣菜を少々、多量のお酒を毎晩飲むといった食生活だったようですが、50代半ばで肝臓ガンのため亡くなられました。これは長年の栄養不足、そして多量の飲酒が身体にダメージを与え続けたのでしょう。栄養バランスの良い食習慣と、規則的な生活の大切さを、あらためて痛感させられます。朝の起床時間、夜の就寝時間を決め、一日7時間は睡眠をとるようにしましょう。睡眠が短か過ぎると、満腹感を得られるホルモン「レプチン」が減少し、食欲を増進する「グレリン」というホルモンが増加するといわれています。夕食はできるだけ午後9時までに摂りましょう。夜遅い食事は、すぐ就寝してしまうため、内臓脂肪がつきやすく、肥満の原因になります。栄養バランスを欠いた食事内容と、良くない生活習慣を改めるだけでも、太りやすい体質から痩せる体質へと変換することができますし、ダイエットにも有効だといえるでしょう。大病を発病することなく、早死にしない健康長寿を保つためには、1栄養不足にならないバランスの良い食事(食べ過ぎないこと)。2規則正しい生活習慣を身につける。3肥満症を徹底して治す。4毎晩多量の飲酒をしない。5運動不足にならないよう心がける。以上の5つが原理原則なのです。「糖質」についての知識を持つ炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質であり、多くの食品に含まれています。糖質を摂取するとブドウ糖に分解され、腸から体内に吸収され、血液の中に入りますが、この血液中のブドウ糖が血糖であり、血糖値を上昇させるのです。この血糖値を下げるために膵臓のランゲルハンス島β細胞から、インスリンが分泌されます。インスリンは身体中の組織に糖を送り、エネルギー化され、血糖値が下がります。しかし高血糖とインスリン過多が続くと、余った糖は脂肪に作り変えられて蓄積されます。身体の代謝は糖質が最優先されるため、食事で摂った脂質は代謝されず体脂肪を促進させることになるのです。近年、急増している「高血糖太り」は、[過剰な糖質の摂取] + [脂質] =[体脂肪蓄積]とその促進といったメカニズムの結果である、と理解してください。糖質過多の食事、食べ過ぎが、肥満症を引き起こす最大の原因となります。高糖質の食物を常食にしていると、血糖値は急上昇し、インスリンの大量分泌を繰り返しているうちに膵臓が疲弊して壊れ、インスリンを出し過ぎて枯渇するという状態が糖尿病です。インスリンが効かない、出ないという糖尿病予備軍の方も増えていますが、肥満およびメタボリックシンドロームの場合は、糖尿病を発症するリスクは高く、すみやかに減量をスタートさせるべきでしょう。糖質過多の食事を制限することで、疲弊した膵臓を休ませることができます。そして肥満ホルモンともいわれる、インスリンの分泌も抑えられます。一度壊れてしまった膵臓は再生しませんが、50%でも機能が残っていれば、弱った膵臓をいたわり、血糖値を低く抑えコントロールすることが可能です。糖尿病が原因となる網膜症、神経障害、腎臓病が糖尿病の3大合併症ですが、高脂血症、高血圧などが重なって起こる動脈硬化も、合併症の一つと考えられています。糖尿病は一度発症すると完治しない病気ですから、血糖値を上げないために、高糖質の食物、飲料を制限し、早食い、ドカ食い、多量の飲酒は止めなくてはいけません。血糖値を急上昇させない野菜から食べ始め、食事はゆっくりと、楽しんで摂るようにしていただきたいと思います。これは食べ過ぎを抑制することにもなるからです。総体的に日本人は糖質過多の食事をしています。朝食にパンかご飯、昼食は麺類かご飯物(ピラフ、チャーハン、カレー、丼物など)、夕食はご飯にお総菜といった食習慣の方が多いと思います。これにお砂糖や小麦粉をたっぷり使ったお菓子、スナック菓子、おかき、おせんべいなどの間食及び糖質の多い飲料を加えると、一日中、糖質過多の食品を摂っていることになります。現在、肥満症ではなく、糖尿病、高脂血症でなくても、糖質過多の食事を常食にしていると、数年後、数十年後に「高血糖太り」となる危険性は大きくなります。多くの方が中年太りになるのは、代謝力が低下しているにもかかわらず、高血糖の食物を摂り続けているからです。イタリア人の場合も、若い頃はほっそりした体形の人が、中年以降でっぷりと太ってしまうことが多いのは、糖質の多いパスタを常食にしているからです。それに比較してフランス人の食事は、クロワッサンやフランスパンを大量に摂ってはいません。スープ、サラダ、肉料理など主菜、副菜が中心で、ワインを飲むというのがスタンダードな食事のスタイルです。特に赤ワインに含まれるポリフェノールが「抗酸化物質」であることは、よく知られています。フランス人で心筋梗塞になる人が少ないのは、この抗酸化作用の効果によるためといわれています。あらゆる野菜や果物の皮にも、ポリフェノールは含まれています。リンゴやブドウなどはよく洗って皮ごと食べるのがいいのです。Part 2 糖質制限ダイエットの食事方法ご飯、パン、麺類、いも類(根菜類)に、お砂糖をふんだんに使ったお菓子などは、糖質の多い食品です。こうした糖質を制限した食事を摂ることで、糖尿病の血糖値が高い方は正常値に下がってきますし、肥満症の方は確実に減量が可能となります。「ご飯が大好きなので、とても無理です」とか「お菓子を毎日食べずにはいられません」とおっしゃる方が、時たまおられます。しかし糖質過多の食事が習慣化しているわけですから、今まで摂っていた量を半分にするだけでも効果は出てきます。「始めてみると、案外楽に続けられる」と実践してこられた方々はおっしゃいます。そして何よりも、糖尿病でなかなか血糖値が下がらず苦しんでおられた方、過去にさまざまなダイエットに失敗した方などは、「糖質制限食」の効果を身をもって実感していらっしゃるようです。「糖質制限食療法」は、糖尿病治療のために考案された食事方法でした。高糖質の食物、飲料を制限することで血糖値はグンと下がり、同時に肥満を解消したという実例が多く報告されています。まずは「スーパー糖質制限食」にトライこの「糖質制限食」を提唱されたのが、京都・高雄病院理事長でいらっしゃる医師です。先生はご著書の中で、3つの食事方法を提案しておられます。1スーパー糖質制限食2スタンダード糖質制限食3プチ糖質制限食「スーパー糖質制限食」は朝、昼、夕の食事で、主食となるご飯、麺類、パン等を摂取しない食事方法です。これはいずれも糖質を多量に含んでいる食品です。日本人は糖質の多い主食を摂る食習慣になれていますから、最初のうちは少々抵抗があるかもしれません。しかし、糖尿病で血糖値の高い方、超肥満で早急に減量しなくてはならない方、メタボリックシンドロームの場合も、病的な症状から一日も早く脱出するために、この方法から始めることで、血糖をコントロールしましょう。朝食(主食抜き)=糖質は20g以下に抑える昼食(主食抜き)=糖質20g以下間食=糖質の低い食品なら可夕食(主食抜き)=糖質20g以下デザートor夜食=糖質の低い食品、摂取量をチェックする特に糖尿病の方は、糖質1gで3数値が上がりますから、高糖質の食事は血糖値が急上昇し、症状を悪化させていくのです。そして、血糖値が急に上がる食事は老化を進めることになります。糖質を多く含む食事やお菓子は、厳に避けるべきです。「糖質制限食療法」を行っていると、血糖値は明確に下がっていきます。インスリンの注射を打っている方は、その量を減らし、血糖降下薬を服用している方も、主治医と相談のうえ、薬を減らすか中止することができるようになります。「スーパー糖質制限食」のコースは、まず最初の1週間が頑張りどころです。続けられない方は、3日目でダウンします。そして白米のご飯や甘みの強いお菓子などを大量に食するといった悪い食習慣を改められないまま、糖尿病が引き起こす恐ろしい合併症や、肥満が原因となるメタボリックシンドローム、心筋梗塞、脳梗塞、高脂血症、高血圧等のリスクを抱えた状態が続くのです。肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧は動脈硬化の危険因子です。動脈硬化は死亡率の高い心疾患、脳疾患などの引き金になります。健康な身体を取り戻す、早死にしないためと考えれば諸病の原因となる悪い食習慣を改めることができるでしょう。血糖値が正常値となり、体重が標準体重になれば、少し緩めて、「スタンダード糖質制限食」に移行していけばいいのですから。まず1週間、「スーパー糖質制限食」のコースにトライしましょう。3日目あたりに、白米のご飯が食べたくなったり、お菓子が欲しくなるかもしれませんが、精製された白米やお砂糖は麻薬のようなもの。白米中毒、お砂糖中毒に陥っているのです。血糖値を急激に上げる食品は、糖尿病を悪化させ肥満度を増し、老化を進行させるのです。白米、白砂糖、白パン、パスタなどの買い置き食品は、すべて処分してしまいましょう。思い切った決断と実行力をお持ちになってください。キッチンにそうした食材が置かれていれば、つい食欲の誘惑に負けてしまいがち。麻薬のような食品、悪魔が魅惑的に微笑んでも、その手にのってはいけません。糖質制限食を天使からのメッセージと思って、それにシフトするのです。1週間続けられれば、血糖値は下がり始めますし、体重も少しずつ減っていくでしょう。ここで糖質制限ダイエットを続行している多くの仲間から、脱落してはいけません。血糖値が正常値になり、健康に仕事のできる自分、減量に成功し、スリムでカッコイイ自分をイメージしながら、さらに1週間、2週間を、意志を強く持って、他の仲間たちとともに持続させましょう。「糖質制限ダイエット」を実行していらっしゃるのは、けっしてあなた一人ではないのですから。少しゆるめて「スタンダード糖質制限食」血糖値が正常値に、体重が標準体重まで減少して、目標を達成できたら、「スーパー糖質制限食」を少々ゆるめて、「スタンダード糖質制限食」に移行するといいと思います。朝食(主食抜き)=糖質20g以下に抑える昼食(主食を摂っても可)=糖質20g以下に抑える間食=低糖質のものなら可夕食(主食抜き)=糖質20g以下に抑えるデザートor夜食=糖質の低い食品なら可仕事の関係上、昼食は外食の方も多いでしょうから、血糖値がやや高めであるとか、ダイエットだけを目的としている方などは、このコースを初めから選んで、スタートするのも一つの選択肢です。ただし糖尿病で、非常に血糖値の高い方は、一日も早く下げなくてはいけませんから、「スーパー糖質制限食」から始めてください。ダイエットのみが目的であれば、「スーパー糖質制限食」ほどの早い減量にはなりませんが、1か月から3か月、半年と続けているうちに、5kg、10kgと減っていきます。「スタンダード糖質制限食」を着実に実行し、継続して3か月で10kgの減量に成功した方は、沢山いらっしゃいます。ここで気を付けたいのは昼食です。主食を摂ってもいいといっても、従来のように多量に糖質を含む食事を、一人分全部食べるのはよくありません。レストランなどで出される1人分の量は多過ぎるのです。カレーライスやピラフ、チャーハン、ラーメン、丼物といった単品の食事は避け、野菜サラダなど葉物野菜をたっぷりと摂り、スープがあればそれを先に、主食は半分か3分の1の量を最後に摂りましょう。ダイエット中は、迷わず主食を残してください。それがスリムでカッコよくなる自分へのパスポートなのです。私の場合、イタリアンレストランでのランチはまずサラダボウル1杯の野菜サラダをたっぷり摂り、友人とシェアしてピザは3ピース。お砂糖の代わりにラカントSとクリームを入れたコーヒーです。お砂糖は摂りたくないので、小袋のラカントSかパルスイートをポシェットに入れて携帯しています。糖尿病、肥満症のいずれでもありませんから、「糖質制限」のダイエットをする必要はないのですが、48~49kgの現在の体重をキープするため、また身体に有害な糖質過多の食事にしないための、糖質制限を実行しています。実践しやすい「プチ糖質制限食」「プチ糖質制限食」は、最も実践しやすく、続けることのできるコースです。糖尿病を予防したい方、体重の減量に成功し、標準体重をキープしたい方の中には、このコースで糖質制限を継続している方もおられます。朝食(主食可)=糖質20g以下に抑える昼食(主食可)=糖質20g以下間食=糖質の低い食品なら可夕食(主食抜き)=糖質20g以下デザートor夜食=糖質の低い食品なら可朝食、昼食は糖質過多にならないように注意して主食を摂り、夕食は糖質の多いご飯、麺類、パンなどの主食を制限する方法です。先生は、「主食を摂らない生活に、とまどいを感じる方は、プチ糖質制限を試してみてはいかがでしょうか。意外と楽だとわかるはずです」と提案しておられます。「糖質制限ダイエット」を始めたいと思いながら、なかなかトライする決心がつかず、逡巡しているうちに月日がたっていくのは、さまざまな病気発症のリスクを抱えたまま、肥満症の状態が長く続くことになります。毎日の食事で、せめて糖質を多量に含む、白米のご飯物、麺類、白パンの量を減らすことをお勧めします。肥満症の方は、日頃から糖質、脂質の摂り過ぎ、食べ過ぎが原因となっていますから、摂取量を減らしていくことこそが必要なのです。毎食の糖質量を少なくするだけでも、テンポはゆっくりですが、減量は進みます。夕食に主食を摂らない「プチ糖質制限食」では、高糖質の食品を夕食で摂取すると、食後は運動しないで就寝してしまうため、血糖値は下がりにくくなるので注意が必要です。食事というのは、各人の長きにわたる食習慣です。夕食後、テレビの前に座り、スイーツやスナック菓子を食べ続けるというのも、良くない食習慣といえるでしょう。女性の方の中には、お勤め先からの帰宅途中に、毎日コンビニに立ち寄り、砂糖たっぷりのお菓子類やスナック菓子、清涼飲料水を買い、夕食後食べる方がおられます。衣料品店にお勤めの女性Dさんもこのパターンでした。短大を卒業された当時は、身長158cm、体重49kgでスリムな体形でした。ところが仕事上の対人関係でストレスが溜まり、食事ごとに、ご飯物のピラフやカレーライス、麺類のスパゲティ、ラーメンなどを大食いし、帰宅して夕食後は、コンビニで買ったスナック菓子の袋全部を食べ切るまで止められず、体重は72kgにまで増えてしまったのです。身体が重く感じられ、階段の上り下りも息苦しくなって、Dさんは今までにさまざまなダイエットにチャレンジしましたが、そのすべてが続けられなかったといいます。「糖質制限ダイエット」がブームとなり、彼女からそのやり方について質問がありました。「スーパー糖質制限食」が最も早く、抜群の効果が表れるのですが、Dさんは大変なご飯好き、お菓子好きで、「スーパー糖質制限食」に挑戦するのをためらっていました。彼女の食習慣を少しずつ改善していくことを私はアドバイスしました。糖質過多の食事や食品は、スパッと断ち切ってしまうのが一番良いのですが、ご飯好き、甘い物好きの女性の方の中にはそれがなかなかできない方もいらっしゃいます。そのためまず量を減らすこと。白米のご飯を一度に何杯も食べているというDさんに、子供用の小さなお茶碗に替え、軽く1杯で止めるように注意しました。袋に入ったスナック菓子を、全部食べ切るまで止められないDさん、大きな袋入りを買わず小さな袋のものにする、そして袋ごとポリポリとなくなるまで際限なく食べ続けるのではなく、少しの量をお皿に載せ、今日はこれだけにしましょうと量を限定することも提案しました。そしてDさんは「プチ糖質制限食」に取り組み始めたのです。たとえ300gでも500gでも、減量する方向へ踏み出して欲しいと私は願っていました。そして時々彼女に連絡を取り、途中でギブアップしないようアドバイスを続けていました。その後Dさんの体重は少しずつ減り始め、2か月で5kgの減量になりました。「糖質制限ダイエット」を始めることに、自信がなくためらっていたDさんにしては上出来です。ゆっくりしたペースであっても、「プチ糖質制限食」を長期間続けていれば、次第に目標体重に近づけられるのです。彼女は更に減量を目指して糖質制限の食事を続行しています。糖質制限食を続けていると、以前のような糖質の多いメニューへの欲求がなくなり、甘さの強いお菓子類も次第に食べなくなります。むしろ糖質を制限した食事が、日常生活の中で普通のパターンになっていくのです。高糖質の食品に対する欲求を抑制し、摂生する食習慣が、いつの間にか身についてくるからでしょう。何事に対しても言えることですが、食事にも節度を心得るということは大切であると思います。身体には「習慣回路」という神経回路があります。新しい習慣を毎日続けていると、約1か月でこの回路はでき上がります。でき上がった習慣を止めると、脳は不快感を覚えるようになるのです。例えば毎朝起床して洗顔するのが私たちの習慣になっていますが、これを突然止めれば、非常に不快感があるはずです。糖質を制限する食事を続けることで、習慣回路として定着し、糖質制限食が普通の食事のスタイルとして受け入れられるようになるのです。現在、巷では、砂糖、塩分、脂肪過多のジャンクフードやファストフード、化学調味料を多分に使った食品などの外食産業が拡大の一途をたどっています。こうした食品を常食とすることで、生活習慣病、肥満症、糖尿病が増え、老化を促進させることになります。健康を損なう食品は摂らない。身体に良い栄養分のある食材を賢く選択し、自分で料理を作り、自分の健康長寿を、自分自身で守るようにしたいものです。「プチ糖質制限食」は前述したように、ゆっくりとしたペースで体重が減っていきます。これと比較して「スーパー糖質制限食」はハイペースで、見事に減量の効果が表れます。ここで一つ注意していただきたいのは、一日の糖質摂取量を10g以下にするといった、厳し過ぎる糖質カットはしないようにしましょう。ビタミンC不足や食物繊維不足で便秘といった状態になりかねないからです。一食の糖質量は20g以下とし、一日三食の糖質摂取量を60g以下とするのが、先生方式です。これを目安にして、「糖質制限ダイエット」を実践していただきたいと思います。食事は腹八分目にして過食を避ける空腹時の胃のサイズは約50ですが、食事を摂ると2l前後まで膨らみます。本来、握りこぶしほどの大きさである胃は、常に食事を大量に摂っていると大きく膨らんでしまい、容量がいっぱいになっても満腹の信号を出さなくなります。食事はゆっくりと摂り、腹八分目にする、そして適量に慣れることで食べ過ぎは防ぐことができます。一度に大量の食事、飲酒をしない食習慣にするのも、肥満の抑制になるでしょう。肥満の原因になるとわかっていても、食欲が止まらない、甘いお菓子が止められないという方がおられます。これは糖質の多い食事の食べ過ぎが原因であり、糖質回路ができ上がると、食欲は止まらなくなるのです。「脳が快楽のために食べものを欲求し始めると、空腹ではないのに食べものに手が伸びる」ともいわれています。糖質の少ない食事に変えること、自制心を持って「糖質制限食」を続ければ、次第に食欲は普通の状態に戻ります。また甘いものが止められないのは、砂糖中毒に陥っているからです。「お菓子を食べて幸せを感じるとすれば、これは麻薬を摂取した時と同じ反応であり、次の日もまた次の日も欲しくなり、その量は増えていく」と南雲医師は指摘しておられます。「糖質制限食」と低糖質のお菓子に切り替えていけば、糖質回路を断ち切ることができるでしょう。一度食事を摂ったあと、それが消化され脂肪が燃焼するのに5時間を要するといわれています。ですから、食事と食事の間は、5時間以上空けたほうがいいのです。空腹を感じていないけれども、お昼だからとか、夕食時だからという理由で食事をするのは肥満のもとです。本当に空腹を感じるようになってから食事をしましょう。「空腹時には〝長寿遺伝子〟が活性化し、細胞内のお掃除〝オートファジー〟が始まる」と慶應義塾大学医学部眼科教授の坪田一男先生も述べておられます。空腹になるまで食事を摂らないことで、「アンチエイジング」の効果が得られるのです。空腹があって食事を摂る、そのサイクルを決めましょう。ただし、お腹が空いたからといって、ガツガツ早食いをしないよう気をつけましょう。早食いは沢山の量を摂ってしまいがち、肥満の原因です。一回の食事の適量を決めて、それ以上食べ過ぎないことです。ご飯から先に食べ始める人は肥満すると、よくいわれます。野菜を先にして、たっぷり摂る。これだけでも食事を摂った気分になってきます。そして肉、魚、卵料理、豆腐料理など、その時のメニューで、ビタミン、ミネラル、タンパク質などの主菜、副菜の適量、自分の決めた一人分の量を、ゆっくりよく噛んでいただきましょう。どうしてもご飯を食べたい方も、初めからお茶碗にご飯を入れて食卓に置かず、子ども用の小さなお茶碗に替え、食器棚にしまっておきましょう。「糖質制限食」を続けているうちに、次第にご飯の量は減っていきます。小さなお茶碗にご飯は半分程度、または主菜、副菜で満足して、ご飯を食べないという日が多くなります。ここまで継続できれば、糖質の多過ぎる、悪い食習慣から抜け出し、健康的な食事の習慣回路が定着してきたということです。白米のご飯はお茶碗1杯で55・2gもの糖質があります。ご飯だけで、一日の糖質摂取量、60gに近くなります。白米を購入しない、ご飯を炊かないのも一つの方法です。炊飯器にご飯がなければ、カットすることもできるようになります。精製した食品は身体に害を及ぼす日本人が白米のご飯を常食にするようになったのは、江戸期の元禄時代以降、精米技術が発達したためです。穀物の表層にはビタミンB群、食物繊維といった栄養素が含まれていますが、精白すると栄養豊富な胚芽を取り去ってしまいます。その結果、ビタミン気になる患者が非常に多くなっけた時期がありました。玄米や雑穀を食べず、脚気になり、症状が進行すると心臓の筋肉が動かなくなり、ついに死亡するという例が多くなっていたのです。精製された炭水化物の常食は「人体の機能を狂わせる危険をはらんでいる」といわれています。白いご飯、白いパン、白い小麦粉といった精製された炭水化物は、血糖値を急激に上昇させ、糖質を多く含むため、肥満することになります。これに対して未精製の食品は、血糖値を急に上げないため、身体へのダメージが少ないのです。「白米は麻薬だ」といわれますが、日本人の中には白いご飯の好きな方が沢山おられます。糖質の多い白米のご飯は血糖値を上げ、太る食品とわかっていても、食べずにはいられないというのは、まるで薬物依存症と同じような状態といえるでしょう。白米、白砂糖といった精白した食品ほど、習慣性は強くなるのです。「白いご飯さえあれば、ふりかけかお漬物で何杯でも食べられます」という人がおられますが、これは極めてバランスの悪い食事で、血糖値を上げ、肥満になります。白米を玄米に、慣れるまでは3分から5分づきのお米に、白パンは未精白粉の全粒粉のパンか黒パン、または低糖質のパンを宅配便で取り寄せましょう。そして家庭にある白砂糖はすべて処分し、料理の調味料や、コーヒー、紅茶に入れる甘味料は、天然素材のラカントSか、パルスイートに替えることをお勧めします。玄米の表層には良質の栄養素が含まれています。玄米には自然の生命力があり、フィチンという成分は、体内から農薬を排出する働きがあるといわれています。朝のうちに玄米を洗って水加減をし、数時間浸けておいてから夕方に炊きましょう。それも一度に大量不足となり、のお米を炊かないことです。一回の食事に、小さなお茶碗に軽く1杯か半分の量をお考えになってください。余った玄米ご飯は、1食分ずつラップに包んで冷凍し、その1食分の量を厳守していただきたいと思います。塩分、脂質の摂り過ぎに注意する糖質の摂り過ぎは肥満症、メタボリックシンドローム、糖尿病の原因になります。日本人の一日における塩分摂取量の平均は、12~15gと非常に多いといえます。中高年の男女に高血圧の方が多くなるのは、このためです。味噌、醤油などは減塩のものがお勧め。料理の調味料としても一日6g程度に控えましょう。甘辛く味の濃いお惣菜などを、デパ地下やスーパーで販売していますが、こうした食品には、砂糖、塩、醤油、化学調味料、油などがたっぷり使われています。家庭で調理する時は、カツオ節、昆布をたっぷり入れておだしを取り、甘みが必要であれば、ラカントSかパルスイートを少々、塩も極力控え、薄味にして素材そのものの味を生かすようにしましょう。そして肉や魚料理には、レモンや糖質ゼロのポン酢などをかけていただくのがいいと思います。「糖質制限食」を続けていく場合、摂取したエネルギーに占める脂質が多くなりがちです。リノール酸の多いサラダ油、トランス脂肪酸を多く含むマーガリンは避ける。糖質ゼロのオリーブオイル、ごま油、菜種油(キャノーラ油)、ラード、そして糖質0・2gのバターなども一回の量を少なくして使ってください。血糖値を上げるのは糖質だけであり、脂肪やタンパク質が血糖値を上げるわけではありません。カロリー制限をしても、糖質を控えないかぎり血糖値は上昇するのです。しかし、ここで注意しなければならないのは、ダイエットを目的とする場合、一日で消費するカロリー以上に、摂取したカロリーが過剰であると、減量はなかなか進みません。ぜい肉を減らすためには、脂質を摂り過ぎないよう、脂の摂取量には必ず気をつけてください。高糖質の食品はカット、塩分は6g程度に抑え、脂質も過剰摂取をしないこと、の3条件を守りましょう。中高年の男性、女性の方の中には、お腹回りや腰回りに、たっぷりと内臓脂肪、皮下脂肪のついた方が多くなります。代謝力が低下しているのに、炭水化物、脂質を摂り過ぎているからです。高糖質、高脂質、高カロリーといった食事の結果です。特に中高年の女性の場合、前から見ると、さほど目立たなくても、横から見ると下腹がポッコリと出ている方が多いのです。自分の正面の姿は鏡などでよく見ていらっしゃると思いますが、横はともかく後ろ姿は、合わせ鏡などで見ないかぎり、絶えずチェックしているわけではありません。この後ろ姿が曲者なのです。前から見てそれほどぜい肉がついていると思えなくても、後ろ姿を見ると、ウエスト周り、ヒップの大きさが大変目立つ方がおられます。糖質を制限するのは言うまでもなく、脂質の摂取量を減らし、カロリーも制限することが重要です。若い頃はスリムな体形で、スタンダードなサイズの洋服を身につけていた方が、年齢が上がるとともに大きなサイズのものしか着られなくなるということは多いのです。日常生活の中では、糖質、塩分、脂質を控え、身体をよく動かし、お腹を引き締めるストレッチ体操、また可能であれば腹筋を鍛えるとよいでしょう。効果があります。ダイエットを実践し、体重が減ってきたにもかかわらず、お腹や腰回りのぜい肉がなかなか取れないという方は、カロリーオーバーになっていて、脂質を摂り過ぎているのです。街を歩いていて、お店のショーウインドーに自分の全身を映してみる。自宅では横の姿、後ろ姿をチェックしましょう。ご自分のウエストサイズ、ヒップサイズを毎日メジャーで計り、体重が1kg減るごとにウエストが1cm細くなるように心掛けましょう。17号のお洋服を着ていた方が、「糖質制限ダイエット」で減量し、それとともに15号、13号とサイズが小さくなっていけば、ダイエットを継続することも楽しくなっていくにちがいありません。最近「糖質制限ダイエット」を実践していらっしゃる方が大変多くなってきました。それぞれの方が自分のやりやすい方法を工夫し、無理をしないで続けていらっしゃいます。糖質を多く摂り過ぎて来た、日本人の従来の食習慣を根本的に見直し、改善する時機が到来したのであれば、健康長寿、アンチエイジングのためにも素晴らしいことなのです。消費者は大量のジャンクフードやファストフードなどの消費へと、誘導されがちです。ハンバーガーやLサイズのフライドポテト、大袋のスナック菓子、ご飯大盛りのカレーライスなど、身体に良いとは言いがたい食品が街中には満ち溢れています。私たちは自制心を大いに働かせ、惑わされないようにしたいものです。Part 3 リバウンドを避け「糖質制限」を継続する「糖質制限」を実践していると、確かに体重は減少していきます。しかし、体重が減ったからといって油断し、元の糖質の多い食事に戻ると、当然ですがリバウンドが起こります。糖質を摂取すると「肥満ホルモン」とも呼ばれるインスリンが分泌され、糖をエネルギー源として利用し、余った血糖を脂肪に変えて蓄える働きをします。「糖質を制限すると、インスリンの分泌は抑えられ脂肪の蓄積されにくい体質になる」と先生は言っておられます。エネルギー源として脂肪を利用するため、余分な体脂肪は燃焼し体重が減ることになるのです。糖質を摂り過ぎるとなぜ肥満するのか、こうした身体のメカニズムを理論的に理解しておかなくてはなりません。しかし、減量できるからといって、やみくもに極端過ぎる糖質制限をしていると、その反動で糖質の多い食事を摂ってしまいリバウンドが起こります。ダイエットだけが目的であればストイックにならず、頑張りすぎないことです。目標を決め、標準体重まで減量したところで、糖質制限を少々ゆるめ、その体重をキープしていきましょう。自分の体調に合わせて賢明に判断し、柔軟性のある対処が望ましいと思います。ここでよく認識しておいていただきたいのは、個人差はあっても日本人は総体的に糖質過多の食生活をしているという現実です。糖質の摂り過ぎは身体に負担をかけ、老化の元凶でもあると坪田教授は述べておられます。肥満しているという現況は、老化を進める糖質過多の食習慣が、その素因になっています。「身体の処理能力を超えた、大量の糖質を摂り続けていると、処理しきれない糖は体内のさまざまなタンパク質とくっついて〝糖化最終産物〟という物質に変化し、これにまとわりつかれた組織は本来の機能を失っていく。この現象が糖化であり、肌でこの現象が起これば深いシワ、脳では認知機能の低下、血管では動脈硬化といった、身体中で機能低下や老化が進む」と、坪田教授は警告していらっしゃいます。現在、日本人で増えている乳ガン、大腸ガンも、甘いお菓子、糖質の多い飲料の摂取量が多いほど発症のリスクが高く、高血糖、高インスリンはリスク要因とされているそうです。高糖質の食品を控え、糖尿病の方は血糖値を下げることが、いかに重要であるかを、理解していただけると思います。食品の中には多少なりとも糖質を含む食材が多いのですが、特に多量に含むものは、記憶しておきましょう。高糖質の食品は基本的に控えることで、糖尿病の方は血糖値を下げ、肥満症の方は減量することができます。次に主なものを示しておきます。控えるべき食品【主食】白米のご飯茶碗一杯(糖質55・2g)白い食パン6枚切り一枚(糖質26・6g) ナン一枚(糖質36・5g)レーズンパン一個(糖質29・3g)うどん一玉(糖質41・6g) 中華麺一玉(糖質41・9g) そば一玉(糖質36・0g)スパゲティ一食分(糖質55・6g) そうめん一束(糖質35・1g)ビーフン一食分(糖質35・1g)【いも類】さつまいも1/3~1/4個(糖質17・5g)ジャガイモ1/3個(糖質9・8g)里いも中一個(糖質5・4g)くずきり鍋物一食分(糖質13・0g) 春雨一食分(糖質8・3g)【根菜類】西洋カボチャ5cm角一個(糖質8・6g)ごぼう1/3本(糖質4・9g)くわい一個(糖質4・8g)トウモロコシ1/2本(糖質11・0g)レンコン一食分(糖質4・1g)【乳製品】牛乳一本200g(糖質9・6g) 低脂肪乳一パック(糖質11・0g)【調味料】麺つゆストレート一食分(糖質8・7g)甘味噌大さじ一(糖質5・8g)
カレールウ一食分(糖質10・3g)ハヤシルウ一食分(糖質11・3g)酒かす一食分(糖質3・7g)みりん小さじ一(糖質2・6g)ウスターソース、中濃ソース小さじ一(糖質1・6~1・8g)摂取量を少なくする。ノンオイル和風ドレッシング大さじ一(糖質2・4g)【酒類】醸造酒は糖質が多く含まれているので控える。日本酒一合(糖質8・1g)ビール一缶350ml(糖質10・9g)発泡酒一缶350ml(糖質12・7g)梅酒グラス一杯(糖質6・2g)ブドウ酒ロゼワイングラス一杯(糖質4・0g)【練り製品】さつまあげ1/2個(糖質5・6g)魚肉ソーセージ1/2本(糖質5・0g)はんぺん1/4枚(糖質2・9g)焼きちくわ1/4本(糖質2・7g)摂取してもいい食品【主食】玄米ご飯一日一食、小さいお茶碗に軽く1杯。血糖値が正常値になり、標準体重にまで減量した方、玄米は糖質51・3gと高いのですが、白米ほど急に血糖値を上げません。低糖質のパン(京都高雄倶楽部の製品)一個(糖質3・7g)大豆パスタ一袋の内容量(100g)の1/2(50g)を一食分とする場合(糖質約8g)十割そばは血糖値を急に上昇させない。【野菜類】控えたい食品で示したいも類、根菜類以外は可。一日350~450gを摂ること。ニンニクの芽、赤ピーマンは少量に。【大豆製品・豆腐】厚揚げ、油揚げ、おから、納豆他、大豆製品は毎日調理してしっかり摂る。牛乳の代わりに無調整豆乳にする。【ナッツ類】アーモンド(フライ、味付き)35粒で(糖質5・2g)、カシューナッツ(フライ、味付き)20粒で(糖質6・0g)、大量に食べ過ぎないように気をつける。ナッツ類は間食にお勧め。【きのこ類、海藻類】糖質の低い食品。積極的に摂取する。【肉・魚類】フランクフルトは一本(糖質3・1g)。これだけは大量に摂らない。他の肉、魚類は低糖質で、必要な栄養素、タンパク質を多く含む。【卵類】すべて可。【調味料】濃口醤油、薄口醤油、トマトピューレ、トマトペースト、ケチャップ小さじ2杯まで。フレンチドレッシング、マヨネーズ、りんご酢、黒酢も可。【酒類】糖質を含まない蒸留酒がお勧め。焼酎、ウイスキー、ブランデー、ウオツカは糖質0g。最近は糖質0gのビール、日本酒が市販されています。糖質ゼロまたは0・4gのものに代えてください。辛口の赤ワインならOKです。清涼飲料の中にも糖質ゼロの商品が、スーパー、コンビニエンス・ストアで販売されています。【乳製品】生クリーム1/2パック(糖質3・1g)無糖ヨーグルト一食分(糖質4・9g)プロセスチーズ角厚さ1cm(糖質0・3g)カマンベールチーズ一切れ(糖質0・2g)クリームチーズ一切れ(糖質0・5g)生クリームはコーヒー、紅茶に入れてもよく、チーズ類は間食、料理に使っても可。バターも可。【甘味料】白砂糖はすべて処分し、完全カットする。代わりにラカントS、またはパルスイートを使う。スーパー、コンビニエンス・ストアで購入できる。甘味料は要注意!砂糖は、糖質の塊のようなものです。白砂糖、黒糖、はちみつ、メープルシロップなどは控えなくてはいけません。特に白砂糖のように精製された食材は、白米などとともに習慣性が強く、「麻薬のようなもの」といわれます。例えば白砂糖を沢山使ったお菓子を食べていると、それが習慣となり、脳が欲求するようになり、毎日お菓子などのスイーツを食べずにはいられなくなるのです。麻薬依存症・アルコール依存症と同じです。これは糖質回路を断ち切ることが必要です。家庭に常備されている砂糖は、すべて捨てましょう。コーヒー、紅茶に入れる甘味料は「ラカントS」ならティースプーンに1杯、「パルスイートカロリーゼロ」であれば小袋のもの1~2袋で、充分甘みがあります。自分で作るケーキや豆乳プリンなどにも、「ラカントS」の甘味料を入れれば美味しくできます。また料理も〝すき焼き〟など甘みの必要なメニュー以外は、甘味料を入れず、塩分、醤油も少なめにし、濃い味付けにならないようにしましょう。甘辛く濃い味のお惣菜は、ご飯を摂ってしまうことになります。カツオ節、昆布をたっぷり入れてだしを取り、素材を活かした薄味を心掛けましょう。自然の食材の恵みを大切にして、自然のままに、化学調味料など一切使わずいただきたいものです。市販されている調味料の種類は、年々増えていますが、中には糖質・塩分を多く含む製品もあります。成分表示をよくチェックして購入なさってください。砂糖に代わる甘味料として開発された多くが人工甘味料です。糖アルコールのエリスリトールが主成分で合成甘味料の中の一つ、アスパルテームが少量含まれているのが「パルスイートカロリーゼロ」という製品です。これはカロリーゼロであり、血糖値を上げないため、糖尿病の方が使ってもよく、ダイエットにも良いとされています。ただし、合成甘味料の一日あたりの摂取量は少量にし、大量摂取をしないように気をつけましょう。「合成甘味料よりも安全性が高いとされているのが糖アルコールです」と、先生は言っておられます。これは天然素材を原料としていて、WHO(世界保健機関)では、極めて安全性の高いものとして認めているそうです。糖アルコールの中で血糖値をほとんど上昇させないのが、エリスリトールであり、カロリーゼロです。羅漢果という果実のエキスから甘味成分を取り出し、天然由来の甘味物質エリスリトールと組み合わせた食品が「ラカントS」です。糖尿病の方、ダイエットをなさる方にもお勧めできます。ティースプーン1杯の量で、コーヒー、紅茶の甘味料として充分です。スーパー、コンビニなどで市販されています。糖質を多量に含む食材は気をつけて控えるべき食材には、糖質が多量に含まれています。日本人が主食として毎日摂っている、白米のご飯、パン、麺類は特に糖質が多く、でんぷん質であるいも類などの根菜類、また醸造酒も糖質を多量に含んでいます。これを見てもおわかりいただけると思いますが、日本人は一日3食、糖質の多い主食を摂り、間食にお砂糖のたっぷり入ったお菓子類、高糖質のおかき、おせんべいなどを食べ、夜は糖質の多い日本酒、ビールを飲むという方も非常に多いといえます。朝から晩まで糖質漬けと言っても過言ではありません。日本人は糖質過多の食事になっているわけです。「糖質過多は万病のもと」と、医師も警告しておられます。糖質過多は老化を早め、諸病発症の原因になるからです。糖尿病に高脂血症、高血圧が合併すると動脈硬化を促進させ、心臓病、脳卒中が起こりやすくなり、動脈硬化疾患で4人に1人が死亡するといった現状です。また肥満症は糖尿病を発症するリスクが高いのです。糖尿病の方は、糖質の多い食材を控え、血糖値を正常値にまで下げ、血糖値をコントロールしておかなくてはいけません。長年、血糖値の高い状態が続くと、恐ろしい3大合併症のいずれかが引き起こされるからです。合併症は、末梢の細い血管が、高血糖によって障害を受けて起こります。糖尿病性神経障害―末梢神経が侵されて、知覚神経がマヒし、壊死を起こすと、最悪の場合は切断が必要となる。糖尿病性網膜症―目の細かい血管が詰まり、視力障害に陥る。年間約3000人がこの合併症によって失明している。糖尿病性腎症―腎機能が低下し、腎不全となり、さらに悪化すると人工透析が必要となる。糖尿病の合併症による人工透析の患者数は、年間に約1万6000人といわれる。右に加えて第4の合併症ともいわれているのが、大血管障害―太い血管が動脈硬化を起こし、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症を発症するリスクが高くなる。糖尿病の約半数の方が、高血圧を合併していて、血糖値と血圧の両方をコントロールできれば、心筋梗塞は減るともいわれます。その他、糖尿病はガン、認知症になるリスクも高めるといわれています。血糖値を上昇させるのは糖質だけであり、カロリー、脂肪は食後の血糖値を急上昇させるものではありません。日本人のように糖質の過剰摂取が糖尿病を増加させ、肥満症をも増やしているのです。糖質を制限した食事に変えていくことによって、必ず血糖値は改善されますし、肥満も解消されていくでしょう。35歳で糖尿病を発症した男性E氏、治療を行わず放置した結果、60歳を過ぎる頃から、次々と合併症が起こりました。心筋梗塞で倒れた翌年、右足を切断。足が腐ると毒素が身体に回るため、切断しなければならないのです。右足切断の翌年、左目を眼底出血で失明し、その2年後に左足を切断。車椅子での入院生活が続き、73歳で亡くなられたそうです。糖尿病の場合、初期の時点では自覚症状がないため、積極的に治療に取り組まない患者も少なくないといわれます。「治療をしなければ、重い合併症になる危険性が高い」「胆のうガン、膵臓ガン、肝臓ガンに罹るリスクも、一般人の3倍にのぼる」と、糖尿病専門医でクリニックを開業している院長は警告しておられます。多重ガンなどの合併症を起こして死亡する例も見られます。また「血糖値は高いですが、好きな食べものは止められません」と言う方が時折おられます。これは糖尿病という病気に対する理解と、認識不足のためでしょう。合併症の進行は、糖尿病予備軍の段階から始まるともいわれ、重篤な病気を発症する要因となる糖尿病の血糖値を下げるためには、糖質を制限した食事法が、唯一、多くの危険因子から身体を守る方法なのです。そして糖尿病など生活習慣病を発症するリスクを抱えている肥満症の方もまた、「糖質制限ダイエット」を続けることで、健康な身体を持続させていただきたいと思います。Part 4 アウトをセーフにする食事の摂り方毎朝、グラス1杯の水を飲みましょう。朝5時から9時までは、東洋医学では胃と大腸を養う時間、この間に空腹状態で水を飲むと、胃腸を活性化し宿便の排出を助けるといわれています。午後3時から5時は膀胱を保護する時間で、水分を摂ると尿からの老廃物排出に効果があるそうです。便秘が解消されると新陳代謝がよくなって、脂肪が燃えやすくなりダイエット効果が高まります。そして、食事の30分前にグラス1杯の水を飲むと、食べ過ぎの防止になります。しかし、食事中に水やお茶で食物を流し込むのはいけません。噛む回数が減り、食後の血糖値が上昇するからです。よく噛んで、ゆっくり食事を摂る人は、食後血糖値が低いという臨床試験データもあるといわれます。一日に飲む水の量は約2lを目安にしましょう。水を基本とし、紅茶、コーヒー、お茶もその中に含まれます。「糖質制限食」を実践している時は、特に水分の補給をしましょう。ただし、飲み過ぎには気をつけてください。冷たい水は胃腸を刺激するので、日中はできれば少し温めて、ゆっくり飲むことをお勧めします。レモンの薄切りを1枚入れて飲むのもいいと思います。一食の肉摂取量60~100g+ビタミンCを多く含む野菜を摂る「糖質制限食」を継続していく場合、その食事が美味しくなければ、長続きしません。あれもダメ、これもダメと、あまりストイックになり過ぎず、臨機応変、アイデアと工夫で、ご自分に合ったメニューをお考えになってください。野菜類――控えるべき食品のところで示しましたように、糖質の多い根菜類、いも類は避けましょう。ニンジンはやや糖質のある食材ですから1/2本程度を使いましょう。ニンジンにはカロテンが含まれ、βカロテンは万病のもととされる活性酸素を除去し、免疫力を増強し、感染症やガンを予防します。ニンジンを食べている人は、肺ガンの発生率が半分になるという研究報告もあるのです。玉ネギは中1個(200g)で糖質量は7・2gです。一食の使用量を1/2個(100g)にしましょう。玉ネギは、Cを多く含み、血管をしなやかに、かつ丈夫にして、脳血栓、心筋梗塞、高血圧の予防、改善になります。また含有成分としてのグルコキニンは血糖降下作用を有しています。玉ネギ1/2をタテ切りにすると血糖値を下げる効果が高く、20分以上空気にさらすと、血液をサラサラにする効果が高まる、のです。水に入れると有効成分が出てしまいますのでご注意を。スライス玉ネギを野菜サラダに加えて、毎日でも摂りましょう。さらに、玉ネギをスライスし、ザルに入れ、塩をほんの少しふって20分ほど置き、塩を洗い流して広口ビンに移し、お酢を入れて冷蔵庫に3日ほど置けば酢玉ネギができます。これを毎日、小皿1杯分を食べると、高血圧が改善し、血糖値も下降するといわれています。生活習慣病や、脂肪太りも改善されるでしょう。トマトの赤色の色素はリコピンで、免疫力を強化し、血液を浄化し、脂肪の消化を助けます。トマト中1個の糖質は5・6g。一食あたり1/2個にしましょう。肉料理の付け合わせ、オムレツの中に入れてもよく、野菜サラダに加えるのもOKです。緑色の野菜は糖質が低く、ホウレン草などは、βカロテン、ビタミンB群、C、E、K、鉄、カルシウム他、ミネラルを充分に含む超健康食材です。さらにアミノ酸を含むのでタンパク源となります。肥満を解消するためにも、野菜は一日350~450g、毎食しっかりと摂りましょう。大豆製品類――大豆以外の豆類は糖質が多いと思ってください。スーパーなどで市販されている煮豆には砂糖が使われていますから、控えましょう。豆腐、厚揚げ、薄揚げ、がんもどき、高野豆腐、納豆、ゆば、おからなどは低糖質で、大いに摂ってよい食材です。豆腐は栄養学的にも非常にすぐれた植物性タンパク質を含んでいます。そして高脂血症を予防する不飽和脂肪酸、脳の働きを良くする大豆レシチン、カルシウム、カリウム、亜鉛、鉄などのミネラル、ビタミン、Eをバランス良く含む、超健康食品です。ダイエットには身体を冷やさないことも大事ですから、湯豆 、腐や肉豆腐にしたり、鍋物、お味噌汁に入れるのも良いでしょう。ご飯の代わりに絹ごし豆腐をお皿に入れて、レンジで温めてくずしてから、ルウを使わないカレーを上にかける食べ方で15kgの減量に成功した方もいらっしゃいます。木綿豆腐であれば水切りし、オリーブオイルにバターを少々加えて、お豆腐をくずしながら炒め、そこにビーフカレー、またはシーフードカレーをたっぷりかけていただききます。ご飯のカレーライスと同じような味わいになり、カレー大好きな方にはお勧めです。糖質の多いすし飯の代わりに、木綿豆腐を水切りして一口大に切り、半分に切った大葉、お刺身、イクラ、納豆、薄切りしたキュウリ、薄焼き卵などを1個ずつ載せ、のりで巻いてワサビ醤油でいただくのも、美味しいものです。お豆腐は和風、洋風、中華といろいろなお料理にバリエーションを広げて活用できますから、健康食品として、主食の代わりに毎日でも召し上がってください。厚揚げは、糖質の高いペンネ、マカロニの代わりとして、ブロッコリー、ゆで卵、とろけるチーズとともにグラタンを作ることもできます。主食代わりに使いましょう。納豆には、強肝作用や抗脂血作用のあるビタミンが多く含まれ、血栓を溶かすのに役立つナットウキナーゼも含んでいます。納豆1パック(約100g)を摂ると、約1000億個の納豆菌が腸の中に入り、腸内の悪玉菌を殺し、発ガン物質の発生を抑えてくれるのです。納豆には多くの栄養素が含まれていますが、不足しているビタミンA、Cを豊富に含む大根おろし、ネギ、シソなどと一緒に摂ると、栄養的にもより良い食物になります。納豆入りのオムレツ、納豆ときざんだネギ、ショウガを載せた冷奴、納豆の天ぷらなどもお勧めです。乳製品類――乳製品の中で糖質の多いものは、牛乳と低脂肪乳です。牛乳の代わりとして無調整豆乳を摂りましょう。生クリーム、チーズ類はすべてOK。ヨーグルトは一食分4・9gの糖質があり、一日一食に。生クリームは野菜のクリーム煮、家で作るケーキなどにも大いに利用できます。チーズは間食に良いですし、ナッツとチーズはおかきなどの代わりとしてワインや糖質ゼロのビールのおつまみにもなります。キノコ類――エリンギとえのき茸はやや糖質がありますが、エリンギ一食分2本、えのき茸1/2束ならOK。しいたけ、しめじ、なめこ、マッシュルームなど、キノコ類は容量が多く満腹感が得られ、かつ低カロリーで糖質も少なめであり、すぐれたダイエット食品です。また食物繊維が40%も含まれ、腸内の老廃物、発ガン物質を排泄し、血液をきれいにしてくれるのです。抗ガン食品としても良質の食材といえるでしょう。海藻類――わかめ、ひじき、もずく、ところてん、昆布(煮物一食分)約3gは低糖質です。味つけのり、とろろ昆布は少量にしましょう。海藻の脂質はEPAなど魚介類に含まれる不飽和脂肪酸から成り、降圧、抗コレステロール、抗血栓などの作用があります。また、脂肪、糖、発ガン物質の除去、排泄作用もあります。ビタミンはA、B群、C、Eなど野菜の含有量よりずっと多く、のりにはも含まれています。わかめは酢の物、鍋物、お味噌汁の具としても日常的に使えますし、ところてんはカラシを少々入れ、酢醤油で摂れば間食にもなるでしょう。ダイエットには、いろいろな彩りのある食材を少量ずつでも、多種類摂ることをお勧めします。これを、「レ、インボーダイエット」と私は名付けています。肉類――牛肉100g(糖質0・2g)、豚肉100g(糖質0・2g)、鶏肉100g(糖質0g)、マトン100g(糖質0・1g)、卵1個(糖質0・3g)。肉類は糖質の低い食材であり、優良食品です。卵は一日1~2個は摂ってもOKです。牛肉は必須アミノ酸を充分に含む良質のタンパク源で、ビタミン、鉄分を多く含み、体を温める作用が強いため、体力を回復させます。豚肉はシチュー、ステーキなど洋風に、酢豚、焼きそばなど中華風、トンカツ、ショウガ焼き、豚汁など和風にと、いろいろなお料理に使えます。鶏肉は100g中タンパク質が24g、脂肪が0・7gと低脂肪食で、ビタミンAは牛、豚肉の10倍含まれていて、ダイエットには良い食材です。タンパク質は血液や筋肉に栄養を与え、人間が生きていくうえで欠くことのできない栄養素です。例えば髪、爪、皮膚、筋肉、体内の臓器諸器官、血液、骨、ホルモン、神経、免疫抗体など、すべてタンパク質でできています。ここで気をつけておきたいことは、肉などの動物性タンパク質には動物性脂肪が含まれています。一度での肉の多量摂取をセーブし、一食あたり赤身肉60~100g程度にしましょう。同時にビタミンCを多く含む、カブ、シソ、セロリ、大根、キュウリ、キャベツ、ナス、ピーマン、ホウレン草などを摂ることをお勧めします。コラーゲンをはじめ、体内の各臓器のタンパク質を作るためには、ビタミンCが不可欠なのです。糖質過多の食事、動物性脂肪の摂り過ぎは、血液中に悪玉コレステロールが増え、血管内に沈着して動脈硬化を起こしやすいのです。老化現象、心臓病、糖尿病、高血圧、肥満症になるといった、デメリットの部分があることを認識しておく必要があります。毎日夕食に焼肉を多量に食し、ビールを大量に飲んでいた方が痛風を発症し、足の痛みで歩けなくなって入院といった実例もありますから、脂質過多の食事にならないよう、いろいろな彩りの食材をバランス良く摂るようにしましょう。魚類――魚類、肉類のタンパク質含有量は、ほぼ同じくらいです。どちらも同じ動物性タンパク質ですが、脂肪の性質が異なり、肉類の脂は常温で固まります。これは飽和脂肪酸が多くコレステロールを増やす働きをします。反対に魚脂は液体で溶けやすく、不飽和脂肪酸が主成分であり、そのなかでも、リノール酸、リノレン酸はコレステロールを低下させる作用があります。アジはEPA、DHAなど不飽和脂肪酸を多く含み、動脈硬化、脳血栓、視力低下、肝臓病の治療にも有効です。糖質は1尾0・1gと低く、焼き魚にしてレモン汁をかけ、大根おろしを一緒に摂るのがお勧め。イワシは1尾の糖質が0・2g。血栓を防ぐEPA、脳の働きを高めるDHAなどの不飽和脂肪酸の他、カルシウムが多く、健康増進、老化予防の効果の高い食材です。ビタミンA、、D、Eや鉄分、アミノ酸のバランスの良いタンパク質も多く含み、栄養素の宝庫といえる食材です。天ぷらやフライにしますが、衣は大豆粉に少々薄力粉を混ぜ合わせ、糖質が多くならないように工夫して摂取してください。カツオは刺身5切れで糖質0・1g。脂肪の含有量が少なく、中性脂肪やコレステロールを低下させるEPA、DHAを含みます。脂の乗り切った秋のカツオが一番美味しく、たたき、照り焼き、煮魚にしてもよいでしょう。サケ一切れの糖質は0・1g。「サーモン・ダイエット」という言葉があるぐらいダイエット向きな食材です。これは牛肉や豚肉の代わりにサケを食べて減量しようというものです。サーモン・ピンクというだけあり、その肉は赤く、体を温め、引き締めてくれます。身体の冷えはダイエットによくありません。サケは冷え性、貧血、肥満の方にとって良好な食材です。EPA、DHAが多く、タンパク質の吸収を良くするビタミンも含まれています。焼いたり、揚げ物にしたりと、大いに使っていただきたい食材といえます。その他、練りウニの糖質がやや多めですが、一度に多量に摂るものではありません。魚類は全体的に糖質が低く、なおかつタンパク質を含み、動脈硬化や血栓を予防するEPA、脳の働きを良くするDHAを多く含む栄養食品として積極的に摂っていただきたいと思います。果物類――果物には果糖が含まれていますから、少量に抑えましょう。スーパー、コンビニで市販されている果物ジュース、野菜ジュースは糖質が多くNGです。その代わりとして、野菜に果物を少し加え、自家製のジュースを作りましょう。ブロッコリー、ホウレン草、セロリの葉などをきざみ、ニンジン1/4本、バナナ1/4本またはオレンジ1/4個、リンゴ1/4個などに豆乳を加え、ミキサーにかけて摂っていただくのもいいと思います。トマトジュースはOKです。特に糖質の多いのはパイナップル1/6個(糖質21・4g)、バナナ1本(糖質21・4g)、スイカ1/16個(糖質16・6g)、柿1/2個(14・3g)、キウイフルーツ1個(13・2g)、グレープフルーツ1/2個(14・4g)、桃1個(15・1g)です。バナナは果糖の多い果物ですが、フルーツサラダにレタス、スライス玉ネギなどと混ぜ合わせ、1/4本程度を加えると味がまろやかになり美味しくいただけます。アボカド1/2個で糖質0・7gと低糖で、タンパク質、ビタミンB群、C、A、E、食物繊維などを含有し、、ています。湿潤作用があり、肌のかさつきを防ぎ、髪のツヤを良くしてくれます。サラダやグラタンにも使えますし、木綿豆腐と一緒にのりで巻いて、ワサビ醤油でいただくのもいいでしょう。イチゴ5粒で糖質5・3g。ビタミンC、鉄分を含み皮膚を美しくしてくれます。ペクチンの含有量も多く、悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを増やし、動脈硬化、高血圧の予防、改善に役立ちます。一度に5~7粒程度、生クリームかヨーグルトを少々かけ、ラカントSをティースプーンに1杯ほどを混ぜて、デザートにしてください。グレープフルーツにはホワイトとルビーがありますが、ルビーのほうがβカロテンの含有量が多く、体内の活性酸素を除去する力が強く、ガン予防になり、ビタミンCも多く、脳卒中や、心臓病の予防になります。1/4個程度ならOKです。バナナにはビタミン、C、カルシウム、カリウムなどのミネラルもバランス良く含まれています。特に塩分を排泄して血圧を下げるカリウムを大量に含んでいます。ブドウ1/2房で糖質6・8gです。ビタミン、C、Eを多く含み、鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウム他のミネラルも多く含まれ、栄養成分としてすぐれています。オーストリア、北イタリア、ドイツなどの自然療法病院ではブドウ療法が行われ、肥満、高血圧、心臓病、痛風、呼吸器病、腎臓病に効用があるといわれています。果物には果糖があるという理由ですべてカットするのではなく、食物の効用をよく知ったうえで、適量を摂るようにしましょう。お菓子類――女性にとってお菓子などスイーツを制限するのは、辛いことであろうと思います。ただし、糖質制限食を継続していると、次第に甘い物が欲しくなくなると皆さんおっしゃいます。糖質回路が断ち切られていくからでしょう。スーパーやコンビニで洋菓子や和菓子を買わないようにしましょう。チーズケーキは、クリームチーズや、生クリーム、ラカントSを使って自分で作ることができますし、豆乳120ccに生クリーム、卵2個、ラカントSを加えて、豆乳プリンも作れます。近年、スーパーで糖質ゼロのチョコレートを販売している所もあり、「京都高雄俱楽部(糖質制限ドットコム)」では、血糖値を上昇させないパン、スイーツ、調味料などの食品を開発、販売しています。例えば低糖質のシナモンパン、メロンパン、糖質制限パン、砂糖不使用のオレンジマーマレード、ブルーベリーなどのラカントジャム、ラカントの飴、和菓子、チョコレートケーキ、パウンドケーキ、糖質ゼロのアイスクリーム、大豆クッキーなどを注文すれば宅配便で送ってくれます。なお「シャトレーゼ」では糖質を大幅にカットしたスイーツが販売されています。ショートケーキ1個(糖質、、、5・0g)、プリン1個(糖質2・0g)、アイスクリーム(糖質6・2g)などもおすすめです。特に糖尿病の方は、血糖値を上げないように低く抑えなくてはいけません。肥満症の方も糖質の多い食物を摂っていると習慣になり、諸病発症のリスクが高くなります。「糖質制限食」を挫折することなく続けることで必ず効果は出てきます。長く継続していくためには、ストイックになり過ぎず、時には低糖質のスイーツなどを楽しむことで、無理のない実践が続けられることでしょう。Part 5 私の家での「糖質制限食」――実例 一週間のメニュー、私ともに原稿を執筆する仕事です。私の方は午前中、家の中の諸事に追われて2階の書斎と階下のリビングを数十回往復することになります。には仕事関係の電話、ファックス、メールが入り、午前中から仕事に取り掛かりますから、我が家では基本的に朝食を摂りません。二人とも一日中デスクワークであるため、一日3食では過食になります。朝はマグカップにコーヒーを1杯、生クリームとラカントSをティースプーンに1杯を入れたもの。または、ショウガ入り紅茶。そして常備の野菜、セロリの葉の部分、ブロッコリーかホウレン草、小松菜、ニンジン1/3本、リンゴ1/4個、グレープフルーツ1/4個かバナナ1/3本をを成分無調整の豆乳とともにミキサーにかけた野菜ジュース1杯。またはトマトジュースをグラスに1杯、朝に摂ります。【朝食】朝食を召しあがるご家庭も大変多いと思われます。出勤前の忙しい時間、あまり時間がかからず、簡単に作れる献立をパターン化しておくといいでしょう。毎日の朝食に違ったメニューを作るのは、多種類の食材を用意しておかなくてはならず、費用もかかりますし、手間ひまがかかります。ホテルに宿泊した場合は、その時だけ私はアメリカンスタイルのブレックファーストを摂ります。このスタイルと同じように、ジュースまたはコーヒーか紅茶。野菜サラダ。糖質ゼロのハムかベーコンを使ってハムエッグ、ベーコンエッグにする。またはチーズオムレツ(卵2個使用)。野菜サラダはレタス、サニーレタス、トマト、キュウリ、カイワレ大根などを一口大に切り、糖質ゼロのドレッシングかマヨネーズをかけ、塩、ブラックペッパーを少々振りかける。パンの欲しい方は低糖質のパン6枚切りを1枚、またはふすまパン小1個。ラップに包んでレンジで温めるか、トーストにし、バター、低糖質のラカントジャムを塗っていただくのもいいでしょう。日替わりで時には、前日に野菜スープを作っておき朝食の一品に加える。特に寒い冬の季節、ニンニクをきざみ、玉ネギをスライスし、コンソメスープの素で煮立たせたオニオンスープは、身体を温めてくれます。【昼食1日目】1ミックスサンドイッチ 低糖質のパン6枚切りを2枚、両方にバター、マスタードを塗り、レタス、薄切りチーズ、糖質ゼロのハム、薄焼き卵、スライスしたトマト、キュウリ、玉ネギなどに塩、コショウ少々を振り、パンに挟む。またある時はオープンサンドイッチ 黒パンあるいは低糖質の6枚切りのパンを2枚、細切りのキャベツをオリーブオイルで炒め、塩コショウしマヨネーズで混ぜる。糖質ゼロのハム2枚。スクランブルエッグ、サニーレタス、くし形に切ったトマト、スライスした玉ネギ、カマンベールチーズ、プロセスチーズなどを大皿に盛り合わせ、パンと一緒にいただく。日によって食材を変えれば飽きない一品となります(レインボーダイエットとしてお勧め)。2バターソテー ホウレン草にちりめんじゃこを少々加え、バターでソテーしたもの。3野菜サラダ アボカド、レタス、トマト1/4個、スライスチーズをマヨネーズで和えた野菜サラダ。4ミルクティー1杯 生クリーム入りのミルクティー。【夕食一日目】1サケ、イワシの一口フライ(魚料理) サケ、イワシは一口大に切り、塩、コショウを振り、大葉で挟む。大豆粉と薄力粉を混ぜ合わせ、水で溶き両面につけ、溶き卵、糖質制限パン粉をつけて、オリーブオイルで揚げる。シシトウ5~8本を素揚げにする。レタス、サニーレタスを添え、タルタルソースでいただく。2ホワイトアスパラガスのマヨネーズがけ 缶詰ホワイトアスパラガス5本に、マヨネーズをかける。3豆腐のミョウガ、水菜添え 絹ごし豆腐1丁を1/6に切り、お皿に載せ、ミョウガは細切り、水菜は約3cmの長さに切り、ラップをかけてレンジで温め、豆味噌をつけたお豆腐と一緒にいただく。【昼食二日目】1しらたきそうめん(和食の麺類) 冬はにゅうめん、夏は冷やしそうめんにする。糖質の多いそうめんは1/2束(1人分)、しらたき100g、細く切ったレタス2枚程度を茹で、ザルに上げ冷水でさっと洗う。だし汁に山菜、しめじ、エリンギの薄切り、薄揚げを入れて煮込み、ザルに上げておいたそうめん、しらたき、レタスを加えてひと煮立ち。器に盛り、きざみネギ、すりゴマ、削り節、七味唐辛子をかける。冷やしそうめんの場合は、冷水にとり、ガラスの器に盛る。トマトは小さめに切り、糖質ゼロのハム、キュウリは細切り、きざみネギ、すりおろしショウガを薬味にして、自家製の麺つゆでいただく。2春菊のおひたし3自家製チーズケーキ1個。ハーブティー1杯【夕食二日目】1豆腐入りハンバーグ(肉料理) 牛ひき肉約100g(1人分)、水切りした木綿豆腐1丁を混ぜ合わせ塩、コショウする。薄切りにしたマッシュルーム、きざんだ玉ネギをオリーブオイルで炒め、ひき肉、木綿豆腐、卵1個と一緒によく練り合わせる。フライパンにオリーブオイル、バターを熱し、小さめに丸く形を整えたハンバーグの両面を焼く。糖質制限ケチャップ、糖質制限ソースを1対1の割合で混ぜ、ハンバーグにかける。2茹で卵と野菜のサラダ 茹で卵1個、サニーレタス1/2個、トマト1/2個、クレソン少々、キュウリ、セロリを薄切りにして、糖質ゼロのドレッシングをかけていただく。3わかめと大根、青ネギ、薄揚げのお味噌汁【昼食三日目】1薄揚げのピザ 糖質の多いピザ生地の代わりに、薄揚げを使います。洋風に仕立てる時は、薄揚げ1枚にとろけるチーズをたっぷり載せ、細切りのピーマン、スライス玉ネギ、くし形に切ったトマト4切れを載せ、塩、黒コショウ少々を振り、とろけるチーズを上にかける。和風の場合は、薄揚げにとろけるチーズを載せ、しらす、桜エビ、きざみ青ネギを載せ、とろけるチーズを上にかける。2枚をオーブンで約10分、チーズが溶けてくれば出来上がり。(1人分)2焼きリンゴ 1/2個分を添える。3わかめと野菜のサラダ 水で戻したわかめを細くカットし、スライスしたキュウリ、きざんだ水菜、プチトマト2~3個、茹で卵1個、一口大のレタスなどに塩少々、黒コショウを振り、糖質ゼロのドレッシングをかけていただく。【夕食三日目】1サンマのグリル焼き(和食の魚料理) サンマ1尾に塩少々を振り、魚焼きグリルで焼く。すだち1/2個を絞ってかける。大根おろしをたっぷり作り、なめこを加えて混ぜ、醤油少々をかけ、焼魚とともに摂る。2湯豆腐 絹ごし豆腐1丁の湯豆腐を、自家製のつけ汁でいただく。(主食の代わりとなる)。3焼きナス ナス2本をグリルで焼き、すりおろしショウガ、カツオ節をかけていただく。【昼食四】1大豆パスタのスパゲティ(イタリアンの麺類) 糖質の多い市販のパスタの代わりに大豆パスタを使う。1袋50gの糖質約8g。1人分であれば25gでも可。量は個人の1食分に合わせる。たっぷりのお湯で大豆パスタを茹で、ザルに上げる。フライパンにオリーブオイルを引き、赤唐辛子1本、きざみニンニク、一口大の糖質ゼロのベーコンを炒める。白ワイン大さじ1を振りかける。バターを入れ、玉ネギ1/2個の縦細切り、キャベツの細切り、マッシュルームのスライスを加えて炒め、茹でた大豆パスタを入れて、塩、黒コショウを振り全体を混ぜ合わせて炒める。糖質制限ケチャップで味をととのえ、お皿に盛り、きざみパセリ、パルメザンチーズを振りかける。2卵スープ コンソメのスープにホウレン草少々、溶き卵を入れた卵スープを添える。【夕食四日目】1豚肉のわかめ巻き(肉料理)スライスした豚ロース肉を広げ、塩、コショウを振る。水で戻したわかめを長さ3cmに切り、ショウガは細切り。わかめ、ショウガを豚肉で巻き、楊枝で留める。少量のパン粉を上につける。フライパンにオリーブオイルを引き豚肉を転がして焼く。サニーレタスを置いたお皿に焼き上げた豚肉を載せ、オリーブオイルで焼いた長ネギ(長さ3cm)、生しいたけ、エリンギ、茹でたブロッコリーを添えて、低糖質のポン酢でいただく。2薬味たくさんのおかず豆腐 絹ごし豆腐1丁を1/8に切り、上に納豆、削り節、すりごま、きざみ青ネギ、すりおろしショウガを載せ、濃口醤油を少しかけていただく。3フルーツサラダ アボカド1/2個、リンゴ1/4個、バナナ1/4本をスライス、生クリームとマヨネーズで和え、フルーツサラダに。【昼食五日目】1厚揚げのグラタン 糖質の多いペンネ、マカロニの代わりに厚揚げを使う。厚揚げ1/2枚を1・5cmの一口大に切り、ブロッコリーとともに茹でる。2cm幅に切った糖質ゼロのハム、玉ネギ1/2個は縦切り。スライスしたマッシュルームなどに塩、コショウをして、バターで炒める。耐熱皿にオリーブオイルを少し引き、厚揚げ、炒めた野菜を入れ、周りにブロッコリーを並べ、茹で卵2個を半分に切り、ブロッコリーの間に入れる。生クリーム、マヨネーズ各大さじ4を混ぜ合わせ、上からかけよく混ぜる。全体にとろけるチーズをたっぷりかけ、オーブンでチーズが溶けるまで焼く。このメニューは、ダイエット中の女性にお勧めの一品です。2野菜サラダ レタス、キュウリ、トマト、セロリの野菜サラダにドレッシングをかける。3レモンティー1杯【夕食五日目】1ピーマン、生しいたけのサケ詰め揚げ(魚料理)ボウルにサケ水煮缶1缶90gを入れ、皮を取りのぞいてよくほぐし、すりおろしショウガ、塩、コショウを加えて練り合わせる。ピーマンは縦半分、生しいたけは軸を取り、水溶き片栗粉を薄くつけ、サケを詰めて上から押さえ、パン粉少々を振りかける。オリーブオイルにゴマ油を加えて、具材を揚げ、レタス、サニーレタスを敷いたお皿に盛り、低糖質のケチャップでいただく。2イタリアンサラダ くし形に切ったトマト、モッツァレラチーズ、バジルのカプレーゼに塩、コショウを少々振る。3豆腐ステーキ 水切りした木綿豆腐1丁を1/6に切り、さらに厚さ2cmに切る。オリーブオイルで両面を焼き、溶き卵1個を回しかける。4オニオンスープ【昼食六日目】1チーズオムレツ(卵料理)ボウルに卵3個を溶き、糖質ゼロのハム、みじん切りの玉ネギをバターで炒め、溶き卵に入れ、オカラパウダー大さじ1とスライスチーズを加え、塩、コショウしてよく混ぜ、バターで焼く。形を整えお皿に盛る。2ズッキーニのオリーブオイル焼き ズッキーニを輪切りにし、オリーブオイルで両面を焼く。ラディッシュを添える。3低糖質のシナモンパン1個(バターを塗る)4イチゴの生クリームがけ イチゴ5粒にラカントSティースプーン1・5と生クリームをかけてデザートに。【夕食六日目】1牛肉のコロコロステーキ(肉料理)牛ロース肉100g(1人分)を一口大に切り、塩、コショウをして、薄くパン粉をつけ、オリーブオイル、バターで焼き、低糖質のソース、ケチャップを混ぜたソースをかける。サニーレタスで巻いていただく。2キノコのソテー 生しいたけ、エリンギ、しめじ、マッシュルーム、エノキに塩、コショウ少々し、オリーブオイルで炒める。低糖質のポン酢でいただく。3シーザーサラダ レタス、スライス玉ネギ、キュウリ、トマト、茹で卵1個縦1/4に切り、塩、コショウ少々。シーザーサラダドレッシング(糖質ゼロ)をかける。4ヨーグルトのマーマレードジャム添え ヨーグルトをガラスの器に入れ、低糖質ラカントのマーマレードジャム、ティースプーン2杯を混ぜてデザートに。【昼食七日目】1豆腐ピラフ(豆腐料理)一口大の糖質ゼロのベーコンをカリカリに焼き、みじん切りニンニク、むきエビ、みじん切り玉ネギ1/4個、スライスマッシュルームを炒める。水切りした木綿豆腐1/2丁(1人分)、玄米ご飯茶碗軽く1杯をバターを加えたフライパンに入れ、炒めた具材と炒め合わせ塩、コショウし、醤油少々を回しかける。蓋をして温め、お皿に盛る。2わかめスープ3ヨーグルトゼリー ヨーグルトゼリーにグレープフルーツ1/4切れを添えてデザートに。【夕食七日目】1サバとグリーン野菜のソテー(魚料理)ニンニク、ショウガをみじん切りし、ゴマ油で炒める。3cmに切ったニラ2束、同じ長さに切ったホウレン草適量に塩、コショウして先の具材に加え炒める。サバに塩、コショウを振り、オリーブオイルを熱しソテーして白いりゴマを上にかける。お皿にサバのソテーと、ニラ、ホウレン草を付け合わせ、レモン1/4切れを添える。2カリフラワーのチーズ焼き 茹でたカリフラワー5房、トマト中1個、ナス1本、玉ネギ1/4個、黄ピーマン1/2個、セロリ1/2本。トマト、ナスは一口大に切り、玉ネギと黄ピーマンは縦切り、セロリは斜めにスライス。フライパンにオリーブオイル、バターを熱し、切った野菜を入れ塩、コショウしてよく炒める。野菜が軟らかくなったら弱火にして、パルメザンチーズ大さじ3を振りかけ混ぜ合わせる。最後に細切りのとろけるチーズをたっぷり載せ、チーズが溶けてきたらお皿に盛り、きざみパセリ、パルメザンチーズを少々振りかける。カリフラワーはボリュームがあり主食の代わりになります。3大根の千切りゆずコショウ風味 かいわれ大根は3cmに切り、大根少々の千切りにオレンジ1/4個の皮を取り小さく切り、ゆずコショウ少々、リンゴ酢ティースプーン2杯、ラカントSティースプーン1/2杯を混ぜてかけ器に盛る。4生クリームと卵のスイーツ ホイップした生クリームに卵1個、ラカントS、バニラを少量加えて混ぜ合わせる。器に入れラップをかけ冷蔵庫で冷やし固めたアイスクリームをデザートに。この日のメニューは彩りのある、レインボーダイエット・メニューといえるでしょう。以上1週間のメニューは、「糖質制限食」を2年半継続してきた献立のごく一部です。各ご家庭では、各々のアイデアと工夫で、いろいろなお料理をお作りになることと思います。「糖質制限食」を長く続行していくためには、口に合った美味しさのあるものでなくては続かないでしょう。1週間のうち、魚料理は3~4回、お肉料理は2~3回。一食の脂質が多すぎないように配慮して、タンパク質を摂ることを心がけています。そして彩り豊かな食材をできるだけ多く摂るのも、栄養のバランスとして忘れてはいけないことです。私たちが「糖質制限食」を始めた最初の頃、家庭料理は糖質の多い献立が多く、根本的に食材、調味料を見直さなければなりませんでした。試行錯誤の数か月が過ぎ、なかなか思ったように出来上がらない食材もありました。半年が過ぎる頃から、低糖質の食材を使って、アウトをセーフにするメニューの数を増やし、現在は「糖質制限食」が、むしろ普通のスタンダードな食習慣になっています。その結果、の血糖値は基準値に下がり、メタボリックシンドロームからは解放され、超肥満であった身体は20kgの減量に成功し、今も「糖質制限ダイエット」を実践しております。

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